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1章 幻獣店のふたり
リーヤの師匠
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あー、俺……恥ずい。ほんの数年前だというのに、自分の言動はなんて幼かったのだろう。つい思い出してしまった過去に、リーヤは身もだえして枕を殴った。
認めて欲しかったんだ。
……『レリィス』なんて呼べない。でも、幻獣たちのように『主』でもなく、違う立場が欲しかった。
「『師匠』って……何の師匠だっつうの」
あんなに生活力がなくて、幻獣に飯を食わせて自分が飢えそうな人、放っておけないから。世話を焼く内に、いつしか俺がいなきゃだめなんだから、仕方なくここにいてやっていると思っていた。
「俺……空回り、ってやつ?」
レリィスは料理ができる。むしろリーヤよりずっと上手い。生活力はないが、リーヤが来るまでずっと1人でそうやって暮らしていたのだ、生きていけるのだろう。リーヤがここにいる理由はただ、出ていこうとしないからだ。
レリィスは拾ってきた幻獣を世話して、いずれ外へ返すのだ。居着いた者もいるけれど、基本的に皆自ら独り立ちしようとする。それをレリィスは強要しないし、追いもしない。
「……俺が、独り立ちするって言えば、いいのか」
ここを、出ていく。そんなこと、考えもしていなかった。
「そう、立派になったね。広い世界を楽しんでおいで、好きに戻ってくるといいよ」
幻獣達と別れるとき、レリィスは決まってそう言う。俺にも、そんな風に言って手を離すのだろうか。
それは、なんて、なんて……
トントン
控えめなノックの音にぱちりと目を開けた。どうやら悶々としながら眠っていたようだ。
「……なんすか」
八つ当たりと知りつつ、普段よりさらにきつくなる口調に、リーヤは内心舌打ちした。
「出てこられるかい?ごはんできたよ」
気付けば漂う香りに、ぐうとお腹が鳴った。レリィスの料理……随分と久しぶりだ。意地は簡単にうまそうな匂いに懐柔されて、リーヤはいそいそと扉を開けた。
「なんか、豪華じゃないすか?」
狭いテーブルに所狭しと並べられた料理に、リーヤは目をしばたたいた。
「リーヤ、お腹が空いてるのかなって」
腹が減って機嫌が悪いんだろうと言われたようで、非常に面白くない。面白くはないが、腹は減っている。まずは、食ってからだ。
そもそも腹は減ってねえと言ったような、と頭を掠めたものの、それはさておき。
ガツガツと貪るリーヤに、レリィスはにこにこ笑って飲み物をついだ。
ふう、と椅子の背にもたれかかり、ひとしきり腹が満たされた所で、随分とすさんだ気分がましになっていることに気がついた。もしかして、俺って本当に腹が減ってたから碌なコトを考えなかったのだろうか。
リーヤは自分の単純な思考回路に頭を抱えたくなった。
「もうおかわりはいいの?」
向かいの席で頬杖をついていたレリィスが、おっとりと微笑んだ。ちらりとそちらを見やって、リーヤはいつかのように、ビキリと青筋を立てた。
「師匠っ! また俺にだけ食わせたっすね!!」
「えっ? ああ、本当だね、すっかり忘れてたね」
急に怒られて、レリィスは目をぱちぱちさせた。一応、レリィスの前にも食器は置かれているものの、一切使った形跡のないそれに、彼は少しばつの悪そうな顔をした。
「ほら! この分だけは食う!」
リーヤはせっせと各皿から料理を取り分け、一皿のオードブルにすると、どん、とレリィスの前に置いた。
たっぷり盛られた皿にレリィスは苦笑する。
「これは大変だ……」
レリィスにノルマを与えておけば、リーヤも安心して残りの料理を平らげられるというものだ。
フン、と鼻息を荒くしてレリィスをひとにらみすると、リーヤは再びご馳走の殲滅に取り掛かった。
美味かった。久々の満足する食事だ。リーヤは苦しげにテーブルに突っ伏して、腹が落ち着くのを待った。
「お腹いっぱいになった?」
こちらもなんとかノルマを達成して、食器を下げ始めたレリィス。
「あー、俺がやるっす。置いといてほしいっす」
顔を伏せたまま、くぐもった声が力なく響いた。
「いつもリーヤに任せてるから、今日は僕がするよ」
くすくす笑う声に、まあいいかと目を閉じかけて、リーヤはハッと顔を上げた。同時に椅子を蹴り飛ばす勢いで立ち上がる。
「ダメっす! 俺が! これは俺の役目なんで!」
突然詰め寄ってきたリーヤに、レリィスが驚いて振り返った。長めの髪がふわっと舞って、その隙間から琥珀色の瞳がじっと彼を見つめた。きゅっと唇をへの字に曲げて、頑なに食器を洗おうとする少年に何を感じたのか、レリィスは何も言わずにその場を譲った。
「俺……どうしよう」
リーヤはどこか思い詰めた顔で食器洗いを済ませると、きゅっと蛇口を捻った。
「何をどうするの?」
背後から聞こえた声に、リーヤは思わず飛び上がった。そんな、食事の後はいつも幻獣たちの様子を見に行っているはずなのに。
振り返ることも出来ず、リーヤはぽたりぽたりと落ちる水滴をじっと睨んだ。
「リーヤ、どうしたの?」
気遣わしげな声が近づいて、リーヤの頭に柔らかく手が触れた。
硬い髪を撫でつける手に感じる安心感は、自分がまだ幼いと言われているようで、妙にリーヤの心を苛立たせた。
思わず優しい手を振り払うと、キツイ目をさらに釣り上げて真正面からレリィスを見上げた。
優しい琥珀の瞳は、いつもと何も変わらず、ただ、じっとリーヤの言葉を待っている。
「俺が、ここを出るって言ったら……」
飛び出した言葉は、みるみる勢いをなくして墜落した。
「……なんて顔してんだよ」
ふはっ、と声が漏れた。リーヤの胸中に渦巻いていた重い何かがサラサラと崩れて消えていく。
ニッといつもの顔で笑うと、手を伸ばして高い位置にある頭を撫でてやった。冷たく手触りのいい髪は、随分自分と違うものだ。
「だって、リーヤが……」
レリィスはされるがままに、揺れる瞳でリーヤを見つめた。
「あー、師匠は置いていったら死にそうだし! なんでもねーっす」
幼子にするように、頭をぽんぽんとやって離れると、ぐいっと大きな体を回れ右させて、背中を押した。
「俺、明日の仕込みするんで、邪魔っす」
「でも……」
レリィスの不安げな瞳に、どうしようもなくいい気分でびしりと指を突きつけた。
「師匠、明日から俺、ちゃんと勉強するから。教えて欲しいっす、幻獣のこと」
「……ふふ、分かった。がんばってね」
レリィスは安堵して微笑むと、今度こそ立ち去っていった。
「あー、つい勢いで言っちまったけど、俺、幻獣使いなんて向いてんのかなぁ」
レリィスが放置していた食材を収納し、散らばった食材のかけらを集めてスープにぶち込むと、これで立派な一品だ。根っこひとつ、捨てちまうなんて勿体ない。リーヤに染みついた貧乏性は筋金入りのようだ。
翼を鳴らして飛んで来たスピーが、鍋をかきまぜる右手にとまった。
きゅい、と催促する声に、仕方ねえなあとお玉を持ち上げると、スピーは熱々のスープをものともせず、小さな手で野菜のかけらを選び取った。
「あっちぃ!!」
リーヤは、スピーの手からぽたりと滴った熱いスープに、ぶんぶんと右手を振った。
「お前ー! スピーは平気でも俺は平気じゃねーの!」
お玉を振り上げて怒るリーヤに、少なくともこれほど幻獣と親しんでいるニンゲンは少ないんじゃないの、とスピーは思った。
認めて欲しかったんだ。
……『レリィス』なんて呼べない。でも、幻獣たちのように『主』でもなく、違う立場が欲しかった。
「『師匠』って……何の師匠だっつうの」
あんなに生活力がなくて、幻獣に飯を食わせて自分が飢えそうな人、放っておけないから。世話を焼く内に、いつしか俺がいなきゃだめなんだから、仕方なくここにいてやっていると思っていた。
「俺……空回り、ってやつ?」
レリィスは料理ができる。むしろリーヤよりずっと上手い。生活力はないが、リーヤが来るまでずっと1人でそうやって暮らしていたのだ、生きていけるのだろう。リーヤがここにいる理由はただ、出ていこうとしないからだ。
レリィスは拾ってきた幻獣を世話して、いずれ外へ返すのだ。居着いた者もいるけれど、基本的に皆自ら独り立ちしようとする。それをレリィスは強要しないし、追いもしない。
「……俺が、独り立ちするって言えば、いいのか」
ここを、出ていく。そんなこと、考えもしていなかった。
「そう、立派になったね。広い世界を楽しんでおいで、好きに戻ってくるといいよ」
幻獣達と別れるとき、レリィスは決まってそう言う。俺にも、そんな風に言って手を離すのだろうか。
それは、なんて、なんて……
トントン
控えめなノックの音にぱちりと目を開けた。どうやら悶々としながら眠っていたようだ。
「……なんすか」
八つ当たりと知りつつ、普段よりさらにきつくなる口調に、リーヤは内心舌打ちした。
「出てこられるかい?ごはんできたよ」
気付けば漂う香りに、ぐうとお腹が鳴った。レリィスの料理……随分と久しぶりだ。意地は簡単にうまそうな匂いに懐柔されて、リーヤはいそいそと扉を開けた。
「なんか、豪華じゃないすか?」
狭いテーブルに所狭しと並べられた料理に、リーヤは目をしばたたいた。
「リーヤ、お腹が空いてるのかなって」
腹が減って機嫌が悪いんだろうと言われたようで、非常に面白くない。面白くはないが、腹は減っている。まずは、食ってからだ。
そもそも腹は減ってねえと言ったような、と頭を掠めたものの、それはさておき。
ガツガツと貪るリーヤに、レリィスはにこにこ笑って飲み物をついだ。
ふう、と椅子の背にもたれかかり、ひとしきり腹が満たされた所で、随分とすさんだ気分がましになっていることに気がついた。もしかして、俺って本当に腹が減ってたから碌なコトを考えなかったのだろうか。
リーヤは自分の単純な思考回路に頭を抱えたくなった。
「もうおかわりはいいの?」
向かいの席で頬杖をついていたレリィスが、おっとりと微笑んだ。ちらりとそちらを見やって、リーヤはいつかのように、ビキリと青筋を立てた。
「師匠っ! また俺にだけ食わせたっすね!!」
「えっ? ああ、本当だね、すっかり忘れてたね」
急に怒られて、レリィスは目をぱちぱちさせた。一応、レリィスの前にも食器は置かれているものの、一切使った形跡のないそれに、彼は少しばつの悪そうな顔をした。
「ほら! この分だけは食う!」
リーヤはせっせと各皿から料理を取り分け、一皿のオードブルにすると、どん、とレリィスの前に置いた。
たっぷり盛られた皿にレリィスは苦笑する。
「これは大変だ……」
レリィスにノルマを与えておけば、リーヤも安心して残りの料理を平らげられるというものだ。
フン、と鼻息を荒くしてレリィスをひとにらみすると、リーヤは再びご馳走の殲滅に取り掛かった。
美味かった。久々の満足する食事だ。リーヤは苦しげにテーブルに突っ伏して、腹が落ち着くのを待った。
「お腹いっぱいになった?」
こちらもなんとかノルマを達成して、食器を下げ始めたレリィス。
「あー、俺がやるっす。置いといてほしいっす」
顔を伏せたまま、くぐもった声が力なく響いた。
「いつもリーヤに任せてるから、今日は僕がするよ」
くすくす笑う声に、まあいいかと目を閉じかけて、リーヤはハッと顔を上げた。同時に椅子を蹴り飛ばす勢いで立ち上がる。
「ダメっす! 俺が! これは俺の役目なんで!」
突然詰め寄ってきたリーヤに、レリィスが驚いて振り返った。長めの髪がふわっと舞って、その隙間から琥珀色の瞳がじっと彼を見つめた。きゅっと唇をへの字に曲げて、頑なに食器を洗おうとする少年に何を感じたのか、レリィスは何も言わずにその場を譲った。
「俺……どうしよう」
リーヤはどこか思い詰めた顔で食器洗いを済ませると、きゅっと蛇口を捻った。
「何をどうするの?」
背後から聞こえた声に、リーヤは思わず飛び上がった。そんな、食事の後はいつも幻獣たちの様子を見に行っているはずなのに。
振り返ることも出来ず、リーヤはぽたりぽたりと落ちる水滴をじっと睨んだ。
「リーヤ、どうしたの?」
気遣わしげな声が近づいて、リーヤの頭に柔らかく手が触れた。
硬い髪を撫でつける手に感じる安心感は、自分がまだ幼いと言われているようで、妙にリーヤの心を苛立たせた。
思わず優しい手を振り払うと、キツイ目をさらに釣り上げて真正面からレリィスを見上げた。
優しい琥珀の瞳は、いつもと何も変わらず、ただ、じっとリーヤの言葉を待っている。
「俺が、ここを出るって言ったら……」
飛び出した言葉は、みるみる勢いをなくして墜落した。
「……なんて顔してんだよ」
ふはっ、と声が漏れた。リーヤの胸中に渦巻いていた重い何かがサラサラと崩れて消えていく。
ニッといつもの顔で笑うと、手を伸ばして高い位置にある頭を撫でてやった。冷たく手触りのいい髪は、随分自分と違うものだ。
「だって、リーヤが……」
レリィスはされるがままに、揺れる瞳でリーヤを見つめた。
「あー、師匠は置いていったら死にそうだし! なんでもねーっす」
幼子にするように、頭をぽんぽんとやって離れると、ぐいっと大きな体を回れ右させて、背中を押した。
「俺、明日の仕込みするんで、邪魔っす」
「でも……」
レリィスの不安げな瞳に、どうしようもなくいい気分でびしりと指を突きつけた。
「師匠、明日から俺、ちゃんと勉強するから。教えて欲しいっす、幻獣のこと」
「……ふふ、分かった。がんばってね」
レリィスは安堵して微笑むと、今度こそ立ち去っていった。
「あー、つい勢いで言っちまったけど、俺、幻獣使いなんて向いてんのかなぁ」
レリィスが放置していた食材を収納し、散らばった食材のかけらを集めてスープにぶち込むと、これで立派な一品だ。根っこひとつ、捨てちまうなんて勿体ない。リーヤに染みついた貧乏性は筋金入りのようだ。
翼を鳴らして飛んで来たスピーが、鍋をかきまぜる右手にとまった。
きゅい、と催促する声に、仕方ねえなあとお玉を持ち上げると、スピーは熱々のスープをものともせず、小さな手で野菜のかけらを選び取った。
「あっちぃ!!」
リーヤは、スピーの手からぽたりと滴った熱いスープに、ぶんぶんと右手を振った。
「お前ー! スピーは平気でも俺は平気じゃねーの!」
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