55 / 76
54話 精霊ペル
しおりを挟む
今回の依頼を出した村は、規模は小さいものの、寂れた様子は全くなかった。
僕達は、村人から熱烈な歓迎を受けた。
「これで我々は安心です!」
僕達を出迎えた村長があまりにも喜んでいるので、僕は困惑した。
彼らは、僕達が失敗する可能性など、微塵も考えていない様子だった。
「……皆さんの期待に応えられるように頑張ります」
「愚かな」
突然、場違いに陰気な声が聞こえた。
「こんな場所まで、わざわざ餌になりに来るとは……ご苦労なことだ」
僕達に嫌味を言う声の主は、青い髪の女性だった。
歳は20代だろうか?
髪の色は同じでも、聖女様とは大分印象が異なる。
彼女の隣には、大きな犬がいた。
きつね色で、小さな子供なら背中に乗せられそうな大きさだ。
「クローディアさん……冒険者が来る度に、喧嘩を売るような言動をするのはやめてくれんかね?」
「……ふん」
クローディアさんは、僕達を小馬鹿にするように笑った。
「何だよ、その態度!」
ラナが、クローディアさんの態度に腹を立てる。
「私は冒険者が嫌いなんだ。気に入らなければ帰ればいい」
「依頼を出したのは我々なんだが……」
村長は弱り切った様子で、呟くように抗議する。
「余所者のあんたは引っ込んでろ!」
「そうだ! この人達は、ドラゴンベアを駆除しに来てくれたんだぞ!」
強く抗議しない村長の代わりに、村人達が抗議した。
「このパーティーに、ドラゴンベアを駆除することなど不可能だ。私は、一流の冒険者をたくさん見てきた。こいつら、どう見ても三流だぞ? 唯一、その女を除いてな」
驚くべきことに、クローディアさんはソフィアさんを指差していた。
「そんな……どうして!?」
このパーティーの実態を正確に言い当てられて、リーザが驚きの声を漏らす。
「ハッタリだ! お前、ソフィアさんの顔を知ってたんだろ!」
ラナの言葉に、クローディアさんは呆れた様子だった。
「一流の冒険者は独特の雰囲気を持っている。それを見極めることなど、私にとっては造作もないことだ。強いて言えば、その娘だけは、これから成長する余地があるようだが……あとの3人は、はっきり言って見込みがないな」
クローディアさんに指差されて、レイリスがソフィアさんの陰に隠れる。
村人達はどよめいた。
ドラゴンベアを駆除してくれるはずの冒険者パーティーが能力不足だと教えられて、動揺しているのだ。
「何言ってんだ! ルークは、大精霊を宿してるんだぞ!」
ラナが反論すると、村人達はさらにどよめき、クローディアさんの表情は険しくなった。
「ちっ、そういうことか……救いようのない連中だ」
「何だと!?」
「ちょっとラナ、それくらいにしておきなさいよ!」
リーザが慌てて止めた。
これ以上、僕の能力について口論するのはまずい。
クローディアさんの指摘は正しいからだ。
おかしいのは大精霊の方なのである。
大精霊の保有者は無能、などという話は、知れ渡ったら困る。
「闇夜の灯亭」の冒険者に対しても、ミランダさんが帰った後で、必死に口止めしたのだ。
突然、どこかから、小さな精霊がクローディアさん目がけて飛んでくる。
その精霊を見て、クローディアさんが人差し指を立てた。
ほとんど反射的な動きのようだった。
その指に精霊が飛び付き、楽しそうにくるくると回る。
「お前は……」
クローディアさんの指にじゃれつく精霊を見て、僕は激しい既視感に襲われた。
「……ペル!?」
まさかと思い精霊石を取り出すと、ペルが宿って金色になっていたはずの石が、黒く戻っていた。
「あの精霊、その石から出てきたの!?」
「精霊石から勝手に飛び出す精霊なんて、聞いたことがないぞ!?」
リーザとラナが驚きの声を上げる。
皆が驚くのも無理はない。
自由に飛び回っているコーディマリーですら、ステラが常に呼び出した状態にしているのだ。
精霊石から自由に出てくる精霊なんて聞いたことがない。
「クローディアさん、貴方は招待者ですね?」
ソフィアさんがそう言うと、クローディアさんは忌々しそうにソフィアさんを睨んで舌打ちした。
「招待者? まさか、この人が?」
「はい。招待者は、自分がこの世界に呼び出した精霊を、精霊石から呼び出すことができる、と聞いたことがあります」
「じゃあ、クローディアさんが……ペルを呼び出した招待者!?」
僕達の方を睨みながら、クローディアさんはペルの頭を撫でる。
「……そうか。お前、この男に宿っていたのか。よりによって、こんなのを選ぶとはな……。だが、お前が元気そうで安心した」
そう言ったクローディアさんは、一瞬だけ、笑みを浮かべたように見えた。
クローディアさんが人差し指を軽く振ると、ペルは僕の方に戻って来た。
そして、僕が持っている精霊石の中に戻る。
「私の娘が世話になったようだな」
「……娘?」
「招待者は、自分が呼び出した精霊のことを娘と表現するんです」
ソフィアさんがそう言った。
「私の娘に適合する冒険者は少ないらしい。それだけ、お前はお人好しだということか……。まあ、そうでもなければ大精霊に適合などしないだろうが」
「貴方は、大精霊について何か知っているんですか?」
僕がそう尋ねると、クローディアさんは再び舌打ちした。
「少し喋り過ぎたな。悪いことは言わないから、精霊の力でドラゴンベアに挑むなど、やめておくことだ。死にたくなければな」
捨て台詞のように言い放って、クローディアさんはその場から去った。
犬は、尻尾を振りながら彼女に付いて行った。
「冒険者の皆様、申し訳ない。さぞ気分を害されたことでしょう」
村長が申し訳なさそうに言った。
「全くだ! あの女、一体何なんだよ?」
ラナが尋ねると、村長は弱り切った様子で言った。
「あの方は、一年ほど前に、突然この村にやって来ましてな……。巨額の資産を惜しみなく投じて、この村を救ってくださったのです」
「巨額の資産って……女性がそんな大金を持っていたら、誰かに狙われるんじゃ……?」
「そんな不届き者は、この村にはおりません」
村長はそう断言したが、クローディアさんが無事なのは、それだけが理由ではないのだろうと思った。
ひょっとしたら、あの犬が番犬として優秀なのかもしれない。
「クローディアさんが招待者だということは、ご存知だったんですか?」
「いえ……あの若さで資産を作るのは、難しいとは思っておりましたが……てっきり、相続した資産なのかと……」
精霊を呼び出す招待者ならば、若くして巨額の資産を持っていても不思議ではない。
クローディアさんの口振りだと、彼女の腕はあまり良くなかったようだが……招待者という存在自体が、貴族の支援を受けられる立場なのだ。
「そんなに簡単に稼げるなら、あたしも招待者になってみたいな」
ラナがそう言うと、リーザは首を振った。
「貴方には無理よ。招待者は、一体の精霊を呼び出すために、部屋に籠って10日前後は集中し続けないといけないんだもの」
「はあ!? 食事やトイレはどうするんだよ?」
「食事は、私達が食べているような、保存のきく物を部屋に置いておくらしいわよ。トイレは……気にしないであげるべきでしょうね」
「……」
いけないことを考えそうになったので、僕は思考を打ち切った。
「それだけ頑張っても、呼び出せる精霊はFランクばかり、なんていうことは珍しくないらしいわ。成果が上がらなければ、貴族からの支援もあまり得られない。そもそも、招待者になるためには、精霊を呼び出すことに成功した実績が必要らしいけど……それに成功する人自体が、挑戦した100人に1人とも、1000人に1人とも言われているらしいわ」
それはそうだろう。
簡単に精霊を呼び出せるなら、誰も精霊を市場で購入しないはずだ。
招待者になる方法については、僕も聞いたことがあった。
精霊を呼び出すためには、まず広い部屋を用意して、床に巨大な魔法陣を描く必要がある。
それから、閉ざされた部屋で何日も、精霊を呼び出すことだけを考え続けるのだ。
満足に飲食も出来ず、排泄は壺で済ます。
その期間は、身体を洗うことすら出来ない。
拷問にも近い苦痛であり、大半の人間の集中が途中で途切れてしまうという。
それほどの苦労をしても、呼び出せる精霊のほぼ全てがCランク以下であり、さらにその半分以上がFランクなのだ。
それで手に入る金は、一般人にとっては大金でも、一生遊んで暮らせるような金額ではない。
そんな状況に耐えられず、精神を病んでしまう者も数多くいるらしい。
一攫千金の夢のある役割だが、苦労の割に報われることの少ない役割であるとも言える。
僕達は、村長からドラゴンベアが目撃された場所を聞き出した。
その地点に向かう途中でリーザが言った。
「……ねえ。さっきのクローディアさん……どこかで会ったことはないかしら?」
「あんなムカつく女、会ったら忘れないだろ」
「そうよね……。でも、あの人、誰かに似てるような気がするのよ……」
「髪の色は、聖女様と同じだったけどね……」
僕がそう言うと、リーザは激しく反応した。
「ちょっと、やめてよ! いくら何でも、聖女様とあんな女を比較するなんて!」
「ご、ごめん……」
「無駄に攻撃的なところとか、似てるのはリーザ自身じゃないのか?」
「ラナ、本気で怒るわよ……?」
「いや、冗談だって……」
「……」
レイリスは、物言いたげな様子でリーザを見上げていた。
「レイリス、心当たりでもあるのですか?」
ソフィアさんが問いかけると、レイリスは首を振った。
「あんな奴のことは忘れようぜ? 今は、ドラゴンベアを狩ることだけ考えるべきだろ?」
「そうね……」
そう言って、リーザも気持ちを切り替えたようだった。
これから戦う相手は、極めて危険なのだ。
余計なことを考えている時間などないことは確かだった。
僕達は、村人から熱烈な歓迎を受けた。
「これで我々は安心です!」
僕達を出迎えた村長があまりにも喜んでいるので、僕は困惑した。
彼らは、僕達が失敗する可能性など、微塵も考えていない様子だった。
「……皆さんの期待に応えられるように頑張ります」
「愚かな」
突然、場違いに陰気な声が聞こえた。
「こんな場所まで、わざわざ餌になりに来るとは……ご苦労なことだ」
僕達に嫌味を言う声の主は、青い髪の女性だった。
歳は20代だろうか?
髪の色は同じでも、聖女様とは大分印象が異なる。
彼女の隣には、大きな犬がいた。
きつね色で、小さな子供なら背中に乗せられそうな大きさだ。
「クローディアさん……冒険者が来る度に、喧嘩を売るような言動をするのはやめてくれんかね?」
「……ふん」
クローディアさんは、僕達を小馬鹿にするように笑った。
「何だよ、その態度!」
ラナが、クローディアさんの態度に腹を立てる。
「私は冒険者が嫌いなんだ。気に入らなければ帰ればいい」
「依頼を出したのは我々なんだが……」
村長は弱り切った様子で、呟くように抗議する。
「余所者のあんたは引っ込んでろ!」
「そうだ! この人達は、ドラゴンベアを駆除しに来てくれたんだぞ!」
強く抗議しない村長の代わりに、村人達が抗議した。
「このパーティーに、ドラゴンベアを駆除することなど不可能だ。私は、一流の冒険者をたくさん見てきた。こいつら、どう見ても三流だぞ? 唯一、その女を除いてな」
驚くべきことに、クローディアさんはソフィアさんを指差していた。
「そんな……どうして!?」
このパーティーの実態を正確に言い当てられて、リーザが驚きの声を漏らす。
「ハッタリだ! お前、ソフィアさんの顔を知ってたんだろ!」
ラナの言葉に、クローディアさんは呆れた様子だった。
「一流の冒険者は独特の雰囲気を持っている。それを見極めることなど、私にとっては造作もないことだ。強いて言えば、その娘だけは、これから成長する余地があるようだが……あとの3人は、はっきり言って見込みがないな」
クローディアさんに指差されて、レイリスがソフィアさんの陰に隠れる。
村人達はどよめいた。
ドラゴンベアを駆除してくれるはずの冒険者パーティーが能力不足だと教えられて、動揺しているのだ。
「何言ってんだ! ルークは、大精霊を宿してるんだぞ!」
ラナが反論すると、村人達はさらにどよめき、クローディアさんの表情は険しくなった。
「ちっ、そういうことか……救いようのない連中だ」
「何だと!?」
「ちょっとラナ、それくらいにしておきなさいよ!」
リーザが慌てて止めた。
これ以上、僕の能力について口論するのはまずい。
クローディアさんの指摘は正しいからだ。
おかしいのは大精霊の方なのである。
大精霊の保有者は無能、などという話は、知れ渡ったら困る。
「闇夜の灯亭」の冒険者に対しても、ミランダさんが帰った後で、必死に口止めしたのだ。
突然、どこかから、小さな精霊がクローディアさん目がけて飛んでくる。
その精霊を見て、クローディアさんが人差し指を立てた。
ほとんど反射的な動きのようだった。
その指に精霊が飛び付き、楽しそうにくるくると回る。
「お前は……」
クローディアさんの指にじゃれつく精霊を見て、僕は激しい既視感に襲われた。
「……ペル!?」
まさかと思い精霊石を取り出すと、ペルが宿って金色になっていたはずの石が、黒く戻っていた。
「あの精霊、その石から出てきたの!?」
「精霊石から勝手に飛び出す精霊なんて、聞いたことがないぞ!?」
リーザとラナが驚きの声を上げる。
皆が驚くのも無理はない。
自由に飛び回っているコーディマリーですら、ステラが常に呼び出した状態にしているのだ。
精霊石から自由に出てくる精霊なんて聞いたことがない。
「クローディアさん、貴方は招待者ですね?」
ソフィアさんがそう言うと、クローディアさんは忌々しそうにソフィアさんを睨んで舌打ちした。
「招待者? まさか、この人が?」
「はい。招待者は、自分がこの世界に呼び出した精霊を、精霊石から呼び出すことができる、と聞いたことがあります」
「じゃあ、クローディアさんが……ペルを呼び出した招待者!?」
僕達の方を睨みながら、クローディアさんはペルの頭を撫でる。
「……そうか。お前、この男に宿っていたのか。よりによって、こんなのを選ぶとはな……。だが、お前が元気そうで安心した」
そう言ったクローディアさんは、一瞬だけ、笑みを浮かべたように見えた。
クローディアさんが人差し指を軽く振ると、ペルは僕の方に戻って来た。
そして、僕が持っている精霊石の中に戻る。
「私の娘が世話になったようだな」
「……娘?」
「招待者は、自分が呼び出した精霊のことを娘と表現するんです」
ソフィアさんがそう言った。
「私の娘に適合する冒険者は少ないらしい。それだけ、お前はお人好しだということか……。まあ、そうでもなければ大精霊に適合などしないだろうが」
「貴方は、大精霊について何か知っているんですか?」
僕がそう尋ねると、クローディアさんは再び舌打ちした。
「少し喋り過ぎたな。悪いことは言わないから、精霊の力でドラゴンベアに挑むなど、やめておくことだ。死にたくなければな」
捨て台詞のように言い放って、クローディアさんはその場から去った。
犬は、尻尾を振りながら彼女に付いて行った。
「冒険者の皆様、申し訳ない。さぞ気分を害されたことでしょう」
村長が申し訳なさそうに言った。
「全くだ! あの女、一体何なんだよ?」
ラナが尋ねると、村長は弱り切った様子で言った。
「あの方は、一年ほど前に、突然この村にやって来ましてな……。巨額の資産を惜しみなく投じて、この村を救ってくださったのです」
「巨額の資産って……女性がそんな大金を持っていたら、誰かに狙われるんじゃ……?」
「そんな不届き者は、この村にはおりません」
村長はそう断言したが、クローディアさんが無事なのは、それだけが理由ではないのだろうと思った。
ひょっとしたら、あの犬が番犬として優秀なのかもしれない。
「クローディアさんが招待者だということは、ご存知だったんですか?」
「いえ……あの若さで資産を作るのは、難しいとは思っておりましたが……てっきり、相続した資産なのかと……」
精霊を呼び出す招待者ならば、若くして巨額の資産を持っていても不思議ではない。
クローディアさんの口振りだと、彼女の腕はあまり良くなかったようだが……招待者という存在自体が、貴族の支援を受けられる立場なのだ。
「そんなに簡単に稼げるなら、あたしも招待者になってみたいな」
ラナがそう言うと、リーザは首を振った。
「貴方には無理よ。招待者は、一体の精霊を呼び出すために、部屋に籠って10日前後は集中し続けないといけないんだもの」
「はあ!? 食事やトイレはどうするんだよ?」
「食事は、私達が食べているような、保存のきく物を部屋に置いておくらしいわよ。トイレは……気にしないであげるべきでしょうね」
「……」
