221 / 245
第6章 親子の物語
第10話
しおりを挟む
「では、先に行く」
「彼女の事、どうかよろしくお願いします」
その後、大まかな計画だけ立てると、アスター卿とオスカー卿は少数の護衛を伴って皇都へ出立された。お疲れのご様子なのだが大丈夫だろうか? でも、夏至祭は迫っているし、その折にご婚約を公表するとなると、疲れたなどと言っていられないのだろう。
そして彼等を見送った俺達は、第3騎士団と打ち合わせをすることとなった。シュザンナ様も同席を望まれたのだが、長旅でお疲れのはずなので、明朝に結果の報告をすることと乳姉妹でもある侍女を1人同行させることを約束して先に休んでいただいた。ちなみにもうこれ以上オリガに無理をさせられないので、彼女も用意してもらった部屋で休ませてもらっている。
「ジーンが居れば良かったんだが……」
ジーン卿は例年通り、子供達を連れて船で皇都へ向かっていて、もうそろそろ向こうへ着く頃だそうだ。そしてリーガス卿は先行したアスター卿に代わって残りの使節団を率いて皇都を目指すらしい。
当初はシュザンナ様も一緒にと考えていたのだが、ロベリアについてすぐに彼女の存在を知った有力者がご機嫌うかがいと称して殺到しただけでなく、更にはシュザンナ様を諦めきれない輩が何を仕掛けて来るか分からない状態らしい。このままでは安全が確保できないと判断し、俺達に助力を求めてきたのだ。
「アルノーとジークリンデを招集しています。後、近隣で休暇中の隊員にも小竜を送りました。ミステルかアジュガで合流出来ます」
仔竜の選定式の後、ファビアンとマティアスは帰省していた。彼等は皇都に戻る際にも手を貸してくれる予定だったし、他にもドミニクが合流する。シュテファンとレオナルトもいて、更にアルノーとジークリンデが加わってくれると移動が非常に楽なる。それでも集合するのはアジュガかミステルになるので、第3騎士団に手助けをしてもらう必要があった。
「3名つける。必要であれば、皇都まで同行させても構わない」
リーガス卿はすぐさま同行する竜騎士を3名手配してくれた。その3人とも将来有望な若手だ。申し分ないが、彼等への指導も任されているような気がしなくもない。ともかく明日の午前中には発つ予定なので、シュテファンとアジュガまでの経路を決めて先に休ませてもらった。その後の事はアジュガに着いてから要相談となる。
翌朝、シュザンナ様に旅程を説明して了承を得た後、予定通り昼前にはロベリアを出立した。出立前に着場へ無理に押し通ろうとした輩もいたらしいが、第3騎士団の鉄壁の防御のおかげで事なきを得た。やはり油断は禁物だと気を引き締めてロベリアを出立した。
「お帰りなさいませ」
シュザンナ様の安全を考慮し、更には無理をさせない経路を選んだためにアジュガに着いたのは夜になってからだった。着場に着くと、サイラスとガブリエラ、レオナルトが出迎えてくれた。
「急だが、準備は?」
「整ってございます」
とにかく時間が無かったので、サイラスには高貴な女性が滞在するからその準備を頼むとだけ伝えていた。それでも彼はぬかりなく準備を整えてくれていて、到着したシュザンナ様をすぐに部屋へ案内してくれた。侍女を同伴されているし、滞在中はガブリエラが対応してくれるので心配ないだろう。その間、カミルを含めた子供達は母さんやリーナ義姉さんが見てくれることになっていた。
「カミルの顔を見たかったけど、明日まで我慢か」
「そうね」
子供達は既に就寝中。起こしてしまってはかわいそうだ。会いたい気持ちをグッと堪え、自室の寝台に潜り込む。アルベルタを送り届けた後は気楽な旅の予定だったのが一転して貴人の護衛になり、心身ともに疲れていた。前夜も遅かったのもあり、あっという間に眠りについていた。
「皆来てくれて助かった。ありがとう」
招集をかけた隊員達は翌日には全員揃っていた。ドミニク達3名の他、アルノーとジークリンデ、そして話を聞いた元教育部隊員も1人手伝いに来てくれた。アジュガに集まってくれた彼等に詳しい説明をした後、皇都までの旅程を詳細に決めた。
早く皇都へ向かいたいところだが、シュザンナ様の疲労を考慮し、出立は3日後となった。今回はシュザンナ様をお守りする本隊と休憩所の設営と片付けを受け持つ別働隊に分け、本隊は俺、別働隊はシュテファンが率い、人員を振り分けた。
早朝に出立すれば皇都へは夕刻には付くが、今回は休憩を多めに入れる予定なので皇都の手前にある神殿か砦で1泊することにした。どちらになるかは当日の昼くらいに判断するつもりだ。そう言った諸々の事を決定し、その後はその準備に取り掛かる事となった。
「とても居心地のいい町ですね」
その日の夕餉の席でシュザンナ様からそんな言葉を頂いて嬉しくなった。安全を考慮してシュザンナ様には出来るだけ領主館内で過ごしていただいているのだが、午前中に少しだけ神殿へ祈りを捧げに行っていた。これは彼女の日課なので、護衛を付けることを条件に許可したのだ。
町の人達には彼女の身分を明かしていないが、高貴な方だとだけは伝えていた。それでもみんな気軽に挨拶し、変に畏まらないのが心地よかったらしい。神殿で一緒になった元おかみさんから籠に山の様に盛られたキイチゴをもらったと言って喜んでいた。
「オリガ夫人がジャムにして下さったの。明日の朝食に出して下さるそうなので楽しみだわ」
長く礎の里の奥棟で暮らしておられたので、市井での生活が珍しいのだろう。オリガがジャムを作っている様子を子供達と一緒に眺めていたらしい。
「退屈なさってはいませんか?」
「いいえ。皆さん良くしてくださいますし、子供達が本当にかわいいの」
カミルと年が近いので、ザシャやフリッツもこの領主館で過ごすことが多い。そんな彼等にシュザンナ様は本を読んで聞かせてくれたらしい。後は一緒に頭父さん達が作ったからくり玩具を見たり、おやつを一緒に食べて過ごしたらしい。何しろ娯楽が少ない田舎町だ。それでも楽しく過ごしていただいている様で安堵した。
特に問題なく日にちは過ぎ、アジュガを出立する日を迎えた。シュテファン達別働隊は朝早くに出立し、俺達本隊は日が高くなってから出立した。オリガとカミルはいつもの様にエアリアルに、シュザンナ様はジークリンデの相棒アウローラに乗せてもらっている。サイラスはアルノーの相棒に、ヴァルトルーデはいつも通りレオナルトと、レーナとシュザンナ様の侍女は第3騎士団から応援に来てもらっている竜騎士達に同乗させてもらっていた。ちなみにガブリエラは下の子供がまだ小さいのでアジュガで留守番となった。
「行ってきます」
「気を付けるんだよ」
いつもの様に家族が見送りに来てくれた。母さんは俺達だけでなく、シュザンナ様にも「またおいで」と声をかけていた。そしてすっかり彼女と仲良くなっていた子供達は別れを悲しんでいた。
「では、行こうか」
俺が合図を出すと、飛竜達が順次飛び立っていく。最後に俺が相棒を飛び立たせ、町の上空を一周するころには隊列が出来上がっていた。心躍る瞬間でもあるが、今回は大切な使命がある。シュザンナ様を皇都へ安全に送り届け、なおかつ彼女に楽しんでいただける旅にする。先ずは最初の休憩地へ進路を向けた。
「いつも、この様な旅をなさっているんですか?」
シュザンナ様が困惑したご様子で茶器をテーブルに戻された。アジュガを出立した日の午後、本日2度目の休憩地でのことだ。別動隊によって眺めがいい場所に日よけの天幕が張られ、敷物を広げた上に折り畳みが出来る簡易の物だがテーブルと椅子が設置されている。そしてシュザンナ様の前にはお茶とお菓子が用意されていた。
「今回は特別ですね」
彼女に同席しているのはオリガとヴァルトルーデ。俺はおやつが済んだカミルの相手をしていた。
「陛下や皇妃様のお供をすることもあるので、慣れているんですよ」
この答えにシュザンナ様はどうやら納得して下さったようだ。今回は人員が揃ったのが幸いし、これだけの荷物も運ぶことが出来たのだ。いつもであればもっと簡素な日よけを設置するくらいだ。その分、もっと景色がいい場所を選んで通ることもある。
「今宵はこの先にある皇家の別荘に泊まることになりました。あと少し御辛抱ください」
つい先ほど、皇都からの使いで来たルーペルトと合流した。陛下から手紙を預かってきており、それは別荘の使用許可だった。これで今夜もゆっくり休んでいただける。
「陛下もご到着をお待ちしておりますとのことです」
「反対はなさらないのでしょうか?」
「反対なさる理由がありません。大歓迎だそうです」
急に押しかけて来たようなものなので、シュザンナ様も少し不安だったのだろう。だが、俺の答えに安堵したご様子だった。
「あと、これはオスカー卿からです。早くお読みになりたいかもしれませんが、別荘はこのすぐ先になります。あちらについてからゆっくりお読みになって頂くと助かります」
そう言ってルーペルトから預かった手紙をシュザンナ様へ差し出した。彼女はその手紙を受け取ると、ほんのりと頬を染め、嬉しそうに胸に抱いていた。
「彼女の事、どうかよろしくお願いします」
その後、大まかな計画だけ立てると、アスター卿とオスカー卿は少数の護衛を伴って皇都へ出立された。お疲れのご様子なのだが大丈夫だろうか? でも、夏至祭は迫っているし、その折にご婚約を公表するとなると、疲れたなどと言っていられないのだろう。
そして彼等を見送った俺達は、第3騎士団と打ち合わせをすることとなった。シュザンナ様も同席を望まれたのだが、長旅でお疲れのはずなので、明朝に結果の報告をすることと乳姉妹でもある侍女を1人同行させることを約束して先に休んでいただいた。ちなみにもうこれ以上オリガに無理をさせられないので、彼女も用意してもらった部屋で休ませてもらっている。
「ジーンが居れば良かったんだが……」
ジーン卿は例年通り、子供達を連れて船で皇都へ向かっていて、もうそろそろ向こうへ着く頃だそうだ。そしてリーガス卿は先行したアスター卿に代わって残りの使節団を率いて皇都を目指すらしい。
当初はシュザンナ様も一緒にと考えていたのだが、ロベリアについてすぐに彼女の存在を知った有力者がご機嫌うかがいと称して殺到しただけでなく、更にはシュザンナ様を諦めきれない輩が何を仕掛けて来るか分からない状態らしい。このままでは安全が確保できないと判断し、俺達に助力を求めてきたのだ。
「アルノーとジークリンデを招集しています。後、近隣で休暇中の隊員にも小竜を送りました。ミステルかアジュガで合流出来ます」
仔竜の選定式の後、ファビアンとマティアスは帰省していた。彼等は皇都に戻る際にも手を貸してくれる予定だったし、他にもドミニクが合流する。シュテファンとレオナルトもいて、更にアルノーとジークリンデが加わってくれると移動が非常に楽なる。それでも集合するのはアジュガかミステルになるので、第3騎士団に手助けをしてもらう必要があった。
「3名つける。必要であれば、皇都まで同行させても構わない」
リーガス卿はすぐさま同行する竜騎士を3名手配してくれた。その3人とも将来有望な若手だ。申し分ないが、彼等への指導も任されているような気がしなくもない。ともかく明日の午前中には発つ予定なので、シュテファンとアジュガまでの経路を決めて先に休ませてもらった。その後の事はアジュガに着いてから要相談となる。
翌朝、シュザンナ様に旅程を説明して了承を得た後、予定通り昼前にはロベリアを出立した。出立前に着場へ無理に押し通ろうとした輩もいたらしいが、第3騎士団の鉄壁の防御のおかげで事なきを得た。やはり油断は禁物だと気を引き締めてロベリアを出立した。
「お帰りなさいませ」
シュザンナ様の安全を考慮し、更には無理をさせない経路を選んだためにアジュガに着いたのは夜になってからだった。着場に着くと、サイラスとガブリエラ、レオナルトが出迎えてくれた。
「急だが、準備は?」
「整ってございます」
とにかく時間が無かったので、サイラスには高貴な女性が滞在するからその準備を頼むとだけ伝えていた。それでも彼はぬかりなく準備を整えてくれていて、到着したシュザンナ様をすぐに部屋へ案内してくれた。侍女を同伴されているし、滞在中はガブリエラが対応してくれるので心配ないだろう。その間、カミルを含めた子供達は母さんやリーナ義姉さんが見てくれることになっていた。
「カミルの顔を見たかったけど、明日まで我慢か」
「そうね」
子供達は既に就寝中。起こしてしまってはかわいそうだ。会いたい気持ちをグッと堪え、自室の寝台に潜り込む。アルベルタを送り届けた後は気楽な旅の予定だったのが一転して貴人の護衛になり、心身ともに疲れていた。前夜も遅かったのもあり、あっという間に眠りについていた。
「皆来てくれて助かった。ありがとう」
招集をかけた隊員達は翌日には全員揃っていた。ドミニク達3名の他、アルノーとジークリンデ、そして話を聞いた元教育部隊員も1人手伝いに来てくれた。アジュガに集まってくれた彼等に詳しい説明をした後、皇都までの旅程を詳細に決めた。
早く皇都へ向かいたいところだが、シュザンナ様の疲労を考慮し、出立は3日後となった。今回はシュザンナ様をお守りする本隊と休憩所の設営と片付けを受け持つ別働隊に分け、本隊は俺、別働隊はシュテファンが率い、人員を振り分けた。
早朝に出立すれば皇都へは夕刻には付くが、今回は休憩を多めに入れる予定なので皇都の手前にある神殿か砦で1泊することにした。どちらになるかは当日の昼くらいに判断するつもりだ。そう言った諸々の事を決定し、その後はその準備に取り掛かる事となった。
「とても居心地のいい町ですね」
その日の夕餉の席でシュザンナ様からそんな言葉を頂いて嬉しくなった。安全を考慮してシュザンナ様には出来るだけ領主館内で過ごしていただいているのだが、午前中に少しだけ神殿へ祈りを捧げに行っていた。これは彼女の日課なので、護衛を付けることを条件に許可したのだ。
町の人達には彼女の身分を明かしていないが、高貴な方だとだけは伝えていた。それでもみんな気軽に挨拶し、変に畏まらないのが心地よかったらしい。神殿で一緒になった元おかみさんから籠に山の様に盛られたキイチゴをもらったと言って喜んでいた。
「オリガ夫人がジャムにして下さったの。明日の朝食に出して下さるそうなので楽しみだわ」
長く礎の里の奥棟で暮らしておられたので、市井での生活が珍しいのだろう。オリガがジャムを作っている様子を子供達と一緒に眺めていたらしい。
「退屈なさってはいませんか?」
「いいえ。皆さん良くしてくださいますし、子供達が本当にかわいいの」
カミルと年が近いので、ザシャやフリッツもこの領主館で過ごすことが多い。そんな彼等にシュザンナ様は本を読んで聞かせてくれたらしい。後は一緒に頭父さん達が作ったからくり玩具を見たり、おやつを一緒に食べて過ごしたらしい。何しろ娯楽が少ない田舎町だ。それでも楽しく過ごしていただいている様で安堵した。
特に問題なく日にちは過ぎ、アジュガを出立する日を迎えた。シュテファン達別働隊は朝早くに出立し、俺達本隊は日が高くなってから出立した。オリガとカミルはいつもの様にエアリアルに、シュザンナ様はジークリンデの相棒アウローラに乗せてもらっている。サイラスはアルノーの相棒に、ヴァルトルーデはいつも通りレオナルトと、レーナとシュザンナ様の侍女は第3騎士団から応援に来てもらっている竜騎士達に同乗させてもらっていた。ちなみにガブリエラは下の子供がまだ小さいのでアジュガで留守番となった。
「行ってきます」
「気を付けるんだよ」
いつもの様に家族が見送りに来てくれた。母さんは俺達だけでなく、シュザンナ様にも「またおいで」と声をかけていた。そしてすっかり彼女と仲良くなっていた子供達は別れを悲しんでいた。
「では、行こうか」
俺が合図を出すと、飛竜達が順次飛び立っていく。最後に俺が相棒を飛び立たせ、町の上空を一周するころには隊列が出来上がっていた。心躍る瞬間でもあるが、今回は大切な使命がある。シュザンナ様を皇都へ安全に送り届け、なおかつ彼女に楽しんでいただける旅にする。先ずは最初の休憩地へ進路を向けた。
「いつも、この様な旅をなさっているんですか?」
シュザンナ様が困惑したご様子で茶器をテーブルに戻された。アジュガを出立した日の午後、本日2度目の休憩地でのことだ。別動隊によって眺めがいい場所に日よけの天幕が張られ、敷物を広げた上に折り畳みが出来る簡易の物だがテーブルと椅子が設置されている。そしてシュザンナ様の前にはお茶とお菓子が用意されていた。
「今回は特別ですね」
彼女に同席しているのはオリガとヴァルトルーデ。俺はおやつが済んだカミルの相手をしていた。
「陛下や皇妃様のお供をすることもあるので、慣れているんですよ」
この答えにシュザンナ様はどうやら納得して下さったようだ。今回は人員が揃ったのが幸いし、これだけの荷物も運ぶことが出来たのだ。いつもであればもっと簡素な日よけを設置するくらいだ。その分、もっと景色がいい場所を選んで通ることもある。
「今宵はこの先にある皇家の別荘に泊まることになりました。あと少し御辛抱ください」
つい先ほど、皇都からの使いで来たルーペルトと合流した。陛下から手紙を預かってきており、それは別荘の使用許可だった。これで今夜もゆっくり休んでいただける。
「陛下もご到着をお待ちしておりますとのことです」
「反対はなさらないのでしょうか?」
「反対なさる理由がありません。大歓迎だそうです」
急に押しかけて来たようなものなので、シュザンナ様も少し不安だったのだろう。だが、俺の答えに安堵したご様子だった。
「あと、これはオスカー卿からです。早くお読みになりたいかもしれませんが、別荘はこのすぐ先になります。あちらについてからゆっくりお読みになって頂くと助かります」
そう言ってルーペルトから預かった手紙をシュザンナ様へ差し出した。彼女はその手紙を受け取ると、ほんのりと頬を染め、嬉しそうに胸に抱いていた。
1
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説

追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

竜王の花嫁は番じゃない。
豆狸
恋愛
「……だから申し上げましたのに。私は貴方の番(つがい)などではないと。私はなんの衝動も感じていないと。私には……愛する婚約者がいるのだと……」
シンシアの瞳に涙はない。もう涸れ果ててしまっているのだ。
──番じゃないと叫んでも聞いてもらえなかった花嫁の話です。

五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

悪役令嬢カテリーナでございます。
くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ……
気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。
どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。
40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。
ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。
40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。

親切なミザリー
みるみる
恋愛
第一王子アポロの婚約者ミザリーは、「親切なミザリー」としてまわりから慕われていました。
ところが、子爵家令嬢のアリスと偶然出会ってしまったアポロはアリスを好きになってしまい、ミザリーを蔑ろにするようになりました。アポロだけでなく、アポロのまわりの友人達もアリスを慕うようになりました。
ミザリーはアリスに嫉妬し、様々な嫌がらせをアリスにする様になりました。
こうしてミザリーは、いつしか親切なミザリーから悪女ミザリーへと変貌したのでした。
‥ですが、ミザリーの突然の死後、何故か再びミザリーの評価は上がり、「親切なミザリー」として人々に慕われるようになり、ミザリーが死後海に投げ落とされたという崖の上には沢山の花が、毎日絶やされる事なく人々により捧げられ続けるのでした。
※不定期更新です。

皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる