転生したら地獄だった

星稜らむね

文字の大きさ
上 下
6 / 8

転生したら地獄だった#6

しおりを挟む
うっすらと光が部屋に入ってきて私は目を覚ました。
「う、う~ん。もう、朝?」
まだ眠いのを我慢しながら朝礼へと向かう。

朝礼が始まった。
エンマ様が話し出す。
ぼーっとする頭で話を聞いていると、私の今日の仕事が言われた。
今日の仕事は会計だ。計算地獄…
ここに来て初めて地獄かもなんて思った。
朝礼が終わるとエンマ様に声をかけられた。
「今日、仕事が終わったら忘れずに来いよ。」
「は、はい。」

もう、あれからどのくらいの時間が経ったのだろうか。そんなことを考えながら仕事を終わらせていく。
どのくらいの仕事量かというと、本を10冊くらい山積みにしたようだ。
「はぁ~」
思わず大きなため息をついてしまった。

その様子に気づいた一人に声を掛けられる。
「どうしたんだい?そんなに大きなため息をついて。」
ギクっ
「いえ、何でもありません。」
「誰にも言ったりしないから大丈夫だよ。話してごらん。」ニコッ
「えと…その、ですね…私計算が苦手で。」
「ゆっくり一緒にやろうじゃないか」
「では、よろしくお願いします。」
「私の名前はハイドだ。君の名前は何だい?」
「私の名前はアンです。」
「君が噂の…」
「噂…ですか?」
きょとんとする私とは真逆で彼は納得したような顔をしている。
「いやね、エンマ様に気に入られているっていう噂を耳にしたものでね。」
「全然知らなかったです。」 
「そうなんだ。私はエンマ様が何故君を気に入ったのか何となく分かったよ。」(私が一目惚れしてしまうなんてね)
そう言った彼は、悔しそうな顔をしていた。
二人で話をしながら計算をしているとあっという間に時間が経っていた。
そうして、計算地獄から私は脱出した。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

うちの兄がヒロインすぎる

ふぇりちた
ファンタジー
ドラモンド伯爵家の次女ソフィアは、10歳の誕生日を迎えると共に、自身が転生者であることを知る。 乙女ゲーム『祈りの神子と誓いの聖騎士』に転生した彼女は、兄ノアがメインキャラの友人────つまり、モブキャラだと思い出す。 それもイベントに巻き込まれて、ストーリー序盤で退場する不憫な男だと。 大切な兄を守るため、一念発起して走り回るソフィアだが、周りの様子がどうもおかしい。 「はい、ソフィア。レオンがお花をくれたんだ。 直接渡せばいいのに。今度会ったら、お礼を言うんだよ」 「いや、お兄様。それは、お兄様宛のプレゼントだと思います」 「えっ僕に? そっか、てっきりソフィアにだと………でも僕、男なのに何でだろ」 「う〜ん、何ででしょうね。ほんとに」

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

婚約破棄されたら魔法が解けました

かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」 それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。 「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」 あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。 「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」 死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー! ※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です

獣人の里の仕置き小屋

真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。 獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。 今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。 仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。

はい、こちら黄泉国立図書館地獄分館です。

日野 祐希
大衆娯楽
 就職初日に階段から足を滑らせて死んでしまった、新人司書の天野宏美(見た目は大和撫子、中身は天上天下唯我独尊)。  そんな彼女に天国の入国管理官(似非仙人)が紹介したのは、地獄の図書館の司書だった。  どうせ死んでしまったのだから、どこまでも面白そうな方へ転がってやろう。  早速地獄へ旅立った彼女が目にしたのは――廃墟と化した図書館だった。 「ま、待つんだ、宏美君! 話し合おう!」 「安心してください、閻魔様。……すぐに気持ちよくなりますから」(←輝く笑顔で釘バッド装備)  これは、あの世一ゴーイングマイウェイな最恐司書による、地獄の図書館の運営記録。 ※『舞台裏』とつく話は、主人公以外の視点で進みます。 ※小説家になろう様にも掲載中。

王女、騎士と結婚させられイかされまくる

ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。 性描写激しめですが、甘々の溺愛です。 ※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。

箱庭から始まる俺の地獄(ヘル) ~今日から地獄生物の飼育員ってマジっすか!?~

白那 又太
ファンタジー
とあるアパートの一室に住む安楽 喜一郎は仕事に忙殺されるあまり、癒しを求めてペットを購入した。ところがそのペットの様子がどうもおかしい。 日々成長していくペットに少し違和感を感じながらも(比較的)平和な毎日を過ごしていた喜一郎。 ところがある日その平和は地獄からの使者、魔王デボラ様によって粉々に打ち砕かれるのであった。 目指すは地獄の楽園ってなんじゃそりゃ! 大したスキルも無い! チートも無い! あるのは理不尽と不条理だけ! 箱庭から始まる俺の地獄(ヘル)どうぞお楽しみください。 【本作は小説家になろう様、カクヨム様でも同時更新中です】

処理中です...