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第4章 夫婦の物語
第13話
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「みんな、眠った?」
「ええ。やっぱり疲れていたみたい」
焚火の周りにはルークの他には竜騎士達とウォルフさんが残っている。飛竜達は竜舎へ帰したので、自警団員とザムエルさんが交代で周囲を警戒してくれていた。
「みんな、はしゃいでいたもんな」
「連れて来て良かった」
楽しそうにしていた子供達の様子を思い出すと、本当に連れて来て良かったと思える。ルークに手招きされて彼の隣に腰掛けると、ウォルフさんがすかさず果実水の杯を用意して手渡してくれる。
「ありがとう」
感謝して受け取り、一口飲む。どうやら今回は子供達を連れての野外活動なので、酒類は用意していなかったらしく、竜騎士達は少し物足りなさそうに果実水を口にしていた。
「さて、皆の印象は?」
徐にルークが竜騎士達に質問する。誰から答えるかで3人が顔を見合わせていたが、代表して答えたのは意外にもティムだった。
「資質を感じたのは2人だけど、1人はちょっと厳しいかな」
「どんな風に?」
「竜騎士になるには力が足りない。もう1人……カイ君の力は申し分ないと思う」
ティムの答えにローラント卿もドミニク卿も同意してうなずいている。ルークも「なるほど」と言ってうなずいている所から、彼も同意見なのだろう。
実は今回の野外活動は単なる遊びの場ではなかった。竜騎士の資質がありそうな子供を集め、その相性を確かめるための場でもあった。実際に飛竜と接することで、その資質をより正確に確認できる。今回は孤児院の子供達を連れて来たけど、いずれは希望する子供達全員の資質を確認する場を設けるのがルークの目標だった。
「あの子の歳はいくつでしたか?」
「確か、12歳くらいだ」
ティムの問いにルークが答える。スリ集団の仲間になる前には別の孤児院にいた記録がかろうじて残っていたが、明確な誕生日までは分かっていない。年齢はあくまで推定になる。
「見習い候補になるには十分ですね」
「だが、あの子はまだ我々を完全には信用していない」
ルークはため息交じりにそう吐露する。世話役の神官達の話でも、なかなか素直に言うことを聞いてくれない。孤児院に来るまでの生活を思えば無理もない事だけど、心を閉ざしているのを粗雑な態度でごまかしている姿は痛ましくもある。
「聞く耳を持つようにならないと、見習い候補になるのも無理だな」
「そうですね。できれば早い方が良いんでしょうけど」
見習い候補になるにしても、指導役となる竜騎士の言葉に従わないとその先は望めない。今のままのカイ君では見習い候補となることは出来てもそれで終わってしまう可能性が高かった。
「せめて来年の今くらいには送り出したい」
「あと1年ですか」
「何かきっかけがあれば変わると思う」
そのきっかけが何になるかは分からない。ともかくあと1年の間に出来るだけ対話をしていこうと話はまとまった。その後は翌日に子供達に体験させる内容を改めて確認して話し合いは終了し、解散となった。
ルークとティムは話が尽きない様子で、そのまま焚火の傍で話し込んでいた。途中まで話を聞いていたけど、竜騎士にしか分からないような話が主で、私は早々に席を立って女の子達が休んでいる天幕へと戻った。
みんなぐっすり眠っている。はだけた上掛けをかけなおし、私も横になる。明日も元気いっぱいの彼等の相手をするのだから、少しでも体を休めようと目を閉じた。
翌朝、目を覚ますとまだ子供達は眠っていた。身支度を整え、そっと天幕から出る。昨夜の焚火の後の傍らにルークとドミニク卿が立っていて、話をしながら空を見上げている。
「おはよう、オリガ。よく眠れた?」
「おはよう、ルーク」
私の姿を見てルークが声をかけてくる。私も挨拶を返し、ドミニク卿とも挨拶を交わす。
「何かありましたの?」」
2人にそう尋ねながら、私も何気なく彼等が見ていた空を見上げる。今日も晴れてはいるが、昨日に比べると幾分風が強い気がする。
「天気が崩れそうなんだ。ティムとローラントに様子を見に行ってもらっているけど、午後から荒れるかもしれない」
「まあ、それじゃあ……」
「子供達には悪いけど、朝食が済んだら撤収する」
「みんな、がっかりしますね」
「そうだな」
今日は乗馬と希望者には飛竜の騎乗体験もすることになっていた。今回の野外活動でみんなが一番楽しみにしていた行事なのだが、残念だけれど子供達の安全には変えられない。先ずはみんなを起こし、朝食の前に予定の変更を伝えることになった。
「えー、なんでだよ」
急遽帰ることになったことを伝えると、子供達からは当然不満の声が上がる。特にカイ君の怒り様は尋常ではなく、ドミニク卿が慌ててその体を抑えていた。
「空を見てごらん。晴れているけど、昨日に比べて雲の動きが早いと思わないかい? 強い風が吹いている証拠なんだ。雲はどっちから来ているかな?」
ルークの質問に子供達は一様に西の方角を指さした。
「あの先の空の様子を見に行ってもらった。そうしたら雨を降らせる黒い雲が出ていたんだ。お昼頃にはこの辺りに来る。もしかしたら雷もなるかもしれない」
雷と聞いて子供達は肩をビクつかせる。カイ君は1人だけ「俺は怖くないからな」と強がっていたけど、ちょっとだけ声が震えていた。
「だからね、雨が降らないうちに安全な孤児院へ帰ろう。今日の続きはまた今度しようね」
「今度っていつ?」
「今年はもう難しいだろうから、来年かな。またみんなで魚釣りもしよう」
レーナの質問にルークは優しく答える。それで他の子供達も納得したようで、元気なお返事が返って来た。それでもまだカイ君は納得しきれていない様子だった。昨夜のルーク達の会話を思い出す。役に立てるか分からないけれど、帰りの道中で少しでも話をしてみようと決意した。
少し慌ただしく朝食を済ませ、子供達にも手伝ってもらって片づける。天幕など大きなものは自警団がするので、子供達には小物を運ぶ手伝いをしてもらった。役に立つのが嬉しいのか、子供達は楽しそうに手伝ってくれていた。
「荷物を運び終わった人から荷車に乗ってください」
「はーい」
「これで全部かな?」
「最後に自警団のお兄さん達が確認してくれるから心配しなくても大丈夫よ」
「俺、ションベン行ってくる」
「はい、気を付けて」
「僕、もう一つ運んで来る」
「無理しなくていいからね」
自警団が片付けた天幕などの大きな荷物はルーク達竜騎士がそれぞれの相棒にくくり付けている。必然的に私とウォルフさんとで次々話しかけてくる子供達の対応をすることになる。張り切りすぎる子供をなだめながらみんなを集め、荷車に乗せていく。
やがて大きな荷物をくくり付けた飛竜達が飛び立ち、それを見送ると片づけを済ませた自警団員と合流して孤児院へ帰ることになった。
「ちょっと待って、カイ君が戻ってきていないわ」
そう言えば用をたしに行くと言っていたカイ君がまだ戻ってきていない。自警団員が周辺を探してくれたけど、姿が見当たらない。これは完全に私達の手落ちだ。何かあったのではないかと思うと、血の気が引いてくる。
「エアリアルには荷物を置いたら引き返す様に伝えた。俺が残って探すから先に帰っていて」
エアリアルに乗らずに私達と孤児院へ帰るつもりで残ったルークは、取り乱しそうになる私にそう言って安心させてくれる。不安そうにしている子供達にも「大丈夫だから」と言って笑いかけ、必要な荷物を背嚢にまとめた。
「騎士様、カイ兄ちゃんを頼むね」
「ああ。必ず連れて帰るから」
ルークはそう言って孤児院へ帰っていく私達を見送った。
帰りの道中はみんな無口だった。みんなカイ君の事が心配なのだろう。そんな私達の気持ちを表すかのように、段々と空は雲に覆われる。そして、孤児院に帰り着いた頃にはポツリポツリと雨が降りだした。
昼食を済ませた頃には、ルークが言っていた通り雨は土砂降りになっていた。雷鳴もとどろき、怖がる子供達をなだめるために、午後からは前日に摘んだキイチゴでジャムを作った。
夕方には雷は納まったけれど、雨は相変わらず降り続いていた。そんな中、ルークから言付かった伝言をティムが伝えに来た。
「2人とも無事」
その言葉に安堵して力が抜けそうになる。けれども、雨はまだ降り続いている。結局、その日のうちに2人は帰ってこなかった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
行方不明になったカイ君。
ルークは無事に見つけ出せたみたいだけど……。
「ええ。やっぱり疲れていたみたい」
焚火の周りにはルークの他には竜騎士達とウォルフさんが残っている。飛竜達は竜舎へ帰したので、自警団員とザムエルさんが交代で周囲を警戒してくれていた。
「みんな、はしゃいでいたもんな」
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楽しそうにしていた子供達の様子を思い出すと、本当に連れて来て良かったと思える。ルークに手招きされて彼の隣に腰掛けると、ウォルフさんがすかさず果実水の杯を用意して手渡してくれる。
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「どんな風に?」
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実は今回の野外活動は単なる遊びの場ではなかった。竜騎士の資質がありそうな子供を集め、その相性を確かめるための場でもあった。実際に飛竜と接することで、その資質をより正確に確認できる。今回は孤児院の子供達を連れて来たけど、いずれは希望する子供達全員の資質を確認する場を設けるのがルークの目標だった。
「あの子の歳はいくつでしたか?」
「確か、12歳くらいだ」
ティムの問いにルークが答える。スリ集団の仲間になる前には別の孤児院にいた記録がかろうじて残っていたが、明確な誕生日までは分かっていない。年齢はあくまで推定になる。
「見習い候補になるには十分ですね」
「だが、あの子はまだ我々を完全には信用していない」
ルークはため息交じりにそう吐露する。世話役の神官達の話でも、なかなか素直に言うことを聞いてくれない。孤児院に来るまでの生活を思えば無理もない事だけど、心を閉ざしているのを粗雑な態度でごまかしている姿は痛ましくもある。
「聞く耳を持つようにならないと、見習い候補になるのも無理だな」
「そうですね。できれば早い方が良いんでしょうけど」
見習い候補になるにしても、指導役となる竜騎士の言葉に従わないとその先は望めない。今のままのカイ君では見習い候補となることは出来てもそれで終わってしまう可能性が高かった。
「せめて来年の今くらいには送り出したい」
「あと1年ですか」
「何かきっかけがあれば変わると思う」
そのきっかけが何になるかは分からない。ともかくあと1年の間に出来るだけ対話をしていこうと話はまとまった。その後は翌日に子供達に体験させる内容を改めて確認して話し合いは終了し、解散となった。
ルークとティムは話が尽きない様子で、そのまま焚火の傍で話し込んでいた。途中まで話を聞いていたけど、竜騎士にしか分からないような話が主で、私は早々に席を立って女の子達が休んでいる天幕へと戻った。
みんなぐっすり眠っている。はだけた上掛けをかけなおし、私も横になる。明日も元気いっぱいの彼等の相手をするのだから、少しでも体を休めようと目を閉じた。
翌朝、目を覚ますとまだ子供達は眠っていた。身支度を整え、そっと天幕から出る。昨夜の焚火の後の傍らにルークとドミニク卿が立っていて、話をしながら空を見上げている。
「おはよう、オリガ。よく眠れた?」
「おはよう、ルーク」
私の姿を見てルークが声をかけてくる。私も挨拶を返し、ドミニク卿とも挨拶を交わす。
「何かありましたの?」」
2人にそう尋ねながら、私も何気なく彼等が見ていた空を見上げる。今日も晴れてはいるが、昨日に比べると幾分風が強い気がする。
「天気が崩れそうなんだ。ティムとローラントに様子を見に行ってもらっているけど、午後から荒れるかもしれない」
「まあ、それじゃあ……」
「子供達には悪いけど、朝食が済んだら撤収する」
「みんな、がっかりしますね」
「そうだな」
今日は乗馬と希望者には飛竜の騎乗体験もすることになっていた。今回の野外活動でみんなが一番楽しみにしていた行事なのだが、残念だけれど子供達の安全には変えられない。先ずはみんなを起こし、朝食の前に予定の変更を伝えることになった。
「えー、なんでだよ」
急遽帰ることになったことを伝えると、子供達からは当然不満の声が上がる。特にカイ君の怒り様は尋常ではなく、ドミニク卿が慌ててその体を抑えていた。
「空を見てごらん。晴れているけど、昨日に比べて雲の動きが早いと思わないかい? 強い風が吹いている証拠なんだ。雲はどっちから来ているかな?」
ルークの質問に子供達は一様に西の方角を指さした。
「あの先の空の様子を見に行ってもらった。そうしたら雨を降らせる黒い雲が出ていたんだ。お昼頃にはこの辺りに来る。もしかしたら雷もなるかもしれない」
雷と聞いて子供達は肩をビクつかせる。カイ君は1人だけ「俺は怖くないからな」と強がっていたけど、ちょっとだけ声が震えていた。
「だからね、雨が降らないうちに安全な孤児院へ帰ろう。今日の続きはまた今度しようね」
「今度っていつ?」
「今年はもう難しいだろうから、来年かな。またみんなで魚釣りもしよう」
レーナの質問にルークは優しく答える。それで他の子供達も納得したようで、元気なお返事が返って来た。それでもまだカイ君は納得しきれていない様子だった。昨夜のルーク達の会話を思い出す。役に立てるか分からないけれど、帰りの道中で少しでも話をしてみようと決意した。
少し慌ただしく朝食を済ませ、子供達にも手伝ってもらって片づける。天幕など大きなものは自警団がするので、子供達には小物を運ぶ手伝いをしてもらった。役に立つのが嬉しいのか、子供達は楽しそうに手伝ってくれていた。
「荷物を運び終わった人から荷車に乗ってください」
「はーい」
「これで全部かな?」
「最後に自警団のお兄さん達が確認してくれるから心配しなくても大丈夫よ」
「俺、ションベン行ってくる」
「はい、気を付けて」
「僕、もう一つ運んで来る」
「無理しなくていいからね」
自警団が片付けた天幕などの大きな荷物はルーク達竜騎士がそれぞれの相棒にくくり付けている。必然的に私とウォルフさんとで次々話しかけてくる子供達の対応をすることになる。張り切りすぎる子供をなだめながらみんなを集め、荷車に乗せていく。
やがて大きな荷物をくくり付けた飛竜達が飛び立ち、それを見送ると片づけを済ませた自警団員と合流して孤児院へ帰ることになった。
「ちょっと待って、カイ君が戻ってきていないわ」
そう言えば用をたしに行くと言っていたカイ君がまだ戻ってきていない。自警団員が周辺を探してくれたけど、姿が見当たらない。これは完全に私達の手落ちだ。何かあったのではないかと思うと、血の気が引いてくる。
「エアリアルには荷物を置いたら引き返す様に伝えた。俺が残って探すから先に帰っていて」
エアリアルに乗らずに私達と孤児院へ帰るつもりで残ったルークは、取り乱しそうになる私にそう言って安心させてくれる。不安そうにしている子供達にも「大丈夫だから」と言って笑いかけ、必要な荷物を背嚢にまとめた。
「騎士様、カイ兄ちゃんを頼むね」
「ああ。必ず連れて帰るから」
ルークはそう言って孤児院へ帰っていく私達を見送った。
帰りの道中はみんな無口だった。みんなカイ君の事が心配なのだろう。そんな私達の気持ちを表すかのように、段々と空は雲に覆われる。そして、孤児院に帰り着いた頃にはポツリポツリと雨が降りだした。
昼食を済ませた頃には、ルークが言っていた通り雨は土砂降りになっていた。雷鳴もとどろき、怖がる子供達をなだめるために、午後からは前日に摘んだキイチゴでジャムを作った。
夕方には雷は納まったけれど、雨は相変わらず降り続いていた。そんな中、ルークから言付かった伝言をティムが伝えに来た。
「2人とも無事」
その言葉に安堵して力が抜けそうになる。けれども、雨はまだ降り続いている。結局、その日のうちに2人は帰ってこなかった。
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