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第6章 親子の物語
第14話
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「先ず一言言わせていただけるのなら、勘当中であろうと、家出中であろうと関係なく、ウォルフは私の妹との婚姻を機にビレア家の一員となっております。その2人の子供であるカミルは当然ビレア家の一員であり、養子として迎えた我が家の嫡子である事実は変わりません」
「異議あり」
すかさずフリードリヒが横やりを入れて来るが俺はそれを無視した。進行役の文官も俺も時間がもったい無いので、話を先に進める。
「そもそも、貴公はウォルフを勘当してその縁を切っておられる。それなのに今更その息子を嫡子としてよこせとは横暴ではありませんか?」
「縁を切ってはおらぬ。あれは家出したのだ」
予想通りの答えが返って来たので、俺は前日のうちに用意していた資料を取り出した。これらは俺だけでなく、雷光隊の皆で集めた関係者の証言をまとめたものだ。証言して下さった方の署名も入っているので十分証拠として扱える内容になっている。
普通に考えればフリードリヒの訴えは認められない。それでも自分達の訴えを通すには何かしらの小細工と立ち会う文官と神官の感情に訴えることはしてくるのは予想された。フリードリヒが逆らえない位の高位の方々の証言を頂くのが一番だとグラナト補佐官が入れ知恵して下さったのだ。
「貴公が仰る通り、ウォルフはミムラス家に居づらくて家出をしています。そこをグスタフに付け込まれ、ゲオルグ殿下の配下となり、一緒になって悪事を働くようになりました。それを知った貴公は彼を勘当しています。その辺りはブランドル公から証言を頂きました」
「当然であろう。我らに類が及んでは困るからな」
「ですが、先程は縁を切っていないと仰いましたが、嘘を申されたのですか?」
「そうではない。勘当は既に解いている」
「それは、いつのことですか?」
「内乱の後だ」
よどみなく答えるので、この辺りはフリードリヒも想定して答えを準備していたのだろう。だけど、こんなもので追及を緩めるつもりは無い。
「具体的にはいつ頃ですか?」
「内乱の後だと言っているだろう」
「内乱終結直後ですか? それとも、陛下が御即位された後ですか?」
「御即位の後だ。恩赦であれも許されたと聞いたから解いたのだ」
「そうですか」
俺が引き下がった様に見せかけても気を緩めずに表情を変えないのはさすがだ。だが、まだこれで終わりではない。今度はヘルマンさんが発言を求め、進行役の文官の許可をもらうと彼と交代した。
「私は内乱後、ウォルフ殿の上司をしていたヘルマンと申す。身寄りのなかった彼の後見も努めていたのだが、ご実家からその様な話があったとは聞いておりません」
「あれが頑なに拒んだからだ。それでもいつ気が変わっても良い様に籍は回復させていた」
「それはおかしいですね。もう4年前になりますが、彼がルーク卿の妹カミラ嬢と入籍した折には、彼の籍はミムラス家から外れたままになっておりました」
「何かの手違いであろう」
あくまでも白を切るつもりの様だ。ここで今度はレオナルトが発言を求め、ヘルマンさんと交代した。さすがにフリードリヒも心穏やかではなかったらしく、忌々しそうに表情を歪めていた。
「自分は雷光隊に所属する竜騎士レオナルトと申します。勘当される2年前まで、ミムラス家の嫡男として育てられました」
実の父親の前でも委縮することなくレオナルトは堂々と証言を始める。この2年間で肉体だけでなく精神面も随分と鍛えられた彼は非常にたくましくなったと思う。そんな彼は、縁を切られたとはいえ実の父親が起こした今回の一件を自らの証言で決着を付けようと並々ならぬ覚悟で挑んでいた。
「自分が家を出される2年前まで、ミムラス家では当主の機嫌を損ねるために兄の話題に触れるのは禁忌とされていました。内乱後、勘当を解いたとされていますが、その当時にそんな話を聞いたことは無く、逆に陛下に取り入ったとしてひどくお怒りだったことを記憶しています」
「黙れ」
レオナルトの証言を不快そうに遮ろうとするが、彼は気にせずに話を続ける。
「ミムラス家に縁がある家の方々にも話を聞いたところ、私が縁を切られた直後は後継に選んでもらおうと競って縁ある子弟を紹介したが、あまりにもその教育が厳しすぎて誰も満足がいく結果を出せないからと追い返されたと聞きました。求める基準が高すぎ、今では彼等からも反感を持たれ、未だに後継者が決まらないそうですね」
「そなたには関係が無い話だ」
フリードリヒは突っぱねるが、レオナルトはなおも食い下がる。
「そんな事があったから、カミル君に目を付けて今回の訴えを起こしたと言うのであれば、黙ってはいられません。幼子であれば、己に従順な後継者を容易く育てられると思いましたか?」
「そちらの家では使用人も少なく、何かと我慢を強いられている孫が不憫に思えたのだ。我が家であれば不自由ない暮らしと最上の教育を受けさせてやることが出来ると思ったまでだ」
あからさまに俺達の事を侮蔑した態度に立ち会っている文官も神官もさすがに顔を顰めている。
「学力はあるが世間を知らず、凝り固まった血統主義を貫く子供を育てるつもりですか? かつての私の様に」
「お前は出来損ないだ。平民に劣る様では由緒ある我がミステル家に相応しくない」
「貴方から見て出来損ないなら大いに結構。私は家を出て初めて本物の強さと知識を手に入れた。他ならぬルーク卿のご指導のおかげで」
親子喧嘩の様相を呈してきたところで文官が両者を諫めようとしたが俺はそれを制した。この機会に徹底的に言いたいことを言わせてやりたかったのもあるし、彼が同父親を言い負かすのか見て見たかったのもある。
「今年の夏至祭を見て気付かなかったのですか? 飛竜レースも武術試合もルーク卿が少しでも関わった者達が上位を占めました。彼の指導力がいかに優秀かが証明されています。彼の薫陶を受けて育った方がカミル君の将来にいい影響を与えるはずです」
「たまたまであろう。成り上がりの家では将来はたかが知れている。あの子に必要なのは名門である我が家の名声と血統だ」
そう言い切るフリードリヒの姿にため息を禁じ得ない。それは傍らのオリガも同様だったらしく、悲し気に俯《うつむ》いた。だが、レオナルトはそれでも根気強く相手に立ち向かった。
「本当に貴方は分かっていない。成り上がりと蔑まれているが、ルーク卿程今のこの国に貢献しておられる方はおられない。陛下を筆頭にこの国の中枢を担う方々の信用も篤い。その一方で貴方は当主の座に着いてからこれまで、何か事を成し得ましたか?」
「我がミムラス家は建国にも関わった由緒ある家柄である。内乱で多くがグスタフに付く中、私は皇家に忠誠を誓って中立を貫いた。その忠義を陛下が認めて下さっている」
「単に同期のニクラス氏の下で働くのが癪だったからじゃないですか」
「黙れ!」
ニクラス氏とは誰だったっけ? しばらく悩んでいたらグスタフの娘婿だとヘルマンさんがこっそり教えてくれた。家格も同程度で対抗意識を燃やしていたらしい。グスタフがこの国を牛耳れば、いずれワールウェイド家の婿となった彼の下で働くことになる。それが嫌であの情勢の中でも中立を貫いたと言うのは、ある意味称賛に値する。
「ミムラス家は既に名門でも何でもない。こんな無意味な訴えを起こし、先祖の栄光に縋りついている貴方が当主を勤めている限りミムラス家の存続は危うい。今すぐ訴えを退けることをお勧めします」
「この!」
ついに我慢の限界が来たのか、フリードリヒは立会人の制止を振り切ってレオナルトにつかみかかった。
「それまでだ」
急に扉が開くと共に数名の兵士が入ってきてフリードリヒを取り押さえる。その後から入って来たのは、何と陛下だった。俺達は慌ててその場で跪く。
「フリードリヒ。此度の訴えは精査するまでもなく却下する。そしてカミル・ディ・ビレアはビレア家の嫡男として育てるものとする」
「そ、そんな……」
「ウォルフの勘当を解いたように細工を命じ、更にはルークへ対しての不当な嫌がらせを行ってきたのも分かっている。沙汰があるまで謹慎、そして今後はビレア家への一切の接触を禁ずる」
陛下がその場で裁定を下し、文官が急ぎその内容を認める。陛下がすぐさまそれに署名し、フリードリヒの処遇が決定した。
