掌中の珠のように2

花影

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波紋10

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前話の沙耶の一人エッチを幸嗣目線でのおさらいでスタートw


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 自室で幸嗣が寛いでいると、塚原から義総の帰宅が遅くなる旨の連絡が入ったと伝えられる。久しぶりに3人でディナーを……沙耶が楽しみにしているのを聞いていたので、きっと残念がると思うと幸嗣はため息をついた。
「沙耶には俺から伝えるから。食事の時間は変更なしで」
「かしこまりました」
 幸嗣は通話を切ると、すぐに沙耶の部屋に向かう。しかし扉をノックするが、返事が無い。昼間の学園祭での騒動で発作を起こしかけたのが気にかかり、そっと戸を開けてみると彼女の姿が無かった。だが、倒れている訳ではなく、奥のバスルームから水音が聞こえているので一先ず安心してそのまま立ち去ろうとする。
「……あ……」
 水音に混ざり、沙耶の艶めいた声が聞こえて思わず足が止まる。このまま部屋を出て行くべきなのだが、男の本能が勝ってそのままバスルームに足を向けていた。
「あっ、あっ、あっ……」
 こちらに背を向け、床に膝を付けた格好で沙耶が自らを慰めていた。上気してほんのり色づいた体はシャワーに寄るものだけではないだろう。沙耶が快楽に耽る姿に幸嗣は思わずゴクリと唾を飲みこむ。
「あぁっ」
 達したのだろう。彼女の体がビクリと跳ね、やがて力が抜けて行く。幸嗣は服が濡れるのも構わず、中に踏み込むと彼女を背後から抱きしめていた。
「幸……嗣様……」
 彼の存在にようやく気付いた沙耶はその行為を見られた羞恥から逃げ出そうとするが、思う様に力が入らない。
「ん?俺が欲しくなって自分でしてたのか?」
 沙耶は躊躇いながらも小さく頷いた。幸嗣はクイッと口角を上げると、沙耶を引き寄せて唇を重ねる。
「もっと気持ち良くしてあげるよ」
幸嗣は濡れた服を器用に脱ぎ捨てて沙耶の体を壁に押し付ける。そして彼女の顎に手を添えるともう一度口づけた。
「ん……んふっ……」
 彼女の口の中へ舌を侵入させ、口腔内をひとしきり撫でまわし、舌を絡める。濃厚で激しい口づけに、口の中にたまった唾液が口の端から流れ出る。
「ん……ん……」
 1か月ぶりに抱く沙耶の反応が可愛くてたまらず、幸嗣は夢中で彼女の唇を貪っていた。彼女の顔を自分に向ける為に添えていた手は彼女の耳を擽り首筋を滑り落ちる。その滑らかな肌の感触を楽しむように肩を撫でて二の腕をたどり、先端がとがりきっている胸の膨らみを包み込むように揉み始める。
「ん……あぁ……」
 そこでようやく幸嗣が唇を離し、沙耶は喘ぎながら不足していた酸素を補う。そうしている間に幸嗣は彼女の首筋に強く吸いついて痕を残し、胸を揉ん出ていた手の動きを激しくしていく。尖った先端を爪で引っ掻く様に刺激すれば、痙攣を起こしたように体が震える。
「気持ちいいんだね?」
 耳元で囁けば沙耶はコクコクと頷く。その反応がまた可愛らしく、幸嗣はクスリと笑うと、今度は胸の先端に吸い付いた。
「ああ……」
 強烈な快楽に沙耶はそれだけで達しそうになっていた。それでも幸嗣は舌で乳首を転がし、もう片方を指で強くつまんで刺激し続ける。
「ひぃぁぁぁん!」
 沙耶の体が大きく跳ね、彼女は絶頂に達していた。幸嗣は倒れそうになる彼女の体を支えながら彼女に口づける。
「我慢できないよ。入れるよ?」
 まだ荒く息を吐いている彼女が頷けば、幸嗣は彼女の片足を抱え上げて大きく広げ、己の熱く滾った屹立を彼女の秘所に宛がう。ゆるゆるとなじませるように動かせば、溢れ出た蜜がクチュクチュヌプヌプといやらしい音をたてる。
「凄いね、もうトロトロだ」
 不意に秘裂に沿わせていた屹立の角度を変えると彼女の中へと挿入する。自慰で既に解されていた秘所は難なく彼の長大な物を受け入れた。
「あぁぁ……」
「すんなり入ったよ」
 一月ぶりの沙耶の中はとても気持ち良く、うっかりするとすぐに達しそうになってしまう。幸嗣は艶めかしい息を吐いて一度落ち着くのを待つが、彼女の中はもっと快楽を得ようと彼のモノを締め付けている。
「ああ……たまらない。君の中は相変わらず狭くて熱くて……」
 幸嗣は壁に押し付けている沙耶に体を密着させると、耳元で囁くように続ける。
「すごく気持ちいい」
 沙耶の羞恥を誘う様に幸嗣が囁けば、彼女は一層中を締め付ける。恥ずかしがるその姿が愛しくてたまらず、幸嗣はまた羞恥を誘う言葉を投げかける。
「かわいい、沙耶」
「あぁ……」
「気持ちいいんだね、また俺のを締め付けたよ」
「言わないで……恥ずかしい」
 恥ずかしくてまともに幸嗣の顔を見ることも出来ずに沙耶は顔を逸らすが、その先の壁には大きな鏡があった。2人が立ったまま交わっている姿が映り、恥ずかしさが一層込み上げてくる。
「ほら見てごらん、君が俺を受け入れているのが映っているよ」
「あ……」
 幸嗣が抱えている足の角度を変えるので、沙耶の中に幸嗣の屹立が入り込んでいるのが生々しく映っている。彼はワザとらしく腰を動かし、彼のモノが出入りする様子を見せつける。
「鏡じゃよく分からないけど、君のあそこはヒクヒクして俺のから精を搾り取ろうと蠢いているよ。たまらなく気持ちいい」
「あぁ、もうだめぇ……」
「兄さん、都合で遅くなるから、今夜は俺がたっぷりとかわいがってあげるよ」
「あぁん」
「一か月分、発散させてもらうよ」
「やぁ……ああん」
「ああ……もう我慢が出来ない」
「あん……」
 幸嗣は一度自分のモノを抜くと、抱えていた沙耶の足を降ろして彼女を壁に向ける。そしてお尻を突き出させると、今度は背後から貫いた。
「あぁ!」
「気持ちいい、沙耶。ああ、もうすぐにイキそうだ」
 幸嗣は沙耶の細い腰を掴むと、激しく腰を動かし始める。沙耶は倒れないように壁に手を当てて絶えていたが、やがてその快楽に耐え切れなくなって上体から力が抜けていく。
「ほら、沙耶」
 幸嗣は沙耶の腕を掴んで引き、彼女の上体を上げさせるそして繋がったまま器用に鏡の正面に体の向きを変える。
「あぁぁ、イク、イッちゃう!」
「気持ちいい?沙耶。君が、喘いでいる姿が……見えるよ」
 沙耶の最奥を自身で穿ちながら、喘ぐ彼女の姿を幸嗣は満足げに眺める。しかし、込み上げてくる快楽にだんだん余裕がなくなってくる。
「ああ、イキそう……。沙耶、沙耶、一緒に……」
「あぁぁぁー!」
 ガクガクと沙耶が体を痙攣させると同時に幸嗣も彼女の中へ精を放っていた。


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義総が比較的無口なのに対して幸嗣は言葉攻め……と思ってねちっこく書いたつもり。
一月も沙耶に会っていないので、幸嗣、沙耶に飢えています。
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