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再臨 ~勇者アイオロス~
しおりを挟む世に不世出と讃えられる勇者はただ一人、アイオロスのみである。
彼は剣聖アドタイクスと同じく高貴な生まれで、グレンディア帝国の第五皇子だった。
アドタイクスのマレイド国よりも歴史もあり、世界で最も広大な領土をもつ軍事大国の王妃腹の皇子で、王太子の実弟である。
高潔で気高く、品行方正で折り目正しい皇子であったアイオロスは、夢かと疑うような白皙の美貌の持ち主であるのと同時に、当時、世界最強の剣士だった。
その出自、才覚、才能。
誰もが彼こそ剣聖だろう、と噂した。
勇者に選ばれた時、誰もが納得する人物だった。むしろ勇者こそ相応しいと誰もが口にした。
だからこそ、彼が帰還できなかった事はグレンディア帝国に悲嘆を齎した。
世界で唯一、未来永劫彷徨う元剣聖アドタイクスの放浪が拒まれる地となった。
グレンディア帝国の皇帝はアイオロスの実兄アイオリアの子孫だ。
彼等は勇者アイオロスの無念を代々に渡り語り継ぎ、決してアドタイクスを赦そうとしない。
光を凝縮したような金の髪。
何もかもを見据えるような青い瞳。
勇者であったものの、もはや死者である為かその髪も瞳も勇者の黒を纏っていない。
古の勇者、アイオロスの夢かと疑うような白皙の美貌は現世に再臨しても尚、損なわれなかった。その優美な物腰と滲み出る気品とに、ついその場にいた人々は剣聖テオドロスと見比べてしまった。比較する相手を間違えているとしか言いようがないが、条件反射だろう。
「大聖女アメリア」
「勇者アイオロス様」
実に奇跡のような邂逅であった。
「今生、世界に勇者はいない。この地に縁ある僕が魂のみ再臨した。君を心から寿ぐ。君は僕の聖女ロザリアの妹にも等しいゆえ、こうして再臨し寿ぐ栄誉を与えたもうた神に感謝を捧げよう」
スッと手を差し伸べるその仕草。
端整な顔立ちに浮かんだ品のよい微笑。
ーとても勇者その人とは思えないー
彼等の知る勇者は苛烈そのもの。悪と共に諸共さえ滅ぼしかねない力を有する存在だ。
「寿ぎに感謝します。御身が再臨なさるとは思いませんでした」
「他でもない君を寿ぐくらい構わないよ」
柔和な笑み、男でも聞き惚れる美声。
ーなるほど、神が地上のあらゆる優れたものと美しいものを与えた唯一無二の勇者、とはかくあるのかー
その手に聖剣がなくとも勇者であると納得させうる存在感。死すら超越する在り方。
まるで火と水ほどに対照的な勇者達ではあるが、絶対性は共通している。
「苦労したね。大聖女アメリア。まさか今生に勇者に相応しい人物がいないなど思いも寄らなかったよ。神々もさぞお困りでいらしただろう」
その場を離れず、優雅に近くの岩を片手を薙ぎはらい、器用にも椅子に変えるなど見ている側の目を疑うような芸当を披露したアイオロスに、アメリアは苦笑を浮かべた。
「神々の憂いを軽減できたのなら、望外の喜びです。ところでアイオロス様」
目の前の存在に対する警戒は解かないまま。
「今尚、グレンディア帝国の皇帝の夢を訪い、ご自身と聖女ロザリア様、賢者イディオン様の無念を語り、元剣聖アドタイクスを決して許さないようにと促されておいでなのですね?」
勇者アイオロス様の登場です。尚、様呼称は標準装備なのでご了承を!
えぇ、勿論、名前は聖闘○星矢のあのお方から、ついでにその兄弟も(笑)
ようこそ!こちらでもどうぞ御兄弟仲よく!
作品中、随一の美貌を誇る勇者です。
下手すると女性の方が裸足で逃げ出すレベル。
おまけにケチのつけようのない完璧貴公子。
美声設定なのは、大好きな声優さんに脳内変換であてて貰うため。
テオドロスにそこまでの愛は、ない。
ないったら、ないのだ!
因みにかなりこの時点で粘着体質なのが浮き彫りになっております。
こういう品行方正な方って本気で敵にするとどんな恐ろしい事になるのか。
馬鹿の見本。アドタイクスの末路が語っております。粘着体質って遺伝するのかな?
グレンディア帝国から各国に、奴を厚遇するな、石礫を持って投げつけろ。という要請がある訳で。各国の皆様。未だ古の勇者アイオロスの怒りが継続中なのに戦々恐々。(そら怖い!)
本当に恐ろしい男ですよ(コソッ)
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