アーテ王女の冒険における奇跡をおこなう国 すなわち「人間」・大学・企業および社会システム 社会システムの一般放送関係批判1

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第六章其の一

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 ががんっ

 ドン

 すさまじい地響きがして、木が裂けた。

 ぷすぷすぷす

 木は、燃えカスとなり、無残な姿をアーテ王女に向けていた。
 どうですか、おばあさん。
「な、なんだい?」
「?」
「・・・・・・す、すごい」
 それがおばあさんの魔導師の感想である。
「あんたこりゃ、あんた、合成魔術ではないかね」
 そうです。
「いや、これはおどろいた。あんた、合成魔術が使えるとは」
 ほかにもいろいろ知っています。
 本を読んで古代の魔術を調べましたし、覚えました。
(あんたになら、もしかしたら、敵うかもしれない、あいつらに・・・・・・)
「?」
「ラントルンド・ベグラスト・ムーン・ラ・ティカ。なんていい響きなんだろう」
 おばあさんの魔導師はなにやらそこいらをぐるぐる回っていると、何かを突然おもいだしたように、
「そうだ。そうに違いない。あの伝説は本当だったのかっ。いや、この魔方陣の中で、これほどの魔術が使えるなんて、あんたはあの、伝説の魔導師である証拠だ。いいね。そうか」
「?」
「竜だ」
「?」
「あんたのなかには、伝説の竜王の力が働いている。光らなかったかい? 竜王の前で」
 そうですが。
 すると、おばあさんは、部屋の中にはいっていて、
「何をしているんだい。おはいり」
アーテ王女もそれにつづいた。
おばあさんは、アーテ王女が中にはいるとなにやら部屋の中をひっくりかえしていたが、やがて、
「これをお使い」
 おばあさんの魔導師はなにやら丸薬を、アーテ王女に手渡した。
「これは一時的に、魔力の力を高めることが出来る薬だよ。四個、あんたにあげよう。いいね、四人の魔導師と戦うときに、ひとつずつ飲むんだよ」
 それは、ちいさな赤い色の丸薬で、アーテ王女の手の上でころがった。
 これを、飲む? 戦う前に?
「丸薬の効果は、もって十五分といったところだから、気をつけるんだよ」
 十五分、その間に決着がつくのだろうか。
「長引いたら、あんたの負けだやつらには手下もいる。そいつらが、あんたを狙うだろう。いいね、できるだけ、時間がかからないように、そうしてしとめるんだ」
「・・・・・・・・・・・・」
「それから、あんた、もしも、本当にやつらに勝ちたいというなら、一人ずつ、相手にすることだ。四人いっぺんに相手にしたら、到底あんたの力でも、勝つことは出来ないよ。いいね、一人ずつと、戦うんだ。あたしが負けたときは、四人いっぺんに相手にしてしまってね、このざまになったと、そういうわけさ。何とか方法を見つけて、できるだけ少ない人数と戦うことにして、減らすんだよ。人数を」
 どこにいるの?
 四人の魔導師は。
「『奇跡を行う国』国立合同庁舎の最上階が、あいつらの住まいさ。でも気をつけなさい。やつらは自分たちの力をよく知っている。そのため仲間の欠陥は、仲間が補い、そのため一人になることはまずないといっていい」
「・・・・・・・・・・・・」
「いいかい? 特別にあんたにはおしえておこう。やつらの能力は、一人は氷、一人は炎、一人は闇。一人はダブリン。光と、かみなりを使う魔導師はいなから、戦うんだったらその魔法を中心いすえて、やることだ。いや、あんたはその系統の魔法は得意らしいから、心配はない」
「・・・・・・・・・・・・」
「いいね、これは戦いだ、子供の遊びじゃない。こころしていくことだ。死ぬよ。生半可な気持ちでいると。たぶんもう、すでにあんたが力のついたデイスナーであるということは、向こうにはお見通しだ。当然あんたを警戒してくるだろう。だから、注意しなさいよ。いいね。死ぬことのないようにね、アーテ王女」
「・・・・・・・・・・・・」
 お弁当、たべていいですか?
 アーテ王女は聞いた。

