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第5章 家族の物語
第25話
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酒場の一件から2日経ったこの日、ラヴィーネ総督府に俺は赴いていた。お供はあの場にいたドミニクとレオナルト、そしてラウルとシュテファンも来ている。ラヴィーネ側はハーゲン卿とアントン総督が出席し、件の事件の顛末の報告を受けることになっていた。
「この度は申し訳ありませんでした」
冒頭にアントン総督が頭を下げた。事件を起こしたあの若様はラヴィーネの有力者の息子だった。元々素行が悪かったのだが、彼が起こしてきた不祥事は全て父親がもみ消してきていた。噂は知っていたが決定的な証拠が無く、今まで処罰されることは無かったらしい。
そしてその有力者は俺がラヴィーネに着いた早々に面会を求めて来た1人でもあり、その折に雷光隊へ息子を推薦するつもりだったらしい。見た限り多少の資質はあったが、飛竜に選ばれるかどうかは微妙なところだ。竜騎士どころかそれになるための訓練を受けてもいないのに雷光隊に入れると思うところがおかしいのだが、残念なことに周囲にそれを指摘する人はいなかった様だ。
「父親が何でも願いを叶えて来たことから、父親がルーク卿に会いに行った段階でもう雷光隊の一員になったつもりでいた様です」
ため息と共にハーゲン卿が詳しい経緯を説明する。あの若様は最近、あのルイーゼという少女に執着していた。当人もだが彼女の父親が断固として拒否し、思い通りにいかない事に苛立った彼は雷光隊の名を脅しに使っていたのだ。それをたまたま父親に対抗する有力者の配下が目撃し、その有力者からハーゲン卿の元へ報告が上がったとのことだった。
ハーゲン卿がすぐに俺にも知らせてくれたので、休養日を利用して確認しに行ったのが2日前の出来事だ。俺が出向くまでもないとラウルとシュテファンに言われたのだが、俺達が仮の拠点としていた砦に近かったし、何より腹立たしかったので自分の手で始末したかったのだ。
「今は余罪を調べているのだが、報復を恐れて口を閉ざしている領民の方が多いのが現状です。それでも今わかっている罪状だけで、長期間の労役は確定です」
ラヴィーネで労役と言えば銀鉱山だ。鉱山での重労働だけでなく、タランテラ最北という立地から最も過酷な自然環境が加わる。ここへは国中の重罪人が集まっており、俺達と因縁のある相手も数多く送り込まれている。逆恨みをしている相手もいるだろうから、ハーゲン卿の計らいで演習では鉱山に近寄らずに済んでいるのが非常にありがたい。
「父親の方も事件のもみ消しを行ってきたと言うことで同罪とする方向で話がまとまっております」
有力者が処罰を受けるとなると、ラヴィーネの権力争いはまた激しくなりそうだ。そもそもアントン総督はそれを抑える手立てがあるのだろうか? これまで見てきた人となりはなんとなく頼りない印象が強い。
「被害者への救済も可能な限り行っていく予定です」
財源は処罰した有力者の財産だろうが、この分だとそれでは足りない可能性もある。俺もミステルの再建で経験したが、それをどうねん出するかが問題だ。
「気が重いです……」
アントン総督が縋る様な視線を向けて来たが、俺に助けを求められても困る。俺は第7騎士団を鍛えるために来たのであって、ラヴィーネの行政改革に来たのではない。そもそも政は専門外だ。
「こちらとしては再発防止を徹底して下さるのでしたら問題ありません」
アントン総督の視線を見ないふりをしてハーゲン卿と話を進める。これはラヴィーネで解決しなければならない問題だ。雷光隊の名前を使われたから捕縛には協力したが、これ以上俺は出しゃばるつもりはない。ただ、地方で見聞したことは全て陛下にご報告するので、もしかしたらあとから何かしらの御達しはあるかもしれない。
後はハーゲン卿と今後の訓練の予定を再確認して終え、俺達はそれぞれが仮の拠点としている砦へと戻った。
その後の訓練は順調に進み、預かった第7騎士団の団員も着実にその技術を向上させていった。そして満足いく成果を上げて予定していた演習期間を終えた。
翌日には仮の拠点としていた砦を引き上げて総督府へ移動する予定となっていたその日、俺に来客があった。いつも通り有力者が顔つなぎで来たのなら追い返すのだが、この日の客は違った。
「先日はありがとうございました」
俺とドミニク、そしてレオナルトに対して深々と頭を下げたのは、先日の騒動の場となった酒場の店主とその娘ルイーゼだった。俺は身分を明かしてしまったので、混乱を避けるために事後処理は警備兵に任せてしまった。その後の様子はハーゲン卿が伝えてくれていたので知っていたが、こうして直接元気な姿を見て安心した。
「礼には及びません。当然の事をしたまでです」
自分達の名誉を守るためでもあったので、ここまで感謝されるのも恥ずかしい。それをごまかす様に話題を変え、近況を聞いてみた。
「店をたたんで引っ越すことにしました」
「え?」
問題は解決したのに何故だろう? 疑問に思っていると、元々あの若様から逃れるために引っ越すつもりでいたらしい。もちろんあの男にバレると追って来られるので、秘密裏に準備を進めていた。あの事件があって男は逮捕されその必要が無くなったと思われたが、まだ身内は残っている。逆恨みも考えられるので、予定通り引っ越すことにしたらしい。
「そうですか」
何も悪い事をしていないのに理不尽な事だと思う。何かしらの手助けが出来ればいいが、かえって迷惑になりそうだ。十分に考えての決断なのだろう。俺達はただその決断を尊重するしかない。
「助けて頂いたお礼にこれを……」
最後に店主は俺達に酒瓶を手渡した。タランテラ産だがいずれも年代物のワインだった。引っ越すので残っていたものを全て売り払ってその資金にするらしい。これは昔、自分が楽しむ為に買ったもので、呑む機会が無く酒蔵に保存されていた物だった。
「高いものではありませんが、気持ちだけでも渡せたらと持参して参りました」
「気づかいに感謝します」
わざわざ運んできてくれたのを無下に断るのも気が引ける。俺達はそのワインをありがたく頂戴することにした。何しろルイーゼがそれぞれに手渡してくれるのだ。この状況で断れる奴が居たら見て見たい。
それにしてもつくづく思う。こんなまだ成人前の女の子に執着するとは、あの事件を起こした男は相当歪んでいたに違いない。ハーゲン卿からあの男の余罪を聞いたが、暴行の対象は全て成人前の男女だった。子供が相手ならば力で何とでもできると思っていたのだろう。全く不愉快だ。
「どうか健勝で」
短い面談を終え、父娘を見送る。新生活が始まる2人に道中の無事を願った。
そしてその翌日、久しぶりにラヴィーネの総督府に戻って来た俺達はアントン総督が主宰した慰労の夜会に出席していた。あまり気乗りはしなかったのだが、せめてものお礼をさせて欲しいと言われ、俺とラウルとシュテファンの3人で参加することにした。翌朝には皇都へ向けて出立するので、他の隊員にはその準備を任せた。
「本日はお招きいただき、ありがとうございます」
「いえ、こちらこそご出席下さってありがとうございます」
アントン総督は俺達の姿を見てホッとした様子で挨拶をしてきた。俺も笑顔で対応するが、彼の背後には着飾ったラヴィーネの有力者達が手ぐすねを引いて待ち構えている。何かを期待しているのかいい笑顔だが、それに応じてやるつもりは無かった。
「初めまして、ルーク卿」
「お目にかかれて光栄です」
アントン総督との挨拶を終えたとたん、彼を押しのけるようにして有力者達が俺に群がって来た。だが、俺はそれをすべて無視してその場を離れる。
「何? あの態度」
「何様だと思っているんだ?」
当然の様に有力者達は憤慨している。しかし、この対応は間違えていない。何しろ俺の方が身分が上で、身分が低いものが高い相手に話しかけるのは不作法とされているからだ。それに、彼等は色々やらかしている。あの事件をハーゲン卿に知らせた有力者はその見返りを求めていたし、他の有力者はラウルやシュテファンの所へ女性を送り込もうとして失敗している。
「おや、ラヴィーネの方々は宮廷作法もご存知ない様だ」
「これでは高貴な方々にご紹介するのは難しいですね」
俺に付き添っているラウルとシュテファンが彼等に聞こえるようにそう言うと、彼等は文句を言うのを止めた。まあ、昔ほど厳格に守られているわけではないが、それでも最低限の礼儀は必要だ。ラヴィーネで最も高い身分となるはずの総督を蔑ろにするような彼等を陛下や5大公家の方々に紹介したくもない。
そんな彼等の様子を見て、俺は危惧していた。似ているのだ。内乱が起こる前のフォルビアに。地元で力がある者達が更なる利益を欲し、互いに争っている様子を見ているとあの頃のフォルビアをどうしても思い出してしまうのだ。
おせっかいだと思ったのだが、こちらに滞在中は若い竜騎士や兵士に内乱中の体験談を話して聞かせてある。中には有力者達の縁者もいた。それからどう感じ取るかは彼ら次第だが、これをきっかけにいい方へ変わってくれると信じたい。
「アントン総督。来たばかりで申し訳ないが、我々はこれでお暇させてもらう」
「そうですか。大したおもてなしが出来なくて申し訳ない」
「いえ、お気になさらず。それでは」
主催者に挨拶を済ませたので、義理は果たせた。有力者達の残念そうな声を聴きながら俺達は会場を後にした。何しろ出立は明日の早朝だ。俺達が寝坊して集合時間に遅れては示しがつかない。さっさと宿舎に戻ると、翌日に備えて早めに就寝した。寂しい一人寝もあと少しの我慢だ。
そして翌朝、遅刻することなく全員が集まり、ラヴィーネを出立したのだった。
「この度は申し訳ありませんでした」
冒頭にアントン総督が頭を下げた。事件を起こしたあの若様はラヴィーネの有力者の息子だった。元々素行が悪かったのだが、彼が起こしてきた不祥事は全て父親がもみ消してきていた。噂は知っていたが決定的な証拠が無く、今まで処罰されることは無かったらしい。
そしてその有力者は俺がラヴィーネに着いた早々に面会を求めて来た1人でもあり、その折に雷光隊へ息子を推薦するつもりだったらしい。見た限り多少の資質はあったが、飛竜に選ばれるかどうかは微妙なところだ。竜騎士どころかそれになるための訓練を受けてもいないのに雷光隊に入れると思うところがおかしいのだが、残念なことに周囲にそれを指摘する人はいなかった様だ。
「父親が何でも願いを叶えて来たことから、父親がルーク卿に会いに行った段階でもう雷光隊の一員になったつもりでいた様です」
ため息と共にハーゲン卿が詳しい経緯を説明する。あの若様は最近、あのルイーゼという少女に執着していた。当人もだが彼女の父親が断固として拒否し、思い通りにいかない事に苛立った彼は雷光隊の名を脅しに使っていたのだ。それをたまたま父親に対抗する有力者の配下が目撃し、その有力者からハーゲン卿の元へ報告が上がったとのことだった。
ハーゲン卿がすぐに俺にも知らせてくれたので、休養日を利用して確認しに行ったのが2日前の出来事だ。俺が出向くまでもないとラウルとシュテファンに言われたのだが、俺達が仮の拠点としていた砦に近かったし、何より腹立たしかったので自分の手で始末したかったのだ。
「今は余罪を調べているのだが、報復を恐れて口を閉ざしている領民の方が多いのが現状です。それでも今わかっている罪状だけで、長期間の労役は確定です」
ラヴィーネで労役と言えば銀鉱山だ。鉱山での重労働だけでなく、タランテラ最北という立地から最も過酷な自然環境が加わる。ここへは国中の重罪人が集まっており、俺達と因縁のある相手も数多く送り込まれている。逆恨みをしている相手もいるだろうから、ハーゲン卿の計らいで演習では鉱山に近寄らずに済んでいるのが非常にありがたい。
「父親の方も事件のもみ消しを行ってきたと言うことで同罪とする方向で話がまとまっております」
有力者が処罰を受けるとなると、ラヴィーネの権力争いはまた激しくなりそうだ。そもそもアントン総督はそれを抑える手立てがあるのだろうか? これまで見てきた人となりはなんとなく頼りない印象が強い。
「被害者への救済も可能な限り行っていく予定です」
財源は処罰した有力者の財産だろうが、この分だとそれでは足りない可能性もある。俺もミステルの再建で経験したが、それをどうねん出するかが問題だ。
「気が重いです……」
アントン総督が縋る様な視線を向けて来たが、俺に助けを求められても困る。俺は第7騎士団を鍛えるために来たのであって、ラヴィーネの行政改革に来たのではない。そもそも政は専門外だ。
「こちらとしては再発防止を徹底して下さるのでしたら問題ありません」
アントン総督の視線を見ないふりをしてハーゲン卿と話を進める。これはラヴィーネで解決しなければならない問題だ。雷光隊の名前を使われたから捕縛には協力したが、これ以上俺は出しゃばるつもりはない。ただ、地方で見聞したことは全て陛下にご報告するので、もしかしたらあとから何かしらの御達しはあるかもしれない。
後はハーゲン卿と今後の訓練の予定を再確認して終え、俺達はそれぞれが仮の拠点としている砦へと戻った。
その後の訓練は順調に進み、預かった第7騎士団の団員も着実にその技術を向上させていった。そして満足いく成果を上げて予定していた演習期間を終えた。
翌日には仮の拠点としていた砦を引き上げて総督府へ移動する予定となっていたその日、俺に来客があった。いつも通り有力者が顔つなぎで来たのなら追い返すのだが、この日の客は違った。
「先日はありがとうございました」
俺とドミニク、そしてレオナルトに対して深々と頭を下げたのは、先日の騒動の場となった酒場の店主とその娘ルイーゼだった。俺は身分を明かしてしまったので、混乱を避けるために事後処理は警備兵に任せてしまった。その後の様子はハーゲン卿が伝えてくれていたので知っていたが、こうして直接元気な姿を見て安心した。
「礼には及びません。当然の事をしたまでです」
自分達の名誉を守るためでもあったので、ここまで感謝されるのも恥ずかしい。それをごまかす様に話題を変え、近況を聞いてみた。
「店をたたんで引っ越すことにしました」
「え?」
問題は解決したのに何故だろう? 疑問に思っていると、元々あの若様から逃れるために引っ越すつもりでいたらしい。もちろんあの男にバレると追って来られるので、秘密裏に準備を進めていた。あの事件があって男は逮捕されその必要が無くなったと思われたが、まだ身内は残っている。逆恨みも考えられるので、予定通り引っ越すことにしたらしい。
「そうですか」
何も悪い事をしていないのに理不尽な事だと思う。何かしらの手助けが出来ればいいが、かえって迷惑になりそうだ。十分に考えての決断なのだろう。俺達はただその決断を尊重するしかない。
「助けて頂いたお礼にこれを……」
最後に店主は俺達に酒瓶を手渡した。タランテラ産だがいずれも年代物のワインだった。引っ越すので残っていたものを全て売り払ってその資金にするらしい。これは昔、自分が楽しむ為に買ったもので、呑む機会が無く酒蔵に保存されていた物だった。
「高いものではありませんが、気持ちだけでも渡せたらと持参して参りました」
「気づかいに感謝します」
わざわざ運んできてくれたのを無下に断るのも気が引ける。俺達はそのワインをありがたく頂戴することにした。何しろルイーゼがそれぞれに手渡してくれるのだ。この状況で断れる奴が居たら見て見たい。
それにしてもつくづく思う。こんなまだ成人前の女の子に執着するとは、あの事件を起こした男は相当歪んでいたに違いない。ハーゲン卿からあの男の余罪を聞いたが、暴行の対象は全て成人前の男女だった。子供が相手ならば力で何とでもできると思っていたのだろう。全く不愉快だ。
「どうか健勝で」
短い面談を終え、父娘を見送る。新生活が始まる2人に道中の無事を願った。
そしてその翌日、久しぶりにラヴィーネの総督府に戻って来た俺達はアントン総督が主宰した慰労の夜会に出席していた。あまり気乗りはしなかったのだが、せめてものお礼をさせて欲しいと言われ、俺とラウルとシュテファンの3人で参加することにした。翌朝には皇都へ向けて出立するので、他の隊員にはその準備を任せた。
「本日はお招きいただき、ありがとうございます」
「いえ、こちらこそご出席下さってありがとうございます」
アントン総督は俺達の姿を見てホッとした様子で挨拶をしてきた。俺も笑顔で対応するが、彼の背後には着飾ったラヴィーネの有力者達が手ぐすねを引いて待ち構えている。何かを期待しているのかいい笑顔だが、それに応じてやるつもりは無かった。
「初めまして、ルーク卿」
「お目にかかれて光栄です」
アントン総督との挨拶を終えたとたん、彼を押しのけるようにして有力者達が俺に群がって来た。だが、俺はそれをすべて無視してその場を離れる。
「何? あの態度」
「何様だと思っているんだ?」
当然の様に有力者達は憤慨している。しかし、この対応は間違えていない。何しろ俺の方が身分が上で、身分が低いものが高い相手に話しかけるのは不作法とされているからだ。それに、彼等は色々やらかしている。あの事件をハーゲン卿に知らせた有力者はその見返りを求めていたし、他の有力者はラウルやシュテファンの所へ女性を送り込もうとして失敗している。
「おや、ラヴィーネの方々は宮廷作法もご存知ない様だ」
「これでは高貴な方々にご紹介するのは難しいですね」
俺に付き添っているラウルとシュテファンが彼等に聞こえるようにそう言うと、彼等は文句を言うのを止めた。まあ、昔ほど厳格に守られているわけではないが、それでも最低限の礼儀は必要だ。ラヴィーネで最も高い身分となるはずの総督を蔑ろにするような彼等を陛下や5大公家の方々に紹介したくもない。
そんな彼等の様子を見て、俺は危惧していた。似ているのだ。内乱が起こる前のフォルビアに。地元で力がある者達が更なる利益を欲し、互いに争っている様子を見ているとあの頃のフォルビアをどうしても思い出してしまうのだ。
おせっかいだと思ったのだが、こちらに滞在中は若い竜騎士や兵士に内乱中の体験談を話して聞かせてある。中には有力者達の縁者もいた。それからどう感じ取るかは彼ら次第だが、これをきっかけにいい方へ変わってくれると信じたい。
「アントン総督。来たばかりで申し訳ないが、我々はこれでお暇させてもらう」
「そうですか。大したおもてなしが出来なくて申し訳ない」
「いえ、お気になさらず。それでは」
主催者に挨拶を済ませたので、義理は果たせた。有力者達の残念そうな声を聴きながら俺達は会場を後にした。何しろ出立は明日の早朝だ。俺達が寝坊して集合時間に遅れては示しがつかない。さっさと宿舎に戻ると、翌日に備えて早めに就寝した。寂しい一人寝もあと少しの我慢だ。
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