「チャリできた!」学園の広場で断罪された上に婚約破棄までされた絶体絶命の私。その時、騎士団四天王が駆け付けた!

ねお

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チャリできた!

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「シエル!君の日頃の悪行を今、僕がこの場で断罪する!」

ガヤガヤガヤガヤ

「グエン様!一体どういうことですか?!私が何をしたのです!このような公共の場に人まで集めて!」

 私は声を張り上げました。
 私がグエン様に呼び出されてこの場に来た時、既に20人ばかりの貴族子女達がこの場にいました。その顔を見ると、彼の取り巻き達ばかりでした。
 そして、このような場で、彼は私を断罪するなどとおっしゃっているのです。
 もちろん、私には断罪されるような罪に覚えはありません。

「シラを切るか!この性悪女!僕が婚約者としてどれだけ我慢してきたか、思い知れ!」

 そして、グエン様は私の罪とやらを声高々に語りだしたのです。

 何を言いだすのだろうと思って聞いていましたが、彼が口にするのは、裏で人を陥れているだの、悪口を言いふらしているだの、我儘の限りを尽くして周りに迷惑をかけているだの・・・といった内容でした。
 婚約者がそんなことをしているから、自分にまで風評被害が来ているのだ!
 そのようにグエン様はおっしゃっていました。

 私はそのようなことはしていません。

 と、いうよりも、風評被害を受けている、とおっしゃったグエン様こそが、今彼がおっしゃられた行為をやっているのです。むしろ私は、彼の下品な行いをたびたび注意してまいりました。昨日は特にひどかったので、かなりきつめに注意をしたのです。
 そうしたら、今日のこれです。

 結局彼は、自分が行ってきた悪事の責任を、私に押し付けたいだけなのでしょう。口うるさく物を言う目障りな婚約者を自分の取り巻き達で囲ってイジメる。
 そのような薄汚い魂胆なのでしょう。

 本当にお子様です。

 バカバカしくてこの場を去ろうとした私ですが、周りを囲う彼の取り巻き達が、私の外に逃がさぬよう塞いできました。

「逃げるな!悪女!」
「そうよ!卑怯者!性悪女!」
「なんて性根の腐った女だ!絶対こいつを許すな!」

 そう言って、周りの人達もグエン様と同様に私に心無い言葉を投げかけてきます。

 逃げられない状況の中で、たった一人の私に、言いたい放題です。

 最初は言い返していた私も、あまりにひどい言葉の数々に口数が減っていき・・・ついには完全に黙らせられました。

 そんな私に、グエン様は更に追い打ちをかけてきました。

「シエル!そういう訳だからお前との婚約は破棄する!そして、こちらが、僕の新しい婚約者のラビス嬢だ!」

「ごきげんよう、シエル様。あなたの悪行によって深く傷ついたグエン様はこれから私がお慰めいたしますわ、おーほっほっほ!」

 ラビス様・・・彼女はラビス・グルテン伯爵令嬢。彼女は公の場でご令嬢をよくイジメていらっしゃる方ですわ!
 なんということでしょう。グエン様にラビス様という最悪なお二人がタッグを組んでいらしたのね!
 このままでは、この学園は地獄に変わってしまうわ!

 絶望的な表情の私・・・もうどうしたらよいかわからない・・・。
 なんて私は無力なのかしら・・・

「お?シエル?泣くのか?泣くんだな?はっはっは!醜く泣き喚け!」
「おーほっほっほ!このような場でお泣きになるの?泣け!私の前で醜く顔を歪めて無様に泣き喚きなさいな!おーほっほっほ!」

「「「 泣ーけ!泣ーけ! 」」」

 この場にいる全員が、私に泣けと迫ってきます。
 ああ、こんな人達の前で涙を流すなんて、絶対嫌!
 でも、もう・・・
 堪えていたものが噴き出してきそうになった・・・その時でした。



< ヒヒーン



ドドドドドドドド!




 馬の鳴き声共に、轟音を立てて四方から爆走してくる方々・・・あれは!


「一人のか弱き者を大勢で取り囲む下衆共!」

「例え天が許しても我らは決して許さぬ!」

「疾風のチャリオットを駆る、我らこそが!」

「チャリできた!」


 ああ!あの方々こそがあの伝説のチャリオット騎士団四天王!
 「チャリオットで北のほうを守る騎士団4人組」・・・略して「チャリできた」の皆様!



「まずは群れる雑魚共を蹴散らしてくれる!」



 あの黄金のチャリオットに乗るのは・・・「チャリ勇者」チャーリー様!



「俺のチャリは狂暴です!」



 あの白銀のチャリオットに乗るのは・・・「チャリ狂戦士」バサカ様!
 


「俺は人は殺さない・・・その悪心を殺す!」



 あの青銅のチャリオットに乗るのは・・・「チャリ聖騎士」パラディ様!



「チャリできた!」



 あの普通のチャリオットに乗るのは・・・「チャリの人」モブ様!




ドドドドドドド!



「うわああああ!」
「きゃあああ!」



ドカ!バキ!グシャ!




 まぁ!あっという間に周りの方々を轢いていらっしゃるわ!さすがチャリ騎士団四天王!


「な、なにしやがんだ!お前ら!」
「あ、ありえませんわ!こんなの!」


 一気に取り巻きを蹴散らされて慌てるグエン様とラビス様。
 そんなお二人に彼らはポーズを決めて言い放ちました。


「そこに助けを求める人いる限り」
「そこに悪がある限り」
「我らは必ず駆けつける、その名も」
「チャリできた!」


 か、かっこいい・・・。


「ふざけんな!このや・・・」

バキイ!

「暴行でうったえ・・・」

グシャア!


「ふ、悪は滅びた」
「人々の心に巣食う、悪心を滅したな」

 す、すごい!容赦なく2人を轢きましたわ!
 悪心を滅するどころか、轢かれた皆さん全員挽肉になっている気がしますが、きっとご無事なのでしょう!


 驚く私に、チャリ勇者のチャーリー様はこうお声をかけました。


「結婚しよう」

「はい♡」


 こうして私は、チャーリー様のチャリオットという素敵なウェディングカーに乗って、そのままハネムーンに出かけました。


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感想 3

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みんなの感想(3件)

Jelsomina_K
2022.10.07 Jelsomina_K

ぷいきゅあ参上っ!!みたいな『チャリできた!』テッテレー!!!
何故かクセになるこのお話…続きが読みたくなる面白さです!

解除
インク猫
2022.10.06 インク猫

すいません、題を見て「チャリ? 異世界は道路事情が良くないからマウンテンバイクかな?」と早合点してしまいました
読み進めて「チャリオット」と気付きました
古代ローマのヤツでしょうか?
ラストのバイオレンス展開に、世紀末覇者のオートバイの団体さんのイメージが脳裏から離れません 笑

解除
penpen
2021.04.24 penpen

意味がわからない(^_^;)

2021.04.29 ねお

コメントありがとうございます!
改めてこの話を読んでみました。

自分で書いた話のはずなのですが・・・意味不ですね!

解除

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