11 / 13
11 急展開すぎてついていけません。
しおりを挟む
どこか緊張を含んだシュナイザーの声。表情も心なしか硬いようだ。
やはりこれは強制力というものだろうか?何もしていないのに断罪なんて嫌だ。
動かない私に父がエスコートしている手をそっと外し背中を押す。
その勢いで一歩、また一歩と足を踏み出す。
ゆったりとしたその行動は優雅に見えるようだが、ドレスの中で脚はガクガク震えている。
断罪にエステスペシャリスト侍女集団は私をいつも以上に磨き上げたのか?ドレスも卒業生の家族としては華美すぎる。そう訴えたのに…。断罪されるとなれば一応主役だもんね。
ドレスはシュナイザーからの贈り物だというのだからきっとそういうことだろう。
前方にはシュナイザーの他に生徒会メンバーのバルト、エリオット。ガブリエル。そうガブリエルは次期生徒会長だ。
その時ガブリエルの隣にヒロイン、シルリーザがいるのが目に入った。やはり断罪イベント?正面を見るとシュナイザーの硬い表情が目に入った。
誰も私を助けてくれない。これ以上は無理…後数歩のところで足が止まる。
が、シュナイザーに腕を引っ張られ抱きこまれていた。
「もう離さない。」
ポツリと漏らしたシュナイザーの言葉は恐怖で慄いている私の耳に聞こえてきた。
心情的にも物理的にも逃げられない。恐怖で少し瞳が潤む。ほぼ身動きできないが唯一動ける頭を動かし上を向いてシュナイザーを覗き見る。
「…っ、フローリア。その顔を誰にも見せないで。」
そんなに人に見せられない顔なのか。断罪以前の問題なのか?
悲しい。そりゃあヒロインには負けるかもしれないが、それよりもその評価はうちのエステスペシャリスト侍女集団が報われなさすぎる。
…お義兄様酷いです。と言おうとした言葉は発する前に飲み込まれた。
シュナイザーがフローリアに口付けているのだ。
情熱的にキスされてはいるがフローリアは呆然としている。
だって、断罪だと思って恐怖で慄いていたのに急にキスされたのだ。思考が追いつかない。
角度を変え何度もキスされているうちに正気に戻った。慌ててシュナイザーの腕の中でもがくとやっとキスを止めこちらを見たシュナイザーの顔は愛しさを隠しきれないと言わんばかりの表情だ。
「な、なぜ…?」
「ああ、そんな蕩ける顔をみんなに見せないで。嫉妬でどうにかなりそうだ。」
???私の質問に答えてないし、嫉妬って何?
「お義兄様?」
周りから私を見えなくするように腕に囲い込まれる。そして額にキスを一つ落とすと
「フローリア。もうお義兄様と呼ぶのは止めてくれ。私は貴女の夫なのだから。」
?!義兄が私の夫?えっ一体どうしたらそんな話に?いつ夫となったの?
父を振り返ろうとしたが相変わらずシュナイザーに抱き込まれているので身動きが取れない。
父が異議を唱えないのは合意の上のことなの?私の意見は?
「フローリア。昨日の晩餐で義父と私から確認したよ。それに承諾したのは君自身だ。忘れてしまったのかい?」
やはりこれは強制力というものだろうか?何もしていないのに断罪なんて嫌だ。
動かない私に父がエスコートしている手をそっと外し背中を押す。
その勢いで一歩、また一歩と足を踏み出す。
ゆったりとしたその行動は優雅に見えるようだが、ドレスの中で脚はガクガク震えている。
断罪にエステスペシャリスト侍女集団は私をいつも以上に磨き上げたのか?ドレスも卒業生の家族としては華美すぎる。そう訴えたのに…。断罪されるとなれば一応主役だもんね。
ドレスはシュナイザーからの贈り物だというのだからきっとそういうことだろう。
前方にはシュナイザーの他に生徒会メンバーのバルト、エリオット。ガブリエル。そうガブリエルは次期生徒会長だ。
その時ガブリエルの隣にヒロイン、シルリーザがいるのが目に入った。やはり断罪イベント?正面を見るとシュナイザーの硬い表情が目に入った。
誰も私を助けてくれない。これ以上は無理…後数歩のところで足が止まる。
が、シュナイザーに腕を引っ張られ抱きこまれていた。
「もう離さない。」
ポツリと漏らしたシュナイザーの言葉は恐怖で慄いている私の耳に聞こえてきた。
心情的にも物理的にも逃げられない。恐怖で少し瞳が潤む。ほぼ身動きできないが唯一動ける頭を動かし上を向いてシュナイザーを覗き見る。
「…っ、フローリア。その顔を誰にも見せないで。」
そんなに人に見せられない顔なのか。断罪以前の問題なのか?
悲しい。そりゃあヒロインには負けるかもしれないが、それよりもその評価はうちのエステスペシャリスト侍女集団が報われなさすぎる。
…お義兄様酷いです。と言おうとした言葉は発する前に飲み込まれた。
シュナイザーがフローリアに口付けているのだ。
情熱的にキスされてはいるがフローリアは呆然としている。
だって、断罪だと思って恐怖で慄いていたのに急にキスされたのだ。思考が追いつかない。
角度を変え何度もキスされているうちに正気に戻った。慌ててシュナイザーの腕の中でもがくとやっとキスを止めこちらを見たシュナイザーの顔は愛しさを隠しきれないと言わんばかりの表情だ。
「な、なぜ…?」
「ああ、そんな蕩ける顔をみんなに見せないで。嫉妬でどうにかなりそうだ。」
???私の質問に答えてないし、嫉妬って何?
「お義兄様?」
周りから私を見えなくするように腕に囲い込まれる。そして額にキスを一つ落とすと
「フローリア。もうお義兄様と呼ぶのは止めてくれ。私は貴女の夫なのだから。」
?!義兄が私の夫?えっ一体どうしたらそんな話に?いつ夫となったの?
父を振り返ろうとしたが相変わらずシュナイザーに抱き込まれているので身動きが取れない。
父が異議を唱えないのは合意の上のことなの?私の意見は?
「フローリア。昨日の晩餐で義父と私から確認したよ。それに承諾したのは君自身だ。忘れてしまったのかい?」
20
お気に入りに追加
1,046
あなたにおすすめの小説

あなたを忘れる魔法があれば
美緒
恋愛
乙女ゲームの攻略対象の婚約者として転生した私、ディアナ・クリストハルト。
ただ、ゲームの舞台は他国の為、ゲームには婚約者がいるという事でしか登場しない名前のないモブ。
私は、ゲームの強制力により、好きになった方を奪われるしかないのでしょうか――?
これは、「あなたを忘れる魔法があれば」をテーマに書いてみたものです――が、何か違うような??
R15、残酷描写ありは保険。乙女ゲーム要素も空気に近いです。
※小説家になろう、カクヨムにも掲載してます

あなたの運命になりたかった
夕立悠理
恋愛
──あなたの、『運命』になりたかった。
コーデリアには、竜族の恋人ジャレッドがいる。竜族には、それぞれ、番という存在があり、それは運命で定められた結ばれるべき相手だ。けれど、コーデリアは、ジャレッドの番ではなかった。それでも、二人は愛し合い、ジャレッドは、コーデリアにプロポーズする。幸せの絶頂にいたコーデリア。しかし、その翌日、ジャレッドの番だという女性が現れて──。
※一話あたりの文字数がとても少ないです。
※小説家になろう様にも投稿しています

思い出してしまったのです
月樹《つき》
恋愛
同じ姉妹なのに、私だけ愛されない。
妹のルルだけが特別なのはどうして?
婚約者のレオナルド王子も、どうして妹ばかり可愛がるの?
でもある時、鏡を見て思い出してしまったのです。
愛されないのは当然です。
だって私は…。

初恋の結末
夕鈴
恋愛
幼い頃から婚約していたアリストアとエドウィン。アリストアは最愛の婚約者と深い絆で結ばれ同じ道を歩くと信じていた。アリストアの描く未来が崩れ……。それぞれの初恋の結末を描く物語。

【完】まさかの婚約破棄はあなたの心の声が聞こえたから
えとう蜜夏☆コミカライズ中
恋愛
伯爵令嬢のマーシャはある日不思議なネックレスを手に入れた。それは相手の心が聞こえるという品で、そんなことを信じるつもりは無かった。それに相手とは家同士の婚約だけどお互いに仲も良く、上手くいっていると思っていたつもりだったのに……。よくある婚約破棄のお話です。
※他サイトに自立も掲載しております
21.5.25ホットランキング入りありがとうございました( ´ ▽ ` )ノ
Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.
ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)

二度目の婚約者には、もう何も期待しません!……そう思っていたのに、待っていたのは年下領主からの溺愛でした。
当麻月菜
恋愛
フェルベラ・ウィステリアは12歳の時に親が決めた婚約者ロジャードに相応しい女性になるため、これまで必死に努力を重ねてきた。
しかし婚約者であるロジャードはあっさり妹に心変わりした。
最後に人間性を疑うような捨て台詞を吐かれたフェルベラは、プツンと何かが切れてロジャードを回し蹴りしをかまして、6年という長い婚約期間に終止符を打った。
それから三ヶ月後。島流し扱いでフェルベラは岩山ばかりの僻地ルグ領の領主の元に嫁ぐ。愛人として。
婚約者に心変わりをされ、若い身空で愛人になるなんて不幸だと泣き崩れるかと思いきや、フェルベラの心は穏やかだった。
だって二度目の婚約者には、もう何も期待していないから。全然平気。
これからの人生は好きにさせてもらおう。そう決めてルグ領の領主に出会った瞬間、期待は良い意味で裏切られた。

エデルガルトの幸せ
よーこ
恋愛
よくある婚約破棄もの。
学院の昼休みに幼い頃からの婚約者に呼び出され、婚約破棄を突きつけられたエデルガルト。
彼女が長年の婚約者から離れ、新しい恋をして幸せになるまでのお話。
全5話。

彼の過ちと彼女の選択
浅海 景
恋愛
伯爵令嬢として育てられていたアンナだが、両親の死によって伯爵家を継いだ伯父家族に虐げられる日々を送っていた。義兄となったクロードはかつて優しい従兄だったが、アンナに対して冷淡な態度を取るようになる。
そんな中16歳の誕生日を迎えたアンナには縁談の話が持ち上がると、クロードは突然アンナとの婚約を宣言する。何を考えているか分からないクロードの言動に不安を募らせるアンナは、クロードのある一言をきっかけにパニックに陥りベランダから転落。
一方、トラックに衝突したはずの杏奈が目を覚ますと見知らぬ男性が傍にいた。同じ名前の少女と中身が入れ替わってしまったと悟る。正直に話せば追い出されるか病院行きだと考えた杏奈は記憶喪失の振りをするが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる