転生したら地獄だった

星稜らむね

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転生したら地獄だった#1

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私、前村 杏子(まえむら あんず)19歳は現在地獄にて働いている。ここまでの経緯を話そう。ある日、大学に入学してからできた友達にプレゼントを買いに行っていた。少し疲れていた私は注意力が散漫になっていた。
キキーッ!!
ドンっ!
何かが私の体にぶつかる。そして誰かが呼びかけている。そんな中私の意識は朦朧としていった。
次に目を覚ましたのが現在だ。
「あれ?ここ…どこ…?」
全く知らない場所だった。
ふと、誰かの声が聞こえる。
声の方に目を向けてみると…
薔薇のような真紅の瞳と視線がかち合った。
(もの凄い気迫だ…)
私はごくりと唾を飲み込む。
彼はにやりと不敵な笑みを浮かべている。
すると、突然彼は
「俺はエンマだ。」
と名乗った。
失礼のないように私も名乗る。
「前村 杏子です。」
「ここは一体どこなのでしょうか。」
エンマは答える。
「地獄だ。そしてお前は俺の召使いだ。」
私は状況を理解するのに時間がかかった。
「えぇぇぇぇ!!」

何でもないという顔で彼は
「今からお前のことはアンと呼ばせてもらう。」
と言った。
「さっそくで申し訳ないが、飯を作ってくれ」
「はい。わかりました。」
(意外と優しいのかも…)
私は厨房へとエンマ様の案内で向かった。
「ここが厨房だ。」
扉を開けた瞬間目の前に広がるのは白くて清潔感のある広い厨房だった。
私は思わず声を上げてしまう。
「わぁ。凄く広い!」
「ここにある材料は好きに使ってくれ。」
エンマ様はお仕事があるらしくすぐに出て行ってしまった。
エンマ様からの要望はイタリアンだった。私はメニューを考え始める。
「ん~。何にしようかな?」
30分程悩んだ結果次のメニューになった。
•チーズリゾット
•カルパッチョ
•ジェラート
•スプレムータ

まずはチーズリゾットから作る。
たまねぎ、しめじ、にんにくを切っていく。
べコーンを切り、お米を洗う。
フライパンにバターをひく。
ジュワーッと溶けていくバター。
そこへにんにくを加え弱火でいため香りが立ってきたら玉ねぎを入れ、中火でしんなりするまで炒める。
(いい感じにできそう!)
ベーコン、しめじを加えてしめじがしんなりするまで炒め、お米とコンソメ、牛乳、水を加える。
ひと煮立ちしたらチーズを加えて…         完成!!
どんどん作らないと!
次はカルパッチョである。
たまねぎを薄くカットして5分程水にさらして、水気を切る。
次にパプリカ、ナスを切っていく。ナスは水にさらす。そうしたほうが色が綺麗らしい。
レモン汁、醤油、オリーブ油、こしょうを混ぜドレッシングを作る。
レタスのような野菜フェリーフをちぎり全て盛り付けドレッシングをかけたら出来上がり!
あと2品。
ジェラートは2色作る。1つはブルーベリーのような果実のフィラム、もう一つはいちごのような果実のフューズベリー。
火の通りのいい鍋に牛乳、生クリーム、水を入れて火にかけ沸騰したら止める。
バットに慎重に流し入れ、あら熱をとってから冷凍庫で冷やし固める。
その間にスプレムータを作る。スプレムータとは生搾りのオレンジジュースのことらしい。
ここに、オレンジはない。だからオレンジに似ているファラヒューズを使う。
ファラヒューズをミキサーにかけて別の容器に移しかえて冷やせば完成。
そろそろ冷え固まった頃だろう。
冷凍庫からジェラートのもとを取り出す。バットから取り出し、一口大に切る。
一口大に切ったジェラートのもととフィラムを一緒にミキサーにかける。
続けてフューズベリーの方も作る。
冷凍庫で再度冷やしたら完成だ。
「いけないっ!もうこんな時間。」
エンマ様のもとへチーズリゾットとカルパッチョとスプレムータを運ぶ。

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