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幼馴染の妹ルート
2-07_透明な女の子
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週末は珍しく早起きした。
特にやることがないので、勉強にでも取り組もうかと。
ただ、そうなると形から入りたいので、参考書と問題集を買おうと思ったのだ。
本屋さんのオープンは10時からだというのに、朝6時に目が覚めてしまった。
ぱっちり覚めたせいか、二度寝ができない。
たまにそんな日ってあるよね。
気まぐれで軽く散歩することにした。
とりあえず、服を着て家を出ると、中村家(ウルハの家)の前で詩織ちゃんを見かけた。
「詩織ちゃん、おはよう!」
「あ、お兄ちゃん!おはようございます!珍しいですね!」
僕がバイトの日以外は、朝割と遅くまで寝ているのを知っているのだろう。
ちょっと恥ずかしいな。
「珍しく早く目が覚めて……詩織ちゃんは?」
「私は日課のトレーニングです」
詩織ちゃんはトレーニングウェアで、走るポーズをして見せた。
「日課!?毎日走ってるの!?」
「はい、鍛えてます」
「すごいな!一体どこを目指してるの!?」
詩織ちゃんは、僕の方をちらりと見て答えた。
「絶対手に入れたいものがあって……」
その瞳に込められた熱意の様なものを感じて、僕は気圧された。
「女には負けられない戦いがあるんです……」
「きみはいったい何と戦っているんだ……」
苦笑いが出てしまった。
「ふふ……私に色が付いたら教えてあげますね」
「色?それは『色気』的な?」
「ふふ……違いまーす」
プイと首だけ横を向かれてしまった。
女の子は色々考えていて複雑だ。
詩織ちゃんは中3なので、ひときわ複雑な時かもしれない。
「お兄ちゃんは、今日お出かけですか?」
「うん、参考書を買おうと思ってね」
「あ、本屋さん行きますか!?」
「うん、ショッピングモール近くの大きい方にね」
「わあ!ちょうどよかった!私も本屋さんに用事があったんです!よかったら連れて行ってもらえませんか?」
「いいけど……本みるだけだから、つまんないよ?」
「全然かまいません!」
『一緒に行きたい』じゃなくて、『連れてって』ってとこが、ウルハと違ってて可愛いところだよなぁ。
『妹』って感じするわぁ。
僕は、密かに心の中でなごんでいた。
「わぁ、お兄ちゃんとお出かけだ!何着ていこう!?」
詩織ちゃんちょっと赤くなってるし。
その気持ちまでは、うかがい知れない。
「じゃあ、お昼前にお迎えにあがっていいですか?」
本を買いに行くだけといっても、女の子だから準備もあるだろう。
こちらから迎えに行って、待たされるよりも、準備が終わってきてもらった方が、効率がいい。
「うん、頼むよ」
「はーい、それじゃぁまた、後で」
「うん、また」
妹みたいな存在とはいえ、女の子と出かけるのだから、少しいい服を着ていくことにしよう。
そんなことを考えつつ、家に帰って朝ご飯を食べることにした。
そういえば、トレーニングに出ると言っていたのに、そのままUターンして家に帰って行ったみたいに見えたけど、あれはトレーニング帰りだったのかな?
■詩織ちゃんがお迎え
「ユージ、詩織ちゃん来たわよ?」
11時時ごろ、部屋でくつろいでいると、母さんが知らせてくれた。
「はーい」
部屋のドアを出たら、母さんがニヤニヤしていた。
「ウルハちゃんにフラれたから、今後は詩織ちゃんなの?」
「別に……一緒に本を買いに行くだけだよ」
なぜ、母さんがわざわざそんなことを言うのか……
その小さな疑問は、リビングに着いたらすぐにわかった。
リビングのソファに、詩織ちゃんがちょこんと座っていたけど、清楚系のかわいい服を着ていた。
はにかんで座っている様子は、かわいさは5倍増しくらい。
かわいい・・・
こんな子と出かけるとなると、そりゃあ、勘違いするよな……
襟なんかをちょこちょこと直している仕草を見たら、普通誰でも好きになるわ。
さすが、ウルハの妹。
本を買いに行く姿だけで、こんなに目を引くなんて。
僕とは格の違いを感じさせられた。
「ほら、詩織ちゃんお待ちかねよ!」
母さんのニマニマが止まらない。
なんか僕のライフポイントだけがどんどん減っているような……
僕の姿に気付くと、詩織ちゃんが飛び上がるように立ち上がった。
「お、お兄ちゃん!お待たせ!」
いや、僕の家だし、全然待っていないのだけれど……
「かわいい服だね」
自然と服をほめてしまった。
「あ、ありがとうございます!今日は初めて、お兄ちゃんと二人でお出かけだから、ちょっと……頑張り……ました」
もみあげ辺りの髪の毛をいじいじ触りながら、恥じらいつつ話す。
これはヤバい。
かなりかわいい。
「きょ、今日は、よろしくお願いしまーす」
90度行きそうな深いお辞儀。
僕なんかにそこまで……
こちらこそ、よろしくだよ。
「じゃ、じゃあ、行こうか」
「はいっ」
すぐ後ろを、ちょこちょことついてきてくれる。
いやはや、かわいいわぁ。
もうね、詩織ちゃんのことを好きになる人の気持ちが分かった。
これはいかん。
すぐ落ちるわ。
■会長の妹
「お兄ちゃん、あのね、もし、もしよかったらだけど……」
話しながら、本屋に向けて歩いている時、詩織ちゃんが切り出した。
なんだか話しにくそうだ。
不都合なことかな?
「なに?」
「そ、その……もし、よかったら、お昼一緒に食べ!……ませんか?」
「あ、お腹すいた?もうじきお昼だもんね」
「あ、違くて……や、うん、お腹すいちゃって……」
育ち盛り全開の年齢だよな、中3って。
出発を変な時間にしてしまった僕の責任だ。
「何か食べたいものってある?」
「んーん、お兄ちゃんが行きたいところで!」
「そっか……」
申し訳ないけれど、あまり持ち合わせがない。
ここで奮発すると、肝心の本が買えなくなってしまう。
「ファミレスかファストフードでもいいかな?」
「うん、大丈夫だよ」
詩織ちゃんとファストフード店で食事をとることにした。
僕は季節限定のハンバーガーのセットにして、詩織ちゃんはナゲットとサラダにしたみたいだ。
これくらいはごちそうできるから、兄として一緒に支払いをした。
「よかったのかな?払ってもらっちゃって……」
テーブルにつくと詩織ちゃんが聞いた。
「大丈夫だよ。バイト代は粗方使っちゃったけど、まだいくからは持ってたから」
「そうなんだ……ありがとう!お兄ちゃん」
いいなぁ、こういうの。
眼福眼福。
デート気分を体験…って感じ。
詩織ちゃんのクラスメイトとかだったら、羨ましがる光景じゃないだろうか。
こんなかわいい子と一緒に外で食事をしているなんて。
「詩織ちゃんの私服、久々に見た気がするけど、すごく可愛いね」
「え!?あ、ありがとう……ございます」
詩織ちゃんは頭のてっぺんから湯気が出そうなくらい顔が真っ赤になってしまった。
軽率な言い方だったかな……
「学校でもモテるんじゃない?」
「その……私の場合、『お姉ちゃんの妹』っていうのが強くて、私自身を見てくれてる人が少なくて……」
なるほど、姉があまりにも強烈で、ハイスペックだから、少々なことをしてもキャラが立たないのか。
うちの学校の場合、学園の同じ敷地内に、中等部と高等部があるから、建物こそ別だけど、ウルハの噂は中等部まで轟いているというし。
「告白もたまにされるんだけど、全部断ってるから大丈夫だよ?」
すごい、僕なんか一度も告白とかされたことないよ。
姉妹揃ってハイスペックだ。
でも、『大丈夫』ってなんだろ?
『変な男には掴まってないよ』みたいな意味かな?
「なんか普通に街を歩いててもスカウトとかされそうだね」
「一応、事務所には所属していて、ちょっとした活動はしているの」
「え?そうなの!?そりゃあそうだよね!世の中が放っておかないよね」
「あ、いや、雑誌の撮影と映画のエキストラとかだけだし……」
中学にして既にそんな活動ができているなんて、十分すごい。
朝のトレーニングとかも、そのためだろうか。
凡人の僕からしたら、尊敬してしまう。
「それでも、私はまだまだ、『会長の妹』だから……」
詩織ちゃんが少し寂しそうな顔をした。
「でも、別にウルハと競わなくてもいいんじゃないの?詩織ちゃん十分かわいいと思うし……」
「そ、そんな……でも……どうしても手に入れたいものは、お姉ちゃんに勝てないとダメで……」
詩織ちゃんが、チラチラこちらを見てる。
もしかして、その何か高そうなものを僕に買え、と。
ごめん、多分無理だよ……
「ごめんね。僕、ずっとバイトしてたけど、粗方使っちゃって……」
「え?そんなのは……ところで、バイト代ってなにに使ったんですか?」
「ウルハには内緒だよ?実は指輪を買っちゃって……バカでしょ?今となっては渡せないし、高かったから捨てられないし……」
急に詩織ちゃんが目をキラキラさせた。
「どうしたの?」
「あ!そ、そうだ!お兄ちゃん!きょ、今日はどんな本を買うの?」
「あれ?言わなかったっけ?参考書をね。近所の本屋さんだと雑誌しか置いてなくて……」
「そ、そうですよね!」
なんか急に挙動が怪しくなった詩織ちゃん。
でも、なんかかわいいなぁ。
なんか、こう……手元に置いておきたくなるっていうか…自分だけのものにしたくなるっていうか……
ん?自分だけのもの!?
それはダメでしょ。
特にやることがないので、勉強にでも取り組もうかと。
ただ、そうなると形から入りたいので、参考書と問題集を買おうと思ったのだ。
本屋さんのオープンは10時からだというのに、朝6時に目が覚めてしまった。
ぱっちり覚めたせいか、二度寝ができない。
たまにそんな日ってあるよね。
気まぐれで軽く散歩することにした。
とりあえず、服を着て家を出ると、中村家(ウルハの家)の前で詩織ちゃんを見かけた。
「詩織ちゃん、おはよう!」
「あ、お兄ちゃん!おはようございます!珍しいですね!」
僕がバイトの日以外は、朝割と遅くまで寝ているのを知っているのだろう。
ちょっと恥ずかしいな。
「珍しく早く目が覚めて……詩織ちゃんは?」
「私は日課のトレーニングです」
詩織ちゃんはトレーニングウェアで、走るポーズをして見せた。
「日課!?毎日走ってるの!?」
「はい、鍛えてます」
「すごいな!一体どこを目指してるの!?」
詩織ちゃんは、僕の方をちらりと見て答えた。
「絶対手に入れたいものがあって……」
その瞳に込められた熱意の様なものを感じて、僕は気圧された。
「女には負けられない戦いがあるんです……」
「きみはいったい何と戦っているんだ……」
苦笑いが出てしまった。
「ふふ……私に色が付いたら教えてあげますね」
「色?それは『色気』的な?」
「ふふ……違いまーす」
プイと首だけ横を向かれてしまった。
女の子は色々考えていて複雑だ。
詩織ちゃんは中3なので、ひときわ複雑な時かもしれない。
「お兄ちゃんは、今日お出かけですか?」
「うん、参考書を買おうと思ってね」
「あ、本屋さん行きますか!?」
「うん、ショッピングモール近くの大きい方にね」
「わあ!ちょうどよかった!私も本屋さんに用事があったんです!よかったら連れて行ってもらえませんか?」
「いいけど……本みるだけだから、つまんないよ?」
「全然かまいません!」
『一緒に行きたい』じゃなくて、『連れてって』ってとこが、ウルハと違ってて可愛いところだよなぁ。
『妹』って感じするわぁ。
僕は、密かに心の中でなごんでいた。
「わぁ、お兄ちゃんとお出かけだ!何着ていこう!?」
詩織ちゃんちょっと赤くなってるし。
その気持ちまでは、うかがい知れない。
「じゃあ、お昼前にお迎えにあがっていいですか?」
本を買いに行くだけといっても、女の子だから準備もあるだろう。
こちらから迎えに行って、待たされるよりも、準備が終わってきてもらった方が、効率がいい。
「うん、頼むよ」
「はーい、それじゃぁまた、後で」
「うん、また」
妹みたいな存在とはいえ、女の子と出かけるのだから、少しいい服を着ていくことにしよう。
そんなことを考えつつ、家に帰って朝ご飯を食べることにした。
そういえば、トレーニングに出ると言っていたのに、そのままUターンして家に帰って行ったみたいに見えたけど、あれはトレーニング帰りだったのかな?
■詩織ちゃんがお迎え
「ユージ、詩織ちゃん来たわよ?」
11時時ごろ、部屋でくつろいでいると、母さんが知らせてくれた。
「はーい」
部屋のドアを出たら、母さんがニヤニヤしていた。
「ウルハちゃんにフラれたから、今後は詩織ちゃんなの?」
「別に……一緒に本を買いに行くだけだよ」
なぜ、母さんがわざわざそんなことを言うのか……
その小さな疑問は、リビングに着いたらすぐにわかった。
リビングのソファに、詩織ちゃんがちょこんと座っていたけど、清楚系のかわいい服を着ていた。
はにかんで座っている様子は、かわいさは5倍増しくらい。
かわいい・・・
こんな子と出かけるとなると、そりゃあ、勘違いするよな……
襟なんかをちょこちょこと直している仕草を見たら、普通誰でも好きになるわ。
さすが、ウルハの妹。
本を買いに行く姿だけで、こんなに目を引くなんて。
僕とは格の違いを感じさせられた。
「ほら、詩織ちゃんお待ちかねよ!」
母さんのニマニマが止まらない。
なんか僕のライフポイントだけがどんどん減っているような……
僕の姿に気付くと、詩織ちゃんが飛び上がるように立ち上がった。
「お、お兄ちゃん!お待たせ!」
いや、僕の家だし、全然待っていないのだけれど……
「かわいい服だね」
自然と服をほめてしまった。
「あ、ありがとうございます!今日は初めて、お兄ちゃんと二人でお出かけだから、ちょっと……頑張り……ました」
もみあげ辺りの髪の毛をいじいじ触りながら、恥じらいつつ話す。
これはヤバい。
かなりかわいい。
「きょ、今日は、よろしくお願いしまーす」
90度行きそうな深いお辞儀。
僕なんかにそこまで……
こちらこそ、よろしくだよ。
「じゃ、じゃあ、行こうか」
「はいっ」
すぐ後ろを、ちょこちょことついてきてくれる。
いやはや、かわいいわぁ。
もうね、詩織ちゃんのことを好きになる人の気持ちが分かった。
これはいかん。
すぐ落ちるわ。
■会長の妹
「お兄ちゃん、あのね、もし、もしよかったらだけど……」
話しながら、本屋に向けて歩いている時、詩織ちゃんが切り出した。
なんだか話しにくそうだ。
不都合なことかな?
「なに?」
「そ、その……もし、よかったら、お昼一緒に食べ!……ませんか?」
「あ、お腹すいた?もうじきお昼だもんね」
「あ、違くて……や、うん、お腹すいちゃって……」
育ち盛り全開の年齢だよな、中3って。
出発を変な時間にしてしまった僕の責任だ。
「何か食べたいものってある?」
「んーん、お兄ちゃんが行きたいところで!」
「そっか……」
申し訳ないけれど、あまり持ち合わせがない。
ここで奮発すると、肝心の本が買えなくなってしまう。
「ファミレスかファストフードでもいいかな?」
「うん、大丈夫だよ」
詩織ちゃんとファストフード店で食事をとることにした。
僕は季節限定のハンバーガーのセットにして、詩織ちゃんはナゲットとサラダにしたみたいだ。
これくらいはごちそうできるから、兄として一緒に支払いをした。
「よかったのかな?払ってもらっちゃって……」
テーブルにつくと詩織ちゃんが聞いた。
「大丈夫だよ。バイト代は粗方使っちゃったけど、まだいくからは持ってたから」
「そうなんだ……ありがとう!お兄ちゃん」
いいなぁ、こういうの。
眼福眼福。
デート気分を体験…って感じ。
詩織ちゃんのクラスメイトとかだったら、羨ましがる光景じゃないだろうか。
こんなかわいい子と一緒に外で食事をしているなんて。
「詩織ちゃんの私服、久々に見た気がするけど、すごく可愛いね」
「え!?あ、ありがとう……ございます」
詩織ちゃんは頭のてっぺんから湯気が出そうなくらい顔が真っ赤になってしまった。
軽率な言い方だったかな……
「学校でもモテるんじゃない?」
「その……私の場合、『お姉ちゃんの妹』っていうのが強くて、私自身を見てくれてる人が少なくて……」
なるほど、姉があまりにも強烈で、ハイスペックだから、少々なことをしてもキャラが立たないのか。
うちの学校の場合、学園の同じ敷地内に、中等部と高等部があるから、建物こそ別だけど、ウルハの噂は中等部まで轟いているというし。
「告白もたまにされるんだけど、全部断ってるから大丈夫だよ?」
すごい、僕なんか一度も告白とかされたことないよ。
姉妹揃ってハイスペックだ。
でも、『大丈夫』ってなんだろ?
『変な男には掴まってないよ』みたいな意味かな?
「なんか普通に街を歩いててもスカウトとかされそうだね」
「一応、事務所には所属していて、ちょっとした活動はしているの」
「え?そうなの!?そりゃあそうだよね!世の中が放っておかないよね」
「あ、いや、雑誌の撮影と映画のエキストラとかだけだし……」
中学にして既にそんな活動ができているなんて、十分すごい。
朝のトレーニングとかも、そのためだろうか。
凡人の僕からしたら、尊敬してしまう。
「それでも、私はまだまだ、『会長の妹』だから……」
詩織ちゃんが少し寂しそうな顔をした。
「でも、別にウルハと競わなくてもいいんじゃないの?詩織ちゃん十分かわいいと思うし……」
「そ、そんな……でも……どうしても手に入れたいものは、お姉ちゃんに勝てないとダメで……」
詩織ちゃんが、チラチラこちらを見てる。
もしかして、その何か高そうなものを僕に買え、と。
ごめん、多分無理だよ……
「ごめんね。僕、ずっとバイトしてたけど、粗方使っちゃって……」
「え?そんなのは……ところで、バイト代ってなにに使ったんですか?」
「ウルハには内緒だよ?実は指輪を買っちゃって……バカでしょ?今となっては渡せないし、高かったから捨てられないし……」
急に詩織ちゃんが目をキラキラさせた。
「どうしたの?」
「あ!そ、そうだ!お兄ちゃん!きょ、今日はどんな本を買うの?」
「あれ?言わなかったっけ?参考書をね。近所の本屋さんだと雑誌しか置いてなくて……」
「そ、そうですよね!」
なんか急に挙動が怪しくなった詩織ちゃん。
でも、なんかかわいいなぁ。
なんか、こう……手元に置いておきたくなるっていうか…自分だけのものにしたくなるっていうか……
ん?自分だけのもの!?
それはダメでしょ。
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