 奈落の世界のヘルショット

 森からの帰り道は、何事もなく終わった。
 おばあさんの魔導師の導き?
 そのようだった。
 アーテ王女が奈落の世界の第六区に到着すると、ジルが、アーテ王女を出迎えた。
 ジルは、アーテ王女が戻ると、家にも入らないうちから、すぐに質問責めにした。
「どうだった? 東の森は、どんな危険が待っていた?」
 何のことはない、普通の森だった。
「でも出たんでしょう? 化け物」
 いたのサーベルタイガーが一匹だけ、それ以外は静かなままだった。
「倒したの? サーベルタイガー」
 魔術で、ヘルベルト・フォン・・・・・・を使うと、簡単に逃げていった。
「へえ、あんた、相当な魔導師であるみたいね、この分だと、ヘルショットも余裕かしら?」
 さあ。
「で、どんな人だったの? 魔女は、やっぱり酸の地獄に浸って溶けてた?」
 いい人だった。
 いろいろなことを教えてくれて。
 いわれているほどのことはない、普通の人だった。
 普通の家に住んでいたし。
「なるほどね、噂話なんてものは、あてにならないというのは本当らしいわね」
 わたしがデイスナーとしての才能を持っているのは、伝説の竜の力が、わたしの中で働いているためだといっていたし、
「ああ。この前はなしていた、あんたに、鏡を与えた竜ね」
 ・・・・・・のこともきいてきた。
「そう、あんたもとうとう知ったのね。・・・・・・。で、あんた、変えるつもり? そいつらをたおして、この奈落と表の世界に分裂した世界を」
 帰るためには、それが必要らしい。
「そうか、だけど、死ぬかもよ」
 そうともいわれた。
「帰るのなんて忘れて、ここで一緒に暮らさない? 帰ったって、狭い世界なんでしょう? それならこっちにいたほうが、ずっと見聞を広げられるよ」
 だけど、わたしを待っている人がいる。
 ロイズおばさん、チェッカー少尉、王様、・・・・・・デッカー次官。
「そうか、だけど、本当に帰るのには、・・・・・・を、倒さなければならない見たいね、それがあんたに与えられた使命」
 そう。
「明日は、初戦でしょ? 連絡が来ているわよ、明日、出場だって。・・・・・・もう遅い、眠っておいたほうがいいかもよ」
 そうする。
 アーテ王女が家に引き返すと、すぐにふとんを敷いてねむった。