裁定までにもう何日かかかるかと思っていたが、思いの外早く片が付いた。これでもう嫌がらせを受ける心配は無くなり、傍らのオリガと顔を見合わせると安堵の息を吐いたのだった。
「異議あり」
すかさずフリードリヒが横やりを入れて来るが俺はそれを無視した。進行役の文官も俺も時間がもったい無いので、話を先に進める。
「そもそも、貴公はウォルフを勘当してその縁を切っておられる。それなのに今更その息子を嫡子としてよこせとは横暴ではありませんか?」
「縁を切ってはおらぬ。あれは家出したのだ」
予想通りの答えが返って来たので、俺は前日のうちに用意していた資料を取り出した。これらは俺だけでなく、雷光隊の皆で集めた関係者の証言をまとめたものだ。証言して下さった方の署名も入っているので十分証拠として扱える内容になっている。
普通に考えればフリードリヒの訴えは認められない。それでも自分達の訴えを通すには何かしらの小細工と立ち会う文官と神官の感情に訴えることはしてくるのは予想された。フリードリヒが逆らえない位の高位の方々の証言を頂くのが一番だとグラナト補佐官が入れ知恵して下さったのだ。
「貴公が仰る通り、ウォルフはミムラス家に居づらくて家出をしています。そこをグスタフに付け込まれ、ゲオルグ殿下の配下となり、一緒になって悪事を働くようになりました。それを知った貴公は彼を勘当しています。その辺りはブランドル公から証言を頂きました」
「当然であろう。我らに類が及んでは困るからな」
「ですが、先程は縁を切っていないと仰いましたが、嘘を申されたのですか?」
「そうではない。勘当は既に解いている」
「それは、いつのことですか?」
「内乱の後だ」
よどみなく答えるので、この辺りはフリードリヒも想定して答えを準備していたのだろう。だけど、こんなもので追及を緩めるつもりは無い。
「具体的にはいつ頃ですか?」
「内乱の後だと言っているだろう」
「内乱終結直後ですか? それとも、陛下が御即位された後ですか?」
「御即位の後だ。恩赦であれも許されたと聞いたから解いたのだ」
「そうですか」
俺が引き下がった様に見せかけても気を緩めずに表情を変えないのはさすがだ。だが、まだこれで終わりではない。今度はヘルマンさんが発言を求め、進行役の文官の許可をもらうと彼と交代した。
「私は内乱後、ウォルフ殿の上司をしていたヘルマンと申す。身寄りのなかった彼の後見も努めていたのだが、ご実家からその様な話があったとは聞いておりません」
「あれが頑なに拒んだからだ。それでもいつ気が変わっても良い様に籍は回復させていた」
「それはおかしいですね。もう4年前になりますが、彼がルーク卿の妹カミラ嬢と入籍した折には、彼の籍はミムラス家から外れたままになっておりました」
「何かの手違いであろう」
あくまでも白を切るつもりの様だ。ここで今度はレオナルトが発言を求め、ヘルマンさんと交代した。さすがにフリードリヒも心穏やかではなかったらしく、忌々しそうに表情を歪めていた。
「自分は雷光隊に所属する竜騎士レオナルトと申します。勘当される2年前まで、ミムラス家の嫡男として育てられました」
実の父親の前でも委縮することなくレオナルトは堂々と証言を始める。この2年間で肉体だけでなく精神面も随分と鍛えられた彼は非常にたくましくなったと思う。そんな彼は、縁を切られたとはいえ実の父親が起こした今回の一件を自らの証言で決着を付けようと並々ならぬ覚悟で挑んでいた。
「自分が家を出される2年前まで、ミムラス家では当主の機嫌を損ねるために兄の話題に触れるのは禁忌とされていました。内乱後、勘当を解いたとされていますが、その当時にそんな話を聞いたことは無く、逆に陛下に取り入ったとしてひどくお怒りだったことを記憶しています」
「黙れ」
レオナルトの証言を不快そうに遮ろうとするが、彼は気にせずに話を続ける。
「ミムラス家に縁がある家の方々にも話を聞いたところ、私が縁を切られた直後は後継に選んでもらおうと競って縁ある子弟を紹介したが、あまりにもその教育が厳しすぎて誰も満足がいく結果を出せないからと追い返されたと聞きました。求める基準が高すぎ、今では彼等からも反感を持たれ、未だに後継者が決まらないそうですね」
