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第一章其の二
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急行、『奇跡を行う国』あるいは『オケストラバーグ』行き。
そこまでは何時間ぐらいでつくのだろう。
「およそ一晩といったところだよ」と、ウサギがいった。
「朝目を覚ましたら、ついているだろうぜ」
窓の外には、流れる夜景。
アーテ王女がその景色に見入っていると、まだ、花火大会が終わってはいないことに気がついた。
空に舞う、はかない火花。
村長は、まだ、花火大会に見入っているのだろうか。
アーテ王女がおもったことは、その程度のことだった。
かかしの悲劇
「さて、どうするね、これで、わしらは眠っていても、『奇跡を行う国』に到着することができるようになったということだ、あんた、どうするんだね、このまま眠って、その間に、『奇跡を行う国』につくと、そういう寸法かい?」ウサギがいった。
アーテ王女は眠くない。
もっと、質問を重ねたい気分であった。
かかしはどうなったのか、アーテ王女の関心はそこにあった。
「そうかい眠らない、わたしも実は、ぜんぜん眠たくないんだよ、何か、話しでもしようかね」と、ウサギ。
「わたしは眠いな、できればあんまり大きな声では話さないでおくれ、わたしの睡眠の妨げになる」と、小人。
がたん、ごとん、
がたん、ごとん。
「何か、聞きたいことがあったらいってごらん、答えられる範囲で、わたしはあんたの質問に答えよう」
それなら、聞きたいことがある。
アーテ王女が聞きたかったことは、さっきもいったようにやはりごまんとあったが、その中でも、今聞けて、そうしてはっきりとした答えを聞けそうだった質問は、かかしの顛末である。
かかしはどうなって、そうして今、どこにいるのか。
「かかしか。いや、あいつはいいやつだよ、普通に生活する分には、ほとんど心配はない。しかしね、あいつは知りすぎちまったのさ、知らなくてもいいことを、そうして考えてしまったのさ、考えなくてもいいことを、そうしてまた、言わなくてもいいことを、言ってしまったのさ、警吏にね、聞こえるように、大きな声で」
「?」
「つまりこういうことさ。あいつは気づいちまったのさ、この世でもっとも恐ろしい計画の存在に。それは、気づかなくてもいいことだ。つまりこういうこと。そのために、この、『奇跡を行う国』の、牢獄、奈落の世界に落とされたとそういうわけさ」
牢獄? 奈落の世界・・・・・・。
「牢獄さ、奈落の世界は、この世でうまく生活することができない人間が、入るべき場所なんだ、牢獄といっても、それはとてつもなく広い。というより、そこに収容される人間が増えたから、町ができ、村ができ、中央が作られたと、そういうわけさ。もちろん、その中央は、『奇跡を行う国』の管理下にあるんだけど、自治都市って、あんた知っているかい? それみたいなものさ、『奇跡を行う国』の中にあって、そこでは生活することができない人間の住処になっている場所。それが、奈落の世界だ」
住みか?
奈落の世界。
誰が作ったのだろう。
「作ったのは、『奇跡を行う国』、中央政府の・・・・・・たちだ。・・・・・・たちは、この表の世界では到底住むことができない、つまり、『奇跡を起こせないもの』が住む世界をつくり、彼らを管理し、統制し、われわれの世界の崩壊を、未然に防いでいるのだよ」
・・・・・・、たち?
防いでいる?
なにがそんなに危険なの?
「なにがって、崩壊さ。もしも、この世界に、二種類の考え方を持った人間が、同じ数だけ住んでいたら、どうする、それこそ、世界の破滅さ、世界は、二つに分裂してしまう。そうしたことがおきないように、防いでいるんだよ、世界の分裂を」
しかし、とアーテ王女はおもった。
それのいったいなにが危険なのだろう。
ただ単に、それは、別の考え方を持っているだけ。
かかしだって、普通に、はじめは生活することができていたじゃない。
「それでもだめなのさ。二種類の別々の考え方は。危険極まりない。特に、『奇跡を行う国』を破壊するような二種類の考え方は、いや、考えただけでも恐ろしい」
「・・・・・・・・・・・・」
『奇跡を行う国』を破壊するような、危険な思想?
「あんた、気をつけることだね。あんたには、かかしと同じにおいがする。まるで、あんたは、この世界が崩壊してしまえばいいと、そのように言っている節がある。もしかしたら、あんたもこのあと、場合によっては奈落の世界の住人になるかも知れない」
「・・・・・・・・・・・・」
「それは、それまで、あんたにわたしだって、奈落の世界に落ちてほしいとはいってない。あんたは、それ以上、考えないことだ、考えすぎると、人間、よからぬ方向に、物事を運んでいきかねない」
だけど、おかしい。
かかしはどうして奈落の世界に落とされてしまったの?
おもうことは、罪なの?
「そういうことだ。おもうことは罪、考えすぎることは罪。・・・・・・あんた、どうも、質問が鋭すぎる。太い松の枝さえも切り裂く刀のようだ。いけない。あんた、まるで自分から、進んで、奈落の世界に入りこみたいと、そのようにいっているみたいだ」
「あたしが奈落の世界に落ちる?」
そうしたらどうなるの?
「認識番号をふられて、管理される。いやなもんだよ、管理されるのは、いつもは、確かに気づかない、しかし、二度とは出られない世界の住人になるんだ、どこへもいけなくなる、その、奈落の世界以外の場所には、こうしてあんたがしているように、列車に乗って、『奇跡を行う国』を旅行なんてこともできなくなる。かかしはそういう立場に立たされたというわけだ」
「二度とは出られ? ない」
「そう、永久に。とはいっても、裁判制度がある。もしも、その中にすんでいて、考え方が変わって、外にでられる人間になれると、認められると、認識番号をはずされて、表の世界に出られるようになると、そういうことだ。かかしも、わたしは望んでいるよ、いや、あんたと同じくらいにしか、一緒にいた機会はなかったが、晴れて、奈落の世界からでて、自由の身に、なれることを」
自由?
一つの思想が支配する、世界が自由?
それ以外の思想が存在してはいけない世界が自由?
果たしてどちらが自由なのかしら。
「こっち側の世界にきまっているだろう。さっきもいったように、奈落の世界の住人になると、あんたが今しているように、汽車に乗って、のんきに、ぶらぶら、『奇跡を行う国』への旅行もできなくなるんだよ」
「だけど、考える自由もない世界が、果たして自由なのでしょうか」アーテ王女。
アーテ王女は話をしながらかばんの中から、ローランドさんの作ってくれたサンドイッチを取り出すと、食べ始めた。
一個を、ウサギに差し出すと、ウサギもそれをおいしそうに食べた。
旅行ができない。
しかし、自身の考えを、率直に表現することができないほうが、いくらか自由ではない気が、アーテ王女にはしていた。
それを話すと。
「あんた、それを警吏の耳の届くところでいわないほうがいいよ。もしもそんな自由な発言を、警吏にきかれたら、二度と、自由に旅をすることも、おいしいものを食べることもできなくなってしまう。いいね、二度と、そんなことはいわないことだ」
ウサギは、サンドイッチを食べながらいった。
「それはそうと、あんたかかしが知りすぎたことについては関心ないのかい?」
「ある」と、アーテ王女はいった。
すると、ウサギは、まるで、アーテ王女と話している間に、考え方が変わったとでもいいたげに、
「かかしはね」と、自身積極的に話した。「この世界に闇があることを知ってしまったのさ。それは、決して見ることができない闇であって、もしも見てしまったなら、二度とは戻れない闇なんだ」
「闇?」
闇・・・・・・。
「そう。この世には、二種類以上の価値観があって、それらが互いに切磋琢磨して、この世界を構築しているという思想さ。それが、闇だ」
しかし、それは当たり前のことではないか。
アーテ王女がおもっていると、
「しかし、当たり前のことが、一番危険であるということがある。それが、この例さ。単純なことほど、人の耳に語りかけないものはない。人にとって、わかりやすすぎることほど、・・・・・・にとっては危険な思想なのだよ・・・・・・つまりは構造さ。この世界をかたちづくっている構造に、かかしのやつは切り込んだ、そのためにあいつは今、奈落を行い世界にいると、いうことだ」と、ウサギは言葉をきって、「あんたは不思議な女の子だ、あんたと話をしていると、普段は絶対に言わないことでも、ついつい話してしまいたくなる。不思議だ」
そういうと、ウサギは眠くなったのか、横になった。
「もう、わたしは寝るよ。あんたと話していると、わたし自身、このあと、奈落の世界に落とされかねないことになりそうだいや、寝る。だから、もう、質問したりしないでくれ、はああ、眠い」
「・・・・・・・・・・・・」
そういうと、ウサギは二度とは起きないといわんばかりに、高いびきを立てて眠ってしまった。
ウサギは起きない。
ウサギの話はもうおしまいなのだろうか、ウサギがしゃべらないので、どうやらそうらしかった。そうして、もう、同じ質問も、出来そうにはなかった。ウサギは今だったから、アーテ王女に話をしたのであり、今、この瞬間を除いては、その話は聞けそうにはなかったからである。
なぜなら闇である。それが、社会に存在する闇であるから、聞いてはいけないのである。いや、『奇跡を行う国』の、闇。
アーテ王女も、ウサギがねむってしまったので、眠ることにした。
アーテ王女は寝台に横になると、電車のゆれに導かれ、
がたん、ごとん、
がたん、ごとん。
連日の接客で疲れていたのか、あるいは、さっき魔術というものをつかって、疲れたのか、いつの間にか、自身が気がついたときには、いや、気がつかなかった、とにかくアーテ王女のまぶたは重く、いつの間にか、眠りについていた。
『奇跡を行う国』
アーテ王女が目覚めると、いつの間には時刻は朝になっていた。
どれくらい眠ったのだろうか。
見ると、窓ガラスの外から、おびただしい量の日の光が、差し込んでいた。
窓は、東の空をさしているのだろうか。
アーテ王女はおきあがった。
窓の外を見る。
するとそこには動く景色があった。
列車は田園地帯を移動している。
アーテ王女が起きてみると、ウサギも、小人の商人も、そこにはいなかった。
どうしたのだろう。
目的地に着いたのだろうか?
いや、汽車は今も動いている。まだ、目的地には着いてない様子であった。
アーテ王女がおもっていると、
トントン、とんとん、
ドアをノックするおとがして、部屋の中にウサギと小人の商人が、部屋の中に入ってきた。ウサギが、
「いやあ、いい朝だ。お? アーテ王女はお目覚めかい? わたしらもう、洗面を済ませたよ、あんたもいってくるといい、それからご飯だ、食堂車がある。当然だろう、これは夜行列車。長旅をする人を乗せる汽車だ」
そういうと、ウサギと、小人の商人は、また、再びたぶん寝台車から、食堂車へと消えていった。
アーテ王女はどうしよう。
とりあえず、ウサギにいわれたように、顔を洗いに行くとことにした。
顔はトイレの洗面台であらうことができた。
顔は、備え付けてある、手拭紙できれいに拭った。
あとは朝食である。
それは、アーテ王女が食堂車に向かっていたときである。
アーテ王女が食堂車に向かうと、その途中で奇妙な一団に出くわしたのである。
まるで牧師みたいに黒い服を着て、黒いサングラスをかけていて、・・・・・・まるで、何かを吸い込むためにやってきたような顔をしていた。
アーテ王女が見ていると、アーテ王女がそれらの一団と、寝台車の前でとおりすぎるとき、言葉を発したようだった。
「?」
アーテ王女が疑問におもったのは、その言葉が、どうにも、短かったからと、つなげて読めとでもいっているようだったからである。
アーテ王女が黙ってその黒い服の一団をとおりすぎると、
「アーテ王女」
「あなたは」
「わたしたちの」
「敵」
「・・・・・・・・・・・」
それだけが、黒い服の一団から読み取れた、いったいどういう連中なのだろう。
アーテ王女がおもいながら、歩いていると、
追ってこないかしら?
追ってくる様子はない、どうやらどこかの寝台車に入ったようだった。
敵?
アーテ王女が不審におもっていると、前から、
「やあ、アーテ王女」ウサギである。「なんていう顔をしているんだい? あんた、まるで何か、とてつもなく運命的なものに近づいたような顔をしているけれど、本当かい?」
すると、ウサギの肩に乗っかった商人が、「あんたもあったのかい? あの連中に。あの連中は、『黒服の手』と呼ばれる宗教団の人間たちで、何かにつけて、人と敵対しようとそのように考える人間だ、あんたもいわれたんだろう? 敵だって、気にしないことだ、あいつらは言うだけはいうが、それ以上何も出来ない人間たちだよ」
「はあ」
「いうものさ、あんたみたいにちいさな女の子が不思議な魔術を使うことが出来れば、あたしだって、言いたくもなろうよ、あんた、少し恐ろしいところがある、何でも出来てしまう、そのへんが、このあとあんたにとって、重大な結末を用意しているかもしれないから、注意することだ」
こんどはウサギが、
「さあ、そんなことより食事だ、朝食をとろう、何? アーテさん、あんたお金を持ってはいないのかね? それなら高いものはためない、乗車券とセットになっている、朝食をとることだ。さあ、いこう」
朝食。
アーテ王女が列車最後尾の食堂車に足を進めると、
「さあ、ここだ、おいしいものをたんまり食べよう」
席を探して、四席があいている席を見つけて、座る。
座るとすぐに、ウェーターが、メニューボードを持ってきた。
「マドモアゼル?」
ありがとう。
アーテ王女はメニューをお礼を言って受け取った。
開く。
すると、中にはアーテ王女が読めない『奇跡を行う国』の文字がいっぱいにかかれていた。
どうしよう。
アーテ王女が困っていると、ウサギが、
「そうか、旅人さん、あんた、『奇跡を行う国』の文字が読めんかったのか。このぐらいのものは、出来れは読めるようにして、きたほうがよかったかもしれんが、まあいい、今回はわたしが訳して注文してあげよう。何を食べたいかね? といっても、あんたは文無しだから、乗車券にセットになっているメニューしか、手中に収めることはかなわんが・・・・・・」
アーテ王女が答えに窮していると、
「つまり」
と、小人の商人が、テーブルの上で、
「Aメニューか、Bメニュー。どっちにするかだ」
Aメニューは?
「ええと、目玉焼きにコーンブレッドに、マーマレード、牛乳」
Bは?
「ええと、スクランブルエッグに、食パン、チョコレートソースに紅茶」
Bをお願い。
「そうかい。それはいい、あんたはチョコレートが好みかい。あんたの嗜好がよくわかって料理というのは実にいいもんだ。それはそうと、あんた、紅茶好き? 今、『奇跡を行う国』では空前の紅茶ブームが起きているんだよ、もしかしたら、あんたもこのあとそれにお世話になるかも知れないね」
注文。
しばらくすると、アーテ王女と、小人の商人と、ウサギの元に、食事がはこばれてきた。
小人はミートローフをおいしそうに、大きなホークで食べたし、ウサギは好みのコーンスープを音を立てずにうまく食べた。
アーテ王女が食パンにチョコレートソースを塗って味わっていると、
「当列車は奇跡を行う国行き、急行、もうしばらくで、『奇跡を行う国』に到着いたします。お降りの方は、お手回り品の用意をお願いいたします」
すると、窓の外の光景が、田園風景から、町の景観へとかわっていった。
何か、鉄の板を組み合わせて作ったような家が、いくつも並んでいる。
『奇跡を行う国』?
「これは大変だ」
ウサギが料理をほお張りながらいった。
「早いところくって、降りなくては」
「そうだ」
しかし、小人の商人は、
「わたしは食べるのに、相当な時間がかかる。もしかしたら残さないとならないかも知れない、そのときは、あんたが残りの分をくってはくれんかのう?」
「いいだろう、あんたが残した分は、わたしが胃袋に放りこむよ」
すると、二人は急いで料理を食べ始めた。
アーテ王女も二人に負けんばかりと、料理を胃袋に押し込み始めた。
食べ終わる。
ウサギが、「いやあ、よく食べた。これだけ食べたのは、『奇跡を行う国』について、そこの一級レストランに入ったとき以来だよ、いや、本当」
「それはそうと早いとこ、手荷物の片付けに移ろう、『奇跡を行う国』はもうすぐだって、アナウスがあっただろう?」
「そうだな、忘れ物がないように、しなければならない」と、ウサギは、思い出したようにいった。「あんたも忘れ物をしてはいけないよ、この列車は急行、『奇跡を行う国』、バンズ間を結ぶ、列車だから、もしも忘れものをしたとなると、次の回まで、忘れ物を届けてはくれないから」
三人は、コンパートメントへ下がった。
身支度をして、下車を待つ。
忘れ物はない。
というより、アーテ王女はないものも、手荷物の中からは、出してはいなかったから、用意をする必要は何もなかった。
「さあて、これで、あとは『奇跡を行う国』に降りるだけとなった。待ち遠しいね、『奇跡を行う国』が、あたしらこの国に来るのは幾度もあるが、毎回違った表情を見せてくれるこの町が、好きで好きで、しょうがない・・・・・・」
「あと、十二分ほどで到着となります。重ねてお伝えいたします、お手回り品の管理、よろしくお願いいたします」
ウサギが、
「あんた、もう、降りる用意は出来たのかい? そうか、そうか、なにも荷物からは出していない、それがいい」
しばらくすると、列車は駅のホームに流れこんだ。
暗い。
地下だろうか、列車の降車口は。
どうも、そうらしかった。
アーテ王女がしばらく、外のようすに注意を向けていると、どうやら暗い空間をいくつか抜けて、そうしてホームになだれこむようすであった。
明るいライトのある空間が、さいごに現れた。
『奇跡を行う国』、アーテ王女の目的地である。
* * *
列車が止まる。
そこまでは何時間ぐらいでつくのだろう。
「およそ一晩といったところだよ」と、ウサギがいった。
「朝目を覚ましたら、ついているだろうぜ」
窓の外には、流れる夜景。
アーテ王女がその景色に見入っていると、まだ、花火大会が終わってはいないことに気がついた。
空に舞う、はかない火花。
村長は、まだ、花火大会に見入っているのだろうか。
アーテ王女がおもったことは、その程度のことだった。
かかしの悲劇
「さて、どうするね、これで、わしらは眠っていても、『奇跡を行う国』に到着することができるようになったということだ、あんた、どうするんだね、このまま眠って、その間に、『奇跡を行う国』につくと、そういう寸法かい?」ウサギがいった。
アーテ王女は眠くない。
もっと、質問を重ねたい気分であった。
かかしはどうなったのか、アーテ王女の関心はそこにあった。
「そうかい眠らない、わたしも実は、ぜんぜん眠たくないんだよ、何か、話しでもしようかね」と、ウサギ。
「わたしは眠いな、できればあんまり大きな声では話さないでおくれ、わたしの睡眠の妨げになる」と、小人。
がたん、ごとん、
がたん、ごとん。
「何か、聞きたいことがあったらいってごらん、答えられる範囲で、わたしはあんたの質問に答えよう」
それなら、聞きたいことがある。
アーテ王女が聞きたかったことは、さっきもいったようにやはりごまんとあったが、その中でも、今聞けて、そうしてはっきりとした答えを聞けそうだった質問は、かかしの顛末である。
かかしはどうなって、そうして今、どこにいるのか。
「かかしか。いや、あいつはいいやつだよ、普通に生活する分には、ほとんど心配はない。しかしね、あいつは知りすぎちまったのさ、知らなくてもいいことを、そうして考えてしまったのさ、考えなくてもいいことを、そうしてまた、言わなくてもいいことを、言ってしまったのさ、警吏にね、聞こえるように、大きな声で」
「?」
「つまりこういうことさ。あいつは気づいちまったのさ、この世でもっとも恐ろしい計画の存在に。それは、気づかなくてもいいことだ。つまりこういうこと。そのために、この、『奇跡を行う国』の、牢獄、奈落の世界に落とされたとそういうわけさ」
牢獄? 奈落の世界・・・・・・。
「牢獄さ、奈落の世界は、この世でうまく生活することができない人間が、入るべき場所なんだ、牢獄といっても、それはとてつもなく広い。というより、そこに収容される人間が増えたから、町ができ、村ができ、中央が作られたと、そういうわけさ。もちろん、その中央は、『奇跡を行う国』の管理下にあるんだけど、自治都市って、あんた知っているかい? それみたいなものさ、『奇跡を行う国』の中にあって、そこでは生活することができない人間の住処になっている場所。それが、奈落の世界だ」
住みか?
奈落の世界。
誰が作ったのだろう。
「作ったのは、『奇跡を行う国』、中央政府の・・・・・・たちだ。・・・・・・たちは、この表の世界では到底住むことができない、つまり、『奇跡を起こせないもの』が住む世界をつくり、彼らを管理し、統制し、われわれの世界の崩壊を、未然に防いでいるのだよ」
・・・・・・、たち?
防いでいる?
なにがそんなに危険なの?
「なにがって、崩壊さ。もしも、この世界に、二種類の考え方を持った人間が、同じ数だけ住んでいたら、どうする、それこそ、世界の破滅さ、世界は、二つに分裂してしまう。そうしたことがおきないように、防いでいるんだよ、世界の分裂を」
しかし、とアーテ王女はおもった。
それのいったいなにが危険なのだろう。
ただ単に、それは、別の考え方を持っているだけ。
かかしだって、普通に、はじめは生活することができていたじゃない。
「それでもだめなのさ。二種類の別々の考え方は。危険極まりない。特に、『奇跡を行う国』を破壊するような二種類の考え方は、いや、考えただけでも恐ろしい」
「・・・・・・・・・・・・」
『奇跡を行う国』を破壊するような、危険な思想?
「あんた、気をつけることだね。あんたには、かかしと同じにおいがする。まるで、あんたは、この世界が崩壊してしまえばいいと、そのように言っている節がある。もしかしたら、あんたもこのあと、場合によっては奈落の世界の住人になるかも知れない」
「・・・・・・・・・・・・」
「それは、それまで、あんたにわたしだって、奈落の世界に落ちてほしいとはいってない。あんたは、それ以上、考えないことだ、考えすぎると、人間、よからぬ方向に、物事を運んでいきかねない」
だけど、おかしい。
かかしはどうして奈落の世界に落とされてしまったの?
おもうことは、罪なの?
「そういうことだ。おもうことは罪、考えすぎることは罪。・・・・・・あんた、どうも、質問が鋭すぎる。太い松の枝さえも切り裂く刀のようだ。いけない。あんた、まるで自分から、進んで、奈落の世界に入りこみたいと、そのようにいっているみたいだ」
「あたしが奈落の世界に落ちる?」
そうしたらどうなるの?
「認識番号をふられて、管理される。いやなもんだよ、管理されるのは、いつもは、確かに気づかない、しかし、二度とは出られない世界の住人になるんだ、どこへもいけなくなる、その、奈落の世界以外の場所には、こうしてあんたがしているように、列車に乗って、『奇跡を行う国』を旅行なんてこともできなくなる。かかしはそういう立場に立たされたというわけだ」
「二度とは出られ? ない」
「そう、永久に。とはいっても、裁判制度がある。もしも、その中にすんでいて、考え方が変わって、外にでられる人間になれると、認められると、認識番号をはずされて、表の世界に出られるようになると、そういうことだ。かかしも、わたしは望んでいるよ、いや、あんたと同じくらいにしか、一緒にいた機会はなかったが、晴れて、奈落の世界からでて、自由の身に、なれることを」
自由?
一つの思想が支配する、世界が自由?
それ以外の思想が存在してはいけない世界が自由?
果たしてどちらが自由なのかしら。
「こっち側の世界にきまっているだろう。さっきもいったように、奈落の世界の住人になると、あんたが今しているように、汽車に乗って、のんきに、ぶらぶら、『奇跡を行う国』への旅行もできなくなるんだよ」
「だけど、考える自由もない世界が、果たして自由なのでしょうか」アーテ王女。
アーテ王女は話をしながらかばんの中から、ローランドさんの作ってくれたサンドイッチを取り出すと、食べ始めた。
一個を、ウサギに差し出すと、ウサギもそれをおいしそうに食べた。
旅行ができない。
しかし、自身の考えを、率直に表現することができないほうが、いくらか自由ではない気が、アーテ王女にはしていた。
それを話すと。
「あんた、それを警吏の耳の届くところでいわないほうがいいよ。もしもそんな自由な発言を、警吏にきかれたら、二度と、自由に旅をすることも、おいしいものを食べることもできなくなってしまう。いいね、二度と、そんなことはいわないことだ」
ウサギは、サンドイッチを食べながらいった。
「それはそうと、あんたかかしが知りすぎたことについては関心ないのかい?」
「ある」と、アーテ王女はいった。
すると、ウサギは、まるで、アーテ王女と話している間に、考え方が変わったとでもいいたげに、
「かかしはね」と、自身積極的に話した。「この世界に闇があることを知ってしまったのさ。それは、決して見ることができない闇であって、もしも見てしまったなら、二度とは戻れない闇なんだ」
「闇?」
闇・・・・・・。
「そう。この世には、二種類以上の価値観があって、それらが互いに切磋琢磨して、この世界を構築しているという思想さ。それが、闇だ」
しかし、それは当たり前のことではないか。
アーテ王女がおもっていると、
「しかし、当たり前のことが、一番危険であるということがある。それが、この例さ。単純なことほど、人の耳に語りかけないものはない。人にとって、わかりやすすぎることほど、・・・・・・にとっては危険な思想なのだよ・・・・・・つまりは構造さ。この世界をかたちづくっている構造に、かかしのやつは切り込んだ、そのためにあいつは今、奈落を行い世界にいると、いうことだ」と、ウサギは言葉をきって、「あんたは不思議な女の子だ、あんたと話をしていると、普段は絶対に言わないことでも、ついつい話してしまいたくなる。不思議だ」
そういうと、ウサギは眠くなったのか、横になった。
「もう、わたしは寝るよ。あんたと話していると、わたし自身、このあと、奈落の世界に落とされかねないことになりそうだいや、寝る。だから、もう、質問したりしないでくれ、はああ、眠い」
「・・・・・・・・・・・・」
そういうと、ウサギは二度とは起きないといわんばかりに、高いびきを立てて眠ってしまった。
ウサギは起きない。
ウサギの話はもうおしまいなのだろうか、ウサギがしゃべらないので、どうやらそうらしかった。そうして、もう、同じ質問も、出来そうにはなかった。ウサギは今だったから、アーテ王女に話をしたのであり、今、この瞬間を除いては、その話は聞けそうにはなかったからである。
なぜなら闇である。それが、社会に存在する闇であるから、聞いてはいけないのである。いや、『奇跡を行う国』の、闇。
アーテ王女も、ウサギがねむってしまったので、眠ることにした。
アーテ王女は寝台に横になると、電車のゆれに導かれ、
がたん、ごとん、
がたん、ごとん。
連日の接客で疲れていたのか、あるいは、さっき魔術というものをつかって、疲れたのか、いつの間にか、自身が気がついたときには、いや、気がつかなかった、とにかくアーテ王女のまぶたは重く、いつの間にか、眠りについていた。
『奇跡を行う国』
アーテ王女が目覚めると、いつの間には時刻は朝になっていた。
どれくらい眠ったのだろうか。
見ると、窓ガラスの外から、おびただしい量の日の光が、差し込んでいた。
窓は、東の空をさしているのだろうか。
アーテ王女はおきあがった。
窓の外を見る。
するとそこには動く景色があった。
列車は田園地帯を移動している。
アーテ王女が起きてみると、ウサギも、小人の商人も、そこにはいなかった。
どうしたのだろう。
目的地に着いたのだろうか?
