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42話 オーガとの戦闘を見物する
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あと少し、あと少しでお互いを視認するはずだとワクワクしながら見守る。
冒険者のグループは6人組で前衛らしい装備の3人と支援系らしい服装の3人で構成されている。
俺は『遠見』のスキルを使い6人の顔を確認した。
冒険者は男4人女2人の構成だ。
見た目、男性冒険者は多分全員男だと思う。見た目男っぽい女では無さそうだ。
俺の優秀なアンテナが反応しない。
反応しないなら男で間違いない。
女性冒険者は2人とも若く1人は杖を持っている。もう1人はメイスを持っていた。
回復役と攻撃と支援系だろう。
体型までは残念ながら解らない、ゆったりとした服装のせいで。残念である。
オーガが先に気付いた。
「バキッバキッバキッ」
木を薙ぎ倒しながら冒険者に突進していく。
冒険者はパニック状態に陥ったようであわあわしていた。
オーガは素手を振り回しながら前衛と対峙していた。
前衛は剣と槍でオーガを威嚇しつつ近寄らせない。支援を待っているのだろう。
女性冒険者は何やら手を動かしている。
「魔法使う時は動作も要るのか?」
だから俺のファイヤーアローはショボかったのかな?と女性冒険者を見つめる。
女性冒険者が火の玉を放つ。それも同時に2発。
「おおっ!」
驚いて声が出た。
「同時?連発も出来るんだ!」
俄然魔法に興味が湧いてきた。
火の玉はオーガの足と胸に着弾しオーガを吹き飛ばす。オーガは火に焼かれ藻搔くがゆがて動かなくなった。
「凄げぇ!」
魔法だけであの巨体を倒した事に興奮し女性を凝視していた。
なんとか知り合えないかなと考えたが近寄る理由も無いので如何するかと考える。
男性冒険者が倒れたオーガに近寄り生死を確認しようと槍で太股を刺した。
「まだ生きてるよ!」
教えて遣れば知り合う切っ掛けになったと悔やむ。
あれはオーガのスキルだろうか?
『死んだふり』か『タヌキ寝入り』か。
刺されたオーガは素早く起き上がり冒険者に襲い掛かる、最初の犠牲者は槍を刺した男性。
左腕を下からすくい上げた拳が直撃し空高く舞い上がっりそのまま落下。
拳が当った時に反応が消えたので即死だろう。
2人目の犠牲者は反対側で盾を持つ戦士。オークの打ち下ろしの右ストレートを真面に受けて体は拳と地面に挟まれグチャグチャだ。
当然反応も消えている。
残った男性冒険者は後方の女性冒険者に大声で叫ぶ。
「勝てない!撤退だ、撤退しろ!」
だが、女性冒険者達は魔法の準備に入る。男性冒険者を置いて逃げる事はしない。
俺は助けない、助ける理由がないからだ。女性冒険者なら助ける理由はあるが、まだ助けてはいけない気がした。
もっと命の危険が高まってからの方が有り難みが出るだろう。
俺は命の恩人になる積もりだ。
命の恩人にからの頼みごとなら断れないだろう。
「グフフフ」とゲスい笑いをしてしまった。
また一人男性冒険者が餌食になる。残った男性がまた叫ぶ。
「もう無理だ!早く行け!」
男としては女性を先に逃がして敵に立ち向かう姿には感動する。
簡単に出来る事じゃないからだ、自分の命を犠牲に差し出す行為は立派だ。
しかし、生きてこそだと俺は思う。
俺なら如何するか?
決まっている。
我先に逃げる。
男性冒険者と女性冒険者はひょっとしたら良い仲なのかも知れないが。
俺が同じ状態なら良い仲の女だけ連れて逃げる。もう一人は「おとり」だ。
別の選択肢もある。2人とも置いて逃げるだ。
所詮は他人。世の中で何が一番大切で貴い物かと尋ねられたらハッキリ言おう!
「勿論、俺だ!」と
勿論最悪の状態になったらの話しだ。
生きるか死ぬかなら俺を取る。それだけの話し、恋人には縁が無かったと諦めて貰うよりない。
俺はお前の分まで幸せになると笑顔で告げて走り去るだろう。
俺は自分が大切なのだ、何者にも代え難い。
生きてこそ汚名をそそぐチャンスがあると俺は信じている。
一時の不名誉も挽回出来るかどうかは生きてこそだ。
俺は他人を犠牲にしても生き残ってやると決めていた。
と、妄想に耽っていたら最後の男性冒険者もヤラていた、頭からバリバリと囓られている。
一番格好良い人が一番嫌な殺され方だ。
女性冒険者が火の玉を飛ばす先程よりも多い3発を同時に発射した。
が、躱す、躱す。オーガは意外と俊敏だ。最初の魔法が当ったのは男性冒険者達が牽制をしていたからだろう。
オーガには当たらなかった。オーガは雄叫びを上げ女性に迫る。
女性冒険者はオーガから逃げる、逃げるがオーガの方が速い。
俺はそろそろ行くかと立ち上がる。
最悪、攻撃魔法を使った方は確保したいな。
いや、2人とも助けよう。
2人とも同時も悪くない、1人ずつ日替わりでも良いなと嗤う。
冒険者のグループは6人組で前衛らしい装備の3人と支援系らしい服装の3人で構成されている。
俺は『遠見』のスキルを使い6人の顔を確認した。
冒険者は男4人女2人の構成だ。
見た目、男性冒険者は多分全員男だと思う。見た目男っぽい女では無さそうだ。
俺の優秀なアンテナが反応しない。
反応しないなら男で間違いない。
女性冒険者は2人とも若く1人は杖を持っている。もう1人はメイスを持っていた。
回復役と攻撃と支援系だろう。
体型までは残念ながら解らない、ゆったりとした服装のせいで。残念である。
オーガが先に気付いた。
「バキッバキッバキッ」
木を薙ぎ倒しながら冒険者に突進していく。
冒険者はパニック状態に陥ったようであわあわしていた。
オーガは素手を振り回しながら前衛と対峙していた。
前衛は剣と槍でオーガを威嚇しつつ近寄らせない。支援を待っているのだろう。
女性冒険者は何やら手を動かしている。
「魔法使う時は動作も要るのか?」
だから俺のファイヤーアローはショボかったのかな?と女性冒険者を見つめる。
女性冒険者が火の玉を放つ。それも同時に2発。
「おおっ!」
驚いて声が出た。
「同時?連発も出来るんだ!」
俄然魔法に興味が湧いてきた。
火の玉はオーガの足と胸に着弾しオーガを吹き飛ばす。オーガは火に焼かれ藻搔くがゆがて動かなくなった。
「凄げぇ!」
魔法だけであの巨体を倒した事に興奮し女性を凝視していた。
なんとか知り合えないかなと考えたが近寄る理由も無いので如何するかと考える。
男性冒険者が倒れたオーガに近寄り生死を確認しようと槍で太股を刺した。
「まだ生きてるよ!」
教えて遣れば知り合う切っ掛けになったと悔やむ。
あれはオーガのスキルだろうか?
『死んだふり』か『タヌキ寝入り』か。
刺されたオーガは素早く起き上がり冒険者に襲い掛かる、最初の犠牲者は槍を刺した男性。
左腕を下からすくい上げた拳が直撃し空高く舞い上がっりそのまま落下。
拳が当った時に反応が消えたので即死だろう。
2人目の犠牲者は反対側で盾を持つ戦士。オークの打ち下ろしの右ストレートを真面に受けて体は拳と地面に挟まれグチャグチャだ。
当然反応も消えている。
残った男性冒険者は後方の女性冒険者に大声で叫ぶ。
「勝てない!撤退だ、撤退しろ!」
だが、女性冒険者達は魔法の準備に入る。男性冒険者を置いて逃げる事はしない。
俺は助けない、助ける理由がないからだ。女性冒険者なら助ける理由はあるが、まだ助けてはいけない気がした。
もっと命の危険が高まってからの方が有り難みが出るだろう。
俺は命の恩人になる積もりだ。
命の恩人にからの頼みごとなら断れないだろう。
「グフフフ」とゲスい笑いをしてしまった。
また一人男性冒険者が餌食になる。残った男性がまた叫ぶ。
「もう無理だ!早く行け!」
男としては女性を先に逃がして敵に立ち向かう姿には感動する。
簡単に出来る事じゃないからだ、自分の命を犠牲に差し出す行為は立派だ。
しかし、生きてこそだと俺は思う。
俺なら如何するか?
決まっている。
我先に逃げる。
男性冒険者と女性冒険者はひょっとしたら良い仲なのかも知れないが。
俺が同じ状態なら良い仲の女だけ連れて逃げる。もう一人は「おとり」だ。
別の選択肢もある。2人とも置いて逃げるだ。
所詮は他人。世の中で何が一番大切で貴い物かと尋ねられたらハッキリ言おう!
「勿論、俺だ!」と
勿論最悪の状態になったらの話しだ。
生きるか死ぬかなら俺を取る。それだけの話し、恋人には縁が無かったと諦めて貰うよりない。
俺はお前の分まで幸せになると笑顔で告げて走り去るだろう。
俺は自分が大切なのだ、何者にも代え難い。
生きてこそ汚名をそそぐチャンスがあると俺は信じている。
一時の不名誉も挽回出来るかどうかは生きてこそだ。
俺は他人を犠牲にしても生き残ってやると決めていた。
と、妄想に耽っていたら最後の男性冒険者もヤラていた、頭からバリバリと囓られている。
一番格好良い人が一番嫌な殺され方だ。
女性冒険者が火の玉を飛ばす先程よりも多い3発を同時に発射した。
が、躱す、躱す。オーガは意外と俊敏だ。最初の魔法が当ったのは男性冒険者達が牽制をしていたからだろう。
オーガには当たらなかった。オーガは雄叫びを上げ女性に迫る。
女性冒険者はオーガから逃げる、逃げるがオーガの方が速い。
俺はそろそろ行くかと立ち上がる。
最悪、攻撃魔法を使った方は確保したいな。
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