「そなたには関係が無い話だ」
フリードリヒは突っぱねるが、レオナルトはなおも食い下がる。
「そんな事があったから、カミル君に目を付けて今回の訴えを起こしたと言うのであれば、黙ってはいられません。幼子であれば、己に従順な後継者を容易く育てられると思いましたか?」
「そちらの家では使用人も少なく、何かと我慢を強いられている孫が不憫に思えたのだ。我が家であれば不自由ない暮らしと最上の教育を受けさせてやることが出来ると思ったまでだ」
あからさまに俺達の事を侮蔑した態度に立ち会っている文官も神官もさすがに顔を顰めている。
「学力はあるが世間を知らず、凝り固まった血統主義を貫く子供を育てるつもりですか? かつての私の様に」
「お前は出来損ないだ。平民に劣る様では由緒ある我がミステル家に相応しくない」
「貴方から見て出来損ないなら大いに結構。私は家を出て初めて本物の強さと知識を手に入れた。他ならぬルーク卿のご指導のおかげで」
親子喧嘩の様相を呈してきたところで文官が両者を諫めようとしたが俺はそれを制した。この機会に徹底的に言いたいことを言わせてやりたかったのもあるし、彼が同父親を言い負かすのか見て見たかったのもある。
「今年の夏至祭を見て気付かなかったのですか? 飛竜レースも武術試合もルーク卿が少しでも関わった者達が上位を占めました。彼の指導力がいかに優秀かが証明されています。彼の薫陶を受けて育った方がカミル君の将来にいい影響を与えるはずです」
「たまたまであろう。成り上がりの家では将来はたかが知れている。あの子に必要なのは名門である我が家の名声と血統だ」
そう言い切るフリードリヒの姿にため息を禁じ得ない。それは傍らのオリガも同様だったらしく、悲し気に俯《うつむ》いた。だが、レオナルトはそれでも根気強く相手に立ち向かった。
「本当に貴方は分かっていない。成り上がりと蔑まれているが、ルーク卿程今のこの国に貢献しておられる方はおられない。陛下を筆頭にこの国の中枢を担う方々の信用も篤い。その一方で貴方は当主の座に着いてからこれまで、何か事を成し得ましたか?」
「我がミムラス家は建国にも関わった由緒ある家柄である。内乱で多くがグスタフに付く中、私は皇家に忠誠を誓って中立を貫いた。その忠義を陛下が認めて下さっている」
「単に同期のニクラス氏の下で働くのが癪だったからじゃないですか」
「黙れ!」
ニクラス氏とは誰だったっけ? しばらく悩んでいたらグスタフの娘婿だとヘルマンさんがこっそり教えてくれた。家格も同程度で対抗意識を燃やしていたらしい。グスタフがこの国を牛耳れば、いずれワールウェイド家の婿となった彼の下で働くことになる。それが嫌であの情勢の中でも中立を貫いたと言うのは、ある意味称賛に値する。
「ミムラス家は既に名門でも何でもない。こんな無意味な訴えを起こし、先祖の栄光に縋りついている貴方が当主を勤めている限りミムラス家の存続は危うい。今すぐ訴えを退けることをお勧めします」
「この!」
ついに我慢の限界が来たのか、フリードリヒは立会人の制止を振り切ってレオナルトにつかみかかった。
「それまでだ」
急に扉が開くと共に数名の兵士が入ってきてフリードリヒを取り押さえる。その後から入って来たのは、何と陛下だった。俺達は慌ててその場で跪く。
「フリードリヒ。此度の訴えは精査するまでもなく却下する。そしてカミル・ディ・ビレアはビレア家の嫡男として育てるものとする」
「そ、そんな……」
「ウォルフの勘当を解いたように細工を命じ、更にはルークへ対しての不当な嫌がらせを行ってきたのも分かっている。沙汰があるまで謹慎、そして今後はビレア家への一切の接触を禁ずる」
陛下がその場で裁定を下し、文官が急ぎその内容を認める。陛下がすぐさまそれに署名し、フリードリヒの処遇が決定した。
裁定までにもう何日かかかるかと思っていたが、思いの外早く片が付いた。これでもう嫌がらせを受ける心配は無くなり、傍らのオリガと顔を見合わせると安堵の息を吐いたのだった。
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