いや、汽車は今も動いている。まだ、目的地には着いてない様子であった。
アーテ王女がおもっていると、
トントン、とんとん、
ドアをノックするおとがして、部屋の中にウサギと小人の商人が、部屋の中に入ってきた。ウサギが、
「いやあ、いい朝だ。お? アーテ王女はお目覚めかい? わたしらもう、洗面を済ませたよ、あんたもいってくるといい、それからご飯だ、食堂車がある。当然だろう、これは夜行列車。長旅をする人を乗せる汽車だ」
そういうと、ウサギと、小人の商人は、また、再びたぶん寝台車から、食堂車へと消えていった。
アーテ王女はどうしよう。
とりあえず、ウサギにいわれたように、顔を洗いに行くとことにした。
顔はトイレの洗面台であらうことができた。
顔は、備え付けてある、手拭紙できれいに拭った。
あとは朝食である。
それは、アーテ王女が食堂車に向かっていたときである。
アーテ王女が食堂車に向かうと、その途中で奇妙な一団に出くわしたのである。
まるで牧師みたいに黒い服を着て、黒いサングラスをかけていて、・・・・・・まるで、何かを吸い込むためにやってきたような顔をしていた。
アーテ王女が見ていると、アーテ王女がそれらの一団と、寝台車の前でとおりすぎるとき、言葉を発したようだった。
「?」
アーテ王女が疑問におもったのは、その言葉が、どうにも、短かったからと、つなげて読めとでもいっているようだったからである。
アーテ王女が黙ってその黒い服の一団をとおりすぎると、
「アーテ王女」
「あなたは」
「わたしたちの」
「敵」
「・・・・・・・・・・・」
それだけが、黒い服の一団から読み取れた、いったいどういう連中なのだろう。
アーテ王女がおもいながら、歩いていると、
追ってこないかしら?
追ってくる様子はない、どうやらどこかの寝台車に入ったようだった。
敵?
アーテ王女が不審におもっていると、前から、
「やあ、アーテ王女」ウサギである。「なんていう顔をしているんだい? あんた、まるで何か、とてつもなく運命的なものに近づいたような顔をしているけれど、本当かい?」
すると、ウサギの肩に乗っかった商人が、「あんたもあったのかい? あの連中に。あの連中は、『黒服の手』と呼ばれる宗教団の人間たちで、何かにつけて、人と敵対しようとそのように考える人間だ、あんたもいわれたんだろう? 敵だって、気にしないことだ、あいつらは言うだけはいうが、それ以上何も出来ない人間たちだよ」
「はあ」
「いうものさ、あんたみたいにちいさな女の子が不思議な魔術を使うことが出来れば、あたしだって、言いたくもなろうよ、あんた、少し恐ろしいところがある、何でも出来てしまう、そのへんが、このあとあんたにとって、重大な結末を用意しているかもしれないから、注意することだ」
こんどはウサギが、
「さあ、そんなことより食事だ、朝食をとろう、何? アーテさん、あんたお金を持ってはいないのかね? それなら高いものはためない、乗車券とセットになっている、朝食をとることだ。さあ、いこう」
朝食。
アーテ王女が列車最後尾の食堂車に足を進めると、
「さあ、ここだ、おいしいものをたんまり食べよう」
席を探して、四席があいている席を見つけて、座る。
座るとすぐに、ウェーターが、メニューボードを持ってきた。
「マドモアゼル?」
ありがとう。
アーテ王女はメニューをお礼を言って受け取った。
開く。
すると、中にはアーテ王女が読めない『奇跡を行う国』の文字がいっぱいにかかれていた。
どうしよう。
アーテ王女が困っていると、ウサギが、
「そうか、旅人さん、あんた、『奇跡を行う国』の文字が読めんかったのか。このぐらいのものは、出来れは読めるようにして、きたほうがよかったかもしれんが、まあいい、今回はわたしが訳して注文してあげよう。何を食べたいかね? といっても、あんたは文無しだから、乗車券にセットになっているメニューしか、手中に収めることはかなわんが・・・・・・」
アーテ王女が答えに窮していると、
「つまり」
と、小人の商人が、テーブルの上で、
「Aメニューか、Bメニュー。どっちにするかだ」
Aメニューは?
「ええと、目玉焼きにコーンブレッドに、マーマレード、牛乳」
Bは?
「ええと、スクランブルエッグに、食パン、チョコレートソースに紅茶」
Bをお願い。
「そうかい。それはいい、あんたはチョコレートが好みかい。あんたの嗜好がよくわかって料理というのは実にいいもんだ。それはそうと、あんた、紅茶好き? 今、『奇跡を行う国』では空前の紅茶ブームが起きているんだよ、もしかしたら、あんたもこのあとそれにお世話になるかも知れないね」
注文。
しばらくすると、アーテ王女と、小人の商人と、ウサギの元に、食事がはこばれてきた。
小人はミートローフをおいしそうに、大きなホークで食べたし、ウサギは好みのコーンスープを音を立てずにうまく食べた。
アーテ王女が食パンにチョコレートソースを塗って味わっていると、
「当列車は奇跡を行う国行き、急行、もうしばらくで、『奇跡を行う国』に到着いたします。お降りの方は、お手回り品の用意をお願いいたします」
すると、窓の外の光景が、田園風景から、町の景観へとかわっていった。
何か、鉄の板を組み合わせて作ったような家が、いくつも並んでいる。
『奇跡を行う国』?
「これは大変だ」
ウサギが料理をほお張りながらいった。
「早いところくって、降りなくては」
「そうだ」
しかし、小人の商人は、
「わたしは食べるのに、相当な時間がかかる。もしかしたら残さないとならないかも知れない、そのときは、あんたが残りの分をくってはくれんかのう?」
「いいだろう、あんたが残した分は、わたしが胃袋に放りこむよ」
すると、二人は急いで料理を食べ始めた。
アーテ王女も二人に負けんばかりと、料理を胃袋に押し込み始めた。
食べ終わる。
ウサギが、「いやあ、よく食べた。これだけ食べたのは、『奇跡を行う国』について、そこの一級レストランに入ったとき以来だよ、いや、本当」
「それはそうと早いとこ、手荷物の片付けに移ろう、『奇跡を行う国』はもうすぐだって、アナウスがあっただろう?」
「そうだな、忘れ物がないように、しなければならない」と、ウサギは、思い出したようにいった。「あんたも忘れ物をしてはいけないよ、この列車は急行、『奇跡を行う国』、バンズ間を結ぶ、列車だから、もしも忘れものをしたとなると、次の回まで、忘れ物を届けてはくれないから」
三人は、コンパートメントへ下がった。
身支度をして、下車を待つ。
忘れ物はない。
というより、アーテ王女はないものも、手荷物の中からは、出してはいなかったから、用意をする必要は何もなかった。
「さあて、これで、あとは『奇跡を行う国』に降りるだけとなった。待ち遠しいね、『奇跡を行う国』が、あたしらこの国に来るのは幾度もあるが、毎回違った表情を見せてくれるこの町が、好きで好きで、しょうがない・・・・・・」
「あと、十二分ほどで到着となります。重ねてお伝えいたします、お手回り品の管理、よろしくお願いいたします」
ウサギが、
「あんた、もう、降りる用意は出来たのかい? そうか、そうか、なにも荷物からは出していない、それがいい」
しばらくすると、列車は駅のホームに流れこんだ。
暗い。
地下だろうか、列車の降車口は。
どうも、そうらしかった。
アーテ王女がしばらく、外のようすに注意を向けていると、どうやら暗い空間をいくつか抜けて、そうしてホームになだれこむようすであった。
明るいライトのある空間が、さいごに現れた。
『奇跡を行う国』、アーテ王女の目的地である。
* * *
列車が止まる。
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