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第3章 ダナシアの祝福
35 叶わぬ恋に3
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ギィン!
修練場に刃と刃が交わる音が響く。第1騎士団の竜騎士だけでなく、ルイスに同道したブレシッドの竜騎士や文官等多くの見物人が見守る中、エドワルドとルイスは供に愛用の長剣を使って手合わせをしていた。試合を始めてもうどれくらい経っているのか、優秀な竜騎士であるはずの彼等が息を弾ませ、着ているシャツは汗まみれとなっていた。
「く……」
エドワルドの一撃を長剣で受け、その重さにルイスは顔を顰める。力量はほぼ互角といえるだろう。だが、経験の差か、資質による持久力の差か、当初はルイスが押していたのが徐々にエドワルドが攻勢を強めて来ている。それでも凌いでいられるのは、真の実力が拮抗しているからだろう。
こんなに長い時間試合をするのは久しぶりだった。何年か前にブレシッドを離れるアレスと試合して以来かもしれない。長剣を握る手が限界を訴えているが、自分から申し込んだ以上、先に音を上げる訳にはいかなかった。
「……さすがは、紅蓮の公子だ」
息を弾ませながらもエドワルドが不敵な笑みを浮かべる。まだ余裕があるらしいその態度が何だか憎らしくなり、ルイスは攻勢を強める。だが、ルイスの繰り出した刃はエドワルドの長剣によってがっちりと受け止められる。そしてそのまま睨み合いが続く。
「そこまでになさって下さいませ」
静まり返った修練場に凛とした声が響き、刃を交えていた2人は驚いて飛び退く。振り返ると、そこには午後に帰って来る予定のフレアが立っていた。
「フレア?」
「ルカが来ていると聞きましたので、少し予定を早めて帰ってきました」
ニコリと2人に笑みを向ける。
「そうか。出迎えしなくて済まなかった」
「随分と白熱なさっておられたようですから、気になされないでください。ですが、周りの方々の事も気にしてあげて下さいませ」
乾いた布を差し出すフレアに言われて改めて周囲を見渡す。試合を始めたのは早朝だったが、気付けば随分と日が高くなっている。自分達が思っていた以上に時間が経っており、エドワルドに至っては午前中に予定されていた仕事が全て滞っていることになる。
更には自分達の試合を見物していた人垣が当初よりも増えているのだが、中にはエドワルドを呼びに来たものの声をかけられずにいた文官の姿もある。
「すまない……」
「ごめん……」
2人は反省して頭を下げながら布を受け取る。フレアはその姿に苦笑すると、修練場の隅にある休憩用のベンチに2人をいざなう。そこには既に果実水が用意されていて、席に着くや否や2人はそれを貪る様に飲んでいく。
いくら体を鍛えてあっても、この暑いさなかに水も飲まずに試合をし続けていれば倒れてしまう。本宮に帰りつくなり状況の説明を聞いたフレアは、修練場に直行して2人を止めたのだった。そのおかげで倒れるような事態は回避できた様だ。
「お帰りなさいませ、奥方様」
そこへユリアーナがむずかるエルヴィンを連れて修練場に現れた。試合が終わった事で見物人は第1騎士団の誘導の下、修練場から退去させられており、周囲に残っているのは当初から試合を見守っていたアスターとフレアの護衛として付いているマリーリア、そしてルイスの部下が数人だけだった。
「お手数をおかけしました。いらっしゃい、エルヴィン」
フレアはエルヴィンを受け取ると、その場であやし始める。母親だとすぐに分かったのか、現金なものでエルヴィンはすぐにご機嫌となった。
「見ない間にでっかくなったなぁ」
前日にエルヴィンと会う機会のなかったルイスは、母親の腕の中で指をしゃぶりだした赤子を見て驚く。春頃にはまだぐにゃぐにゃして頼りない感じがしていたのだが、2ヶ月余り経った今ではちょうど這いまわる前という事もあって福々しく成長し、その存在感を増している。華奢なフレアが抱いていると、重そうに見えるのだが、同じことを考えたらしいエドワルドが妻から息子を受け取ろうと手を差し出した。
「……」
いつもであればすぐに息子をゆだねるのだが、さすがに汗まみれの状態の彼に手渡すのは躊躇われたのだろう。
「エド、先に汗を流して下さいませ」
「……そうだな」
妻に指摘されてエドワルドも気づき、差し出した手を引っ込める。
「オルティスが少し早いですけど昼食の準備を整えてくれています。ルカはどうなされますか?」
「あ……じゃあ、部屋に頼むよ」
夫と客の要望に応えつつ周囲に指示を与える姿は既に本宮の女主の様である。時期国主を知らせる公的な知らせと共に寄越した私信には、皇妃となる事に躊躇いを感じていたと書かれていたが、そんな心配は微塵も感じられない。周囲の支えもあるのだろうが、彼女の本領がうまく発揮されているのだろう。
「もうすっかり皇妃が板についているな」
「……ルカ、気が早いわ。まだエドは即位もしていないのよ?」
「それでも、そう見えるのだから仕方ないだろう」
困惑するフレアを側に居たエドワルドもユリアーナも笑みを浮かべて見守っている。
「紅蓮の公子殿からお墨付きを頂いたのなら間違いないな」
「も、もう、エドまで……。そのままでは風邪を召されますから、湯あみをなさって着替えて下さいませ」
「わかった、わかった」
息子を再びユリアーナに預けると、フレアは夫の背中を押す。エドワルドは妻の慌てぶりに笑いながら応じて修練場を出て行った。
「ルカも風邪を引くから早く着替えてね」
気恥ずかしさをごまかす様に、フレアはそう言い残して慌ただしく夫の後を追っていく。
「ああ、ありがと」
ルイスは苦笑してその後ろ姿を見送る。夏とはいえこの修練場には涼やかな風が吹いている。ブレシッドやソレルと同じ感覚でいたらきっと風邪をひいてしまうだろう。ルイスも忠告通り、着替えをするべく宛がわれている客室へと足を向けた。
「フレア!」
その知らせを聞き、ルイスは手掛けていた仕事を放りだしてフレアの部屋に押しかけた。とにかく頭が真っ白になり、周囲の制止を振り切って彼女の部屋を目指したのを覚えている。
「ルカ、どうしたの?」
「どうして、君まで山に帰ってしまうんだ?」
「……アレスの罪が確定してしまい、姉の私がこのまま居すわってはお父様とお母様にご迷惑がかかります」
「親父もお袋もそんな事は思っていない!」
彼女の肩を掴む手に思わず力が入り、彼女は少しだけ顔を顰めた。
「他の方はどう思われるのでしょうか? 目の光を失い、大母補になる見込みのなくなった私がここに居る事に疑念を持たれる方もいるのです。アレスが不祥事を起こして山に返された今、留まる理由が無くなりました。お父様とお母様のお立場を悪くなさらない為にも山に戻った方が良いのです」
フレアの答えに一気に頭に血が上った。
「理由ならある。俺の伴侶になってくれ!」
「ルカ?」
色々と彼女の気を引こうと努力してきたが、不思議そうに見上げる彼女の姿に、肝心の相手には伝わっていなかった事にこの時気付いた。がっくりと力が抜けるが、ここで怯んでしまっては彼女が山に帰ってしまう。それだけはどうしても阻止したかった。
「フレア、俺の伴侶になってこのままここに居てくれ」
「……ルカ、本気なの?」
「勿論だ」
この時は当然受けてもらえると信じて疑わなかったが、固唾をのんで彼女の返答を待つ。
「ごめんなさい、それは出来ないわ」
「フレア?」
一瞬、何を言われたか分からなかった。そしてその返答を理解すると、どす黒い気持ちが沸き起こってくる。
「今まで幾度か聞かれた事は有ったけど、ルカとは家族以上の気持ちになった事が無いの」
「……これからでもいいんだ。一緒にいてくれ」
「出来ないわ。それでは、貴方を不幸にしてしまうわ」
「フレア!」
「ごめんなさい、ルカ」
「……いや、謝らなくていい」
謝られた瞬間に沸き起こっていた暗い感情が一気に噴き出した。そのままフレアを抱き上げると自室に向かう。
「ルカ? ちょっとまって」
狼狽するフレアをよそに彼女を自室に連れ込み扉に鍵をかける。そして彼女を寝台に押し倒した。
「ルカ、泣いているの?」
「……え?」
気付くと自分は涙を流し、押さえつけた彼女にポタポタと滴が落ちていた。そこで少しだけ冷静さを取り戻したが、それでも長年抑えつけていた感情は止めることが出来なかった。
「フレア、俺は……」
「ダメよ、ルカ。このまま一緒になっても、長続きしないわ」
「そんな事……」
分からないではないかと反論しかけた所へ、知らせを受けたらしい父が部屋に乱入してきて監禁未遂事件は終了した。
父には本気で殴られ、母と姉にはくどくどと小言を繰り返され、義兄のディエゴには「その気持ち、分からなくもない」と同情された。
その後は謹慎させられ、フレアの出立に見送りにも行けず、窓から遠ざかる飛竜にその名を叫ぶしかできなかった。
修練場に刃と刃が交わる音が響く。第1騎士団の竜騎士だけでなく、ルイスに同道したブレシッドの竜騎士や文官等多くの見物人が見守る中、エドワルドとルイスは供に愛用の長剣を使って手合わせをしていた。試合を始めてもうどれくらい経っているのか、優秀な竜騎士であるはずの彼等が息を弾ませ、着ているシャツは汗まみれとなっていた。
「く……」
エドワルドの一撃を長剣で受け、その重さにルイスは顔を顰める。力量はほぼ互角といえるだろう。だが、経験の差か、資質による持久力の差か、当初はルイスが押していたのが徐々にエドワルドが攻勢を強めて来ている。それでも凌いでいられるのは、真の実力が拮抗しているからだろう。
こんなに長い時間試合をするのは久しぶりだった。何年か前にブレシッドを離れるアレスと試合して以来かもしれない。長剣を握る手が限界を訴えているが、自分から申し込んだ以上、先に音を上げる訳にはいかなかった。
「……さすがは、紅蓮の公子だ」
息を弾ませながらもエドワルドが不敵な笑みを浮かべる。まだ余裕があるらしいその態度が何だか憎らしくなり、ルイスは攻勢を強める。だが、ルイスの繰り出した刃はエドワルドの長剣によってがっちりと受け止められる。そしてそのまま睨み合いが続く。
「そこまでになさって下さいませ」
静まり返った修練場に凛とした声が響き、刃を交えていた2人は驚いて飛び退く。振り返ると、そこには午後に帰って来る予定のフレアが立っていた。
「フレア?」
「ルカが来ていると聞きましたので、少し予定を早めて帰ってきました」
ニコリと2人に笑みを向ける。
「そうか。出迎えしなくて済まなかった」
「随分と白熱なさっておられたようですから、気になされないでください。ですが、周りの方々の事も気にしてあげて下さいませ」
乾いた布を差し出すフレアに言われて改めて周囲を見渡す。試合を始めたのは早朝だったが、気付けば随分と日が高くなっている。自分達が思っていた以上に時間が経っており、エドワルドに至っては午前中に予定されていた仕事が全て滞っていることになる。
更には自分達の試合を見物していた人垣が当初よりも増えているのだが、中にはエドワルドを呼びに来たものの声をかけられずにいた文官の姿もある。
「すまない……」
「ごめん……」
2人は反省して頭を下げながら布を受け取る。フレアはその姿に苦笑すると、修練場の隅にある休憩用のベンチに2人をいざなう。そこには既に果実水が用意されていて、席に着くや否や2人はそれを貪る様に飲んでいく。
いくら体を鍛えてあっても、この暑いさなかに水も飲まずに試合をし続けていれば倒れてしまう。本宮に帰りつくなり状況の説明を聞いたフレアは、修練場に直行して2人を止めたのだった。そのおかげで倒れるような事態は回避できた様だ。
「お帰りなさいませ、奥方様」
そこへユリアーナがむずかるエルヴィンを連れて修練場に現れた。試合が終わった事で見物人は第1騎士団の誘導の下、修練場から退去させられており、周囲に残っているのは当初から試合を見守っていたアスターとフレアの護衛として付いているマリーリア、そしてルイスの部下が数人だけだった。
「お手数をおかけしました。いらっしゃい、エルヴィン」
フレアはエルヴィンを受け取ると、その場であやし始める。母親だとすぐに分かったのか、現金なものでエルヴィンはすぐにご機嫌となった。
「見ない間にでっかくなったなぁ」
前日にエルヴィンと会う機会のなかったルイスは、母親の腕の中で指をしゃぶりだした赤子を見て驚く。春頃にはまだぐにゃぐにゃして頼りない感じがしていたのだが、2ヶ月余り経った今ではちょうど這いまわる前という事もあって福々しく成長し、その存在感を増している。華奢なフレアが抱いていると、重そうに見えるのだが、同じことを考えたらしいエドワルドが妻から息子を受け取ろうと手を差し出した。
「……」
いつもであればすぐに息子をゆだねるのだが、さすがに汗まみれの状態の彼に手渡すのは躊躇われたのだろう。
「エド、先に汗を流して下さいませ」
「……そうだな」
妻に指摘されてエドワルドも気づき、差し出した手を引っ込める。
「オルティスが少し早いですけど昼食の準備を整えてくれています。ルカはどうなされますか?」
「あ……じゃあ、部屋に頼むよ」
夫と客の要望に応えつつ周囲に指示を与える姿は既に本宮の女主の様である。時期国主を知らせる公的な知らせと共に寄越した私信には、皇妃となる事に躊躇いを感じていたと書かれていたが、そんな心配は微塵も感じられない。周囲の支えもあるのだろうが、彼女の本領がうまく発揮されているのだろう。
「もうすっかり皇妃が板についているな」
「……ルカ、気が早いわ。まだエドは即位もしていないのよ?」
「それでも、そう見えるのだから仕方ないだろう」
困惑するフレアを側に居たエドワルドもユリアーナも笑みを浮かべて見守っている。
「紅蓮の公子殿からお墨付きを頂いたのなら間違いないな」
「も、もう、エドまで……。そのままでは風邪を召されますから、湯あみをなさって着替えて下さいませ」
「わかった、わかった」
息子を再びユリアーナに預けると、フレアは夫の背中を押す。エドワルドは妻の慌てぶりに笑いながら応じて修練場を出て行った。
「ルカも風邪を引くから早く着替えてね」
気恥ずかしさをごまかす様に、フレアはそう言い残して慌ただしく夫の後を追っていく。
「ああ、ありがと」
ルイスは苦笑してその後ろ姿を見送る。夏とはいえこの修練場には涼やかな風が吹いている。ブレシッドやソレルと同じ感覚でいたらきっと風邪をひいてしまうだろう。ルイスも忠告通り、着替えをするべく宛がわれている客室へと足を向けた。
「フレア!」
その知らせを聞き、ルイスは手掛けていた仕事を放りだしてフレアの部屋に押しかけた。とにかく頭が真っ白になり、周囲の制止を振り切って彼女の部屋を目指したのを覚えている。
「ルカ、どうしたの?」
「どうして、君まで山に帰ってしまうんだ?」
「……アレスの罪が確定してしまい、姉の私がこのまま居すわってはお父様とお母様にご迷惑がかかります」
「親父もお袋もそんな事は思っていない!」
彼女の肩を掴む手に思わず力が入り、彼女は少しだけ顔を顰めた。
「他の方はどう思われるのでしょうか? 目の光を失い、大母補になる見込みのなくなった私がここに居る事に疑念を持たれる方もいるのです。アレスが不祥事を起こして山に返された今、留まる理由が無くなりました。お父様とお母様のお立場を悪くなさらない為にも山に戻った方が良いのです」
フレアの答えに一気に頭に血が上った。
「理由ならある。俺の伴侶になってくれ!」
「ルカ?」
色々と彼女の気を引こうと努力してきたが、不思議そうに見上げる彼女の姿に、肝心の相手には伝わっていなかった事にこの時気付いた。がっくりと力が抜けるが、ここで怯んでしまっては彼女が山に帰ってしまう。それだけはどうしても阻止したかった。
「フレア、俺の伴侶になってこのままここに居てくれ」
「……ルカ、本気なの?」
「勿論だ」
この時は当然受けてもらえると信じて疑わなかったが、固唾をのんで彼女の返答を待つ。
「ごめんなさい、それは出来ないわ」
「フレア?」
一瞬、何を言われたか分からなかった。そしてその返答を理解すると、どす黒い気持ちが沸き起こってくる。
「今まで幾度か聞かれた事は有ったけど、ルカとは家族以上の気持ちになった事が無いの」
「……これからでもいいんだ。一緒にいてくれ」
「出来ないわ。それでは、貴方を不幸にしてしまうわ」
「フレア!」
「ごめんなさい、ルカ」
「……いや、謝らなくていい」
謝られた瞬間に沸き起こっていた暗い感情が一気に噴き出した。そのままフレアを抱き上げると自室に向かう。
「ルカ? ちょっとまって」
狼狽するフレアをよそに彼女を自室に連れ込み扉に鍵をかける。そして彼女を寝台に押し倒した。
「ルカ、泣いているの?」
「……え?」
気付くと自分は涙を流し、押さえつけた彼女にポタポタと滴が落ちていた。そこで少しだけ冷静さを取り戻したが、それでも長年抑えつけていた感情は止めることが出来なかった。
「フレア、俺は……」
「ダメよ、ルカ。このまま一緒になっても、長続きしないわ」
「そんな事……」
分からないではないかと反論しかけた所へ、知らせを受けたらしい父が部屋に乱入してきて監禁未遂事件は終了した。
父には本気で殴られ、母と姉にはくどくどと小言を繰り返され、義兄のディエゴには「その気持ち、分からなくもない」と同情された。
その後は謹慎させられ、フレアの出立に見送りにも行けず、窓から遠ざかる飛竜にその名を叫ぶしかできなかった。
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