10 / 16
第五部第二部
しおりを挟む「まあ? 神の舌? ウィンティア嬢が?」
「ええ、彼女の味覚は特別ですの。それに面白いアイディアも飛び出しますのよ」
と、セシリア女公爵が、ちょっとだけ、私が開発したメニューを説明。いや、開発というが、再現しただけなんだけど。
「まあっ、マレッフィトホテルの夏限定冷製パスタは、ウィンティア嬢が? 私、あれ大好きですのっ」
「エヴァエニエス侯爵夫人にそういって頂けて光栄です」
冷製パスタ用のパスタができたのが大きいだけ。
他にも色々作ったなあ。
最近、ウーヴァ公爵家シェフのジャンも、かなり作っているしね。私の料理ではジャンをよく使うからね。
「ふふっ、もう一人息子がいたら、是非うちにも来て欲しいわね」
ご冗談を、と、おほほと笑うセシリア女公爵とエヴァエニエス侯爵夫人。
次の領地で行う祭りで、子供達に出すお菓子のアイディアを頼まれてしまった。いつもはクッキーだって。うーん、なら、たい焼きとか回転饅頭や人形焼きを提案した。
後日、祭りで大好評だったと、丁寧なお礼状を頂いた。
あっという間に時が過ぎ。
私は無事に中等部を卒業した。数日後には、高等部に進学する。
この数日間で色々ある。
レオナルド・キーファーが帰ってくる。そして、ウーヴァ公爵家主宰の大規模なお茶会だ。色々発表がある。
このお茶会で、私はデビュタントし、その流れでレオナルド・キーファーとの婚約発表だ。もちろん、婚約発表はキャサリンには内緒。秘密裏に準備が進む。
デビュタント用の真っ白なドレスは、なんと人気デザイナー、マダム・ガーヤが作ってくれた。凄く素敵なドレスに仕上がっている。
「あの小さかったお嬢様がっ」
試着したら、ナタリアがハンカチで涙をぬぐう。
確かに、この二年の年月が、ウィンティアを成長させた。身長が伸びて、子供のつるぺたから女性らしい身体に。山岸まどかよらありますよっ。ちょっとだけねっ。
ナタリアのデビュタントは、ユミル学園進学後に、教会で行った。父親の代わりを勤めたのは、キリール・ザーデクの友人、ナタリア達をあの葬儀の日に、三人を保護したコロッズ男爵だ。いい人なんだろうが、ごついおっさんの半泣きには引いたけどね。
ナタリア達ももちろん呼んである。ナタリアは代理とは言えザーデク子爵だからね。もちろんヴァレリーも来る。マルティンは子供控え室ね。ナタリアの衣装は、生物学上の母親が、ドレスをリメイクした。ナタリアの深い茶色の髪に合うような、うす緑のドレスだ。
私は卒業し、ローザ伯爵家に戻らず、ウーヴァ公爵家に。本日レオナルド・キーファーが帰って来るから、色々ご飯を作らないとね。
シェフさん達とわいわい準備。
「ウィンティアお嬢様っ、レオナルド様がお帰りですっ」
「あ、はいはい」
帰って来たね。
私はエプロン姿のままお出迎え。
あ、帰って来た。うん、二年がレオナルド・キーファーを更に大人の男性に。右頬の傷も、思っていたより小さい。
私を見つけたレオナルド・キーファーは、ものすごい勢いでダッシュ。ひしっ、と抱き締めてきた。
……………………
「ちょっとちょっと落ち着いてくださいーっ」
「ええ、彼女の味覚は特別ですの。それに面白いアイディアも飛び出しますのよ」
と、セシリア女公爵が、ちょっとだけ、私が開発したメニューを説明。いや、開発というが、再現しただけなんだけど。
「まあっ、マレッフィトホテルの夏限定冷製パスタは、ウィンティア嬢が? 私、あれ大好きですのっ」
「エヴァエニエス侯爵夫人にそういって頂けて光栄です」
冷製パスタ用のパスタができたのが大きいだけ。
他にも色々作ったなあ。
最近、ウーヴァ公爵家シェフのジャンも、かなり作っているしね。私の料理ではジャンをよく使うからね。
「ふふっ、もう一人息子がいたら、是非うちにも来て欲しいわね」
ご冗談を、と、おほほと笑うセシリア女公爵とエヴァエニエス侯爵夫人。
次の領地で行う祭りで、子供達に出すお菓子のアイディアを頼まれてしまった。いつもはクッキーだって。うーん、なら、たい焼きとか回転饅頭や人形焼きを提案した。
後日、祭りで大好評だったと、丁寧なお礼状を頂いた。
あっという間に時が過ぎ。
私は無事に中等部を卒業した。数日後には、高等部に進学する。
この数日間で色々ある。
レオナルド・キーファーが帰ってくる。そして、ウーヴァ公爵家主宰の大規模なお茶会だ。色々発表がある。
このお茶会で、私はデビュタントし、その流れでレオナルド・キーファーとの婚約発表だ。もちろん、婚約発表はキャサリンには内緒。秘密裏に準備が進む。
デビュタント用の真っ白なドレスは、なんと人気デザイナー、マダム・ガーヤが作ってくれた。凄く素敵なドレスに仕上がっている。
「あの小さかったお嬢様がっ」
試着したら、ナタリアがハンカチで涙をぬぐう。
確かに、この二年の年月が、ウィンティアを成長させた。身長が伸びて、子供のつるぺたから女性らしい身体に。山岸まどかよらありますよっ。ちょっとだけねっ。
ナタリアのデビュタントは、ユミル学園進学後に、教会で行った。父親の代わりを勤めたのは、キリール・ザーデクの友人、ナタリア達をあの葬儀の日に、三人を保護したコロッズ男爵だ。いい人なんだろうが、ごついおっさんの半泣きには引いたけどね。
ナタリア達ももちろん呼んである。ナタリアは代理とは言えザーデク子爵だからね。もちろんヴァレリーも来る。マルティンは子供控え室ね。ナタリアの衣装は、生物学上の母親が、ドレスをリメイクした。ナタリアの深い茶色の髪に合うような、うす緑のドレスだ。
私は卒業し、ローザ伯爵家に戻らず、ウーヴァ公爵家に。本日レオナルド・キーファーが帰って来るから、色々ご飯を作らないとね。
シェフさん達とわいわい準備。
「ウィンティアお嬢様っ、レオナルド様がお帰りですっ」
「あ、はいはい」
帰って来たね。
私はエプロン姿のままお出迎え。
あ、帰って来た。うん、二年がレオナルド・キーファーを更に大人の男性に。右頬の傷も、思っていたより小さい。
私を見つけたレオナルド・キーファーは、ものすごい勢いでダッシュ。ひしっ、と抱き締めてきた。
……………………
「ちょっとちょっと落ち着いてくださいーっ」
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる