異世界に来たんだから自分の欲望に忠実に生きる！

9話 スキル習得

　辺りが薄暗くなってきたので枯れ草にライターで火を点けて枯れ枝を燃やし始める。
　パチパチと弾ける炎を見つめながら今後について考えをまとめようと思う。

　①先ずは安全と慎重な行動

　②情報収集（特に街や人の事）

　③水と食料の確保

　①については死んだら終わりで復活はないならば慎重に石橋を叩いて渡る位で良いだろう。敵性勢力についてはほとんど解っていないのだから。
　恐竜っぽい巨大生物以外にもゲームでお馴染みのモンスターが居るかも知れない。
　特に強さに関しては注意が必要ではないだろうか。
　例えばゴブリン＝雑魚キャラと決めつけるような真似は出来ない。しっかり観察してかろ行動しよう。神様はゲームのような世界だと言ってたが強さまで同じとは限らないのだから。

　②についてはレックスを斃した人達の後を付けてみようと思う。
　ゲームと同じであるならば牙や爪、肉など解体すると思う。で、それらは人の集まる場所へ持ち込むのではないか。
　ただ、文化レベルまでは解らない、貨幣経済ではなくまだ物々交換が主力の世界かも知れない。それと人間と決まった訳ではないので此処でも慎重に動こう。

　③食料よりも水の確保が先決だ。最悪何も食べなくても1週間は大丈夫らしいが水は3日間が限度だそうだ。真夏によくニュースになる脱水症状に掛かると不味いらしい。
　飲み水の確保を急ぎたいが果たして現代人である日本人である俺が生水でも大丈夫なのかは飲んでみないと解らない。水道水のように殺菌処理はしてないのだから。
　ベストは川や湧き水のような流れがある場所のを飲みたいな。流れの無い場所の水は危なくて飲めないとBSで放送してたし。
　
　基本的な方針が決まったところで自分のステータスの確認をしてみたいと思う。

　リアルな話、じぶんの能力が数字で見られるなんて凄いと思う。極端に低い項目があればなんとかして上げていきたいし。
　長所が短所を補えると良く聞く話だが俺は短所は鍛えて長所に近づけたいほうだ。
　器用貧乏で良いじゃないですか。

　出来ない事がない！突出して出来る事も無い。俺はそれで満足。

　勇者や英雄を目指してるなら剣や魔法でこの世界最強を目指すんだろうけど俺はのんびりスローライフ派だから。

　改めてまして。

　｢ステータスオープン！｣




　あれ、出ないな。

　自分のパラメータはどうすれば見られるのかな？
　スキルリストのように念じれば見られるのかな。

　｢うううううう、はあ｣

　頭の中を必死になって念じてみたが。
　力み過ぎて別の物が出そうになったのは内緒の話だ。


　残念、見れないようだ。この辺りの事も今後は情報収集していかなければ。

　ちょっと楽しみだっから残念だな。

　ではスキルリストの中から方針に沿ったスキルがあれば習得してみよう。

　　
　スキルリストのことを思い浮かべてみた


    《習得ポイント残り　20p》


   先ずは安全を確保するべきなので危険回避系から見てみよう。

　『気配察知』
　
　スキル使用者を中心に相手の気配を察知する能力が得られる。
　レベルに応じて距離と方向、数の把握が正確になっていく。

　レベル1（0/5）

　習得スキルポイント　3p


　ー気配察知を習得しますか？ー

　はい/いいえ？

　俺は『はい』を選択した。
　
　選択後は特に何か変わっと感じはしなかったが。害意ある感情や気配に敏感になってるのではなかろうか。
　だからと言って安心は出来ないがレベルが低いうちは正確さに欠けるようなので。


　《習得ポイント残り　17p》

　
　次に見たのは

 　『遠見』

　肉眼では見る事が出来ない遠方まで見る事が出来る。
　レベルに応じて距離と倍率が変化する。

　レベル1（0/5）

　習得スキルポイント　2p

　『忍び足』

　息を殺して相手に接近、追尾が出来る。

　レベルに応じて足裁きが向上し接近出来る距離が縮める、無音で行動可能。

　レベル1（0/5）

　習得スキルポイント  2p

　この2つにもポイントを振った。

　これで少しは安全性が増したように思う。

　リストを視ていて気になったのはスキルリストの中にはまだ俺が視る事が出来ないのがかなりある。
　視る事が出来ないリストの表示は
　『？？？？？』
　と、表示されている。

　火の魔法である『ファイヤーアロー』は
リストに表示されているがそれより上位の表示がまだ見当たらない。これが俺のレベルに依るのかスキルレベルが原因なのか追々調べていこう。

　異世界物の定番スキルであるチートの代名詞『鑑定』と『空間魔法』『アイテムボックス』はしっかり表示されていた。