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第一章 初恋
第七話 オープンキャンパス
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夏休みに入り、まな香と琴美と一緒に夏期講習に行き始めた。母は研究のために、国内でフィールドワークをしていて、夜まで帰ってこないことが多かった。そのため、夏期講習が終わった後だったり休みだったりした日には、母の書斎を借りて、論文を読み進めた。私としては、この上ない充実だった。学校の図書室ではどうしても飲食が禁止だったり、周りの音が気になったりしてどうにも集中しづらかった。それに比べて、母の書斎は地下にあって周りの音は聞こえないし、すぐ隣の部屋に最低限の食料があるため何時間でも、勉強に費やせた。
7月の終わりごろに、オープンキャンパスの日程と夏期講習の休みが重なったため、冬也に連絡して待ち合わせの時間を決めた。地元の大学ではないので、朝早くに行くか前日から行くか話し合い、私の親戚が大学の最寄り駅から駅のところに住んでいたため、そこに一緒に泊まることにした。
オープンキャンパス前日、私と冬也は夕方の電車に乗って大学の最寄り駅まで行った。大学への道を下見して、軽く学校を見て回った。当日は人が多くて普段の学校の雰囲気はつかめないと思った。この大学は、私の母の母校でもあり、それも志望校として選んだ理由でもある。
一回りした後、駅に戻り親戚の家に向かった。母の妹夫婦の家で、昔から1人でもたまに泊まりに来ていた。叔母は、保育士で叔父は高校教師をしていた。冬也のためにもなるかと思って、ここに泊まることにした。案の定、教職のいいところや大変なところを聞いていた。趣味に関しても、思ったより共通点が多いらしく気が合っていた。
次の日、私たちは少し早めに出発し、電車に乗った。予想通り、ほかのオープンキャンパス参加者でかなり道が混んでいた。最初の、模擬講義からサークル紹介を見て、お昼を食べに学食に行った。少し遅くいったもののそれでもかなりの人で混雑していた。お昼ご飯を早めに食べ終わし、次に見学する場所を決めるため、中庭のベンチに座った。
「あのさ、1個聞いていい?勉強会の時はわかんないって言ってたけど今は違うよな?」
「細田君のことだよね?うん。今ははっきりしてる。細田君のことが好き」
「そっか告白しようとかって考えてんの?」
「うん。できれば今度の水族館の時にしようかと思ってるけど」
「そっか。いいと思う。じゃあ、協力してやんないとな」
「ありがとう」
「よし、じゃあ図書館行こう。過去問とかあるみたいだし」
私たちは、図書館で過去問を見たり、図書館においてある本を見て帰ることにした。帰りに駅で、まな香や家族にお土産を買って、7時ごろの電車に乗って帰った。家に着くと、母が先に帰宅していた。
「おう、お帰り。どうだったよ私の母校は」
「よかったよ。冬也も楽しかったって。隆弘さんとも気が合うみたいで連絡先交換してたよ」
「そっか。あんた暇な日ないの?今度実験するから手伝って。半日ぐらいかかるけど」
「いいよ。今度の日曜ならあいてるよ」
次の日曜日、母の実験を手伝ってやっぱり実験にかかわる仕事がしたいと思った。
後日、勉強会のメンバーで水族館に行く日が決まり、前日にまな香の家で服を決める相談をした。もう夏休みも終盤に差し掛かっていた。私は、まな香にオープンキャンパスのことと、母との実験のことを話した。まな香も、私の告白に協力すると言ってくれた。
私の、人生初の告白。一世一代の大勝負ぐらいの気持ちで臨んだ。
7月の終わりごろに、オープンキャンパスの日程と夏期講習の休みが重なったため、冬也に連絡して待ち合わせの時間を決めた。地元の大学ではないので、朝早くに行くか前日から行くか話し合い、私の親戚が大学の最寄り駅から駅のところに住んでいたため、そこに一緒に泊まることにした。
オープンキャンパス前日、私と冬也は夕方の電車に乗って大学の最寄り駅まで行った。大学への道を下見して、軽く学校を見て回った。当日は人が多くて普段の学校の雰囲気はつかめないと思った。この大学は、私の母の母校でもあり、それも志望校として選んだ理由でもある。
一回りした後、駅に戻り親戚の家に向かった。母の妹夫婦の家で、昔から1人でもたまに泊まりに来ていた。叔母は、保育士で叔父は高校教師をしていた。冬也のためにもなるかと思って、ここに泊まることにした。案の定、教職のいいところや大変なところを聞いていた。趣味に関しても、思ったより共通点が多いらしく気が合っていた。
次の日、私たちは少し早めに出発し、電車に乗った。予想通り、ほかのオープンキャンパス参加者でかなり道が混んでいた。最初の、模擬講義からサークル紹介を見て、お昼を食べに学食に行った。少し遅くいったもののそれでもかなりの人で混雑していた。お昼ご飯を早めに食べ終わし、次に見学する場所を決めるため、中庭のベンチに座った。
「あのさ、1個聞いていい?勉強会の時はわかんないって言ってたけど今は違うよな?」
「細田君のことだよね?うん。今ははっきりしてる。細田君のことが好き」
「そっか告白しようとかって考えてんの?」
「うん。できれば今度の水族館の時にしようかと思ってるけど」
「そっか。いいと思う。じゃあ、協力してやんないとな」
「ありがとう」
「よし、じゃあ図書館行こう。過去問とかあるみたいだし」
私たちは、図書館で過去問を見たり、図書館においてある本を見て帰ることにした。帰りに駅で、まな香や家族にお土産を買って、7時ごろの電車に乗って帰った。家に着くと、母が先に帰宅していた。
「おう、お帰り。どうだったよ私の母校は」
「よかったよ。冬也も楽しかったって。隆弘さんとも気が合うみたいで連絡先交換してたよ」
「そっか。あんた暇な日ないの?今度実験するから手伝って。半日ぐらいかかるけど」
「いいよ。今度の日曜ならあいてるよ」
次の日曜日、母の実験を手伝ってやっぱり実験にかかわる仕事がしたいと思った。
後日、勉強会のメンバーで水族館に行く日が決まり、前日にまな香の家で服を決める相談をした。もう夏休みも終盤に差し掛かっていた。私は、まな香にオープンキャンパスのことと、母との実験のことを話した。まな香も、私の告白に協力すると言ってくれた。
私の、人生初の告白。一世一代の大勝負ぐらいの気持ちで臨んだ。
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