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第1章 ルークの物語
第7話
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ダミアンさんの足の怪我は思った以上にひどく、完治しても後遺症が残り、竜騎士を続けることは不可能と診断された。それを後から聞いて少し複雑な気分になった。
エアリアルを返してほしいと思っていたが、別に竜騎士を辞めてもらいたかったわけではない。素質があるのだから、彼なら別の飛竜を乗りこなすことも可能だからだ。
彼の様子も気になったが、その時の俺には彼にかける言葉もやれることも思いつかなかった。やりきれない想いを抱えながら、俺は体を動かし続けた。
そして事件の2日後、ゴットフリートはホルスト団長に呼び出しを受けた。事の次第の報告を求められたらしい。新人とはいえ竜騎士が負傷し、引退を余儀なくされたのだ。当然、何かしらの処分は避けられない。
「騎士資格はく奪になるところを、俺様の口添えで保留となった。感謝しろよ」
戻って来たゴットフリートが恩着せがましくそう言ったことから、保身に走って俺に責任を擦り付けたのだとわかった。処分は追って通達されるらしいのだが、それまでに第3騎士団からも情報が伝われば、団長も少しは考慮してくれると信じたい。
しかし、その願いもむなしく俺に下された罰は厳しいものだった。ダミアンさんの竜騎士資格はそのままとなり、エアリアルの相棒の変更は行われる事は無かった。そして今まで安いながらももらっていた給与もほとんどが没収されることとなり、仕事もより過酷なものとなった。
ゴットフリートは自分が楽を出来ればもう偽装する気にもならないらしい。ダミアンさんが加療中でも俺を使いに行かせたおかげで俺が飛び回っているのは周知の事実となっていた。
寝る暇も食事する暇もない。疲れと空腹で抵抗する気力すら奪われて俺はただ言いなりになって働くしかなかった。そんな俺の姿に気の毒に思ったのか、ゴットフリートの目を盗んで城館の料理人が携帯食を用意してくれたり、使いに出ている間に使用人が雑務を肩代わりしてくれていたおかげでなんとか体を休める時間を確保できた。
長かった討伐期も終わりを迎えようとしていた頃、再び騒動が起きた。使いから戻ってくるなり使用人が駆け込んできて、ダミアンさんが崖から身を投げたと告げたのだ。
怪我は良くなっていたはずだが、あの事件以来ダミアンさんは部屋から出てくる事は無く、その姿を見た者は少ない。この日、出先から帰って来たゴットフリートがフラフラと出歩く彼の姿を偶然見つけ、その後をつけて行ったら砦の裏の崖から谷底へ身を投げたらしい。
領内の自警団が捜索していたが、その姿が確認できないことから川に流されたとみるべきだろう。ともかく、捜索するにも人手が足りないし、シュタールへ報告をしなければならない。帰ったばかりだったが、俺は休む間もなく急ぎの伝文を持って飛び立った。
その後、シュタールから竜騎士の応援が着て大々的に捜索されたが、結局ダミアンさんの遺体は見つけられなかった。それでも状況からして生存は絶望的。彼の部屋からは遺書らしきものは見つからなかったが、足の怪我以来ふさぎ込んでいたことから、将来に絶望して自ら命を絶ったと結論付けられた。
「お前が……お前がついていながら……」
後日、クラインさんがダミアンさんの遺品を取りに砦に来た。どうやらここでもゴットフリートが余計なことを言ってくれたらしく、俺の姿を見つけた彼は俺に詰め寄ってきた。その場は彼を送って来た竜騎士に宥められていたが、その後は会うたびに憎しみの籠った視線を向けられることになる。
ダミアンさんの死亡により、エアリアルはようやく俺の相棒として認められた。ホルスト団長は別の見習いの相棒に仕立て上げようとしたらしいが、今回ばかりは周囲も強く反対したので諦めたらしい。
本当はシュタールに赴き正式な通達を受け、装具一式が贈られるはずなのだが、いつの間にかゴットフリートが代理で済ませていた。不祥事の原因は俺にあると断定されてしまっていたため、証書となる紙切れ1枚を渡されて終わったらしい。
ただ、ゼンケル砦で立て続けに不祥事が起きたことを問題視したホルスト団長は、シュタール南砦の竜騎士に砦の管理を任せた。この判断は間違いではなかったのだが、第2騎士団全体でゴットフリートの言い分が信じられていた上に、南砦に配属されている竜騎士はゴットフリートの友人ばかりだったのだ。これが後に最悪の結果をもたらすことになるとはこの時誰もが思っていなかった。
「俺達が鍛えてやるよ」
俺は南砦に通い、今まで受けられなかった竜騎士の訓練を受けることになったが、その鍛錬も名ばかりで俺は毎回複数相手に不利な試合をさせられていた。最初のうちは彼等の攻撃を避けていられたが、すぐに体力が尽きて全員から容赦なく打ち据えられた。それだけならまだいいが、時には体術の訓練と称して殴る蹴るの暴力も振るわれた。完全に憂さ晴らしの対象だ。更には南砦に届く伝文の使いも押し付けられるようになった。
南砦に通うことにより、エアリアルと飛んでいる時間が増えたのは嬉しいが、結局俺の負担が増えただけだった。ただ、今回は地図と共にちゃんとした飛行経路を教えてもらえたのは収穫だった。
実際に飛び回ってみた結果、教えてもらった経路よりも俺がそれまで独自に見つけ出した経路の方が早いことが分かった。加えて通常の飛行経路から外れた場所にいくつか休憩できる場所を見つけた俺は、誰にもはばかることなくそこで体を休めるようになっていた。
人里からも飛行経路からも外れている場所に野生のキイチゴやスグリがたわわに実った茂みをいくつも見つけていた。春を過ぎるころにはそれらを収穫し、高台にある綺麗な湧き水できた小さな泉のそばで休憩するのがお決まりとなっていた。
その日も午前中に南砦で容赦なく暴力を振るわれ、昼食を食べる間もなく使いを命じられていた。届ける先が複数だったので、最も効率的な経路を割り出し、これ以上余計な仕事を命じられないうちにさっさと南砦を飛び立った。
順調に伝文の配達が終わり、後は完全に日が落ちる前にゼンケル砦に戻るだけとなった。帰る前に一休みしようとお気に入りの泉のほとりに着いた時にはもう日は傾きかけていた。エアリアルと共に冷たい水で喉を潤し、汚れた手や顔を洗う。そしてシャツをまくって殴られた個所を確認する。先輩達は、一応用心しているのかダミアンさんの様に俺の顔を殴る事は無く、服で隠れる場所を選んで狙ってくる。正規の竜騎士として鍛えているだけあって、その1発1発が重くて堪え、案の定、いくつか痣が出来ていた。俺は常備している薬草をあてて簡易的な治療を施した。
処置が終わると俺は木陰に座り込んで遅くなったが昼食を摂ることにした。南砦の厨房でもらってきた固くなったパンと干し肉、そして摘んだばかりのキイチゴが今日のメニューだ。
さて食べようとしたところで、寛いでいたエアリアルが警戒するように体を起こす。何事かと辺りを見渡すと、1頭の黒い飛竜が泉のある高台に向かってきていた。普段誰も来ない場所だからと安心しきっていた俺は大いに焦った。さぼっているのがバレたら絶対に罰が与えられる。慌てて腰を浮かしかけたときに迂闊にもパンと干し肉を落としてしまった。
「お邪魔していいかな?」
大事な食料を落としてうろたえている間に、黒い飛竜は高台に着地し、その背に乗っていた竜騎士が声をかけてきた。言葉の調子からして咎めてはいない様子に少し安堵する。
「はい、それは、あの……」
ここは誰の場所でもない。強いて言うならば国のものだろうか。俺がしどろもどろに答えいる間に、その竜騎士は飛竜の背から降りて騎竜帽を脱いでいた。彼は背が高く、気後れするくらい整った顔立ちをしていた。そして淡い色の髪は邪魔にならないように布をきっちりと巻いてまとめてあった。おれがポカンと眺めている間に、彼は飛竜と共に泉の水で喉を潤し、飛竜に括り付けてあった布袋を外して近寄って来た。
「どうやらここは君の秘密の隠れ家みたいだな。相棒がどうしても水が飲みたいと言うので寄らせてもらった。改めてお邪魔するよ」
彼はそう言って近くにあった大きな石の上に腰掛けた。別に咎められる訳ではないとようやく理解できた俺は、息を整えてから元の場所に腰掛ける。だが、干し肉もパンも既に砂まみれだ。さすがにこのまま口にするのは躊躇われ、俺は拾い上げて砂を払うとエアリアルの口に放り込んでやった。相棒はそれを気にせずもぐもぐと口を動かしていた。
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黒い飛竜の竜騎士はあの方です。
すぐにピンときた方は群青通?
エアリアルを返してほしいと思っていたが、別に竜騎士を辞めてもらいたかったわけではない。素質があるのだから、彼なら別の飛竜を乗りこなすことも可能だからだ。
彼の様子も気になったが、その時の俺には彼にかける言葉もやれることも思いつかなかった。やりきれない想いを抱えながら、俺は体を動かし続けた。
そして事件の2日後、ゴットフリートはホルスト団長に呼び出しを受けた。事の次第の報告を求められたらしい。新人とはいえ竜騎士が負傷し、引退を余儀なくされたのだ。当然、何かしらの処分は避けられない。
「騎士資格はく奪になるところを、俺様の口添えで保留となった。感謝しろよ」
戻って来たゴットフリートが恩着せがましくそう言ったことから、保身に走って俺に責任を擦り付けたのだとわかった。処分は追って通達されるらしいのだが、それまでに第3騎士団からも情報が伝われば、団長も少しは考慮してくれると信じたい。
しかし、その願いもむなしく俺に下された罰は厳しいものだった。ダミアンさんの竜騎士資格はそのままとなり、エアリアルの相棒の変更は行われる事は無かった。そして今まで安いながらももらっていた給与もほとんどが没収されることとなり、仕事もより過酷なものとなった。
ゴットフリートは自分が楽を出来ればもう偽装する気にもならないらしい。ダミアンさんが加療中でも俺を使いに行かせたおかげで俺が飛び回っているのは周知の事実となっていた。
寝る暇も食事する暇もない。疲れと空腹で抵抗する気力すら奪われて俺はただ言いなりになって働くしかなかった。そんな俺の姿に気の毒に思ったのか、ゴットフリートの目を盗んで城館の料理人が携帯食を用意してくれたり、使いに出ている間に使用人が雑務を肩代わりしてくれていたおかげでなんとか体を休める時間を確保できた。
長かった討伐期も終わりを迎えようとしていた頃、再び騒動が起きた。使いから戻ってくるなり使用人が駆け込んできて、ダミアンさんが崖から身を投げたと告げたのだ。
怪我は良くなっていたはずだが、あの事件以来ダミアンさんは部屋から出てくる事は無く、その姿を見た者は少ない。この日、出先から帰って来たゴットフリートがフラフラと出歩く彼の姿を偶然見つけ、その後をつけて行ったら砦の裏の崖から谷底へ身を投げたらしい。
領内の自警団が捜索していたが、その姿が確認できないことから川に流されたとみるべきだろう。ともかく、捜索するにも人手が足りないし、シュタールへ報告をしなければならない。帰ったばかりだったが、俺は休む間もなく急ぎの伝文を持って飛び立った。
その後、シュタールから竜騎士の応援が着て大々的に捜索されたが、結局ダミアンさんの遺体は見つけられなかった。それでも状況からして生存は絶望的。彼の部屋からは遺書らしきものは見つからなかったが、足の怪我以来ふさぎ込んでいたことから、将来に絶望して自ら命を絶ったと結論付けられた。
「お前が……お前がついていながら……」
後日、クラインさんがダミアンさんの遺品を取りに砦に来た。どうやらここでもゴットフリートが余計なことを言ってくれたらしく、俺の姿を見つけた彼は俺に詰め寄ってきた。その場は彼を送って来た竜騎士に宥められていたが、その後は会うたびに憎しみの籠った視線を向けられることになる。
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ただ、ゼンケル砦で立て続けに不祥事が起きたことを問題視したホルスト団長は、シュタール南砦の竜騎士に砦の管理を任せた。この判断は間違いではなかったのだが、第2騎士団全体でゴットフリートの言い分が信じられていた上に、南砦に配属されている竜騎士はゴットフリートの友人ばかりだったのだ。これが後に最悪の結果をもたらすことになるとはこの時誰もが思っていなかった。
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俺は南砦に通い、今まで受けられなかった竜騎士の訓練を受けることになったが、その鍛錬も名ばかりで俺は毎回複数相手に不利な試合をさせられていた。最初のうちは彼等の攻撃を避けていられたが、すぐに体力が尽きて全員から容赦なく打ち据えられた。それだけならまだいいが、時には体術の訓練と称して殴る蹴るの暴力も振るわれた。完全に憂さ晴らしの対象だ。更には南砦に届く伝文の使いも押し付けられるようになった。
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「お邪魔していいかな?」
大事な食料を落としてうろたえている間に、黒い飛竜は高台に着地し、その背に乗っていた竜騎士が声をかけてきた。言葉の調子からして咎めてはいない様子に少し安堵する。
「はい、それは、あの……」
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「どうやらここは君の秘密の隠れ家みたいだな。相棒がどうしても水が飲みたいと言うので寄らせてもらった。改めてお邪魔するよ」
彼はそう言って近くにあった大きな石の上に腰掛けた。別に咎められる訳ではないとようやく理解できた俺は、息を整えてから元の場所に腰掛ける。だが、干し肉もパンも既に砂まみれだ。さすがにこのまま口にするのは躊躇われ、俺は拾い上げて砂を払うとエアリアルの口に放り込んでやった。相棒はそれを気にせずもぐもぐと口を動かしていた。
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