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一章 秋
鉛色
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一人暮らしの家へ帰り大学の課題に着手しようとするが、リュックの中で筆箱がチャックを広げて逆さに転げ、文房具は不自由から解放されたように散らばっている。
「うわ、開けっ放しだった……」
リュックの中へ腕を突っ込み、とりあえず手探りで見つかった文房具たちを筆箱へと戻した。がさつな性格になってしまったのも、いつからだろうか。
課題も終わらせ、一区切りついたところで夕飯の買い出しにと再び外へ出る。昼間の出来事から、昼食分のカップ麺しか買っていなかったためだ。自転車をスーパーに置き忘れてしまい、ついでにと駐輪場に寄ったが、盗まれてしまっていたようだ。
「ついてない日だ……」
無意識に吐き出た独り言も虚しいだけだった。しかし、もしもう一度彼女に会うことができたら昼間はどういった意味だったのか、僕はその意味を訊こうと決めていた。
そしてスーパーの中へと出向き、店内を一周してレジを通ったが、彼女には会うことはなかった。
「まあ、そんな頻繁に会える方がおかしいか……」
坂道を上った先、自分の家へ帰るだけでも息が切れる。けれどこの坂の上からの景色を見るたびに、今の家を選んで良かったと感じるのだ。太陽も山の奥へと隠れ切ろうとしている。坂を上るころには街明かりがとても綺麗に見えるだろう。緩やかな坂ではないが、文句はない。
疲労の蓄積される脹ら脛が、道のりの長さを教える。残り数歩で坂の上に着こうとしたとき、誰かの影が僕を光から隠した。
街灯の下、真っ白な髪を隠すように被ったベージュの帽子が、僕の心臓を深く叩いた。自分の時間軸が歪んでしまったようだった。
「あ、あの……!」
彼女は驚く様子もなく、ただ僕と目を合わせる気はなさそうでいる。
「……昼間は、すみませんでした。面識もないのにおかしなことを言って。……けれど、貴女の髪の色に惹かれたのは事実です」
唐突な出会いに、自分の思考や伝えたいことがまとまらない。彼女は顔を上げ、小さな夜景を見つめているようだ。街灯の光でその表情は伺えない。
彼女は見える範囲の夜景を見渡した後にようやく会話をしてくれた。
「ここの景色は……綺麗だと思う……?」
どんなことを言うのかと思えば、彼女の口から溢れるように出された言葉は意外なものだった。僕は首を傾げて答える。
「はい、とても綺麗だと思います……。僕はこの景色が好きで、この近くに住んでいるので」
彼女は身体一つ動かさず、続ける。
「そう、それは良かったわね。こんなに人がいることを証明するだけの光に喜ぶなんて、私にはわからないわ」
その捨てられたような台詞にはどこか重みがあった。言葉とは思えないほどの、重圧感だ。
「どうしてそんな事を言うの……?」
僕の質問には、答えてくれない。
「貴方は、私の髪を綺麗だと言ったよね?」
どういった意図で訊かれているのか、再び首を傾げる僕を見た彼女が察して続ける。
「私の髪の、何が綺麗だと思ったの? 教えて」
ジージャンの襟元を隠すその白髪の髪先を見つめて、僕は嘘を交えず口を開く。
「サラサラとしていて、他の人とは違った、見たこともないその透き通った色が、すごく綺麗だなって感じたんだ」
「……そう」
指先で髪先を摘み、鍔で隠れた目で確かめている。
僕は坂を上り切り、体の向きを返して街並みを見下ろした。
「この景色も、この髪も、全部が汚いわ」
彼女からは否定的な発言ばかりが飛び出している。
「どうしてそんなことばっかり言うの?」
「好きじゃないの。この髪も、景色も、人も。みんな汚く見えてしまう」
拒むことしかしない。いや、できないように伝わる。そのどこか遠ざけられるような態度に、僕は強気になってしまっていた。
「そんなことないよ。この景色だって人がいるからこそ僕達が見られるんじゃないか。それに優しい人だってたくさんいる。会ったこともない人すら否定するのはおかしいよ」
「会ってきた人、みんなに否定されてきたことが貴方にはあるの?」
独特で不思議な雰囲気とはこのことを言うのだろう。顔を向けずに話を続ける彼女は違和感があり、何も言わない僕に再び口を開く。
「あるはずないものね、貴方の髪の毛は黒色だもの」
僕に身体を向けた彼女は、帽子に手をかけ、ゆっくりと頭から遠ざけた。肌寒い風が優しく吹いていることも気にならない。
「これでもまだ、私を綺麗って言える?」
季節が変わるような感覚に陥った。僕の目に映る彼女の儚く美しい髪色は、まつ毛、そして眉にも同様の色を描いているようだ。その否定的な心とは裏腹に、黒一つない身体が僕の脳を狂わせた。
榛色の瞳にアーモンド型の二重の目、高くスラリと伸びた鼻筋と中紅梅色をした唇が、まるで世界に嘘をついている様に感じる。
その整った清楚な顔つきに、笑顔のない真っ白な表情は、神様と言われても疑えない程に神秘的だ。僕の首元を見つめる彼女は、ゆっくりと小さな口を開いた。
「私は、アルビノなの」
「……アルビノ」
どこかで聞いたことはあったが、どんな意味だったかは曖昧にしか覚えていない。
「そう、全身が真っ白で生まれてくる遺伝子の病気」
そうだ、生まれつき色素が足りない状態の生き物をアルビノというのだと思い出す。実際にアルビノの人と出会うのは、初めてだった。
「こんな見た目で、普通の人生を送れると思う?」
僕は頷くことも、声を出すこともできない。肯定してあげたい気はあるが、彼女の立場を考えると、何も答えることができない。止まっていた息が、スッと鼻から抜ける。
「それに、私の病気はこれだけじゃないの」
僕の戸惑いに追い打ちをかけるように、彼女は再び自身のことを告白した。
「私、色を知らないの」
その一言が、僕の中の常識を全て奪ったようだった。
「色を……知らない……?」
振り絞るような、喉から無理やり引き出したような僕の台詞が彼女の表情を変える。彼女は僕の首元から坂道の方へ目を逸らし、何もかもを諦めたような顔つきだ。
「そう、全ての世界が白と黒でしか表されていないの。病院では、色覚障害って言われたっけ」
僕の想像していた女性というのは、あまりにも足りないものが多く、自分には想像もできない人生だったのだと理解できる。
人や景色を拒んでいたのもそのせいなのだろう。他人とは異なった外観、目に映る風景、扱われ方にこれまでの生き方が伝わってくる。
「どうして泣いているの?」
そう言われて気がついた。僕の左目からは、涙が頬の上をゆっくりと走っていた。
「わからない。ただ君の話を聞くと、心が潰されそうな気持ちになるんだ」
逸された瞳が初めて僕の目に向けられた。これが初めて彼女と目を合わせた瞬間だった。
「私を見て、気持ち悪いと言わない人には初めて会ったわ」
彼女は再び街の景色に視線を戻し、僕はその横顔を見て正直な気持ちを伝えるべきだと感じた。
「君はとても綺麗だよ。僕の見ているこの小さな夜景よりも綺麗だ」
「……そう、貴方は変わっているのね。じゃあ私はそろそろ帰らなきゃ。さいごに貴方に会えて良かったよ。じゃあね」
最後、そう言って坂を下ろうと足を踏み出す彼女を、僕の本能が止めるべきだと叫んだ気がした。きっとここで僕以外の誰でもない、僕が彼女と出会ったことに何か大きな意味があるのだと、胸の奥から込み上がる何かがそう伝えてくる。
「ねぇ!」
足を止め、ゆっくりと振り向いたその表情はやはり何か足りないものがある。
太陽が沈んだ。常に変わりつつある空の模様がそう言った。
「……僕と……色を探しに行こう」
喉の奥から勝手に引っ張られた言葉に、自分でも理解し難い。色覚障害を持った女性に、色を探そうだなんて。けれど根拠のない自信のようなものが、彼女の足を止められると感じたのだ。
驚いたように硬直してしまった彼女は、僕を一瞬見つめた後に目を細めて再び声を使った。
「あなたの住所を教えて」
「住所?」
またも意図の読めない発言に、首を傾げて訊き返してしまう。
「そう。貴方に手紙を送るよ。私、スマホを持っていないから、手紙で連絡を取らせてもらうよ」
冷え始めた身体を動かして、急いで何かメモになるものを手あたり次第リュックの中から探し出す。リュックの中で手に触れたものを取り出すと、クシャクシャになったレシートが現れた。そして運良くリュックの底に隠れるように転がっていた一本のボールペンを見つけ、僕は急いでレシートの裏に住所と名字を書き留めた。左手の上で書いた文字は肌寒さも混じり、どこか頼りなく、緊張が伝わるような文字列だった。
「なんか可愛い文字だね」
指先で口元を隠し、少しだけ笑ったように見えた彼女にレシートを手渡し、それ以上には何も言わないで坂を下り始めてしまった。
この日で僕は何か大切なもの、新しい色を見つけたような、そんな気がした。
「うわ、開けっ放しだった……」
リュックの中へ腕を突っ込み、とりあえず手探りで見つかった文房具たちを筆箱へと戻した。がさつな性格になってしまったのも、いつからだろうか。
課題も終わらせ、一区切りついたところで夕飯の買い出しにと再び外へ出る。昼間の出来事から、昼食分のカップ麺しか買っていなかったためだ。自転車をスーパーに置き忘れてしまい、ついでにと駐輪場に寄ったが、盗まれてしまっていたようだ。
「ついてない日だ……」
無意識に吐き出た独り言も虚しいだけだった。しかし、もしもう一度彼女に会うことができたら昼間はどういった意味だったのか、僕はその意味を訊こうと決めていた。
そしてスーパーの中へと出向き、店内を一周してレジを通ったが、彼女には会うことはなかった。
「まあ、そんな頻繁に会える方がおかしいか……」
坂道を上った先、自分の家へ帰るだけでも息が切れる。けれどこの坂の上からの景色を見るたびに、今の家を選んで良かったと感じるのだ。太陽も山の奥へと隠れ切ろうとしている。坂を上るころには街明かりがとても綺麗に見えるだろう。緩やかな坂ではないが、文句はない。
疲労の蓄積される脹ら脛が、道のりの長さを教える。残り数歩で坂の上に着こうとしたとき、誰かの影が僕を光から隠した。
街灯の下、真っ白な髪を隠すように被ったベージュの帽子が、僕の心臓を深く叩いた。自分の時間軸が歪んでしまったようだった。
「あ、あの……!」
彼女は驚く様子もなく、ただ僕と目を合わせる気はなさそうでいる。
「……昼間は、すみませんでした。面識もないのにおかしなことを言って。……けれど、貴女の髪の色に惹かれたのは事実です」
唐突な出会いに、自分の思考や伝えたいことがまとまらない。彼女は顔を上げ、小さな夜景を見つめているようだ。街灯の光でその表情は伺えない。
彼女は見える範囲の夜景を見渡した後にようやく会話をしてくれた。
「ここの景色は……綺麗だと思う……?」
どんなことを言うのかと思えば、彼女の口から溢れるように出された言葉は意外なものだった。僕は首を傾げて答える。
「はい、とても綺麗だと思います……。僕はこの景色が好きで、この近くに住んでいるので」
彼女は身体一つ動かさず、続ける。
「そう、それは良かったわね。こんなに人がいることを証明するだけの光に喜ぶなんて、私にはわからないわ」
その捨てられたような台詞にはどこか重みがあった。言葉とは思えないほどの、重圧感だ。
「どうしてそんな事を言うの……?」
僕の質問には、答えてくれない。
「貴方は、私の髪を綺麗だと言ったよね?」
どういった意図で訊かれているのか、再び首を傾げる僕を見た彼女が察して続ける。
「私の髪の、何が綺麗だと思ったの? 教えて」
ジージャンの襟元を隠すその白髪の髪先を見つめて、僕は嘘を交えず口を開く。
「サラサラとしていて、他の人とは違った、見たこともないその透き通った色が、すごく綺麗だなって感じたんだ」
「……そう」
指先で髪先を摘み、鍔で隠れた目で確かめている。
僕は坂を上り切り、体の向きを返して街並みを見下ろした。
「この景色も、この髪も、全部が汚いわ」
彼女からは否定的な発言ばかりが飛び出している。
「どうしてそんなことばっかり言うの?」
「好きじゃないの。この髪も、景色も、人も。みんな汚く見えてしまう」
拒むことしかしない。いや、できないように伝わる。そのどこか遠ざけられるような態度に、僕は強気になってしまっていた。
「そんなことないよ。この景色だって人がいるからこそ僕達が見られるんじゃないか。それに優しい人だってたくさんいる。会ったこともない人すら否定するのはおかしいよ」
「会ってきた人、みんなに否定されてきたことが貴方にはあるの?」
独特で不思議な雰囲気とはこのことを言うのだろう。顔を向けずに話を続ける彼女は違和感があり、何も言わない僕に再び口を開く。
「あるはずないものね、貴方の髪の毛は黒色だもの」
僕に身体を向けた彼女は、帽子に手をかけ、ゆっくりと頭から遠ざけた。肌寒い風が優しく吹いていることも気にならない。
「これでもまだ、私を綺麗って言える?」
季節が変わるような感覚に陥った。僕の目に映る彼女の儚く美しい髪色は、まつ毛、そして眉にも同様の色を描いているようだ。その否定的な心とは裏腹に、黒一つない身体が僕の脳を狂わせた。
榛色の瞳にアーモンド型の二重の目、高くスラリと伸びた鼻筋と中紅梅色をした唇が、まるで世界に嘘をついている様に感じる。
その整った清楚な顔つきに、笑顔のない真っ白な表情は、神様と言われても疑えない程に神秘的だ。僕の首元を見つめる彼女は、ゆっくりと小さな口を開いた。
「私は、アルビノなの」
「……アルビノ」
どこかで聞いたことはあったが、どんな意味だったかは曖昧にしか覚えていない。
「そう、全身が真っ白で生まれてくる遺伝子の病気」
そうだ、生まれつき色素が足りない状態の生き物をアルビノというのだと思い出す。実際にアルビノの人と出会うのは、初めてだった。
「こんな見た目で、普通の人生を送れると思う?」
僕は頷くことも、声を出すこともできない。肯定してあげたい気はあるが、彼女の立場を考えると、何も答えることができない。止まっていた息が、スッと鼻から抜ける。
「それに、私の病気はこれだけじゃないの」
僕の戸惑いに追い打ちをかけるように、彼女は再び自身のことを告白した。
「私、色を知らないの」
その一言が、僕の中の常識を全て奪ったようだった。
「色を……知らない……?」
振り絞るような、喉から無理やり引き出したような僕の台詞が彼女の表情を変える。彼女は僕の首元から坂道の方へ目を逸らし、何もかもを諦めたような顔つきだ。
「そう、全ての世界が白と黒でしか表されていないの。病院では、色覚障害って言われたっけ」
僕の想像していた女性というのは、あまりにも足りないものが多く、自分には想像もできない人生だったのだと理解できる。
人や景色を拒んでいたのもそのせいなのだろう。他人とは異なった外観、目に映る風景、扱われ方にこれまでの生き方が伝わってくる。
「どうして泣いているの?」
そう言われて気がついた。僕の左目からは、涙が頬の上をゆっくりと走っていた。
「わからない。ただ君の話を聞くと、心が潰されそうな気持ちになるんだ」
逸された瞳が初めて僕の目に向けられた。これが初めて彼女と目を合わせた瞬間だった。
「私を見て、気持ち悪いと言わない人には初めて会ったわ」
彼女は再び街の景色に視線を戻し、僕はその横顔を見て正直な気持ちを伝えるべきだと感じた。
「君はとても綺麗だよ。僕の見ているこの小さな夜景よりも綺麗だ」
「……そう、貴方は変わっているのね。じゃあ私はそろそろ帰らなきゃ。さいごに貴方に会えて良かったよ。じゃあね」
最後、そう言って坂を下ろうと足を踏み出す彼女を、僕の本能が止めるべきだと叫んだ気がした。きっとここで僕以外の誰でもない、僕が彼女と出会ったことに何か大きな意味があるのだと、胸の奥から込み上がる何かがそう伝えてくる。
「ねぇ!」
足を止め、ゆっくりと振り向いたその表情はやはり何か足りないものがある。
太陽が沈んだ。常に変わりつつある空の模様がそう言った。
「……僕と……色を探しに行こう」
喉の奥から勝手に引っ張られた言葉に、自分でも理解し難い。色覚障害を持った女性に、色を探そうだなんて。けれど根拠のない自信のようなものが、彼女の足を止められると感じたのだ。
驚いたように硬直してしまった彼女は、僕を一瞬見つめた後に目を細めて再び声を使った。
「あなたの住所を教えて」
「住所?」
またも意図の読めない発言に、首を傾げて訊き返してしまう。
「そう。貴方に手紙を送るよ。私、スマホを持っていないから、手紙で連絡を取らせてもらうよ」
冷え始めた身体を動かして、急いで何かメモになるものを手あたり次第リュックの中から探し出す。リュックの中で手に触れたものを取り出すと、クシャクシャになったレシートが現れた。そして運良くリュックの底に隠れるように転がっていた一本のボールペンを見つけ、僕は急いでレシートの裏に住所と名字を書き留めた。左手の上で書いた文字は肌寒さも混じり、どこか頼りなく、緊張が伝わるような文字列だった。
「なんか可愛い文字だね」
指先で口元を隠し、少しだけ笑ったように見えた彼女にレシートを手渡し、それ以上には何も言わないで坂を下り始めてしまった。
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