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第5章 家族の物語
第9話
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今回短めです
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夏至祭もいよいよ間近に迫って来て、何かと多忙な時期となり、オリガも仕事に復帰することとなった。俺も仕事があるし、息子のカミルは乳母のビアンカに任せて留守番させるつもりだったのだけど、皇妃様のお計らいでベティーナも一緒に保育室で過ごさせてもらえることになった。
一方、皇都に来た一番の目的を果たした父さんは、さぞかし暇を持て余すだろうと予測していたが、変わらず即席の工房に籠って何かを作っていた。母さんも同様に裁縫に精を出しているのだけど、2人供何を作っているのかは教えてくれなかった。出来上がってからのお楽しみらしい。
そして賑やかな侍女見習3人組はガブリエラとブランドル家から応援に来てくれている侍女からその心得を学んでいる。休みの日には息抜きも必要だが、まだまだ危なっかしいので1人での外出は許可していない。
何しろ夏至祭に加えてアルベルト殿下誕生の祝賀も加わり、皇都は例年以上に賑わっている。いくら以前に比べて治安が良くなり、警らを強化しているとはいっても、犯罪を全て防ぎきれるわけではない。
今の浮ついた彼女達が犯罪に巻き込まれる可能性は高い。その辺を十分に言い聞かせたところ彼女達にも十分理解できたらしく、外出する時は必ずリタかガブリエラが同伴することを了承してくれた。
そうしているうちに夏至祭の初日を迎える。この日ばかりは家から通っていては遅くなるので、俺は前日から宿舎に泊まり込んでいた。雷光隊だけでなく教育部隊の面々にも役割が与えられているので、全員夜明け前から起き出して準備を始める。
但し、ジークリンデはこの場にはいない。雷光隊の宿舎に女性用の部屋を用意できなかったからだ。彼女は構わないと言ったが、さすがにそれは出来ない。今回は実家のリネアリス家公邸から通ってもらい、数少ない女性竜騎士の1人として皇妃様の護衛に加わってもらっている。
「隊長、大変です! 傲慢女王が逃げ出しました」
「何?」
陛下の元へ向かおうとしたところで、パラクインスの相手を任せていたドミニクが慌てた様子で駆け込んでくる。アイツめ……よりによって飛竜レース当日に騒ぎを起こしやがった。
「すぐ行く」
陛下へ遅れる旨の連絡を頼むと俺はすぐさま竜舎へ向かった。まだ夜明けまでは時間があるはずだ。宿舎を飛び出した俺は全速力で竜舎へ向かった。
キュルキュルキュル……
飛竜レースに参加する飛竜は前日から特例で上層の竜舎の使用を許される。テンペストにあてがわれていた室の前で黒い飛竜が上機嫌で喉を鳴らし、体をしならせてティムのブラッシングを受ける喜びを全身で現していた。本当はパラクインスを昨日のうちに下層の室へ移すことになっていたのだが、どうやら手違いがあったらしい。
「ティム」
「……ルーク兄さん」
俺が声をかけると、1人と1頭の動きがピタリと止まる。そして同時にぎこちない動きで振り向いた。
「時間だぞ」
「あ、そうだった!」
ブラッシングに夢中になりすぎてすっかり忘れていたらしい。全く、呑気なものだ。
「ここは俺が引き受けるから、早く行け」
「ありがとう、行ってくる」
「おう。楽しんで来い」
待ちわびていたテンペストと共に着場へ向かうティムの背中にそう声をかけると、彼は片手を上げて応える。彼の実力ならまず上位入賞は間違いない。だが、彼は1位帰着しか眼中にない。その使命感に縛られてがんじがらめになっている様子だとリーガス卿からは聞いていた。だが、この傲慢女王の予定外の行動のおかげで少し肩の力が抜けたようにも見えた。
「ところで」
そう言ってパラクインスに視線を向けると、普段の傲慢さからは信じられないほど体をビクつかせる。
「今日はアイツの今後の人生がかかっている日だ。それが分かっていてやったな? あわよくばアイツを連れて帰れるとでも思ったか?」
キュウ?
可愛らしく首を傾げているが、俺はごまかされないぞ。
「アリシア様に送る報告書にも書いておくから、向こうに帰ったらしっかり制裁を受けておけ」
キュウン
更に甘い声を出して甘えようとするが、その手には乗らない。にらみつけると、ごまかしきれないと悟ったのかしおらしく項垂れた。
「申し訳ございません」
そこでようやく遠巻きに様子を見ていた係官がやって来た。何かと言い訳をしようとするのを制し、大人しくなったパラクインスを預け、道具類の片付けも頼んで竜舎を後にする。出立間近になると上層の着場には飛竜レース参加者以外は立ち入れなくなるので、急いで下層の着場に向かったが、途中で夜明けを知らせる鐘が鳴り響いた。ああ、間に合わなかったなと思っていたら、相棒の心像が伝わってくる。
上層の着場から次々と飛竜が飛び立っていく。そしてその中にテンペストの姿がはっきりと映っていた。どうやら無事に出立したみたいでホッと安堵の息を漏らした。
その後下層の着場に向かったが、既に出立した飛竜達の姿は見えなくなっていた。そんな中、俺の姿を見付けて相棒がヒョコヒョコと軽い足取りで近づいてくる。いい働きをしたと自分でもわかっているのか、エアリアルはどこか誇らしげだった。そんな相棒にお礼がてら頭をなでてやると、嬉しそうに喉を鳴らしている。
「さて、帰着はちゃんと見届けてやらないと」
ひとしきり相棒の頭をなで終えた俺は、仕事に戻るべく着場を後にした。
今日と明日の2日間、俺は陛下の傍で警護をすることになっていた。しかし、パラクインスの予定外の行動で初日から遅刻してしまい、陛下の傍に行くことが出来たのは、開会の宣言を終えられ、中座されて控えの間に移られた後だった。
「遅くなって申し訳ありません」
「パラクインスがやらかしたそうだな? まあ、彼も間に合ったようだし、気にしなくていいぞ」
「迷惑かけたね。本来ならば俺が対処するべきことだった」
陛下は笑って許して下さった一方で、陛下と一緒に朝食を摂られていたアレス卿には逆に謝られてしまった。
「いえ、任せて欲しいと言ったのは自分ですので、これは自分の失態です」
係官の言い訳では、昨夜のうちの移動をパラクインスが嫌がり、朝一番でしようとしたら思いの外早くティムが竜舎に現れて彼女が暴走したとのことだった。その辺もあの傲慢女王は分かっていてやっていたのだろう。その辺の推測を説明すると、アレス卿はそれはそれは深いため息を付いていた。
「母上には厳重注意を頼んでおくよ。後、タランテラへ来させるのはこれで最後にしよう。俺も忙しくなりそうだし、付き合っていられない」
「そうしていただけると助かります」
短い期間とはいえ、傲慢女王に振り回されるのはなかなかの重労働だ。それに見合う代償をブレシッド側も用意して下さっているのだが、味をしめて年々我儘になっている彼女を来ないようにしてもらうのが一番だ。
「彼女には内緒にして欲しいのですが、あれでティムの余計な力が抜けてくれたみたいなので、俺からのお仕置きはほどほどにしておきますよ」
「そうか。それなら大丈夫だな」
出立前のティムの様子を伝えると、陛下も安堵されていた。今日の成績がどうであれ、陛下は彼と姫様が望む限り2人の結婚は認めるおつもりだ。だが立場上、周囲を納得させるのも必要であり、今日の成績は一番重要になって来る。まあ、アイツなら大丈夫だろう。
そして昼過ぎ、俺達の心配をよそに、ティムは悠々と1位帰着を果たしたのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
この話から「小さな恋の行方」の裏話に突入。
ちょっと設定が変わってしまっている所もあるけど、笑って許していただけると幸いです。
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夏至祭もいよいよ間近に迫って来て、何かと多忙な時期となり、オリガも仕事に復帰することとなった。俺も仕事があるし、息子のカミルは乳母のビアンカに任せて留守番させるつもりだったのだけど、皇妃様のお計らいでベティーナも一緒に保育室で過ごさせてもらえることになった。
一方、皇都に来た一番の目的を果たした父さんは、さぞかし暇を持て余すだろうと予測していたが、変わらず即席の工房に籠って何かを作っていた。母さんも同様に裁縫に精を出しているのだけど、2人供何を作っているのかは教えてくれなかった。出来上がってからのお楽しみらしい。
そして賑やかな侍女見習3人組はガブリエラとブランドル家から応援に来てくれている侍女からその心得を学んでいる。休みの日には息抜きも必要だが、まだまだ危なっかしいので1人での外出は許可していない。
何しろ夏至祭に加えてアルベルト殿下誕生の祝賀も加わり、皇都は例年以上に賑わっている。いくら以前に比べて治安が良くなり、警らを強化しているとはいっても、犯罪を全て防ぎきれるわけではない。
今の浮ついた彼女達が犯罪に巻き込まれる可能性は高い。その辺を十分に言い聞かせたところ彼女達にも十分理解できたらしく、外出する時は必ずリタかガブリエラが同伴することを了承してくれた。
そうしているうちに夏至祭の初日を迎える。この日ばかりは家から通っていては遅くなるので、俺は前日から宿舎に泊まり込んでいた。雷光隊だけでなく教育部隊の面々にも役割が与えられているので、全員夜明け前から起き出して準備を始める。
但し、ジークリンデはこの場にはいない。雷光隊の宿舎に女性用の部屋を用意できなかったからだ。彼女は構わないと言ったが、さすがにそれは出来ない。今回は実家のリネアリス家公邸から通ってもらい、数少ない女性竜騎士の1人として皇妃様の護衛に加わってもらっている。
「隊長、大変です! 傲慢女王が逃げ出しました」
「何?」
陛下の元へ向かおうとしたところで、パラクインスの相手を任せていたドミニクが慌てた様子で駆け込んでくる。アイツめ……よりによって飛竜レース当日に騒ぎを起こしやがった。
「すぐ行く」
陛下へ遅れる旨の連絡を頼むと俺はすぐさま竜舎へ向かった。まだ夜明けまでは時間があるはずだ。宿舎を飛び出した俺は全速力で竜舎へ向かった。
キュルキュルキュル……
飛竜レースに参加する飛竜は前日から特例で上層の竜舎の使用を許される。テンペストにあてがわれていた室の前で黒い飛竜が上機嫌で喉を鳴らし、体をしならせてティムのブラッシングを受ける喜びを全身で現していた。本当はパラクインスを昨日のうちに下層の室へ移すことになっていたのだが、どうやら手違いがあったらしい。
「ティム」
「……ルーク兄さん」
俺が声をかけると、1人と1頭の動きがピタリと止まる。そして同時にぎこちない動きで振り向いた。
「時間だぞ」
「あ、そうだった!」
ブラッシングに夢中になりすぎてすっかり忘れていたらしい。全く、呑気なものだ。
「ここは俺が引き受けるから、早く行け」
「ありがとう、行ってくる」
「おう。楽しんで来い」
待ちわびていたテンペストと共に着場へ向かうティムの背中にそう声をかけると、彼は片手を上げて応える。彼の実力ならまず上位入賞は間違いない。だが、彼は1位帰着しか眼中にない。その使命感に縛られてがんじがらめになっている様子だとリーガス卿からは聞いていた。だが、この傲慢女王の予定外の行動のおかげで少し肩の力が抜けたようにも見えた。
「ところで」
そう言ってパラクインスに視線を向けると、普段の傲慢さからは信じられないほど体をビクつかせる。
「今日はアイツの今後の人生がかかっている日だ。それが分かっていてやったな? あわよくばアイツを連れて帰れるとでも思ったか?」
キュウ?
可愛らしく首を傾げているが、俺はごまかされないぞ。
「アリシア様に送る報告書にも書いておくから、向こうに帰ったらしっかり制裁を受けておけ」
キュウン
更に甘い声を出して甘えようとするが、その手には乗らない。にらみつけると、ごまかしきれないと悟ったのかしおらしく項垂れた。
「申し訳ございません」
そこでようやく遠巻きに様子を見ていた係官がやって来た。何かと言い訳をしようとするのを制し、大人しくなったパラクインスを預け、道具類の片付けも頼んで竜舎を後にする。出立間近になると上層の着場には飛竜レース参加者以外は立ち入れなくなるので、急いで下層の着場に向かったが、途中で夜明けを知らせる鐘が鳴り響いた。ああ、間に合わなかったなと思っていたら、相棒の心像が伝わってくる。
上層の着場から次々と飛竜が飛び立っていく。そしてその中にテンペストの姿がはっきりと映っていた。どうやら無事に出立したみたいでホッと安堵の息を漏らした。
その後下層の着場に向かったが、既に出立した飛竜達の姿は見えなくなっていた。そんな中、俺の姿を見付けて相棒がヒョコヒョコと軽い足取りで近づいてくる。いい働きをしたと自分でもわかっているのか、エアリアルはどこか誇らしげだった。そんな相棒にお礼がてら頭をなでてやると、嬉しそうに喉を鳴らしている。
「さて、帰着はちゃんと見届けてやらないと」
ひとしきり相棒の頭をなで終えた俺は、仕事に戻るべく着場を後にした。
今日と明日の2日間、俺は陛下の傍で警護をすることになっていた。しかし、パラクインスの予定外の行動で初日から遅刻してしまい、陛下の傍に行くことが出来たのは、開会の宣言を終えられ、中座されて控えの間に移られた後だった。
「遅くなって申し訳ありません」
「パラクインスがやらかしたそうだな? まあ、彼も間に合ったようだし、気にしなくていいぞ」
「迷惑かけたね。本来ならば俺が対処するべきことだった」
陛下は笑って許して下さった一方で、陛下と一緒に朝食を摂られていたアレス卿には逆に謝られてしまった。
「いえ、任せて欲しいと言ったのは自分ですので、これは自分の失態です」
係官の言い訳では、昨夜のうちの移動をパラクインスが嫌がり、朝一番でしようとしたら思いの外早くティムが竜舎に現れて彼女が暴走したとのことだった。その辺もあの傲慢女王は分かっていてやっていたのだろう。その辺の推測を説明すると、アレス卿はそれはそれは深いため息を付いていた。
「母上には厳重注意を頼んでおくよ。後、タランテラへ来させるのはこれで最後にしよう。俺も忙しくなりそうだし、付き合っていられない」
「そうしていただけると助かります」
短い期間とはいえ、傲慢女王に振り回されるのはなかなかの重労働だ。それに見合う代償をブレシッド側も用意して下さっているのだが、味をしめて年々我儘になっている彼女を来ないようにしてもらうのが一番だ。
「彼女には内緒にして欲しいのですが、あれでティムの余計な力が抜けてくれたみたいなので、俺からのお仕置きはほどほどにしておきますよ」
「そうか。それなら大丈夫だな」
出立前のティムの様子を伝えると、陛下も安堵されていた。今日の成績がどうであれ、陛下は彼と姫様が望む限り2人の結婚は認めるおつもりだ。だが立場上、周囲を納得させるのも必要であり、今日の成績は一番重要になって来る。まあ、アイツなら大丈夫だろう。
そして昼過ぎ、俺達の心配をよそに、ティムは悠々と1位帰着を果たしたのだった。
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