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7 アンリエッタの存在
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アンリエッタが起きたとの連絡が入った。
寝室に向かうと取り替えられた清潔なシーツの上で新しい寝着に着替えなんとか身体を起こしているアンリエッタがいた。
「やっと起きたか?」
アンリエッタは目を合わせずに俯き
「こんな格好で申し訳ありません。急ぎの話でもありましたでしょうか?」
「いや急ぎの話などない。身を清めたとはいえシャワーを浴びてさっぱりしたいだろう。昨夜は無理をさせた。きっとまだ足腰が立たないだろうから連れて行こうかと思って。」
そう言うとアンリエッタは一瞬で真っ赤になってどこを見て良いのかわからないとばかりに視線をウロウロさせた。
結婚して10ヶ月婚約者となってからを合わせるとほぼ2年以上になるがこんなアンリエッタは初めて見た。
焦りすぎたアンリエッタは
「だ、旦那様のお手を煩わせる事はありませんわ。ナタリーにお願いしますから。」
侍女のナタリーではいくら華奢なアンリエッタとはいえ成人女性1人を抱き抱えて運ぶのはかなり厳しいだろう。
「アンリエッタ。女性のナタリーが君を運ぶのはかなり無理があるよ。」
「で、ではレオンを呼びます。彼なら大丈夫でしょう。」
解決策が見出せてホッとしているが、自分の考えがいつもと違いおかしいと気づいてない。
「アンリエッタ。君は夫の僕以外に身を任せる?肌を晒すというのかい?」
思ったより低い声が出た。アンリエッタは言われたことを理解して顔を青ざめ
「いいえ、そんな事はありません。」
結婚取りやめの話を出した時も泣きもせず怒りもせず凛とした態度で解決策を出してきていた。
今は落ち着いて物事を考えられないのだろうか、年相応に見える。
初めて見る素のアンリエッタをもっと見たいと思いアンリエッタの耳元で囁やく。
「抱き抱えて連れていってあげよう。もちろん全身洗ってあげるよ。」
結果、明るい光の下のアンリエッタは綺麗で色っぽくて艶っぽくて…。我慢できず浴室でアンリエッタを貪ったのは仕方ないことだ。
うん、あれはアンリエッタが色気があり過ぎるのがいけない。
それにしても結婚して10ヶ月、アンリエッタを抱かなかったのを後悔している。
この時エリナのことや離婚前提の1年間の結婚でその期限は後2ヶ月だという事は頭の中に1ミリも残っていなかった。
寝室に向かうと取り替えられた清潔なシーツの上で新しい寝着に着替えなんとか身体を起こしているアンリエッタがいた。
「やっと起きたか?」
アンリエッタは目を合わせずに俯き
「こんな格好で申し訳ありません。急ぎの話でもありましたでしょうか?」
「いや急ぎの話などない。身を清めたとはいえシャワーを浴びてさっぱりしたいだろう。昨夜は無理をさせた。きっとまだ足腰が立たないだろうから連れて行こうかと思って。」
そう言うとアンリエッタは一瞬で真っ赤になってどこを見て良いのかわからないとばかりに視線をウロウロさせた。
結婚して10ヶ月婚約者となってからを合わせるとほぼ2年以上になるがこんなアンリエッタは初めて見た。
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「だ、旦那様のお手を煩わせる事はありませんわ。ナタリーにお願いしますから。」
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「で、ではレオンを呼びます。彼なら大丈夫でしょう。」
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「抱き抱えて連れていってあげよう。もちろん全身洗ってあげるよ。」
結果、明るい光の下のアンリエッタは綺麗で色っぽくて艶っぽくて…。我慢できず浴室でアンリエッタを貪ったのは仕方ないことだ。
うん、あれはアンリエッタが色気があり過ぎるのがいけない。
それにしても結婚して10ヶ月、アンリエッタを抱かなかったのを後悔している。
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