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第1幕~林の町にて、、先行く二人、雨揺らぎ騒林追うは一人と、また一人
これが…王都ですか、、侮れませんね…王都の頂きというものは…
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ダンジョン《ニチリア、西の深木林》の、まだ浅い区域を抜けて、《クアッキの杉林》と、呼び馴らわす区域に差し掛かった。
《クアッキの杉林》のクアッキとは、この《ニチリア、西の深木林》がダンジョン化する前に呼ばれた旧名、《クアッキ村》に由来するらしい。
その名の通り、垂直で背の高い【クアッキ杉】が、そこかしこに生えていて、伐採業者の木を切り倒す音が時々、聴こえてくる。
夕方になれば切り揃えられた【クアッキ杉】を、荷車で運ぶ姿なども見掛ける事だろう。
伐採業者の護衛の依頼などは、このダンジョンにまだ慣れていない冒険者にも、お薦めらしい。
「そうですね…組合では初めて、この深木林を訪れる冒険者の方にはですね?
林業の方の護衛に着いて頂くのを、薦めているんです
彼らは、この森に慣れてますので…
かく言うわたしも…慣れるまで伐採を手伝っていたんですよ」
彼女の得物の片刃斧は、それに由来するとの事だ。
他の《林のフォリンズ》の町の冒険者も、斧を使っている者が多く、彼女の父であるカガシンも両刃の大斧を背に提げていた事に思い至った。
「なるほどねえ、、
つまり、元、木こりさんなわけね
サクイヤは」
「ふふ…今は冒険者ですね」
「んー、で、、
普段は受付嬢か、、」
カガシンにしろ、サクイヤにしろ、冒険者と何かを兼業してる者が多いらしかった。
このダンジョンの中腹、《クアッキの杉林》に差し掛かって、昼にも差し掛かってきた時間帯だ。
先の【イッキツツキ】襲撃の後も、同じ赤混じりの羽毛の鳥の襲撃を何度か迎撃し、ルルヒラの肩に掛かる袋は半分ほど埋まっていた。
サクイヤはダンジョンマップの二枚目を取り出す。
「さて…魔窟変で場所を移してるかもしれませんけど…
この先ですね」
ダンジョンマップのバツ印の付いた地点へ行くようだ。
途中、何度か地図と睨み合い、【魔窟変】の影響があるらしい所の木々に赤い紐を結んでは、また歩くのを繰り返した先だ。
木々の生えていない、開けた区域に出た。
木彫りで【杉林、中継】との立て札が差してある。
「ここです…中継所ですよ」
積まれた木材に、簡易な小屋が数軒、荷車の脇ではシートを敷いた冒険者や伐採業者がたむろっていた。
小屋の中には、簡易ながらも床式の暖炉があり、燃え尽きた灰が残っている。
また、中継所の中央には井戸もあり、水を汲み上げる事も出来るようだ。
「ふうん?使っていいのかしら?」
「いいんですよ…元は伐採業の方達が開いたそうです」
いそいそとユエリは、大鍋、鉄串、調理用ナイフなどを荷袋から取り出す。
「んー、昼飯だな
何をするんだ?」
「ルルヒラ、あんたは血抜きね
それと、サクイヤは水汲んで来て、、」
大袋から、イッキツツキを三羽取り出し、ナイフで切れ込みを入れ鉄串に刺した。
その後は外で吊るし、血が滴り落ちるのが見える。
「んー、羽はいらないな?」
「うん?燃やすから、、
後でいいわ
あんたは火の準備よ」
ルルヒラは小屋に備え付けの木炭を、床式の暖炉に並べている。
吊るされたイッキツツキは、ドクロの火吹きで燃やされ、赤混じりの羽毛も燃え尽きた所だ。
「なるほど…便利な使い方もありますね
あ…水です」
水桶を持ったサクイヤ嬢。
「それじゃ、鍋に水ね
で、こうね、、」
暖炉の上に大鍋が吊るされ、向けられた杖から発火の【火操術】だ。
「それでそれで…わたしは何をすれば、、」
「うん?そうねえ、、
何か、調味料持ってる?」
「調味料…ですか、、
塩、胡椒、パライズシロップ、蜂蜜、、」
荷袋から取り出した。
塩、胡椒は冒険者でも割と標準装備だが、甘苦いパライズシロップ、蜂蜜などはサクイヤの味覚をやや、物語っていると見て良さそうだ。
どちらかと言えば、甘党と思われた。
「なるほど、それじゃ、、
そうねえ、、
私の香草煮込み風といこうかしら?」
ハーブ類の瓶、何やらドロッと赤い液体の入った大瓶を取り出す。
「その…赤いのは何なんです?」
「うん?生き血よ?」
サラッと言い放った。
「え…生き血…
…ですか、、?」
軽く目を見開くサクイヤ嬢。
「何驚いてんのよ?
冗談よ、、
ただし、半分はね?」
赤い大瓶を片手に、ニヤリ…と笑うユエリだ。
「んー、タマティとチキンのケチャソースだな
王都で流行ってたんだ」
「そうそう、鳥の内蔵と脂、、
それからタマティの濃厚さがね
甘味にも塩味にも合うのよねえ、、」
略して【タマチキ・ソース】と呼ばれ、士官教習所に在籍中、時を同じくして流行したヒット商品だった。
「さあて、まずは、、
イッキツツキを丸ごと茹で上げね」
大鍋に、先ほど炙られたイッキツツキが三つ並び、塩、ハーブ類を加えていく。
「なるほど…いい匂いがします」
「ここで、、
それよ」
ユエリが示すのは、パライズシロップと蜂蜜だった。
「どっちが、いいのかしらね?」
甘苦い【パライズシロップ】を入れるのは、些か冒険に思える。
やはり、最後に加える【タマチキ・ソース】を見込んで、蜂蜜を少々加えるのがベストだろうか?
「んー、ここは無難に蜂蜜だな
、、やはり」
「ですね…でも、塩とパライズシロップは、、
フォリンズのキノコ料理で定番ですよ?」
「むー、そうなると、、
分からんな、しかし」
押し悩む二人をよそに、ユエリはイッキツツキの炙りを都度、ひっくり返している。
そして、蜂蜜を少々、加えた。
「ここはやっぱりねえ、、
安易に違う系統の味を加えるのは、失敗の元なのよ
そんなわけでね?」
「なるほど…王都の味付けですね?
、、楽しみです
食べる専門の血が騒ぎますね…」
言い切るサクイヤは確かに、水を汲んできた他、調理には一切関わっていない。
パライズシロップ、蜂蜜を出しただけで、食べる専門との自認は確かなものだった。
「うん、そろそろねえ
私流調理の秘奥の一つ、、
タマチキ・ソースよ」
言って、ドロッと赤い液体を注ぐ。
大鍋の中身は真っ赤に染まり、ハーブ類の匂いに濃厚な香りが加わり、三者の鼻腔をくすぐった。
「あとは、鳥肉に染みるのを、、
待つだけね」
グツグツ煮える大鍋だ。
「んー、そろそろか?」
「まだよ、、
もう少し」
鳥肉をひっくり返しては、鳥身にフォークを刺し、中身を確かめている。
「もう…わたし、これ以上は、、」
「そうね、、
そろそろ、お皿の準備ねえ」
深皿を三人分並べ、ようやくだった。
盛り付けられた、イッキツツキの鳥肉が丸ごと深皿に、丸々一羽だ。
「そうね、、
私流、タマチキ香草風味のイッキチキン煮込み、、
完成よ」
言い終わる前に、既に口を付けたのはサクイヤ嬢だ。
「あむ…ぐ…むぐ…」
裂けほぐれる鳥身に、濃厚な赤い茹で汁が滲み、頬張る口が止まらないらしい。
「むー、タマチキに塩、蜂蜜か、、
舌で味わう王都の味、か、、」
ルルヒラの肥えた舌を唸らす、王都で店を出してもおかしくないほどの、一流の味付けだ。
次いでに言えば〈舌で味わう王都〉とは、月一で出版される、王都のグルメ家愛好の雑誌を指す。
「うん、見込み通りのほぐれる鳥身、、
塩味と甘味と濃厚ソースが、それぞれを引き立てる、、
我ながら絶品ね
、、ああ、内蔵もいけるわよ?
よく煮えてるから、、」
かき込むように貪っていたサクイヤは、その言を聞き、内蔵の部位へと食指を動かす。
変わった食感を口内で楽しみ、相変わらず口の動きは止まる様子も無い。
「んー、肝が噛み切れるな
レバーも味が染みて、なかなか、、
食感の宝庫だな、まるで」
このルルヒラ、どうやら彼の食事の際の饒舌さは満足度に比例するらしいのが、ユエリの都合五年に及ぶ見立てだった。
今回も彼の舌を満足させるに至ったらしい。
「うん、食べたわねえ、、」
「ふう…ですね、、
ご馳走様です」
「あー、しかし、よく食べたな」
一人につき、一羽の量だ。
かなりの量を胃袋に詰めたお陰か、その後の探索が危ぶまれそうな三人だった。
《クアッキの杉林》のクアッキとは、この《ニチリア、西の深木林》がダンジョン化する前に呼ばれた旧名、《クアッキ村》に由来するらしい。
その名の通り、垂直で背の高い【クアッキ杉】が、そこかしこに生えていて、伐採業者の木を切り倒す音が時々、聴こえてくる。
夕方になれば切り揃えられた【クアッキ杉】を、荷車で運ぶ姿なども見掛ける事だろう。
伐採業者の護衛の依頼などは、このダンジョンにまだ慣れていない冒険者にも、お薦めらしい。
「そうですね…組合では初めて、この深木林を訪れる冒険者の方にはですね?
林業の方の護衛に着いて頂くのを、薦めているんです
彼らは、この森に慣れてますので…
かく言うわたしも…慣れるまで伐採を手伝っていたんですよ」
彼女の得物の片刃斧は、それに由来するとの事だ。
他の《林のフォリンズ》の町の冒険者も、斧を使っている者が多く、彼女の父であるカガシンも両刃の大斧を背に提げていた事に思い至った。
「なるほどねえ、、
つまり、元、木こりさんなわけね
サクイヤは」
「ふふ…今は冒険者ですね」
「んー、で、、
普段は受付嬢か、、」
カガシンにしろ、サクイヤにしろ、冒険者と何かを兼業してる者が多いらしかった。
このダンジョンの中腹、《クアッキの杉林》に差し掛かって、昼にも差し掛かってきた時間帯だ。
先の【イッキツツキ】襲撃の後も、同じ赤混じりの羽毛の鳥の襲撃を何度か迎撃し、ルルヒラの肩に掛かる袋は半分ほど埋まっていた。
サクイヤはダンジョンマップの二枚目を取り出す。
「さて…魔窟変で場所を移してるかもしれませんけど…
この先ですね」
ダンジョンマップのバツ印の付いた地点へ行くようだ。
途中、何度か地図と睨み合い、【魔窟変】の影響があるらしい所の木々に赤い紐を結んでは、また歩くのを繰り返した先だ。
木々の生えていない、開けた区域に出た。
木彫りで【杉林、中継】との立て札が差してある。
「ここです…中継所ですよ」
積まれた木材に、簡易な小屋が数軒、荷車の脇ではシートを敷いた冒険者や伐採業者がたむろっていた。
小屋の中には、簡易ながらも床式の暖炉があり、燃え尽きた灰が残っている。
また、中継所の中央には井戸もあり、水を汲み上げる事も出来るようだ。
「ふうん?使っていいのかしら?」
「いいんですよ…元は伐採業の方達が開いたそうです」
いそいそとユエリは、大鍋、鉄串、調理用ナイフなどを荷袋から取り出す。
「んー、昼飯だな
何をするんだ?」
「ルルヒラ、あんたは血抜きね
それと、サクイヤは水汲んで来て、、」
大袋から、イッキツツキを三羽取り出し、ナイフで切れ込みを入れ鉄串に刺した。
その後は外で吊るし、血が滴り落ちるのが見える。
「んー、羽はいらないな?」
「うん?燃やすから、、
後でいいわ
あんたは火の準備よ」
ルルヒラは小屋に備え付けの木炭を、床式の暖炉に並べている。
吊るされたイッキツツキは、ドクロの火吹きで燃やされ、赤混じりの羽毛も燃え尽きた所だ。
「なるほど…便利な使い方もありますね
あ…水です」
水桶を持ったサクイヤ嬢。
「それじゃ、鍋に水ね
で、こうね、、」
暖炉の上に大鍋が吊るされ、向けられた杖から発火の【火操術】だ。
「それでそれで…わたしは何をすれば、、」
「うん?そうねえ、、
何か、調味料持ってる?」
「調味料…ですか、、
塩、胡椒、パライズシロップ、蜂蜜、、」
荷袋から取り出した。
塩、胡椒は冒険者でも割と標準装備だが、甘苦いパライズシロップ、蜂蜜などはサクイヤの味覚をやや、物語っていると見て良さそうだ。
どちらかと言えば、甘党と思われた。
「なるほど、それじゃ、、
そうねえ、、
私の香草煮込み風といこうかしら?」
ハーブ類の瓶、何やらドロッと赤い液体の入った大瓶を取り出す。
「その…赤いのは何なんです?」
「うん?生き血よ?」
サラッと言い放った。
「え…生き血…
…ですか、、?」
軽く目を見開くサクイヤ嬢。
「何驚いてんのよ?
冗談よ、、
ただし、半分はね?」
赤い大瓶を片手に、ニヤリ…と笑うユエリだ。
「んー、タマティとチキンのケチャソースだな
王都で流行ってたんだ」
「そうそう、鳥の内蔵と脂、、
それからタマティの濃厚さがね
甘味にも塩味にも合うのよねえ、、」
略して【タマチキ・ソース】と呼ばれ、士官教習所に在籍中、時を同じくして流行したヒット商品だった。
「さあて、まずは、、
イッキツツキを丸ごと茹で上げね」
大鍋に、先ほど炙られたイッキツツキが三つ並び、塩、ハーブ類を加えていく。
「なるほど…いい匂いがします」
「ここで、、
それよ」
ユエリが示すのは、パライズシロップと蜂蜜だった。
「どっちが、いいのかしらね?」
甘苦い【パライズシロップ】を入れるのは、些か冒険に思える。
やはり、最後に加える【タマチキ・ソース】を見込んで、蜂蜜を少々加えるのがベストだろうか?
「んー、ここは無難に蜂蜜だな
、、やはり」
「ですね…でも、塩とパライズシロップは、、
フォリンズのキノコ料理で定番ですよ?」
「むー、そうなると、、
分からんな、しかし」
押し悩む二人をよそに、ユエリはイッキツツキの炙りを都度、ひっくり返している。
そして、蜂蜜を少々、加えた。
「ここはやっぱりねえ、、
安易に違う系統の味を加えるのは、失敗の元なのよ
そんなわけでね?」
「なるほど…王都の味付けですね?
、、楽しみです
食べる専門の血が騒ぎますね…」
言い切るサクイヤは確かに、水を汲んできた他、調理には一切関わっていない。
パライズシロップ、蜂蜜を出しただけで、食べる専門との自認は確かなものだった。
「うん、そろそろねえ
私流調理の秘奥の一つ、、
タマチキ・ソースよ」
言って、ドロッと赤い液体を注ぐ。
大鍋の中身は真っ赤に染まり、ハーブ類の匂いに濃厚な香りが加わり、三者の鼻腔をくすぐった。
「あとは、鳥肉に染みるのを、、
待つだけね」
グツグツ煮える大鍋だ。
「んー、そろそろか?」
「まだよ、、
もう少し」
鳥肉をひっくり返しては、鳥身にフォークを刺し、中身を確かめている。
「もう…わたし、これ以上は、、」
「そうね、、
そろそろ、お皿の準備ねえ」
深皿を三人分並べ、ようやくだった。
盛り付けられた、イッキツツキの鳥肉が丸ごと深皿に、丸々一羽だ。
「そうね、、
私流、タマチキ香草風味のイッキチキン煮込み、、
完成よ」
言い終わる前に、既に口を付けたのはサクイヤ嬢だ。
「あむ…ぐ…むぐ…」
裂けほぐれる鳥身に、濃厚な赤い茹で汁が滲み、頬張る口が止まらないらしい。
「むー、タマチキに塩、蜂蜜か、、
舌で味わう王都の味、か、、」
ルルヒラの肥えた舌を唸らす、王都で店を出してもおかしくないほどの、一流の味付けだ。
次いでに言えば〈舌で味わう王都〉とは、月一で出版される、王都のグルメ家愛好の雑誌を指す。
「うん、見込み通りのほぐれる鳥身、、
塩味と甘味と濃厚ソースが、それぞれを引き立てる、、
我ながら絶品ね
、、ああ、内蔵もいけるわよ?
よく煮えてるから、、」
かき込むように貪っていたサクイヤは、その言を聞き、内蔵の部位へと食指を動かす。
変わった食感を口内で楽しみ、相変わらず口の動きは止まる様子も無い。
「んー、肝が噛み切れるな
レバーも味が染みて、なかなか、、
食感の宝庫だな、まるで」
このルルヒラ、どうやら彼の食事の際の饒舌さは満足度に比例するらしいのが、ユエリの都合五年に及ぶ見立てだった。
今回も彼の舌を満足させるに至ったらしい。
「うん、食べたわねえ、、」
「ふう…ですね、、
ご馳走様です」
「あー、しかし、よく食べたな」
一人につき、一羽の量だ。
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