196 / 241
第5章 家族の物語
第31話
しおりを挟む
短くて済みません。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ビレア家で初めて開かれた祝宴から5日後、姫様が礎の里へ旅立つ日を迎えた。早朝にも関わらず、上層の着場には多くの人が見送りに訪れていた。そんな人々を前にしても姫様は堂々として集まった人々を労っておられた。
そんな姿を陛下も皇妃様も誇らしく思われているに違いない。そしてそんなお2人方の後ろに控えているオリガは目頭を押さえていた。姫様がフォルビアにいた頃から仕えていた彼女も今日のこの日は感慨深いものがあるに違いない。
「体に気を付けてね」
「はい」
皇妃様が姫様と出立前の抱擁を交わしている。先に抱擁を済まされた陛下はその様子を少し寂しそうに見守り、それが終わると姫様の手を取って待機している竜騎士達の元へ向かわれた。その中には少々緊張した面持ちで控えるアルノーやジークリンデの姿もある。特に今回ジークリンデは礎の里へ着くまで姫様が同乗されることになっているので、余計に緊張しているのだろう。
「後を頼むぞ」
「お任せください、陛下」
今回の護衛の責任者を務めるオスカー卿が代表して応え、待機していた他の竜騎士は敬礼して応じた。
今回姫様に同行するのはフリーダの他に侍女がもう一人、そして外交官2人も帯同する。護衛はオスカー卿を筆頭に補佐役としてアルノーと第1騎士団の経験豊富な隊長が付き、後はアスター卿が厳選した竜騎士7名が護衛に名を連ねている。
陛下の激励も終わり、先ずは同行者達が先に飛竜の背に固定される。フリーダは飛竜の背中に乗ると、離れがたいのかシュテファンとそっと視線を合わせていた。姫様はもう一度見送りに来た人たちに頭を下げると、ジークリンデの相棒アウローラの背に乗った。
「行ってまいります」
凛とした姫様の声が着場に響くと、オスカー卿が出立の合図を送る。次々と飛竜が飛び立ち、着場の上空であっという間に編隊を組む。先頭はオスカー卿。そしてアルノーが続き、姫様が同乗しているアウローラを中心にして他の竜騎士が取り囲み、殿は補佐役の第1騎士団の竜騎士が勤めていた。
その姿はどんどん小さくなってゆき、やがて目視では確認できなくなった。しかし陛下も皇妃様も南の空を見上げたまま、なかなか動こうとはなさらない。
「行ってしまったな」
「寂しくなります」
「そうだな」
そんな会話を交わしながら、お2人は飽くことなく南の空を見上げていた。
姫様が礎の里へ出立された後、俺の仕事も一区切りして休暇に入る予定になっていた。しかし、次の討伐期に向けた雷光隊の編成を決めたり、新しく立ち上げる竜騎士科の会議に呼ばれて意見を求められたり、更には第1騎士団の新人の鍛錬に携わったりして休暇を取れないまま秋を迎えていた。その結果、怒ったオリガはカミルを連れて「実家に帰ります」と書置きを残してアジュガへ行ってしまった。
「行き先がアジュガなのはオリガらしいな」
「笑い事じゃないですよ……」
竜騎士科新設に関する会議後、アスター卿に誘われて彼の執務室に誘われた。オリガが家出した話はあっという間に上司達へも伝わっていて、どうやら慰めるために呼んでくれたらしい。本当は陛下もご一緒する予定だったらしいが、姫様が礎の里へ出立されて寂しがっておられる皇妃様を慰めるとかで北棟に帰られていた。
「オリガ1人なら決断しなかったと思いますが、ジーン卿に誘われて便乗させてもらったみたいです」
ジーン卿も安定期に入ったことで悪阻が治まり、更にニコルが無事に高等学院へ入学したので、秋が深まる前にロベリアへ帰ることにしたらしい。その挨拶をしに我が家へ来てくれたらしいのだが、俺は急遽仕事が入ってオリガが対応してくれていた。
「家族で出かける予定だったのですが、受け持っている新人が問題起こして呼び出されたんですよ」
「あぁ、それは災難だったな」
急に外出を取りやめたことで、いつになくオリガは怒っていた。数日前から準備に余念が無かったのだから当然の事だ。そこへジーン卿が訪ねて来て、オリガの愚痴に付き合ってくれた。多分、オリガとしては愚痴を聞いてもらえれば十分だったはずだ。
しかし、ジーン卿はオリガにも気分転換が必要と考えたらしい。今回も船を使うからミステルまで送ると誘われ、オリガも勢いで同意した。それからすぐに荷造りを始め、俺がやらかした新人の後始末に奔走していた間に、レーナとカミルを連れて家を出て行ったのだ。それが10日程前の出来事だ。既に彼女達はミステルを経由してアジュガに着いている頃だろう。そして俺の悪口も広まっているに違いない。
「引き受けるつもりは無かったんだけどなぁ……」
問題を起こした新人は元々デューク卿が受け持つ予定だったのだが、急遽ラヴィーネへ赴くことになってしまい、俺に話が回って来た。他にすることもあったし、俺は受けるつもりは無かったのだが、結果的に引き受けざるを得なくなって押し付けられてしまった。
「サイラスの情報によると、ミムラス家の当主殿が絡んでいるそうです」
「フリードリヒはレオナルトを保護したのが気に食わなかったのだろう」
「騎士資格を失った者を更生できると豪語したのだから彼を任せても大丈夫でしょう」等と周囲に言っていたらしい。全く腹が立つ。受け持つことにはなったものの、直接指導する時間はあまり無い。シュテファン達ミステル駐留組は既に皇都を発っていたし、必然的に指導はラウルやコンラートに任せてしまっていた。
「結局、その新人は不適格としたんだったか?」
「そうです。資質もギリギリでしたし、相棒との絆も希薄でした。それにあれだけ指導して規律を守れないのでしたら竜騎士には不向きでしょう」
義務付けた鍛錬に遅刻は当たり前で、姿を現さない日もあった。そして問題を起こした日は体調不良と偽って仕事自体を休み、恋人と出かけていた。しかもその相手は人妻で、出先で偶然その夫と鉢合わせしてしまったらしい。当然、大きな騒ぎとなり、休暇を取っていた俺の元へも連絡が来たのだ。
ラウルだけでなく他の第1騎士団の大隊長からも賛同を得て、その新人は竜騎士資格を失った。自分で世話を全くしていなかったことから相棒としていた飛竜からも見放された。こうなると見習いからやり直すどころか兵団に移ることも出来ない。後はどこかの貴族の私兵として雇ってもらうくらいなのだが、採用されるかは微妙なところだ。フロックス家やミムラス家と肩を並べるほどの家柄の出だったらしく、猛烈な抗議を受けたが、覆る事は無かった。
こんなこともあって見習いの教育機関となる竜騎士科の設立を急ぐことになり、来年から試験的にミステルで見習いの教育を始めることを正式決定していた。候補は既に絞り込まれ、近日中に公表される。これはこれで物議を呼びそうだ。
「まあ、後はこちらの仕事だ」
俺は竜騎士科の試験運用の準備の名目で明日から当面の間ミステルに駐留することになった。とはいっても俺がすることはほとんどない。取り損ねた休暇の代わりだ。領地の仕事はあるが、基本的にのんびり過ごすことが出来る。
「もしかしたらお前の方へ何か言ってくる輩がいるかもしれないが、陛下がお決めになられた事だと言ってやれ」
「分かりました」
試験運用とはいえ将来を約束されたようなものだ。自分の身内を候補に入れる様に圧力をかけられる可能性もあるので、その騒動からの避難も兼ねている。1カ月ほどのんびりさせてもらえれば、その間にアスター卿が周囲を納得させておいてくれるらしい。
「余計な仕事ばかりさせて悪かった。ゆっくりしてきてくれ」
「ありがとうございます」
酒も勧められたが、明日は早くに出立する予定なので断って席を立つ。ともかく、早く家族に会いたい。俺はアスター卿の執務室を辞すると、家路についた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
結婚して初めての大きな夫婦喧嘩。
思いの外ルークは落ち込んでいます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ビレア家で初めて開かれた祝宴から5日後、姫様が礎の里へ旅立つ日を迎えた。早朝にも関わらず、上層の着場には多くの人が見送りに訪れていた。そんな人々を前にしても姫様は堂々として集まった人々を労っておられた。
そんな姿を陛下も皇妃様も誇らしく思われているに違いない。そしてそんなお2人方の後ろに控えているオリガは目頭を押さえていた。姫様がフォルビアにいた頃から仕えていた彼女も今日のこの日は感慨深いものがあるに違いない。
「体に気を付けてね」
「はい」
皇妃様が姫様と出立前の抱擁を交わしている。先に抱擁を済まされた陛下はその様子を少し寂しそうに見守り、それが終わると姫様の手を取って待機している竜騎士達の元へ向かわれた。その中には少々緊張した面持ちで控えるアルノーやジークリンデの姿もある。特に今回ジークリンデは礎の里へ着くまで姫様が同乗されることになっているので、余計に緊張しているのだろう。
「後を頼むぞ」
「お任せください、陛下」
今回の護衛の責任者を務めるオスカー卿が代表して応え、待機していた他の竜騎士は敬礼して応じた。
今回姫様に同行するのはフリーダの他に侍女がもう一人、そして外交官2人も帯同する。護衛はオスカー卿を筆頭に補佐役としてアルノーと第1騎士団の経験豊富な隊長が付き、後はアスター卿が厳選した竜騎士7名が護衛に名を連ねている。
陛下の激励も終わり、先ずは同行者達が先に飛竜の背に固定される。フリーダは飛竜の背中に乗ると、離れがたいのかシュテファンとそっと視線を合わせていた。姫様はもう一度見送りに来た人たちに頭を下げると、ジークリンデの相棒アウローラの背に乗った。
「行ってまいります」
凛とした姫様の声が着場に響くと、オスカー卿が出立の合図を送る。次々と飛竜が飛び立ち、着場の上空であっという間に編隊を組む。先頭はオスカー卿。そしてアルノーが続き、姫様が同乗しているアウローラを中心にして他の竜騎士が取り囲み、殿は補佐役の第1騎士団の竜騎士が勤めていた。
その姿はどんどん小さくなってゆき、やがて目視では確認できなくなった。しかし陛下も皇妃様も南の空を見上げたまま、なかなか動こうとはなさらない。
「行ってしまったな」
「寂しくなります」
「そうだな」
そんな会話を交わしながら、お2人は飽くことなく南の空を見上げていた。
姫様が礎の里へ出立された後、俺の仕事も一区切りして休暇に入る予定になっていた。しかし、次の討伐期に向けた雷光隊の編成を決めたり、新しく立ち上げる竜騎士科の会議に呼ばれて意見を求められたり、更には第1騎士団の新人の鍛錬に携わったりして休暇を取れないまま秋を迎えていた。その結果、怒ったオリガはカミルを連れて「実家に帰ります」と書置きを残してアジュガへ行ってしまった。
「行き先がアジュガなのはオリガらしいな」
「笑い事じゃないですよ……」
竜騎士科新設に関する会議後、アスター卿に誘われて彼の執務室に誘われた。オリガが家出した話はあっという間に上司達へも伝わっていて、どうやら慰めるために呼んでくれたらしい。本当は陛下もご一緒する予定だったらしいが、姫様が礎の里へ出立されて寂しがっておられる皇妃様を慰めるとかで北棟に帰られていた。
「オリガ1人なら決断しなかったと思いますが、ジーン卿に誘われて便乗させてもらったみたいです」
ジーン卿も安定期に入ったことで悪阻が治まり、更にニコルが無事に高等学院へ入学したので、秋が深まる前にロベリアへ帰ることにしたらしい。その挨拶をしに我が家へ来てくれたらしいのだが、俺は急遽仕事が入ってオリガが対応してくれていた。
「家族で出かける予定だったのですが、受け持っている新人が問題起こして呼び出されたんですよ」
「あぁ、それは災難だったな」
急に外出を取りやめたことで、いつになくオリガは怒っていた。数日前から準備に余念が無かったのだから当然の事だ。そこへジーン卿が訪ねて来て、オリガの愚痴に付き合ってくれた。多分、オリガとしては愚痴を聞いてもらえれば十分だったはずだ。
しかし、ジーン卿はオリガにも気分転換が必要と考えたらしい。今回も船を使うからミステルまで送ると誘われ、オリガも勢いで同意した。それからすぐに荷造りを始め、俺がやらかした新人の後始末に奔走していた間に、レーナとカミルを連れて家を出て行ったのだ。それが10日程前の出来事だ。既に彼女達はミステルを経由してアジュガに着いている頃だろう。そして俺の悪口も広まっているに違いない。
「引き受けるつもりは無かったんだけどなぁ……」
問題を起こした新人は元々デューク卿が受け持つ予定だったのだが、急遽ラヴィーネへ赴くことになってしまい、俺に話が回って来た。他にすることもあったし、俺は受けるつもりは無かったのだが、結果的に引き受けざるを得なくなって押し付けられてしまった。
「サイラスの情報によると、ミムラス家の当主殿が絡んでいるそうです」
「フリードリヒはレオナルトを保護したのが気に食わなかったのだろう」
「騎士資格を失った者を更生できると豪語したのだから彼を任せても大丈夫でしょう」等と周囲に言っていたらしい。全く腹が立つ。受け持つことにはなったものの、直接指導する時間はあまり無い。シュテファン達ミステル駐留組は既に皇都を発っていたし、必然的に指導はラウルやコンラートに任せてしまっていた。
「結局、その新人は不適格としたんだったか?」
「そうです。資質もギリギリでしたし、相棒との絆も希薄でした。それにあれだけ指導して規律を守れないのでしたら竜騎士には不向きでしょう」
義務付けた鍛錬に遅刻は当たり前で、姿を現さない日もあった。そして問題を起こした日は体調不良と偽って仕事自体を休み、恋人と出かけていた。しかもその相手は人妻で、出先で偶然その夫と鉢合わせしてしまったらしい。当然、大きな騒ぎとなり、休暇を取っていた俺の元へも連絡が来たのだ。
ラウルだけでなく他の第1騎士団の大隊長からも賛同を得て、その新人は竜騎士資格を失った。自分で世話を全くしていなかったことから相棒としていた飛竜からも見放された。こうなると見習いからやり直すどころか兵団に移ることも出来ない。後はどこかの貴族の私兵として雇ってもらうくらいなのだが、採用されるかは微妙なところだ。フロックス家やミムラス家と肩を並べるほどの家柄の出だったらしく、猛烈な抗議を受けたが、覆る事は無かった。
こんなこともあって見習いの教育機関となる竜騎士科の設立を急ぐことになり、来年から試験的にミステルで見習いの教育を始めることを正式決定していた。候補は既に絞り込まれ、近日中に公表される。これはこれで物議を呼びそうだ。
「まあ、後はこちらの仕事だ」
俺は竜騎士科の試験運用の準備の名目で明日から当面の間ミステルに駐留することになった。とはいっても俺がすることはほとんどない。取り損ねた休暇の代わりだ。領地の仕事はあるが、基本的にのんびり過ごすことが出来る。
