禁断のblue rose

秋村篠弥

文字の大きさ
上 下
12 / 14
2 第2章 ~絡み合う糸の先端~

俺しか知らない、キミの魅力

しおりを挟む

すっかりご無沙汰になった、と思う。
俺と大翔の濃厚な絡み……。
ごめんな、春休みは春休みでなんかそう言うそそられるムードが無くてな。
一緒に居ちゃうと、落ち着いちゃってな。
あぁ、俺は常に性欲が沸き立ってたんだが、俺のケモノに付き合わせちゃ大翔も苦だと思ってな。
俺もさすがに高校の時よりかは幾分か大人になったんだ!
というのもつかの間、おれはもう我慢出来ない。
大学生になったんだから内面も落ち着け?いや、無理だろ~!
そもそも、大学生らしい、ってのは意識的に変えるもんで、それになったから変われる訳じゃないだろう。
てことで、今日は入浴時、襲おうと思う。
ちなみにこれは番外編みたいなものだから、飛ばしてもらっても物語に支障はない。
もし、そういうのがあれば、って興味を持ってくれる人、対象だ。

じゃあ行ってみよう!

俺は入浴しているでろう大翔のもとへ、風呂場へ向かった。
足音はなるべく立てないで。
というのも、安物件を探したから、どうしても床がギシギシ軋んだり、戸の締まりが悪かったりと、不具合があるのだ。
「ふんふん~♪ふふんふん♪」
奴は、呑気に鼻歌を歌っていた。その適当な音程が、可愛くて仕方ない。可愛らしさとは愛おしさである、これは作者の考えだ。
そんなことは置いておいて、まだ風呂を済ませていない俺はこのまま突撃してやろうか、それとも出てきたところをそのままハグでもしてやろうかとルンルンしていると、洗面所にいる1匹の黄色いものに目がいった。

「ふんふん~♪ふふんふん♪」
ちゃぷ
身体を流し終え、ポカポカとした身体を更に温度の高い湯船とつける。
その心地の良さに思わず僕の中のありとあらゆる力が解散していくような感覚になる。
「ふわぁ~」
伸びをすると、なぜかココ最近の事が頭をよぎった。
高校を無事卒業した。
その後トントン拍子に龍都との同居(照)が始まる。
入学した先に苦手な人達がいた。
しかし、龍都のおかげで今までの僕にはなかった心持ちであの人達を認識できるようになった。
同じ雰囲気の異性の友人も出来た。
僕には幼なじみの龍都が居てくれたから、あんまり気にも留めなかったが、質のいい友達はいた方が楽しい、と思えた。
色んなことがあって苦しい時も楽しい時もあったけれど、全部龍都がいてくれたから乗り越えられたし、作り出せた。
全ては愛しの龍都のおかげだ。
愛しの…、ってのは本人にはナイショね。
でも、逆に龍都に寄りかかりすぎてしまっている気が、最近する。
なんとか僕も大人にならないと…、なんて思って、家事は率先してやっているのだけれど…。
そんなことをポヤーっと考えていると、突然、お風呂の扉が開いた。自動でだ(笑)
「大翔~♡」
もちろん入ってきたのは、いとし…ケフンケフン、龍都である。
手には押すとぴよぴよ言うアヒルちゃんがいた。
全裸の龍都はそのままアヒルを湯船の方へ投げるらアヒルちゃんは上手く着水する。
そして身体を流した後、そんなに広くない湯船に遠慮なくダイブしてきた。
龍都が入ってきた分の面積のお湯がドボドボと流れ落ちていく、
アヒルちゃんがその流れに翻弄されながらクルクル回っている。
シャンプーなどの容器が流れそうになるのを手で止める。
「あのさぁ、りゅうとー」
呆れ半分で龍都の方を見ると、顎クイをされた。
その綺麗な唇が近づいてくるのだろうと思い、僕はキュッと目を閉じる。
しかし、いつになっても自分の唇に圧を感じなかったから、ゆっくり目を開けた。
そこには湯船のせいで火照ってきている龍都の顔とまるで大切なものを見るような優しい眼差しがあった。
「ど、どうしたの?」
龍都は大切に、丁寧に、絞り出すように言う。
「大翔、俺、お前のこと、めちゃくちゃ愛おしい」
僕は先程まで愛しの龍都とか言ってたからか、同じような事を同じ時に考える自分たちに嬉しくなってしまい口の端だけがにやけてしまう。
その表情に、龍都は赤面し、「今夜は寝かせねぇからな!」と言い勢いよく湯船を出て頭を洗い出す。
減ってしまった水面に少し寂しさを感じながら、いつまでも、僕らの心も満たされていたいな、なんて思ってしまった。

その後は湯船に長くつかっていたからか、もしくはいつも以上に愛してるとか好きとか言ってくれる龍都の愛に浸っていたのか、
完全にのぼせてしまった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

とろとろ【R18短編集】

ちまこ。
BL
ねっとり、じっくりと。 とろとろにされてます。 喘ぎ声は可愛いめ。 乳首責め多めの作品集です。

男子学園でエロい運動会!

ミクリ21 (新)
BL
エロい運動会の話。

【エロ好き集まれ】【R18】調教モノ・責めモノ・SMモノ 短編集

天災
BL
 BLのエロ好きの皆さま方のためのものです。 ※R18 ※エロあり ※調教あり ※責めあり ※SMあり

白い部屋で愛を囁いて

氷魚彰人
BL
幼馴染でありお腹の子の父親であるαの雪路に「赤ちゃんができた」と告げるが、不機嫌に「誰の子だ」と問われ、ショックのあまりもう一人の幼馴染の名前を出し嘘を吐いた葵だったが……。 シリアスな内容です。Hはないのでお求めの方、すみません。 ※某BL小説投稿サイトのオメガバースコンテストにて入賞した作品です。

叔父さんと一緒♡

らーゆ
BL
叔父とショタ甥がヤッてるだけ。ガチのヤツなので苦手なひとは回避推奨。

咳が苦しくておしっこが言えなかった同居人

こじらせた処女
BL
 過労が祟った菖(あやめ)は、風邪をひいてしまった。症状の中で咳が最もひどく、夜も寝苦しくて起きてしまうほど。 それなのに、元々がリモートワークだったこともあってか、休むことはせず、ベッドの上でパソコンを叩いていた。それに怒った同居人の楓(かえで)はその日一日有給を取り、菖を監視する。咳が止まらない菖にホットレモンを作ったり、背中をさすったりと献身的な世話のお陰で一度長い眠りにつくことができた。 しかし、1時間ほどで目を覚ましてしまう。それは水分をたくさんとったことによる尿意なのだが、咳のせいでなかなか言うことが出来ず、限界に近づいていき…?

【R18】孕まぬΩは皆の玩具【完結】

海林檎
BL
子宮はあるのに卵巣が存在しない。 発情期はあるのに妊娠ができない。 番を作ることさえ叶わない。 そんなΩとして生まれた少年の生活は 荒んだものでした。 親には疎まれ味方なんて居ない。 「子供できないとか発散にはちょうどいいじゃん」 少年達はそう言って玩具にしました。 誰も救えない 誰も救ってくれない いっそ消えてしまった方が楽だ。 旧校舎の屋上に行った時に出会ったのは 「噂の玩具君だろ?」 陽キャの三年生でした。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

処理中です...