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村への侵入
しおりを挟む「村に入る方法はあるの?」
ろえううぇ。
少女に聞くと、少女は、答えました。
「この山小屋の北のほうに、入り口があるわ。・・・・・・入り口は洞窟につながっていて、むかし
やまで掘った採掘のための洞窟なの。いまでも、村のほうにつながっていて、それが、村の外に出ら
れるわ」
「村からきた人だけど、こっちに来るかしら?」
「もしかしたらくるかもしれないわ」
村のほうからくると、それが怪物のためとわかるかもしれない。
「怪物化するガスが帝国のどこかにあると聞いていたが、それがこの場所にあるとは、大変不思議な
ことだ」
えりええが、おもいぶかげにいいました。
「怪物によってどんなことがおきるかも心配だ。むらいがいの遠くのほうにも影響があるかもしれな
い」
しばらくして、周囲がもっとしずかになりました。
しずかな様子で、しゅういから独立して、だれも来ないので、風がやまなくても、夏の涼しさを途絶
えませんでした。
下の木のほうから、風の音がして、その音が、山小屋までとどくと、それぞれ近くの木が同じように
風に揺れていて、それが近くから、また遠くへと移り変わり、不思議な音を鳴らしていました。
「休むわ」
ろえううぇが、みんなに指示していいました。
しばらく、むらに接近したこともあり、また、ずっと山道を歩いてきたこともありつかれていたので
、この山小屋で休憩することにしました。
しばらく休んでから、村へといってみて、その様子を見ようとおもいました。
それから三時間ほど休んでから、村の方向へと歩いていきました。
村のほうにある、入り口は、木の間にあり、しばらく山小屋のあったがけから歩き、その入り口を目
指していきました。
入り口は、木の間に隠されていて、新たに目隠しがされていました。中は暗く、まったくなにも見え
ません。
「どうしようかしら?」
ろえううぇが、えりええ、またほかのひとにききました。
「村にあることを考えてみると、どうやら工場だ。工場は、まだ、稼動しているのだろう。工場から
でて、村の水溜りにぶつかる排水をとめることができると、きっと、工場排水を閉ざして、その黒く
もも、また、人の症状のこともなおすことができると思う」
「村にはいって工場に入りますが、もしかしたら、あぶなくないでしょうか?」
「・・・・・・もしかすると、どのようにしているのか、不思議ですが、工場から出た排水をどうい
う風にして除去することができるでしょうか?」
「工場排水をとめるための弁が、工場の一箇所に集まっているに違いないが、どうかわからない。
もしかすると、それをとめればいいのではないかとおもうね」
えりええは、工場にもくわしくて、そのむらでの稼動を考えて、いっていました。
「・・・・・・では、 場合によっては、数箇所を、とめる必要があるのでしょうか?」
「そうだね。すると、すうかい程度、かかって、その排出口を調べないといけないかも知れないね」
洞窟のほうにはいっていきました。洞窟は暗く、人がいる気配はありませんでしたが、どこにも灯り
がないので不思議です。
風がまえからくるので、その方向にむら側の入り口があると思いましたが、足元も真っ暗であるくこ
とができませんでした。
たいまつをもっていたのを取り出して、少女が持っていたものでしたが、つけました。
たいまつをつけるとあかりが周囲にひろがって、それが洞窟のかべにぶつかりました。
壁にぶつかった様子を見ていると、その壁に広がる灯りが、それよりも奥に進み、その灯りが、さら
にその先にあるくらい壁の様子を照らしました。
灯りのおくにある様子では、大変暗いのでわかりませんでしたが、それが、遠くから来る風にゆれて
いました。
灯りは、その灯りのそばを通る風に揺られて、その揺らぎを見せますが、火がつよいので、消えませ
ん。
灯りを、その奥へと伸ばしていって、どんどん洞窟を進んでいきました。
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