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02 アフォード王子の秘密
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「ぱぱ~ おはなし があるの~」
「なんだ、アフォード・・・はぁ、仕方ないな。・・・アフォードに話をしなければならないから、少し席を外してくれ」
私の息子である王太子・アフォードが執務室に来た。・・・何かあったのかもしれないな。
私はすぐに文官達を部屋から下がらせた。
・・・
「陛下、突然で申し訳ありませんが、キャスリーン嬢と婚約破棄いたしました」
「な、なんだと!?なぜ急にそんなことを!」
僕の突然の爆弾発言で、父上を大変驚かせてしまった。本当に申し訳ないと思っているが、急ぎのことゆえに仕方ない。
「・・・闇が、動きました」
「な・・・ついにか・・・。」
父は僕の言葉で全てを察したらしい。
僕、スタンフォニア王国王太子、アフォード・スタンフォニアは、王家に始祖の代から伝わる聖剣・スタンフォールの使い手だ。僕が幼い頃に王城の地下深くに封印されている聖剣を抜いてしまったことで、始祖である初代国王、アルスト・スタンフォニア以来の聖剣の使い手となった。
王国の初代国王であるアルストは、勇者だった。そして、この地に巣食っていた闇の化身を封印したことで、国王として国を治めるようになったのが、この国の創成の話だ。この話自体は、この国に住む者であれば誰でも知っている。幼い頃に親から聞かされるのだ。僕自身も父上と母上から聞かされた。
だが、実はこの話には続きがある。代々の王と王妃、王太子、宰相にしか伝えられていない、重大な内容だ。
それは、闇の化身の封印が弱まる時、この王城の地下に封印されている聖剣・スタンフォールが抜かれる、というものだ。
聖剣はスタンフォニア王家の直系の血筋で、勇者の血を色濃く受け継いだ者でしか抜けない。そして、聖剣を抜いた者は、勇者として封印から蘇った闇の化身を封印する役目を負わなければならない。そういう伝承だ。
つまり、その勇者が僕だという訳だ。
僕は5歳の時に聖剣の勇者に選ばれてしまった。伝承によると、アルストも5歳で聖剣を引き抜き、20歳の時に悪の化身と戦い、その封印に成功したのだという。
今の僕の年齢は20歳。おそらく、僕もこれから、悪の化身と戦わなければならないだろう。
ところで、なぜ僕が今までおバカな振りをし続けていたのか、それを説明しないといけないよね。
それも実は、この聖剣の勇者の伝説が関わっている。
「なんだ、アフォード・・・はぁ、仕方ないな。・・・アフォードに話をしなければならないから、少し席を外してくれ」
私の息子である王太子・アフォードが執務室に来た。・・・何かあったのかもしれないな。
私はすぐに文官達を部屋から下がらせた。
・・・
「陛下、突然で申し訳ありませんが、キャスリーン嬢と婚約破棄いたしました」
「な、なんだと!?なぜ急にそんなことを!」
僕の突然の爆弾発言で、父上を大変驚かせてしまった。本当に申し訳ないと思っているが、急ぎのことゆえに仕方ない。
「・・・闇が、動きました」
「な・・・ついにか・・・。」
父は僕の言葉で全てを察したらしい。
僕、スタンフォニア王国王太子、アフォード・スタンフォニアは、王家に始祖の代から伝わる聖剣・スタンフォールの使い手だ。僕が幼い頃に王城の地下深くに封印されている聖剣を抜いてしまったことで、始祖である初代国王、アルスト・スタンフォニア以来の聖剣の使い手となった。
王国の初代国王であるアルストは、勇者だった。そして、この地に巣食っていた闇の化身を封印したことで、国王として国を治めるようになったのが、この国の創成の話だ。この話自体は、この国に住む者であれば誰でも知っている。幼い頃に親から聞かされるのだ。僕自身も父上と母上から聞かされた。
だが、実はこの話には続きがある。代々の王と王妃、王太子、宰相にしか伝えられていない、重大な内容だ。
それは、闇の化身の封印が弱まる時、この王城の地下に封印されている聖剣・スタンフォールが抜かれる、というものだ。
聖剣はスタンフォニア王家の直系の血筋で、勇者の血を色濃く受け継いだ者でしか抜けない。そして、聖剣を抜いた者は、勇者として封印から蘇った闇の化身を封印する役目を負わなければならない。そういう伝承だ。
つまり、その勇者が僕だという訳だ。
僕は5歳の時に聖剣の勇者に選ばれてしまった。伝承によると、アルストも5歳で聖剣を引き抜き、20歳の時に悪の化身と戦い、その封印に成功したのだという。
今の僕の年齢は20歳。おそらく、僕もこれから、悪の化身と戦わなければならないだろう。
ところで、なぜ僕が今までおバカな振りをし続けていたのか、それを説明しないといけないよね。
それも実は、この聖剣の勇者の伝説が関わっている。
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