白銀の簒奪者

たかまちゆう

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第51話

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「ベルさん。魔物が近付いてきたら、お願いします。それと、屋敷の中に人間が残っていたら、魔法で動けないようにしてしまってください」

 僕がそう言うと、ベルさんは、笑顔を浮かべて頷いた。
 殺すことを止められた時には不満そうだったが、僕が彼女達にお仕置きをすることには、賛成してくれているようだ。

「それじゃあ……手始めに、全員裸になってもらおうか」

 僕がそう告げると、使用人の女性達は、抗議めいた悲鳴を上げた。

「私は何をされても構いません。ですから、私に仕える者達のことは見逃してください」

 金髪の女性が、進み出て言った。

「それは駄目だよ。タームという少年が、君のお婆さんに酷いことをされていたのは、彼女達だって知っていたはずだよね? だったら、何もせずに見逃すわけにはいかないな」
「この子達に責任はありません」
「それは関係ないよ。君達にどれくらいのお仕置きが必要かは、僕達が決めることだ。早く脱がないと、力尽くで脱がすよ?」
「……やむを得ませんね。貴方に従いましょう」

 そう言って、金髪の女性は、身に着けている物を脱ぎ始めた。

「お嬢様……!」

 使用人の1人が、慌てた様子で叫び、止めようとする。

 青い下着しか身に着けていない姿になってから、金髪の女性は使用人達の方を見た。

「貴方達も脱ぎなさい。彼らは、かつてダート人が使ったと言われる魔法を使いました。私達が抵抗しても、敵う相手ではありません」

 そう言って、金髪の女性は下着も躊躇なく脱ぎ捨てた。

「……!」

 金髪の女性の、生まれたままの姿が、月の明かりに照らし出された。


 とても美しい。

 白い肌。
 細く、余分なものが付いていない四肢や腰。
 そして、豊かな胸の膨らみ。

 この、理想的というべき、芸術的な身体は……ベルさんと互角ではないだろうか?

 いや……彼女には、ベルさんよりも明確に優れている点がある。
 それは、彼女の方が若いことだ。

 ベルさんは、僕よりも5~6歳ほど年上だろう。
 だが、彼女は、僕とほとんど年齢が違わないはずだ。
 ベルさんが成熟した印象なのに対して、彼女は早熟な印象を受ける。

 まさか、オットームに、これほどの女性がいるとは……!


 金髪の女性は、僕のことを無言で見つめた。

 身体を隠す素振りはない。
 こちらが何をしても、受け入れるつもりなのだろう。

 僕は、彼女に近付き、頬に触れる。
 彼女は表情を変えなかった。

 早く感触を確かめたくて、手に収まらないほど大きな乳房に手をかける。
 少し力を入れて揉んでも、彼女は動じずに、こちらをひたすら見つめていた。

「君の名前は?」
「ロゼットです」
「男に抱かれた経験はあるの?」
「ありません」
「……」

 それにしては、肝が据わっている。
 欲求を抑えきれずに、乳房に顔を埋めた。

 使用人の女性達が悲鳴のような声を上げたが、ロゼットに動揺した様子はなかった。
 一応は警戒していたが、こちらの隙を突こうとしている様子もない。

 今すぐに押し倒してしまいたい。
 そう思いながら、抱き寄せて、一方的に唇を重ねた。
 さらに、尻に手を回して、何度も愛撫する。

 それでも、ロゼットは抵抗しなかった。


 僕は、この女性だけで満足できる。
 彼女に欲望を受け止めてもらえるなら、他の女性に何かをする必要はない。

 そう思えたが、僕はすぐに思い直した。

 それでは、ベルさんが納得しないのだ。
 何とか、この場を収めねばならない。

 僕は、ロゼットの耳元に口を寄せて告げた。

「使用人の女の子達は、全員死なせたくない。だから、僕が何をしても受け入れてほしい」

 そう言って女性から離れる。
 彼女は、こちらを窺うように見つめた。


 使用人の女性達も、全員が裸になっている。
 ロゼットに集中しすぎて、彼女達が脱ぐところを見損ねてしまった。

 女性達は、片腕で乳房を隠しており、もう片腕で局部を隠している。
 僕が見回すと、小さく悲鳴を上げ、その視線から逃れるように身体を捻る。

「隠すことは許さないよ。両手を頭の後ろで組むんだ。僕が何をしてもそのままでいないと、腕を折るからね?」

 かなり躊躇したものの、使用人達は僕の命令に従った。
 それによって、彼女達の身体も露わになる。

 やはり、彼女達の肉体的な魅力は、ロゼットやベルさんには遠く及ばない。
 それでも、美人が揃っているし、オットームとしては発育が良い方だろう。

 嬉しくて、つい笑ってしまった。
 使用人達は、真っ青な顔で僕を見ていた。

「それじゃあ、1人ずつ、お仕置きを受けてもらうよ。まずは君からだね」

 僕は、そう言いながら、一番若そうな使用人に近付いた。
 その使用人は、真っ青になって逃げるように動く。

「言っておくけど、逃げようとしたら、腕も脚も叩き折るよ? 大人しくしていれば、お尻を叩くだけで済ませてあげてもいいけど」
「……本当ですか?」
「ちょっと、それで終わらせるの? ずいぶんと甘いのね?」

 ベルさんは不満そうな顔をした。
 僕は、ベルさんに笑いかけた。

「大丈夫です。安心して見守ってください」

 僕がそう言っても、ベルさんは不満そうなままだった。
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