いけないことを考えそうになったので、僕は思考を打ち切った。
「それだけ頑張っても、呼び出せる精霊はFランクばかり、なんていうことは珍しくないらしいわ。成果が上がらなければ、貴族からの支援もあまり得られない。そもそも、招待者になるためには、精霊を呼び出すことに成功した実績が必要らしいけど……それに成功する人自体が、挑戦した100人に1人とも、1000人に1人とも言われているらしいわ」
それはそうだろう。
簡単に精霊を呼び出せるなら、誰も精霊を市場で購入しないはずだ。
招待者になる方法については、僕も聞いたことがあった。
精霊を呼び出すためには、まず広い部屋を用意して、床に巨大な魔法陣を描く必要がある。
それから、閉ざされた部屋で何日も、精霊を呼び出すことだけを考え続けるのだ。
満足に飲食も出来ず、排泄は壺で済ます。
その期間は、身体を洗うことすら出来ない。
拷問にも近い苦痛であり、大半の人間の集中が途中で途切れてしまうという。
それほどの苦労をしても、呼び出せる精霊のほぼ全てがCランク以下であり、さらにその半分以上がFランクなのだ。
それで手に入る金は、一般人にとっては大金でも、一生遊んで暮らせるような金額ではない。
そんな状況に耐えられず、精神を病んでしまう者も数多くいるらしい。
一攫千金の夢のある役割だが、苦労の割に報われることの少ない役割であるとも言える。
僕達は、村長からドラゴンベアが目撃された場所を聞き出した。
その地点に向かう途中でリーザが言った。
「……ねえ。さっきのクローディアさん……どこかで会ったことはないかしら?」
「あんなムカつく女、会ったら忘れないだろ」
「そうよね……。でも、あの人、誰かに似てるような気がするのよ……」
「髪の色は、聖女様と同じだったけどね……」
僕がそう言うと、リーザは激しく反応した。
「ちょっと、やめてよ! いくら何でも、聖女様とあんな女を比較するなんて!」
「ご、ごめん……」
「無駄に攻撃的なところとか、似てるのはリーザ自身じゃないのか?」
「ラナ、本気で怒るわよ……?」
「いや、冗談だって……」
「……」
レイリスは、物言いたげな様子でリーザを見上げていた。
「レイリス、心当たりでもあるのですか?」
ソフィアさんが問いかけると、レイリスは首を振った。
「あんな奴のことは忘れようぜ? 今は、ドラゴンベアを狩ることだけ考えるべきだろ?」
「そうね……」
そう言って、リーザも気持ちを切り替えたようだった。
これから戦う相手は、極めて危険なのだ。
余計なことを考えている時間などないことは確かだった。
0
お気に入りに追加
59
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?


【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。

好きでした、さようなら
豆狸
恋愛
「……すまない」
初夜の床で、彼は言いました。
「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」
悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。
なろう様でも公開中です。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜
白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。
舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。
王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。
「ヒナコのノートを汚したな!」
「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」
小説家になろう様でも投稿しています。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる