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二
感情ってなんだ?
しおりを挟む僕の人生は散々で物心が着いた頃から、カオスだった。そう、全てがカオス。
だが、最近僕は疑問に思っている馬鹿馬鹿しい事がある。
それは、感情って何だろう?
僕という人間は何も出来ない。ただ、やろうと思えば何でもできる可能性がいつも、拳の中に眠っている、そんな人間だ。
眠っている気がするの方が正しい。それに、はなから人間らしくもない。そう周りに言われる。親からも、妹からも……友人なんて、そのせいか一人もいない。
でも、そんな人間である事さえ、誰からも肯定してもらえないのは、悲しいことになるのではないか?むしろ、人間なのに人間でないと評価される事は素晴らしいのだろうか?
僕は分からない。どちらが人間らしい答えなのか…僕自身の答えは、どちらでもよい、だった。
それも全てにおいて、どちらでも良い。もっと言えば、どちらにも適用出来る。
好みがない訳ではない。僕は甘い物が特に好きだ。犬より猫が好きだし、水色の物ばかり無意識に選んでしまう。
僕は、人間らしくなりたいから、感情を知りたいんじゃない。
僕は……自分の本当の気持ちを知りたい、だから、感情を知りたいんだ。
「彼女」に会うまで、僕は空っぽだった。怒りも悲しみも、哀れみも嫉妬も……楽しさや喜びも、愛おしさだって強く感じた事は無かった。下手したら、綺麗、や可愛いの違いも分からないかもしれない。みんながそう言っているからそう。
意見や感性さえ人に任せていた。
「彼女」は人間じゃないのに、僕より“生きて”いた。
だから彼女に出会って、こんな自問自答の無限ループは終わったんだ。
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