 翌朝。
 アーテ王女は五時に目覚めた。
 朝の日課の釜炊き、ふとん干し、洗面、洗髪をしていると、ジルもはやくにおきてきた。
「どう? アーテ王女。よく眠れた?」
 はいと、答える。
「今日がヘルショット初戦だけど、どう? 勝てそう?」
 わからない。
 それは相手の強さ次第。
「そうね、だけど、あなたなら、やれる気があたしにはするわ。きっと、表の世界でも、通用する力を持っていると」
 それが違う。
 アーテ王女は答えた。
 自分の力とは思えない、それは、伝説の竜の力。
 わたしの能力は、たいしたことがない気がする。
「それでもあなたはあなただわ。あなたの人生が、今のあなたの上に乗っかっているのよ、だから、弱気にならないで、それは、あなたの力。決して単なる竜の力ではありえない」
 そうおもいたい。
 アーテ王女はおもった。
「そうよ、きっとあなたはあなたの力で今まで生きてきたのよ、それを忘れないで」
 朝食をとると、ジルとアーテ王女はお弁当を持って、出かけた。
 ヘルショット参戦初戦。
 列車内。
『奈落の世界の闘技場駅』
 会場。
「出場者は、ゲートの横の出場者入場口から入るわ」
 出場者進入口に向かうと、係員がゲート入り口付近にいて、
「参加者は、こちらに出場届けの提示と、サインをお願いします」
 アーテ王女が出場届けを出してサインをすると、
「付き人は、一人、お一人様までとなります」
 ジルと、アーテ王女は中にはいった。
 選手控え室。
 広い室内に、明るい装飾。
 観葉植物。
 まるで、闘技場の雰囲気とは思えない。
 まだ、一回戦の試合にも、早い時間である。
 選手もアーテ王女を除けば、わずかに二人、いるだけである。
 アーテ王女は初戦なので、一回戦からの出場となる。
「いい肩慣らしになるわよ、一回戦に出てくる相手なんて、たいしたことないから、三回戦ぐらいには、今日で進みたいわね」
 ヘルショットはトーナメント方式で一回戦には誰でも出ることが出来る。
 一回戦を勝つと、次の回からは二回戦、二回戦を勝つと、次の回からは三回戦からと、決まっているらしい。そうして、最終回には、十二回戦が待っている。それに勝つと、チャンピオン。ボクシングと逆だ、アーテ王女はおもった。
「ボクシングって何?」
 ジルが聞いた。
 アーテ王女は笑ってこたえなかった。
 アーテ王女が選手控え室の隅っこのほうで待っていると、説明が入った。
「いいですか、一回戦の組み合わせをこれから発表します。一組目は、ランド選手対ゴールドバーグ選手。二戦目はロベロ選手対パク選手。三戦目はスベロヴィンスキー選手」
 アーテ王女のことである。スベロヴィンスキー。
「・・・・・・対ロナルド選手となります。皆さんご健闘をお祈りします」
 説明は去っていった。
 アーテ王女が控え室の隅っこで待機していると、なにやらおのおの、出場する選手が、魔術の下調べに入ったらしかった。
 おのおの、手をかざすと、炎を発したり、氷をだしたりしている。
 アーテ王女はそうした選手たちの様子をみていた。
 すると、ジルが、
「アーテ。なんだかあなたの対戦相手、ロナルド。氷が得意みたいよ、氷魔使い。あなたも氷得意でしょう? なかなかいい試合になりそうね」
「・・・・・・・・・・・・」
 では、こちらは炎で対抗するか?
 アーテ王女が待っていると、しばらくして、試合が始まった。
 一回戦目。
 アーテ王女は試合に注目した。
 第一試合。炎のランドが先手を取り、ゴールドバーグを圧倒。ゴールドバーグは自身の力を発揮する前に、敗れた。炎のランド勝利。
 第二試合。光の魔術師のロベロが、終始先手を取ったが、闇のパク勝利。最後に放った闇のパクの攻撃が、クリティカルヒットと判定された。
 そうして第三試合。
 ジルが、声をかけた。
「がんばってね、アーテ」
 アーテ王女が試合場への階段を登っていると、同時に階段を上がる、試合相手の、たぶんロナルドが、いった。
「これはかわいい対戦相手だ。出来れば傷つけたくないが、どうだろう、これは試合。全力を持って戦わせてもらおう。せいぜい死なないように、気をつけてもらいたい、ははは」
「・・・・・・・・・・・・」
 はいはい。
 そうですね。
 舞台の上に立つと、観客がまばらなのがみえた。
 何か、声があがる。
「おいおいこいつは驚くべきことだ」
「いつからここは、小学校になったのかね」
「ははは」
 む。
「かわいい子供がヘルショットとは、世も末だ。ははは」
 なんとでもいえ、酔っ払い。
 勝つのはわたしだ。
 アーテ王女はおもった。
「さあて」
 と対戦者のロナルドが、
「どういう試合になることやら、少しは楽しませてくれよ」
「それでは試合を始めます」
 と、審判が、
「凶器の使用は禁止です。ヒットポイントは、両者五点。場外、逃げ腰、クリティカルヒットと認められますと、その時点で試合は終了です。つまり、クリティカルヒットは、五ポイントということになります。それでは両者、正々堂々と対戦してください」
 得意なのは氷、ロナルド。
 それなら、こっちは炎で、一発で決めてやる。
 アーテ王女が決めると、
「はじめ」
 審判の声がかかった。
 それと同時に。
アーテ王女は演唱した。
 地獄の火の神よ、われに力を与えたまえ。
 灼熱、炎殺。
「raitonar binkus!!!(ライトナー・ビンスク)」
 同時に手腕を、対戦者めがけ突き出した。
 燃え盛る火炎が、両手の前に発生し、それが相手めがけ、突進する。
「へ?」
 と、とぼけた声を上げたのはロナルドである。
炎が相手を包み込む。
「うわっちゃあ」
 ロナルドは炎に包まれうると、悲鳴をあがて、場外へ逃げていった。
「クリティカルヒット。場外。スベロヴィンスキー選手の勝ちです」
 場内騒然。
 アーテ王女が何事もなかったように、控え室への階段を降りると、
「すごいじゃない、アーテ」
 ジルが、飛びついてきた。
「これであなた二回戦。伝説の竜の力。きっと勝てるわ、張り切っていきましょう」
 試合は進み、二回戦。
 今度はラミーラという、女性魔術使いとの対戦である。
 ラミーラは、試合が始まると、すぐに演唱。
 先手を取られた。
アーテ王女。
「girudo von ramighra!!!(ギルド・フォン・ラミーラ)」
 氷の矢がアーテ王女めがけて飛来する。
 アーテ王女は。
 炎の神よ。我が前に。
 灼熱、炎焦。
「fire wall!!!(ファイヤー・ウォール)」
 ラミーラの氷の矢は、解けてなくなった。
アーテ王女の目前に出現した、炎の壁が、それをさえぎったのである。
 今度はアーテ王女の番である。
 炎の魔獣の力よ。我が前に、その力を示せ。
 火獣、雷炎。
「berdor las la barg!!!(ベグドル・ラス・ラ・バーグ)」
 炎の魔獣が、対戦者を襲う。

 がるるっ

 対戦者ラミーラは、目の前に氷の壁を出現させたが、アーテ王女の魔力のほうが、勝っていた。
 氷の壁を、アーテ王女のベグドル・バーグは突き破り、
「きゃあ」
 対戦者の体を包み込んだ。
 ラミーラは、熱さにもだえ、場外に散っていった。
「クリティカルヒット。場外。スベロヴィンスキー選手の勝ちです」
 再び場内騒然。
 アーテ王女はまた、何事もなかったように、階段を降りた。
 アーテ王女はこの日、五試合をして、そのすべてに勝利した。
「すごいじゃない、アーテ」
 驚いたのは、アーテ王女よりもジルである。
「あたしはあんたがここまで出来るとはおもってなかったわ。それが、五勝もしてしまうなんて」
 そんなにすごい?
 ただ、相手が弱かっただけ。
 たいしたことない。
「すごいことよ。あなた、明日からは、五回戦のメンバーに入ったのよ。この分だと、十二回戦、チャンピオンなんて、あっというまね、きっと、上の試合であなたの強さを証明することになるわ」
 そう。
 しかし、このときのアーテ王女は、自身の力より、竜の力を過信した。
 自身の手を、開いては握り、開いては、握り、見る。
 そこには、竜のつめもなければ、うろこもない。しかし、アーテ王女は確かに自身の中にある、竜の力の存在に気づいていた。

 五回戦前決戦

 朝、洗面、洗髪、朝食。特訓。
 時に、国立中央図書館で勉強。
 アーテ王女が決まりきった日々をすごしていると、
「試合の日程が決まったわ」
 ジルがいった。
 試合?
 ヘルショット?
 どうしてジルが、それを知っているの?
 アーテ王女が素朴な疑問を唱えると、
「あたしはあんたのトレーナー。闘技場事務所からの書簡は、すべてあたしのところに届くように、登録済み」
 トレーナー?
「あんたを鍛え、一人前の魔導師に仕立てる人間」
 そうだったんだ。
 アーテ王女が感心していると、
「それより試合。あんた、今度は五回戦からなのよ、わかっている?」
「?」
「これまでよりも強い敵が待っているってこと。そのぐらい、しっかり理解しておいてほしいわ。本当にもう」
 何をカリカリしているんだろう、ジル。
 アーテ王女が黙って、ジルの手から通知の紙を受け取ると、そこには『奇跡を行う国』で使われている文字で、アーテ王女が五回戦に進出した旨の内容と、試合の日程が組まれていた。
「いい?」
「なに?」
「試合は十日後、土曜日。その日にあんたは最大十回戦まで進むわ。準々チャンピオン。いいこと。これはすごいことなのよ、十歳でしょう、あなた。それで、『奇跡を行う国』の『奈落の世界の闘技場』で十回戦に進出したことなんて、史上まれ、詳しく調べたことはないからわからないけど、きっとないわよ。初めてよ」(事実を言うと、一度だけあった。あの、おばあさんの魔導師が、それである。彼女は史上初の十回戦十歳、最年少参加者であり、勝者であった。ちなみに彼女は、その翌年、十一歳で、十二回戦進出を果たし、また、勝利している)
 この計算からいくと、アーテ王女は最大の順調さでいけば、十二回戦十歳史上初の参加者になる予定であった。
「気を引き締めていきましょう」ジルはいった。
「出来ることはすべてして、そうして運命の日に備えましょう」
「では特訓?」アーテ王女。
「それもいいけど、相手の情報をつかむことが、まずは第一ね」
 しかし、その考え方に、アーテ王女は異論があった。つまり、
「でも、自身の力を発揮することが出来れば、何とかなるんじゃないの?」である。
「あなたは甘い。舐めているは、ヘルショットという勝負を」
 どういうこと? アーテ王女がおもっていると、
「いいこと、ヘルショットでどういうお金が動いているか、あなた考えたことあるわけ?」
「?」
「大変な金額が、ヘルショットでは動いているのよ。そのために、ヘルショットでは公正さが求められると同時に、情報収集が、すべてを決めるのよ」
「わからない」
「情報化社会についていっていないわね、あなた。いまや、情報が、お金になる時代。どの選手がどういう力を持っているか、そんなこと、当たり前のように取引されているわ。こっちがどういう魔導師であるかなんて、今日の午前中に試合をしたら、その日の午後までには、相手選手の耳に入っているなんて事は当たり前、下手をすると、その日の午前中には、もう、相手の耳に入っていると、おもったほうがいいわ。いいこと? あなたはどうか知らないけれど、これに参加して来る相手は、生活をかけてやってくるのよ、生きるか死ぬかが、まさにかかっているのよ。相手はプロの『魔導師』なのよ。それをしっかり頭に入れておくことね」
 アーテ王女がジルの話をなおも疑問におもっていると、ジルは続けた。
「こっちの魔導師がどんな力を持っているかなんて、相手のほうにはもう、筒抜け。きっとあなたがどんな寝顔で寝ているかなんてことすらも、相手は知っていて、小便する代わりにあんたのことを、笑って、ついでにおならをこいているわよ」
「・・・・・・・・・・・・」
「こっちも早く相手の情報を手に入れなくちゃ。きっとあなたのことなんか、土曜日の相手はすでに知っていて、研究済み、どういう魔術をはじめに出すか、そうして、あなたがそれにどういう対応をするか、その次はどういう魔術でそれを防ぐか、なんてきっともう、相手はおさらいしているわ。あなたのことなんて、相手は相手にもしてないかもよ」
「それで」と、アーテ王女は、不審顔でおもった。「どうするの?」
「試合場にいきましょう。十日後の土曜日に、どういう相手が上がってくるか、ちゃんと調べておきましょう」
 二人は出発した。
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