12 / 55
第一章 僕の外れスキルは『うし改』 ~タウラス公国のアルデバランの場合
第11話 崩壊の停滞
しおりを挟む
ミノタウロスに変わった二人を見送っていると、僕に向かって一人の少女と真っ白な大きな犬が走り寄って来た。
「もしかして、あなたバラン君?」
幼馴染のメローペちゃんだった。
「なんでそう思うの?」
「だって、目が、目が同じだから、私が大好きなバラン君の目と一緒だから」
「えっ? 目?」
「そう目だよ、その優しい目、私が見間違えるはずがないよ」
「……」
「そうだ! バラン君 この子誰だか分かる?」
そういい今の僕と同じくらいの大きさの一緒に走って来た真っ白な犬を指さした。
「はっ!? もしかしてエルナト? マイア姉さんの『従魔』のエルナトなの?」
「そうだよ、エルナトだよ、あの時騎士様に槍で刺されて投げ捨てられていたのを、私のお姉ちゃんがこっそり家に連れて来て、私の回復魔法で治したの」
「ワンワン」
エルナトは僕に抱き付いて来て顔をペロペロ舐めた。
「あの時はまだ赤ちゃんだったのに、こんなに大きくなって、それに僕の事覚えているの?」
「ワンワン(当たり前だよぉ)」
「そっか嬉しいよ」
「あれ? バラン君、エルナトの言葉が分るの?」
「え? あれ本当だ、そう言えばプレアの時もさっきのミノタウルスにした奴等も言葉が分かったな、なんでだろ? スキルやジョブの能力かな?」
そんな話をしているとそれを聞いていた村の連中が僕達の所へ集まって来た。
「お、お前本当にアトラスの息子のアルデバランなのか?」
「……」
もう、メローペちゃんに、バレちゃったし仕方がないか。「『変化解除』!」。
「ほら! バラン君だ」
「ホントにアトラスの息子だ」
「バランだ……」
「『従魔』じゃなくスキルの能力なのか?」
「生きていたのか」
「でもさっき村人を皆殺しにするって言ってなかったか?」
「そりゃあんな酷い事をしたんだ、怨んで当然だろ……」
村の人達がざわめき始めた。
「バラン君ごめんなさい、原因は私のお姉ちゃんなのに……バラン君のお姉ちゃんは私のお姉ちゃんの代わりに……それなのに私達怖くなって隠れちゃって」
「違うんだ、バラン君、うちの娘達を地下に隠したのは俺だ、怨むなら、殺すなら俺を殺してくれ」
メローペちゃんのお父さんだ。ちなみにお母さんは小さい頃に亡くなっている。
「聞いてバラン君、でもね、後からバラン君の家族が酷い目に遭ったって知って、私のお姉ちゃんもね、責任感じておかしくなっちゃって、そしてとうとう自分の胸をナイフで刺して……ううん、だからってそれで許してほしいって訳じゃないの」
「……そっか、そんな事があったのか……分かった、もういいよ」
「え? 許してくれるの? バラン君、じゃあ村に戻って来てくれるの?」
「そうだ! こんな強いバランが村に要ればもう領主や貴族なんか怖くないぞ」
「そうだな、村を捨てて街や他の村に行った若者達も戻って来てくれるかも」
「そうだな、やり直そう」
「でも、バラン君の家は……」
「そう言えば……だったら村長の家に住めばいい、死んでしまったし」
「そうだな、ついでに村長もやって貰おう」
「そうだアトラスの息子のバランが要れば食糧だって何とかしてくれるだろ」
「そうだそうだ、よぉし皆、新しくなるクレタ村でがんばろう」
なんか盛り上がっているところ悪いんだけど……。
「僕はクレタ村には戻りません」
「「えっ?」」
「確かに皆の事は許すと言ったけど、一緒には居られない……それに僕は強くなるって母さんと約束したから、ここじゃ多分これ以上強くなれない」
するとフェンリルのエルナトが僕の所にすり寄って来た。
「ワンワン(エルナトは一緒に付いていくぅ)」
「え? 僕と一緒に来るのかい」
「ワン、ワンワン(そうだよぉ、ダメだって言っても付いて行くんだよぉ)」
「わかった、わかった、一緒に行こう」
「ワンワン(やったぁ)」
「良かったね、エルナト……ホントは私も一緒に行きたいけど私が行っちゃったら、お父さん一人になっちゃうし……またお別れだね、グスッ」
「メローペちゃん……エルナトを助けてくれてありがとう」
「待ってくれ、せっかく村が一致団結しているのに、勝手に何を言っているんだ、それに君が居なくなった後、領主や貴族達が仕返しに来たら誰が守るんだ? 君の責任だぞ」
僕の責任? この人誰だっけ? 記憶にないな。
「村に居る人達がほんとの事を誰にも言わなければ今回に事はばれないと思うよ、騎士団長とかが持って居た目立つ装備品や武器は溶かして農具にして、乘って来た馬はよっぽどの名馬じゃないかぎり他の領主の馬など覚えていないでしょ、最悪まあ食べてしまえばいいんじゃない? あいつらが死んだのだって盗賊やさっきのミノタウロスのせいにすればいいし……ところでおじさん誰なの?」
「バラン君、この人は少し前にクレタ村に越してきた人で、『狩人』のジョブを持って居るの……それで今はバラン君の家に住んでいて……」
「越して来た? こんな何にもない村に? それに『狩人』のジョブを持って居る割には皆やせ細っているけど、野菜くずのスープしか飲んでないんでしょ?」
「ガキのくせに生意気な、私が嘘をついていると? たまたま最近獲物が居なかっただけだ」
「じゃあ、数ある村や町を差し置いて何しにこの村に来たんですか?」
「五月蠅い、そんなのお前には関係のない事だ!」
グルルルル エルナトが唸りだした。どうしたんだい? グルル なるほど。
エルナトによればこの男ちょくちょくメローペちゃんの家を覗き見しているとの事だ。何を企んでいるんだ? 僕はこの男を睨みつける。
「なんだその目は、生意気な、そうだ良い提案がある! 村の皆聞いてくれ、このガキを捕まえて、『王都』に連れて行けばきっと褒美がたんまり貰えるぞ。領主や騎士を殺した罪人だし。いや待てよ、こんな珍しい魔物は見世物小屋に売った方が金になるか」
この男は何を考えているんだろう、さっきの騎士達との戦いを見ていなかったのか? それとも僕が抵抗しないとでも思っているんだろうか?
「何言っているの? バラン君はこの村を守ってくれたのよ、バラン君が居なかったら、全部奪い取られて殺されていたかもしれないのよ!」
「そうだ! そうだ!」
「またこの子を裏切れとでも言うのか」
「『狩人』だと言っていたから置いてやっているのに、森に狩りに向かったと思ったら何も狩らずにすぐ戻って来るし、バランじゃなくても疑いたくなるな」
「ぐっ、だから何回も言っただろ、そのフェンリルを貸してくれたら狩りもちゃんとうまくいくと言っているのに、それなのにその娘が私に貸すのを断るから!」
「フェンリル? フェンリルってエルナト事かな? ダメよこの子は別に私のペットじゃないし勝手に貸せないわ」
なるほど、そういう事なのか。
「でも犬がいなきゃ狩りが出来ない『狩人』なんて、聞いたことないよ、今までどうやって狩りをしていたの?」
「ぐっ、飼っていた犬が死んだんだよ」
「へ―そうなんだ、何て名前の犬? いつ死んだの? どこで死んだの?」
「う、五月蠅い、何なんだお前は!」
「いやだから、おじさん『狩人』って嘘でしょ、この村に来た理由はフェンリルのエルナトを盗む為に来たんでしょ?」
「な、何の事だ! 何を根拠に、証拠でもあるのか!」
「フェンリルは珍しいから高く売れそうだもんね、そう言えばこの時期狩りの大会をしているって言ってたなエルフ達が、もしかしてエルフに頼まれたとか?」
「エ、エルフなんぞ知らん」
「じゃあ、エルナトを貸してあげるから一緒に狩りに行こうよ、そこで本当に『狩人』なのか証拠を見せてよ」
「も、もういい、酷い侮辱だ、私は村を出て行く、この村で唯一狩りが出来る私が出て行くんだ、飢え死にしても知らないからな」
そういい、その男は荷物をまとめて出て行った。
「しかしどうする、これで本当に狩りが出来る者が村には居なくなってしまった」
「せめて金があればちゃんとした人を雇う事も出来るのに」
「アトラスさんから狩りを習っていた奴等は皆居なくなってしまったしなぁ」
その後暫くの間、村の皆で会議が始まった。このまま村を出て行ってしまうのも気が気でないので、僕も会議に参加した。うーんそうだ! 良い案を思いついた。
「皆ちょっと待っていて、ちょっと時間かかるけど、エルナトもここで待っているんだよ、ちゃんと戻って来るから、『クイックタウロス』!」
僕は『クイックタウロス』になり森の中へと急いだ。その為最後にメローペちゃんが小さい声で言った『バラン君、あと……ズボンを履いて欲しい……』と言う声は聞こえなかった。
「もしかして、あなたバラン君?」
幼馴染のメローペちゃんだった。
「なんでそう思うの?」
「だって、目が、目が同じだから、私が大好きなバラン君の目と一緒だから」
「えっ? 目?」
「そう目だよ、その優しい目、私が見間違えるはずがないよ」
「……」
「そうだ! バラン君 この子誰だか分かる?」
そういい今の僕と同じくらいの大きさの一緒に走って来た真っ白な犬を指さした。
「はっ!? もしかしてエルナト? マイア姉さんの『従魔』のエルナトなの?」
「そうだよ、エルナトだよ、あの時騎士様に槍で刺されて投げ捨てられていたのを、私のお姉ちゃんがこっそり家に連れて来て、私の回復魔法で治したの」
「ワンワン」
エルナトは僕に抱き付いて来て顔をペロペロ舐めた。
「あの時はまだ赤ちゃんだったのに、こんなに大きくなって、それに僕の事覚えているの?」
「ワンワン(当たり前だよぉ)」
「そっか嬉しいよ」
「あれ? バラン君、エルナトの言葉が分るの?」
「え? あれ本当だ、そう言えばプレアの時もさっきのミノタウルスにした奴等も言葉が分かったな、なんでだろ? スキルやジョブの能力かな?」
そんな話をしているとそれを聞いていた村の連中が僕達の所へ集まって来た。
「お、お前本当にアトラスの息子のアルデバランなのか?」
「……」
もう、メローペちゃんに、バレちゃったし仕方がないか。「『変化解除』!」。
「ほら! バラン君だ」
「ホントにアトラスの息子だ」
「バランだ……」
「『従魔』じゃなくスキルの能力なのか?」
「生きていたのか」
「でもさっき村人を皆殺しにするって言ってなかったか?」
「そりゃあんな酷い事をしたんだ、怨んで当然だろ……」
村の人達がざわめき始めた。
「バラン君ごめんなさい、原因は私のお姉ちゃんなのに……バラン君のお姉ちゃんは私のお姉ちゃんの代わりに……それなのに私達怖くなって隠れちゃって」
「違うんだ、バラン君、うちの娘達を地下に隠したのは俺だ、怨むなら、殺すなら俺を殺してくれ」
メローペちゃんのお父さんだ。ちなみにお母さんは小さい頃に亡くなっている。
「聞いてバラン君、でもね、後からバラン君の家族が酷い目に遭ったって知って、私のお姉ちゃんもね、責任感じておかしくなっちゃって、そしてとうとう自分の胸をナイフで刺して……ううん、だからってそれで許してほしいって訳じゃないの」
「……そっか、そんな事があったのか……分かった、もういいよ」
「え? 許してくれるの? バラン君、じゃあ村に戻って来てくれるの?」
「そうだ! こんな強いバランが村に要ればもう領主や貴族なんか怖くないぞ」
「そうだな、村を捨てて街や他の村に行った若者達も戻って来てくれるかも」
「そうだな、やり直そう」
「でも、バラン君の家は……」
「そう言えば……だったら村長の家に住めばいい、死んでしまったし」
「そうだな、ついでに村長もやって貰おう」
「そうだアトラスの息子のバランが要れば食糧だって何とかしてくれるだろ」
「そうだそうだ、よぉし皆、新しくなるクレタ村でがんばろう」
なんか盛り上がっているところ悪いんだけど……。
「僕はクレタ村には戻りません」
「「えっ?」」
「確かに皆の事は許すと言ったけど、一緒には居られない……それに僕は強くなるって母さんと約束したから、ここじゃ多分これ以上強くなれない」
するとフェンリルのエルナトが僕の所にすり寄って来た。
「ワンワン(エルナトは一緒に付いていくぅ)」
「え? 僕と一緒に来るのかい」
「ワン、ワンワン(そうだよぉ、ダメだって言っても付いて行くんだよぉ)」
「わかった、わかった、一緒に行こう」
「ワンワン(やったぁ)」
「良かったね、エルナト……ホントは私も一緒に行きたいけど私が行っちゃったら、お父さん一人になっちゃうし……またお別れだね、グスッ」
「メローペちゃん……エルナトを助けてくれてありがとう」
「待ってくれ、せっかく村が一致団結しているのに、勝手に何を言っているんだ、それに君が居なくなった後、領主や貴族達が仕返しに来たら誰が守るんだ? 君の責任だぞ」
僕の責任? この人誰だっけ? 記憶にないな。
「村に居る人達がほんとの事を誰にも言わなければ今回に事はばれないと思うよ、騎士団長とかが持って居た目立つ装備品や武器は溶かして農具にして、乘って来た馬はよっぽどの名馬じゃないかぎり他の領主の馬など覚えていないでしょ、最悪まあ食べてしまえばいいんじゃない? あいつらが死んだのだって盗賊やさっきのミノタウロスのせいにすればいいし……ところでおじさん誰なの?」
「バラン君、この人は少し前にクレタ村に越してきた人で、『狩人』のジョブを持って居るの……それで今はバラン君の家に住んでいて……」
「越して来た? こんな何にもない村に? それに『狩人』のジョブを持って居る割には皆やせ細っているけど、野菜くずのスープしか飲んでないんでしょ?」
「ガキのくせに生意気な、私が嘘をついていると? たまたま最近獲物が居なかっただけだ」
「じゃあ、数ある村や町を差し置いて何しにこの村に来たんですか?」
「五月蠅い、そんなのお前には関係のない事だ!」
グルルルル エルナトが唸りだした。どうしたんだい? グルル なるほど。
エルナトによればこの男ちょくちょくメローペちゃんの家を覗き見しているとの事だ。何を企んでいるんだ? 僕はこの男を睨みつける。
「なんだその目は、生意気な、そうだ良い提案がある! 村の皆聞いてくれ、このガキを捕まえて、『王都』に連れて行けばきっと褒美がたんまり貰えるぞ。領主や騎士を殺した罪人だし。いや待てよ、こんな珍しい魔物は見世物小屋に売った方が金になるか」
この男は何を考えているんだろう、さっきの騎士達との戦いを見ていなかったのか? それとも僕が抵抗しないとでも思っているんだろうか?
「何言っているの? バラン君はこの村を守ってくれたのよ、バラン君が居なかったら、全部奪い取られて殺されていたかもしれないのよ!」
「そうだ! そうだ!」
「またこの子を裏切れとでも言うのか」
「『狩人』だと言っていたから置いてやっているのに、森に狩りに向かったと思ったら何も狩らずにすぐ戻って来るし、バランじゃなくても疑いたくなるな」
「ぐっ、だから何回も言っただろ、そのフェンリルを貸してくれたら狩りもちゃんとうまくいくと言っているのに、それなのにその娘が私に貸すのを断るから!」
「フェンリル? フェンリルってエルナト事かな? ダメよこの子は別に私のペットじゃないし勝手に貸せないわ」
なるほど、そういう事なのか。
「でも犬がいなきゃ狩りが出来ない『狩人』なんて、聞いたことないよ、今までどうやって狩りをしていたの?」
「ぐっ、飼っていた犬が死んだんだよ」
「へ―そうなんだ、何て名前の犬? いつ死んだの? どこで死んだの?」
「う、五月蠅い、何なんだお前は!」
「いやだから、おじさん『狩人』って嘘でしょ、この村に来た理由はフェンリルのエルナトを盗む為に来たんでしょ?」
「な、何の事だ! 何を根拠に、証拠でもあるのか!」
「フェンリルは珍しいから高く売れそうだもんね、そう言えばこの時期狩りの大会をしているって言ってたなエルフ達が、もしかしてエルフに頼まれたとか?」
「エ、エルフなんぞ知らん」
「じゃあ、エルナトを貸してあげるから一緒に狩りに行こうよ、そこで本当に『狩人』なのか証拠を見せてよ」
「も、もういい、酷い侮辱だ、私は村を出て行く、この村で唯一狩りが出来る私が出て行くんだ、飢え死にしても知らないからな」
そういい、その男は荷物をまとめて出て行った。
「しかしどうする、これで本当に狩りが出来る者が村には居なくなってしまった」
「せめて金があればちゃんとした人を雇う事も出来るのに」
「アトラスさんから狩りを習っていた奴等は皆居なくなってしまったしなぁ」
その後暫くの間、村の皆で会議が始まった。このまま村を出て行ってしまうのも気が気でないので、僕も会議に参加した。うーんそうだ! 良い案を思いついた。
「皆ちょっと待っていて、ちょっと時間かかるけど、エルナトもここで待っているんだよ、ちゃんと戻って来るから、『クイックタウロス』!」
僕は『クイックタウロス』になり森の中へと急いだ。その為最後にメローペちゃんが小さい声で言った『バラン君、あと……ズボンを履いて欲しい……』と言う声は聞こえなかった。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
その聖女、娼婦につき ~何もかもが遅すぎた~
ノ木瀬 優
恋愛
卒業パーティーにて、ライル王太子は、レイチェルに婚約破棄を突き付ける。それを受けたレイチェルは……。
「――あー、はい。もう、そういうのいいです。もうどうしようもないので」
あっけらかんとそう言い放った。実は、この国の聖女システムには、ある秘密が隠されていたのだ。
思い付きで書いてみました。全2話、本日中に完結予定です。
設定ガバガバなところもありますが、気楽に楽しんで頂けたら幸いです。
R15は保険ですので、安心してお楽しみ下さい。
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
追放された聖女の悠々自適な側室ライフ
白雪の雫
ファンタジー
「聖女ともあろう者が、嫉妬に狂って我が愛しのジュリエッタを虐めるとは!貴様の所業は畜生以外の何者でもない!お前との婚約を破棄した上で国外追放とする!!」
平民でありながらゴーストやレイスだけではなくリッチを一瞬で倒したり、どんな重傷も完治してしまうマルガレーテは、幼い頃に両親と引き離され聖女として教会に引き取られていた。
そんな彼女の魔力に目を付けた女教皇と国王夫妻はマルガレーテを国に縛り付ける為、王太子であるレオナルドの婚約者に据えて、「お妃教育をこなせ」「愚民どもより我等の病を治療しろ」「瘴気を祓え」「不死王を倒せ」という風にマルガレーテをこき使っていた。
そんなある日、レオナルドは居並ぶ貴族達の前で公爵令嬢のジュリエッタ(バスト100cm以上の爆乳・KかLカップ)を妃に迎え、マルガレーテに国外追放という死刑に等しい宣言をしてしまう。
「王太子殿下の仰せに従います」
(やっと・・・アホ共から解放される。私がやっていた事が若作りのヒステリー婆・・・ではなく女教皇と何の力もない修道女共に出来る訳ないのにね~。まぁ、この国がどうなってしまっても私には関係ないからどうでもいいや)
表面は淑女の仮面を被ってレオナルドの宣言を受け入れたマルガレーテは、さっさと国を出て行く。
今までの鬱憤を晴らすかのように、着の身着のままの旅をしているマルガレーテは、故郷である幻惑の樹海へと戻っている途中で【宮女狩り】というものに遭遇してしまい、大国の後宮へと入れられてしまった。
マルガレーテが悠々自適な側室ライフを楽しんでいる頃
聖女がいなくなった王国と教会は滅亡への道を辿っていた。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる