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1 婚約解消
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「気になる人ができた。このまま婚約を続けるのは君にも彼女にも失礼だ。だから婚約を解消したい。
まず、君に話をしてから両家の親達に話そうと思う」
「きちんとお話ししてくださってありがとうございます。
両家へは貴方からお話しくださいませ。私は決定に従います」
これは私が8歳の時に婚約をしたロベルト様から16歳の今、言われて笑顔で返した言葉だ。
この婚約は政略だったが、8歳から今日までの8年間婚約者として彼の側に立ち彼に相応しくなるように厳しい教育にも耐えてきた。
彼に対しては愛情はないが嫌ってもいない。婚姻後に良い家庭が作れるように関係を良くしようと頑張っていた。そのため友人という関係より仲が良いと自負していた。
そんなロベルト様は最近ある子爵令嬢と恋仲なのではないかと噂されていた。
とかロベルト様の近くでその子爵令嬢と話をしているのをよく見かける。ロベルト様がその子爵令嬢をあからさまに気にかけている。などの噂があるからだ。
ただ噂とは違い、ロベルト様はまだ友人の域を超えない程度に仲良くしていらっしゃるだけだが。
勿論、本人のロベルト様はその噂に気づいていない。
婚約者のロベルト様は彼女に好意を持っているだろうが、二股をかけることなく先に私に話をしてくれた。
ただ、私にもプライドがある。この婚約に泣いてすがることなどしたくない。婚約も周りが勝手に決めたのだから解消するしないも周りが決めた事に従うだけだ。
周りに従うといってもこういう話が出た時点で解消はほぼ決定事項だろう。
ロベルトはこの国の第二王子だ。この国には3人の王子がいる。第一王子は隣国の王女と結婚している。こちらも政略で子供はまだいないが仲は悪くないようだ。
第一王子が隣国から王女をもらうから第二王子であるロベルトが国内の有力貴族から婚約者を娶ることとなった。ロベルトの1歳下に第三王子のレノン様がいる。第三王子は言い方が悪いがスペアとして婚約者は決められていなかった。
ロベルトとソフィーリアの婚約は解消となった。比較的早く解消になったのはお互いが了承しているのとレノン殿下がいるからだ。
ロベルトのお相手は子爵令嬢だ。今の身分では結婚できない。結婚となるとせめて伯爵家以上の高位貴族の養子にならなければいけない。
伯爵家以上の高位貴族が受け入れのメリットとデメリットを考えていた。
彼女の家は辺境の裕福な子爵家だ。領地の鉱山から宝石が出て懐は潤っている。恩を打っておけばそれなりの恩恵は受けられるかもしれない。
だが、婚約解消したロベルトは王宮内での地位は下がった。円満に婚約解消したが、侯爵家のことを考えると二の足を踏んでしまうのだ。
ロベルトは今は身分の低い令嬢と恋仲だ。レノンの結婚相手まで他国の人間となると国内の高位貴族達の反感をかう。国内での選定が必須だ。
早速レノン殿下の婚約者選定が始まった。
だが、この国では高位貴族はほぼ10歳位までに婚約者を決めてしまう。そのせいかロベルトとレノンは歳が近かったのでめぼしい有力な貴族令嬢はいなかった。
確実にレノンの婚約者になれるという確証がないままに今の婚約を解消させるほど旨みはない。
なので他国にも手を広げて婚約者探しをしていた。
まず、君に話をしてから両家の親達に話そうと思う」
「きちんとお話ししてくださってありがとうございます。
両家へは貴方からお話しくださいませ。私は決定に従います」
これは私が8歳の時に婚約をしたロベルト様から16歳の今、言われて笑顔で返した言葉だ。
この婚約は政略だったが、8歳から今日までの8年間婚約者として彼の側に立ち彼に相応しくなるように厳しい教育にも耐えてきた。
彼に対しては愛情はないが嫌ってもいない。婚姻後に良い家庭が作れるように関係を良くしようと頑張っていた。そのため友人という関係より仲が良いと自負していた。
そんなロベルト様は最近ある子爵令嬢と恋仲なのではないかと噂されていた。
とかロベルト様の近くでその子爵令嬢と話をしているのをよく見かける。ロベルト様がその子爵令嬢をあからさまに気にかけている。などの噂があるからだ。
ただ噂とは違い、ロベルト様はまだ友人の域を超えない程度に仲良くしていらっしゃるだけだが。
勿論、本人のロベルト様はその噂に気づいていない。
婚約者のロベルト様は彼女に好意を持っているだろうが、二股をかけることなく先に私に話をしてくれた。
ただ、私にもプライドがある。この婚約に泣いてすがることなどしたくない。婚約も周りが勝手に決めたのだから解消するしないも周りが決めた事に従うだけだ。
周りに従うといってもこういう話が出た時点で解消はほぼ決定事項だろう。
ロベルトはこの国の第二王子だ。この国には3人の王子がいる。第一王子は隣国の王女と結婚している。こちらも政略で子供はまだいないが仲は悪くないようだ。
第一王子が隣国から王女をもらうから第二王子であるロベルトが国内の有力貴族から婚約者を娶ることとなった。ロベルトの1歳下に第三王子のレノン様がいる。第三王子は言い方が悪いがスペアとして婚約者は決められていなかった。
ロベルトとソフィーリアの婚約は解消となった。比較的早く解消になったのはお互いが了承しているのとレノン殿下がいるからだ。
ロベルトのお相手は子爵令嬢だ。今の身分では結婚できない。結婚となるとせめて伯爵家以上の高位貴族の養子にならなければいけない。
伯爵家以上の高位貴族が受け入れのメリットとデメリットを考えていた。
彼女の家は辺境の裕福な子爵家だ。領地の鉱山から宝石が出て懐は潤っている。恩を打っておけばそれなりの恩恵は受けられるかもしれない。
だが、婚約解消したロベルトは王宮内での地位は下がった。円満に婚約解消したが、侯爵家のことを考えると二の足を踏んでしまうのだ。
ロベルトは今は身分の低い令嬢と恋仲だ。レノンの結婚相手まで他国の人間となると国内の高位貴族達の反感をかう。国内での選定が必須だ。
早速レノン殿下の婚約者選定が始まった。
だが、この国では高位貴族はほぼ10歳位までに婚約者を決めてしまう。そのせいかロベルトとレノンは歳が近かったのでめぼしい有力な貴族令嬢はいなかった。
確実にレノンの婚約者になれるという確証がないままに今の婚約を解消させるほど旨みはない。
なので他国にも手を広げて婚約者探しをしていた。
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