39 / 55
第三章 私の外れスキルは『せんい』 ~アリエス共和国のヘレの場合
第03話 悪役令嬢はロリがお好き
しおりを挟む
「『ソーイング戦意』! それから『聖属性』ですわ!」
今日はぬいぐるみではなく、ぬいぐるみ用の服を作っている。
「ふぅ、これで六属性のぬいぐるみと服が出来たわ」
「お疲れ様でした、お嬢様。そろそろいらっしゃる頃ですね」
タッタッタッ コンコン ガチャ タァァァァ
「ヘレお姉ちゃぁぁぁん!」
と、五歳の妹バラニーがドアを開けると同時に私の胸に飛び込んで来た。
同級生の中でも大きめの私の胸にぐりぐりと顔を押し付ける。
実は昨日バラニーが今と同じように飛び込んで来た時、仕舞い忘れていたぬいぐるみをみて『バラニーも欲しい』と言い出したのでどの色が欲しいか聞いたところ全色欲しいと答えたのでバラニーと同じくらいの大きさのぬいぐるみをさっきまで作っていたのだ。ついでに服も作ってみた。勿論全色。
「わぁ、可愛い! あっ? お洋服もある! やったーヘレお姉ちゃん大好き」
そう言いバラニーは今着ている服を脱いで、水色の服を着だした。
「ヘレお姉ちゃんどう? バラニーに似合う? あれ? 何かこの服少し涼しい」
「ええ、とっても似合っているわ、それに今の時期涼しくて丁度いいでしょ」
ほんとはぬいぐるみ用の服なのだけど……まあいいか。
その後もバラニーファッションショーを開催し、私が『マリオネット戦意』で操作した劇を観て、満足したのか『へレお姉ちゃん、ありがとう』と言い、付き添って来たメイド達にぬいぐるみと服を持たせて自分の部屋に戻っていった。
「ふぅ」
「お嬢様、お疲れ様でした」
この屋敷の中で外れスキルを貰った後でも、前と同じように私と接してくれるのはアリアとあの子だけ。両親や兄に姉達は勿論の事、最近は使用人達ですら何かを察したようで私と前以上に距離を置くようになった。まあ私としてはその方が楽だけど。
「そうそう、さっきのぬいぐるみ劇をしている最中にまたスキルレベルが上がったわ」
お父様に呼ばれた日から数日経ち、学院へ行かず部屋で訓練した結果、今の私のステータスはこんな感じになっている。
―――――――――――――
ヘレ・ボイオティア (女、15歳)
種族:人間族
ジョブ:裁縫士
スキル:せんい Lv6:『ソーイング戦意』、『マリオネット戦意』、『水、火属性の繊維』、『風、土属性の繊維』、『聖、闇属性の繊維』、『次元属性の繊維』
―――――――――――――
名前や年齢に種族、ジョブ、スキル、スキル技などの自分の情報が頭の中に流れ込んできた。
―――――――――――――
『風、土属性の繊維』:風、土属性を含んだ魔力で作った繊維を出す事が出来る。
『聖、闇属性の繊維』:聖、闇属性を含んだ魔力で作った繊維を出す事が出来る。
『次元属性の繊維』:次元属性を含んだ魔力で作った繊維を出す事が出来る。
―――――――――――――
「アリア、スキルレベルが6になったわ、そして六属性の次は次元属性よ」
「流石です、お嬢様。それにしても通常よりスキルが上がる速さが尋常では無い気がしますが……他のご兄弟と比べてどうなのでしょうか?」
「そうね、確かに私の兄や姉と比べると早い気がするけど、あの人達が毎日どれくらいの特訓をしていたか分からないから何とも言えないわね。もしかしたら外れスキルは成長が早いのかしら?」
「お嬢様のは外れスキルではございませんよ! だって次元属性って事はあれが作れてしまうのでは?」
「あれ? ああ、あれね! 確かに作れるかもしれないわね。『ソーイング戦意』! それから『次元属性』ですわ!」
シャキーン! シュルルル、シュルルル。
腰にぶら下げる大きさの薄緑色のポーチを作った。そこにポーチより大きいぬいぐるみをポーチの口から無理やり入れる。すると不思議な事にポーチより大きいぬいぐるみが中にすっぽりと入ってしまった。しかもポーチはパンパンになっている訳ではない。そして次にポーチの口に私の手を入れてさっきのぬいぐるみを取り出したいと想像しながら手を引き抜くと同時にぬいぐるみも一緒に出てきた。
これは別の空間に物を出し入れできる『次元魔法』の能力をポーチやバックに付与した『魔道具』、通称『マジックバック』と言われるものだ。ただポーチの中に入れる為にはポーチの口より小さくないとダメなようで今回は中身が綿のぬいぐるみだったから無理やり押し込んだけど。一応成功ね。
今度はどれくらいの量が入るのか試してみる。このポーチの口が15cmくらいしかないのであまり大きい物は入れられないが、服や小物など色々入れてみた所、馬車一台分位の物が入った。それ以上入れようとしたら押し返された。
『次元魔法』のスキルレベルが高い人が作ったマジックバックは物量も大きいと聞いた事があるが私もそうなるのだろうか?
次に私は羊皮紙にアリアの『狐火』で火を付けて貰い、それをポーチの中に入れる。しばらくしてからそれを取り出すと羊皮紙の火は消えていて焦げ跡だけ残っていた。
この結果、ポーチの中は時間が経過しており、酸素もない確率が高いと言う予想が出来る。まああと何回か試してはみるけど。
そしてこのマジックバックをもっと高性能にするには、中に入れた食べ物などの腐食をさせない為、時間を止められる『時間魔法』や物の重さを変えずに形を変えてバックの口より大きな物を入れられる様になる『質量魔法』、重さを変えて制限を無くする『重力魔法』、物と言う『個』ではなく、その場所そのものに関与できる『空間魔法』、使用できる者を限定できる『契約魔法』などがあれば完璧なのだけどね。
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
その夜また無視され続けている、父であるアタマス・ボイオティアに呼び出されていた。
~ボイオティア家の屋敷 当主アタマス・ボイオティアの書斎
「ヘレ、お前の婚約者の『魔法国家キャンサー』の貴族から手紙が届いてな……内容は何だったと思う? 【婚約の話は無かった事にして欲しい】だと。理由は向うの息子が『祝福の儀』で授かったスキルがどうやら外れスキルでお前の夫として相応しくないとの事だ……」
「……そうですか」
「儂はお前のスキルの事が向うの耳に入ったのでは? と読んでおる。それで断る理由をでっち上げたのではないかとな、まあどちらにせよ魔法国家キャンサーと組んで、間にある獣人国やドワーフ国を蹂躙する計画がパーだ。前までは交流があった魔法国家キャンサーと獣人国が仲たがいしている今がチャンスなんだが、練り直さねば」
「……」
「これでお前の価値が全くなくなってしまった……他の『魔法国家キャンサー』の貴族を急いで探さねば――いやお前のスキルの事は、もう他の貴族に知れ渡っておるかもしれんな、ならばあのじじいの後家にでも、いっそ次の戦争の時前線に送って兵共の士気を高めるか……まあお前の今後は後ほど伝える。それまで部屋で大人しくしておれ」
「……分かりました」
私は部屋に戻りお父様から言われた事をアリアに話した。一瞬驚いたような顔をしたがすぐにいつもの冷静な愛らしい顔つきに戻った。
今日はぬいぐるみではなく、ぬいぐるみ用の服を作っている。
「ふぅ、これで六属性のぬいぐるみと服が出来たわ」
「お疲れ様でした、お嬢様。そろそろいらっしゃる頃ですね」
タッタッタッ コンコン ガチャ タァァァァ
「ヘレお姉ちゃぁぁぁん!」
と、五歳の妹バラニーがドアを開けると同時に私の胸に飛び込んで来た。
同級生の中でも大きめの私の胸にぐりぐりと顔を押し付ける。
実は昨日バラニーが今と同じように飛び込んで来た時、仕舞い忘れていたぬいぐるみをみて『バラニーも欲しい』と言い出したのでどの色が欲しいか聞いたところ全色欲しいと答えたのでバラニーと同じくらいの大きさのぬいぐるみをさっきまで作っていたのだ。ついでに服も作ってみた。勿論全色。
「わぁ、可愛い! あっ? お洋服もある! やったーヘレお姉ちゃん大好き」
そう言いバラニーは今着ている服を脱いで、水色の服を着だした。
「ヘレお姉ちゃんどう? バラニーに似合う? あれ? 何かこの服少し涼しい」
「ええ、とっても似合っているわ、それに今の時期涼しくて丁度いいでしょ」
ほんとはぬいぐるみ用の服なのだけど……まあいいか。
その後もバラニーファッションショーを開催し、私が『マリオネット戦意』で操作した劇を観て、満足したのか『へレお姉ちゃん、ありがとう』と言い、付き添って来たメイド達にぬいぐるみと服を持たせて自分の部屋に戻っていった。
「ふぅ」
「お嬢様、お疲れ様でした」
この屋敷の中で外れスキルを貰った後でも、前と同じように私と接してくれるのはアリアとあの子だけ。両親や兄に姉達は勿論の事、最近は使用人達ですら何かを察したようで私と前以上に距離を置くようになった。まあ私としてはその方が楽だけど。
「そうそう、さっきのぬいぐるみ劇をしている最中にまたスキルレベルが上がったわ」
お父様に呼ばれた日から数日経ち、学院へ行かず部屋で訓練した結果、今の私のステータスはこんな感じになっている。
―――――――――――――
ヘレ・ボイオティア (女、15歳)
種族:人間族
ジョブ:裁縫士
スキル:せんい Lv6:『ソーイング戦意』、『マリオネット戦意』、『水、火属性の繊維』、『風、土属性の繊維』、『聖、闇属性の繊維』、『次元属性の繊維』
―――――――――――――
名前や年齢に種族、ジョブ、スキル、スキル技などの自分の情報が頭の中に流れ込んできた。
―――――――――――――
『風、土属性の繊維』:風、土属性を含んだ魔力で作った繊維を出す事が出来る。
『聖、闇属性の繊維』:聖、闇属性を含んだ魔力で作った繊維を出す事が出来る。
『次元属性の繊維』:次元属性を含んだ魔力で作った繊維を出す事が出来る。
―――――――――――――
「アリア、スキルレベルが6になったわ、そして六属性の次は次元属性よ」
「流石です、お嬢様。それにしても通常よりスキルが上がる速さが尋常では無い気がしますが……他のご兄弟と比べてどうなのでしょうか?」
「そうね、確かに私の兄や姉と比べると早い気がするけど、あの人達が毎日どれくらいの特訓をしていたか分からないから何とも言えないわね。もしかしたら外れスキルは成長が早いのかしら?」
「お嬢様のは外れスキルではございませんよ! だって次元属性って事はあれが作れてしまうのでは?」
「あれ? ああ、あれね! 確かに作れるかもしれないわね。『ソーイング戦意』! それから『次元属性』ですわ!」
シャキーン! シュルルル、シュルルル。
腰にぶら下げる大きさの薄緑色のポーチを作った。そこにポーチより大きいぬいぐるみをポーチの口から無理やり入れる。すると不思議な事にポーチより大きいぬいぐるみが中にすっぽりと入ってしまった。しかもポーチはパンパンになっている訳ではない。そして次にポーチの口に私の手を入れてさっきのぬいぐるみを取り出したいと想像しながら手を引き抜くと同時にぬいぐるみも一緒に出てきた。
これは別の空間に物を出し入れできる『次元魔法』の能力をポーチやバックに付与した『魔道具』、通称『マジックバック』と言われるものだ。ただポーチの中に入れる為にはポーチの口より小さくないとダメなようで今回は中身が綿のぬいぐるみだったから無理やり押し込んだけど。一応成功ね。
今度はどれくらいの量が入るのか試してみる。このポーチの口が15cmくらいしかないのであまり大きい物は入れられないが、服や小物など色々入れてみた所、馬車一台分位の物が入った。それ以上入れようとしたら押し返された。
『次元魔法』のスキルレベルが高い人が作ったマジックバックは物量も大きいと聞いた事があるが私もそうなるのだろうか?
次に私は羊皮紙にアリアの『狐火』で火を付けて貰い、それをポーチの中に入れる。しばらくしてからそれを取り出すと羊皮紙の火は消えていて焦げ跡だけ残っていた。
この結果、ポーチの中は時間が経過しており、酸素もない確率が高いと言う予想が出来る。まああと何回か試してはみるけど。
そしてこのマジックバックをもっと高性能にするには、中に入れた食べ物などの腐食をさせない為、時間を止められる『時間魔法』や物の重さを変えずに形を変えてバックの口より大きな物を入れられる様になる『質量魔法』、重さを変えて制限を無くする『重力魔法』、物と言う『個』ではなく、その場所そのものに関与できる『空間魔法』、使用できる者を限定できる『契約魔法』などがあれば完璧なのだけどね。
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
その夜また無視され続けている、父であるアタマス・ボイオティアに呼び出されていた。
~ボイオティア家の屋敷 当主アタマス・ボイオティアの書斎
「ヘレ、お前の婚約者の『魔法国家キャンサー』の貴族から手紙が届いてな……内容は何だったと思う? 【婚約の話は無かった事にして欲しい】だと。理由は向うの息子が『祝福の儀』で授かったスキルがどうやら外れスキルでお前の夫として相応しくないとの事だ……」
「……そうですか」
「儂はお前のスキルの事が向うの耳に入ったのでは? と読んでおる。それで断る理由をでっち上げたのではないかとな、まあどちらにせよ魔法国家キャンサーと組んで、間にある獣人国やドワーフ国を蹂躙する計画がパーだ。前までは交流があった魔法国家キャンサーと獣人国が仲たがいしている今がチャンスなんだが、練り直さねば」
「……」
「これでお前の価値が全くなくなってしまった……他の『魔法国家キャンサー』の貴族を急いで探さねば――いやお前のスキルの事は、もう他の貴族に知れ渡っておるかもしれんな、ならばあのじじいの後家にでも、いっそ次の戦争の時前線に送って兵共の士気を高めるか……まあお前の今後は後ほど伝える。それまで部屋で大人しくしておれ」
「……分かりました」
私は部屋に戻りお父様から言われた事をアリアに話した。一瞬驚いたような顔をしたがすぐにいつもの冷静な愛らしい顔つきに戻った。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
その聖女、娼婦につき ~何もかもが遅すぎた~
ノ木瀬 優
恋愛
卒業パーティーにて、ライル王太子は、レイチェルに婚約破棄を突き付ける。それを受けたレイチェルは……。
「――あー、はい。もう、そういうのいいです。もうどうしようもないので」
あっけらかんとそう言い放った。実は、この国の聖女システムには、ある秘密が隠されていたのだ。
思い付きで書いてみました。全2話、本日中に完結予定です。
設定ガバガバなところもありますが、気楽に楽しんで頂けたら幸いです。
R15は保険ですので、安心してお楽しみ下さい。
婚約破棄……そちらの方が新しい聖女……ですか。ところで殿下、その方は聖女検定をお持ちで?
Ryo-k
ファンタジー
「アイリス・フローリア! 貴様との婚約を破棄する!」
私の婚約者のレオナルド・シュワルツ王太子殿下から、突然婚約破棄されてしまいました。
さらには隣の男爵令嬢が新しい聖女……ですか。
ところでその男爵令嬢……聖女検定はお持ちで?
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる