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95話 

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 盾戦士との交渉は満足のいくモノになったが今はお預けだ。ゴブオ達の下に辿り着くのが先だ。

 だが行く手には勇者の馬車があり、その先にもオーガ達が陣取っている。
 最初はオーガ達を避けて進む事を考えたがオーガ達には勇者の足止めをお願いする方が時間も稼げる。

 俺は盾戦士に魔族の指揮官を預け右側の森の中に潜むように指示を出す。
 「オーガに向かって魔法を放ちオーガ達が勇者に気付くようにするからお前はその隙に駆け抜けろ!」

 盾戦士には少しなら乳を揉むのは許すが挿入はするなと命じた。
 盾戦士からは吸うのは有りかとの問い合わせに

 「器用だな、走りながら吸うのか?」
 盾戦士の執着感に呆れた、今はその時ではないと宥める。が、我慢出来そうもないと訴える盾戦士。

 「巨乳には報告しないといけないな」
 その一言で大人しくなる盾戦士。
 諦めてきれない様子があり不安を覚える。
 勇者パーティーも人材難だな、仮にも国を代表する冒険者の1人なのに、盾戦士からは駄目な臭いしかしない。
 (こいつは無いな)
 ゴブオ達の下に着き安全が確保出来次第お別れしようと思った。
 盾戦士には時間が押しているからと話を切り上げ行動に移る。
 
 作戦開始!

 先ずは勇者達の前の道にファイヤーボールを打ち込み馬車での通行を難しくする。
 道に穴を開けるだけの積もりが辺りの木々に火が着火してしまい森林火災を起こしてしまう。幸い俺達は風上に居たので煙に目をヤラレル心配はないがいつ風向きが変わるか解らないので急ぐ事にする。

 次いで勇者達の周りにもファイヤーボールを着弾させる作戦だ。
 最初の魔法は威力を次の魔法は爆音をイメージして発射した。

 威力ではなく音に重きを置いたのはオーガ達に勇者の存在に確実に気付いて貰う為だ。1発目で気付いて欲しいが何せ脳筋だからなオーガは。
 ここでも俺の思い描く予想とは異なり音に特化した魔法の効果は衝撃波となって勇者達を薙ぎ倒す。
 倒れフラフラになっている処にオーガ達が現れ傷つき倒れる勇者パーティーの姿を見た。
 (死なないでね)
 勇者達には時間稼ぎという大事な仕事があるので全滅だけは避けて欲しい。
 女性冒険者の何人かはオーガ達によって連れ去られていく。
 少し心が痛んだ。
 (細くてロングだから裂ける事はないからね)
 連れ去られていく女性達の方へ手を合わせて合掌。


 事前の説明通りの行動をしていると思っていた俺は盾戦士が居るであろう方向を探るが反応がない。

 「何かあったのか?」
 移動しながら盾戦士の反応を捜すと殆ど移動もせずにいるのを発見した。

 「おい!何やってんだ!」
 怒気を込めて大声を出す。

 盾戦士は魔族の口を吸っていた。

 「いや、目を覚ましちゃって声を出すから、黙らせるには口を塞ぐ事しか思いつかなかった」

 糸を引いた涎を垂らしながら説明する盾戦士。

 「はあ?手で塞げば良いだろ!」
 呆れた感じで答えると盾戦士は手を叩き、その手があったとばかりに感心した様子だ。
 (本気で言っているのか?)
 (本当の馬鹿なのか?)

 これでも元最強パーティーの一員だと信じて多少大目にみてきたつもりだったが捨てる事にした。

 最早不要だな、存在理由もなく害でしかない。

 「すまんが勇者パーティーが危ない、救助に向かってくれ」

 しかし渋り出す盾戦士には褒美を用意する。

 「最初はお前にするから」
 えっとした顔を作り次いでニコニコしだす。

 「お前色に染めてみないか?」
 盾戦士にお前の調教次第だと告げニヤリと笑う。
 (最初はもう頂いているよ)
 笑いながら肩を叩き救助を要請した。

 「仲間の危機を助けない選択肢はありませんぜ」
 男前の台詞を吐くが股間は既に盛り上がっていた。
 
 オーガ達の群れに突撃をかける盾戦士に一瞥をくれ指揮官を担ぎその場を離れた。

 一刻も早くゴブオ達の下に行くのは避難する為だ、決して続きをする為ではない。
 
 「後少しだからな」
 そう呟き走りだした。


 
 

 
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