年下研修医の極甘蜜愛

にじ-2416sky-

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Story 32

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「大丈夫?」


 腕の中でくったりとする彩を、仁寿がふかふかのタオルで拭く。彩はなだれるように仁寿の胸に体を預けてされるがまま。とろんとした目で仁寿を見つめて、荒い呼吸を繰り返す。体を触られただけなのに、足腰が立たない。


「仁寿さん。タオルを……、貸してください」

「いいよ、僕が拭いてあげるから」

「いえ、仁寿さんも。ちゃんと拭かないと風邪ひいちゃう」

「熱なんか出したら、研修に影響していろいろと困るよね」


 彩は、そうじゃないと首を横に振る。医局秘書として心配しているのではなくて、純粋に心配だからそう言ったのだ。


「優しいね、彩さんは」


 彩の髪を丹念に拭きながら、仁寿が嬉しそうにほほえむ。

 全部を言葉にしなくても、言いたいことを正しく理解してくれる。見た目はかわいい雰囲気で朗らかなのに、中身はやっぱり冷静なお医者さんだと思う。

 頭には知識とか学識がぎっしり詰まっていて、人を観察する視点も鋭い。相手に合わせるのもすごく上手だから、違和感なく自然でいられる。年下なのに、なにもかもが足元にも及ばないよ――。

 仁寿が、体を拭いてバスローブを羽織る。そして、彩を棚から取ったバスローブで包んで横抱きにした。突然のことに驚いて、彩は咄嗟に仁寿の首元に腕を回してしがみつく。


「……っ! びっくりした。細いのに、力持ちなんですね」

「いや……、くっ、これは鍛えないとだめだな。ウェディングドレスを着た彩さんをお姫様抱っこするのが僕の夢なんだ。でも、腕が震える。あと一年で腕力つくか……、なッ!」

「わたしが重いのが悪いんじゃないですか?」

「違う。僕の腕力が貧弱なせい」


 彩はどちらかというとやせ型だが、身長も成人女性の標準くらいあって体重もちゃんと大人の重さだ。いくら筋肉質な体を持つ男性だからって、特に鍛えてもいない普通の人が、簡単にお姫様抱っこなんてできるわけがない。


「それにしても、仁寿さんの夢……」

「素敵でしょ?」

「んー、ノーコメント」

「ちょっと、なんでー? お姫様抱っこ、憧れない? 僕は憧れる」


 どうして仁寿さんが。どちらかというと女の人が憧れるものじゃないのかな、と笑いながら、彩は一つ気になる質問をした。


「ところで、あと一年でとかなんとか聞こえた気がしたのですが」

「できたら、初期研修が終わるころまでに結婚したいから」

「えっ、急ですね。あと一年と数カ月しかない……」

「きっと、あっという間だよね。彩さんはずっと研修の担当をしてきたから、知ってるんじゃない? 研修中に結婚する人が多いって」

「ええ、まぁ……。いろいろと融通が利くの、研修の間だけですもんね」

「うん。指輪どうしようか。お互いの実家に挨拶を済ませたら、一緒に買いに行こうよ」

「……は、はぁ」

「彩さんとの誓いの証だもん、全部の指にはめたい気分だよ。でもさ、仕事中は衛生上、やっぱり指輪はできないよね。うーん、そうだな。救急の先生みたいに、ネックレスに通すのはどうだろう。妻一筋な感じでいいって、看護師さんたちが言ってた」


 仁寿の顔を見あげる彩の目が点になる。


「どうしたの? 僕、変なこと言ったかな」

「……いえ」


 話の展開が電光石火なのには、もういい加減に慣れよう。彩は仁寿にしがみついたまま、肩を揺らして笑った。


「あの、自分で歩きましょうか?」

「ううん、僕に任せてよ」

「じゃあ、落とさないように……。よろしくお願いします」


 ぎこちないお姫様抱っこで、仁寿がベッドルームに直行する。
 オーシャンビューの窓から夜空をいろどる花火が見えたから、部屋の明かりはつけずに、サイドテーブルのランプをともすだけにしておく。

 キングサイズのベッドに彩をおろして、仁寿が寄り添うように隣に座った。

 花火の閃光が夜闇に溶けるように消えて、雪が二人の視界をふわりふわりと漂いながらおりていく。そしてまた、大輪が空に幾重もの光彩を描いた。


「彩さん、寒くない?」

「はい、寒くないです」

「花火、きれいだね」

「はい、きれいですね」


 ふっと軽やかな笑い声が聞こえて、彩は不思議そうな顔で隣を見る。


「彩さんは、一緒にいてすごく居心地がいい」

「そうですか?」

「うん。だから、僕は彩さんがいいんだ」


 視線を花火に向けたまま、仁寿が彩に体をくっつけた。花火の華やかな光に投影された二人の影が、白いシーツの上で一つになる。

 彩は、仁寿の横顔を見ながら内心で大きく深呼吸した。


「わたしも……ですよ、仁寿さん」

「本当?」


 仁寿が彩の顔を覗き込んで、返事を待たずにキスをする。どれだけキスするつもりなんだろう。少し呆れて、でも気持ちがいいから、彩は仁寿に身を任せた。

 キスの角度を変えながら、仁寿が彩を押し倒す。


「ん……っ」


 バスローブの前を左右に開かれて、胸の柔肉を荒い手つきで揉みしだかれた。シャワーブースで一度達した彩の体は敏感で、すぐに腹の奥がぐずぐずと疼きだす。


「……ふ……んんっ、……ぅう……んっ…」


 シャワーブースでの愛撫ですっかりいきり勃った乳首を指先で引っ掻かれて、肢体がびくりとはねた。どこに逃がせばいいのか分からない快感の波が、あっという間に体中に広がっていく。

 口内をくまなく舐め回されながら、同時に臍下部と無毛の恥丘をそわそわとくすぐるようになでられると、恥ずかしいところがじわりと湿る感じがして腰が浮いてしまう。


「……んんッ!」


 仁寿の指先が、さっき包皮を剥かれたばかりの淫核をこねた。ぷっくりと熟れて、秘裂でその存在を主張するように硬く尖ったそれを、またぐりぐりといじめられる。

 彩の唇をちゅうっと啜るように吸って、仁寿が股間に顔をうずめた。指で割れ目を大きく広げられて、つるんと真っ赤に熟した肉粒を舌先でちろちろとつつかれる。あられもない場所を見られて、口淫されている羞恥に身悶えてしまう。


「……や、それ……、だめ……っ」


 身をよじって閉じようとする彩の太腿を押さえて、仁寿が唾液をたっぷり絡めた舌でぴちゃぴちゃとクリトリスをねぶる。陰孔が、それに反応するようにとろりとした甘蜜をこぼした。

 生ぬるい仁寿の舌が、固くなったり柔らかくなったり器用に形を変えながら秘裂を丁寧に舐めあげていく。

 舌の先が花洞を割って、口が汁を啜るような音を立てながら秘処を吸い、さらには後孔のあたりまで舐められて、彩はシーツを逆手に握りしめて喉をのけ反らせる。


「ふ……、う……ぅんんッ!」


 硬くなった淫核を吸われて、両脚がびくびくと震える。皮を剥かれた秘芽は、神経の塊のように敏感だ。息がかかるだけで鳥肌が立ち、強い刺激を与えられるとたちまち鮮烈な快楽に全身が支配される。

 体が、熱い。下腹の奥でじんじん疼き続ける、このもどかしくておかしくなりそうな熱を早くどうにかしてほしい。


「じん……じゅさ、……んっ、もう……っ」


 彩が、息を乱して懇願するように言う。


「もう、挿れていいの? ここがまだなのに」


 彩の耳たぶを噛んで、仁寿がくちゅくちゅと卑猥な音を響かせながら、円を描くように指で蜜口をなで回す。首元を舌が這い、軽く歯を立てられた。

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