「もしかしたらお前の方へ何か言ってくる輩がいるかもしれないが、陛下がお決めになられた事だと言ってやれ」
「分かりました」
試験運用とはいえ将来を約束されたようなものだ。自分の身内を候補に入れる様に圧力をかけられる可能性もあるので、その騒動からの避難も兼ねている。1カ月ほどのんびりさせてもらえれば、その間にアスター卿が周囲を納得させておいてくれるらしい。
「余計な仕事ばかりさせて悪かった。ゆっくりしてきてくれ」
「ありがとうございます」
酒も勧められたが、明日は早くに出立する予定なので断って席を立つ。ともかく、早く家族に会いたい。俺はアスター卿の執務室を辞すると、家路についた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
結婚して初めての大きな夫婦喧嘩。
思いの外ルークは落ち込んでいます。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢カテリーナでございます。
くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ……
気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。
どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。
40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。
ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。
40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。
S級騎士の俺が精鋭部隊の隊長に任命されたが、部下がみんな年上のS級女騎士だった
ミズノみすぎ
ファンタジー
「黒騎士ゼクード・フォルス。君を竜狩り精鋭部隊【ドラゴンキラー隊】の隊長に任命する」
15歳の春。
念願のS級騎士になった俺は、いきなり国王様からそんな命令を下された。
「隊長とか面倒くさいんですけど」
S級騎士はモテるって聞いたからなったけど、隊長とかそんな重いポジションは……
「部下は美女揃いだぞ?」
「やらせていただきます!」
こうして俺は仕方なく隊長となった。
渡された部隊名簿を見ると隊員は俺を含めた女騎士3人の計4人構成となっていた。
女騎士二人は17歳。
もう一人の女騎士は19歳(俺の担任の先生)。
「あの……みんな年上なんですが」
「だが美人揃いだぞ?」
「がんばります!」
とは言ったものの。
俺のような若輩者の部下にされて、彼女たちに文句はないのだろうか?
と思っていた翌日の朝。
実家の玄関を部下となる女騎士が叩いてきた!
★のマークがついた話数にはイラストや4コマなどが後書きに記載されています。
※2023年11月25日に書籍が発売!
イラストレーターはiltusa先生です!
※コミカライズも進行中!
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
離縁してくださいと言ったら、大騒ぎになったのですが?
ネコ
恋愛
子爵令嬢レイラは北の領主グレアムと政略結婚をするも、彼が愛しているのは幼い頃から世話してきた従姉妹らしい。夫婦生活らしい交流すらなく、仕事と家事を押し付けられるばかり。ある日、従姉妹とグレアムの微妙な関係を目撃し、全てを諦める。
愛しき冷血宰相へ別れの挨拶を
川上桃園
恋愛
「どうかもう私のことはお忘れください。閣下の幸せを、遠くから見守っております」
とある国で、宰相閣下が結婚するという新聞記事が出た。
これを見た地方官吏のコーデリアは突如、王都へ旅立った。亡き兄の友人であり、年上の想い人でもある「彼」に別れを告げるために。
だが目当ての宰相邸では使用人に追い返されて途方に暮れる。そこに出くわしたのは、彼と結婚するという噂の美しき令嬢の姿だった――。
これは、冷血宰相と呼ばれた彼の結婚を巡る、恋のから騒ぎ。最後はハッピーエンドで終わるめでたしめでたしのお話です。
完結まで執筆済み、毎日更新
もう少しだけお付き合いください
第22回書き出し祭り参加作品
2025.1.26 女性向けホトラン1位ありがとうございます
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……
魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて
アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。
二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる