【完結】乙女ゲームのモブの私は気ままに過ごします。

13 こんな乙女ゲームってないよね？

あの後、父とシュナイザーに連れられて彼の妻としてたくさんの方に挨拶させられた。

そしてくたくたになって帰ってくると使用人達が玄関で待ち構えていた。

「おめでとうございます。」

言葉と共にシュナイザーに横抱きされている私達に花びらがまかれた。ああ、本当にシュナイザーと結婚したのね。と、実感した。

部屋に戻って化粧を落とし衣装を脱ぎお風呂に入って出てくると、着替えが……。
定番のスケスケ下着とベビードール。可愛らしいがこれは…。着ないと浴室から出られないし、散々迷ったが意を決して着替えて部屋に入ると目の前にシュナイザーがいた。
なぜ？ここは私の部屋なのに…

目を見開き余すことなく私の全身を見つめるその目に情欲の熱が灯っている。
そしておもむろに抱き上げられてベッドへ連れられて美味しくいただかれた。


翌朝というかお昼もまわりやっと起きた。
全身筋肉痛で重だるく声も枯れて出せない私を嬉々として世話をするシュナイザーがいた。
鬼畜なシュナイザーは処女相手に明け方まで貪ったのだ。
それだけでなく新婚期間と称して2週間部屋から出してもらえなかった。
その間私はベッドから出られなかった。朝も昼も夜もなく抱き潰される。
食事も使用人が部屋の前に用意してシュナイザーが取りに行き私に食べさせる。
ああ、今後使用人に合わせる顔がない。

やっと部屋から出られると思うと部屋の引越しだと言う。
今いる私の部屋は子供部屋だから夫婦の部屋に引っ越すという。
夫婦の部屋は父が使っている。
疑問を口にすると、部屋に籠もっていた2週間でシュナイザーの部屋を改装していたらしい。
父の部屋はそのままに、シュナイザーの部屋の寝室を広くし、横に私の私室を扉で行き来できるように改装したらしい。
私の部屋は一応病気とかで寝るのを別にしないといけない時のためにベッドは置かれているものの使わす気がないのだろう。ベッドメイキングはされていない。置かれたままだ。
シュナイザーは24時間一緒がいいのだとか。

愛されているのはよくわかったけど、プライバシーは？

そして宣言通りにわたしは最速で身篭った。
悪阻も落ち着いた頃にルルシュが遊びに来てくれた。

卒業パーティー以来だ。

「フローリア、もうお母さんになるのね。本当にシュナイザー様は有言実行の方ね。兄からシュナイザー様の話を聞いているけれど、本当に溺愛されているのね。」

エリオットとシュナイザーはよく顔を合わせるらしい。シュナイザーは毎回惚気ているらしいのだ。エリオットは未だ結婚しておらず、（いや、まだこの年で結婚している方が少ないだろう）シュナイザーの惚気で結婚に強く興味を持ち妹ルルシュ以外にも目を向けるようになったのだとか。
ルルシュもエリオットが学園を卒業して離れている時間が増え、更にエリオット番犬がいなくなり周りの男性からのアタックが激しくなり外に目を向けるようになったとか。
お互い今は恋人がいるようだ。

うんうん。いい感じ。
ん？あれ、乙女ゲーム展開はどうなったのだろう？
ルルシュに聞くと

パーティーでシルリーザが「なぜフローリアがシュナイザーと結婚しているの？」「どこでルートを間違えたの？」「リセットしなくちゃ」とぶつぶつ呟いていたらしい。バルト、エリオットにも近づいては私が好きなんでしょう。私もあなたが好き。婚約解消して私と婚約を結びましょう。と言って付き纏っていたらしい。まあ、相手にされなかったようだが。
その2人が卒業していなくなり、唯一残る後略対象者のガブリエルは従姉妹のマリエッタが入学してきて色々と世話をやいているうちに恋人同士になったとか。
シルリーザは時々「リセットー」と叫んでは「リセットボタンどこ？」と呟いているそうだ。

普通にしていたら恋人も出来ただろうに今は完全に変人扱いでみんなから避けられているそうだ。

乙女ゲームってこんな終わり方でいいのだろうか？