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リリベルの初夜※
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執務を終えた殿下が帰ってくる。何とも不思議な光景だった。自室で読書をしていると急に扉が開いたのだ。そして振り返る頃には殿下の腕に包み込まれていた。
「で、殿下、執務お疲れ様です。」
そういうと殿下は嬉しそうに私を抱きしめる力を強くする。
「ああ。帰ってきて部屋にリリィがいるなんて、私は誰よりも幸せだ。」
大袈裟だなと思いつつ、そう思ってもらえることは嬉しかった。
「リリィ。今日は父上も早く執務を切り上げて一緒に食事を取ろうという話になっているがいいかな?」
「ええ。いいですわ。」
「父上は忙しすぎてきっと食事を共にするのは限られてしまうけど、避けているわけではないから、気にしないでくれ。」
その言葉に、陛下も殿下も私のことを気にしてくれているのだと分かった。
「ありがとうございます。理解しています。」と笑ってみせた。
「今日のリリィはとっても美しかったな。会場の視線は全てリリィに向けられていたね。」今日のことを思い出しているのか、殿下が微笑む。
「まあ、殿下ったら。婚約式なのですから、私たちに視線が集められていたのですよ。」と返す。
すると殿下はピクリと反応した。
「リリィ。私達はもう婚約したのだから、殿下ではなくレオンと呼んでくれると私は嬉しい。」
そう言って私を引き寄せる。
「で、殿下。」
引き寄せられた驚きで、咄嗟にいつものように呼んでしまう。
「呼んで。リリィ。」
真剣な顔が私を見る。それだけで、私の心臓は飛び出そうなほどドキドキしていた。
「れ、レオ…ン。」
顔が真っ赤なのが分かる。殿下を見ると満足げにしていた。
「沢山呼んで早く慣れて欲しいな。リリィ。今日からよろしくね。」
そう言って少し意地悪そうな顔で笑う。
さて、そろそろ食事に行こうか。父上も来る頃だろう。と2人で食堂へと向かった。
食堂の椅子につくと陛下が遅れてやってきた。
「いや、待たせてしまってすまない。」
「いえ、私もリリィも今きたところです。」
「そうか。それならばよかった。では食事を始めようか。」
コースの料理が運ばれてくる。話を楽しみながらそれをゆっくりと食べ進める。
陛下は意外にも話しやすいお方で、陛下にもリリィと呼んでもらえることとなり、光栄だなと思った。
「こんなに素敵な御令嬢と息子が婚約できるなんて、運命には感謝だな。」
そう言って陛下は笑う。
「自分の好いた相手が運命の相手だということが、私には羨ましくて仕方がないよ。」
先ほどまでの笑顔は消え、寂しげな顔をする陛下に声をかける。
「陛下?」
「あ、ああ。すまんすまん。私はもうお腹がいっぱいでね。後は楽しんでおくれ。」
そう言って陛下は食堂を後にした。
陛下の後ろ姿を目で追う私に、殿下は口を開いた。
「父上の…父上の運命の人は母ではなかったんだ。」
「え?でも凄く仲が良かったと歴史では学びました。」
「ああ、そうだ。父上と母上は仲が良かったんだ。父上は町娘だった母上に恋をして、政略結婚で運命の相手と言われていた令嬢と別れて母上と結婚した。」
殿下の口から私の知らない歴史が語られていく。
「母上は町娘。魔力も少なく、知識も無かったから沢山の反対を受けたらしい。マナーも知識も沢山勉強し、そしてやっと王太子妃の座についた。
父上の運命の相手は母上では無い。そうミアリサに言われたらしい。それでも愛し合った2人はそれを押し通し、そして母上は私を産むときに死んだんだ。」
考えられないほど辛い出来事だ。
「父上は未だに母上を愛している。だから王妃も側室もいないんだ。
父上は私に運命を守らせようとした。自分のようにならない為に。…私の運命がリリィで本当に良かったよ。」
「さあ、そろそろ部屋に戻ろうか。」
そう言って私の手を取って歩き出した。
___
部屋に付くと湯あみをする。私はオーウェン邸にいたときに自分でやっていた為、侍女の手伝いを断り、せめて寝巻きは用意させて欲しいという侍女の話だけを受け入れた。
湯あみをすると1日の疲れが取れる。そして髪を流して寝巻きへと着替えた。
するとあることに気づく。何故か裾が短い気がするのだ。
いつものネグリジェは腕や胸元が冷えないように薄い布で覆われており、裾はくるぶしほどの長さまであるのだ。それなのに、今日のネグリジェはキャミソールの肩紐に、胸元は開いている。そして何よりも裾は膝が見えるほどの丈なのだ。
今日はいつもよりも暑い夜になるのかもしれないと納得し、とりあえず薄い上着を着ることにした。
湯あみを終えると殿下も同じく別の部屋で湯あみを終えて出てきた。殿下は私を見て一瞬動きが止まる。私はそれを見逃さなかった。
「今日はいつもよりも暑いのでしょうか?用意されていた物がこれしか無かったのですが…変ですよね?」
その言葉に殿下は、いいや、慣れない場所なのだから暑く感じるかもしれないと思ったのではないだろうかと言う。
私は再度納得し、殿下と一緒にルイボスティーを飲んで喋った。
今日の疲れもあって、眠くなった頃、そろそろ寝ようかと殿下に言われる。するとベッドが一つしかないことに気付いた。
「あれ?殿下、ベッドが足りないようなのですが、私はどこに寝たら良いのでしょうか?」
私はキョトンとして殿下に問う。
「ん?ウィルはそこまで教えなかったのか?もちろん、1つのベッドで一緒に寝るのだ。」
私は一緒の部屋で別々のベッドで眠るとばかり思っていた為、驚いた。
殿下を振り返ると部屋の電気を魔法で次々に消していく。羨ましい能力だ。と感心する。そして残るはベッド脇の灯りだけになった。
「リリィ?」
心配そうに殿下が顔を覗き込む。
私は
「寝相が悪くても笑いませんか?」とだけ確認した。
布団に入ると2人とも向き合う。なんだかお泊まりみたいで楽しいと思った。
「リリィ。」
名前を呼びながら殿下が抱きしめてくれる。私は嬉しくて殿下の胸に顔を埋めた。
「リリィと一緒に眠る日が来るとは。」
「私もです、殿下。」
ついいつものように殿下と呼んでしまった私に乱暴なキスをする。
「殿下じゃない。」
「あ、ごめんなさい。レオン…」
「ちゃんと呼んでくれないと罰としてキスするからな。」
黒い笑みを浮かべる殿下…ではなく、レオンに私は言った。
「私はれ、レオンとキスするのが好きなので、罰ならば沢山受けたいくらいです。」
そう言ってレオンを見上げた。
するとレオンは顔を逸らしていた為、表情が分からなかった。
「リリィ。本当に可愛らしいな。沢山キスしてもいいのかい?」
私の視線とレオンの視線がぶつかる。そして、私はコクリと頷いた。
ベッドの中で何度もキスをする。初めは慣れなかったキスも、レオンのおかげで徐々に慣れてきた。
優しいキスを何度も交え、深く長く変えていく。殿下の舌が私の唇を舐める。それが恥ずかしくて私は少し口を開いた。
殿下は唇の隙間から舌を入れ、私の口内を犯す。今までにしたことのない程キスを続け、私は息が上がっていた。
「んっ…はっ。ぁ。殿下っ。」
私は殿下のキスに溺れる。
「リリィ。ちゃんと名前で呼んで?」
ちゅっとリップ音が聞こえる中で、レオンは私にそう言った。
「んっ。…ちゅっ。れ…ぉんっ。」
すると返事をするかのようにレオンは私に口付けをする。
目がよく開かない。私はレオンのキスに溺れていた。
レオンは私の上に馬乗りになり、様々な場所にキスをしていく。
額に、頬に、首に降りていき、鎖骨へとキスを落とす。私はその度にピクッと体が跳ねてしまう。
その様子を伺うレオンの目を逸らして恥ずかしさを堪える。
すると殿下は急に胸を触り始めた。
「ひゃっ!で、殿下!」
私は殿下の行動に驚いて呼び止める。
胸を隠そうとした私の腕を、殿下は頭上で拘束し、胸への愛撫を続ける。
「んっ。で、殿下。」
揉まれていた胸はいつの間にか脱がされて露わになっていた。私は恥ずかしさで殿下を見ることができず、顔を背ける。
すると胸に感じたことのない感触を得た。
「ぁぁっ!」急な胸への刺激に声が漏れる。温かくて湿っている、生き物のような動き。それが何かを確認する。
するとレオンが胸に顔を埋めている。
「れ、レオン!」
「やっと呼んでくれた。」
ニコッと笑って離れるレオン。私は解放された手で胸を隠した。
「い、一体何ですか?」
私は状況が分からずに殿下に聞く。
「何って、初夜だよ。」ニッコリと笑う殿下は反省していないようだった。
「初夜…初夜ですけど、こんなにも恥ずかしいことをするものなのですか⁈」
ポカンと口を開けた殿下が笑う。
「ああ、リリィ。申し訳ない。知っていて私を煽っているものとばかり思っていたよ。」
ちゃんと優しくする。私に任せて欲しい。と優しく囁かれた。
私はレオンは間違ったことをしているわけでもなく、意地悪しているわけでもないのだと分かり、少し電気を暗くして欲しいとお願いした。
「リリィ。リリィの胸は綺麗な形をしているね。思っていたよりも大きい。」
「ひ、人と、比べたことがないのでっ。んっ…わかりませんが、殿下が褒めてくれるのなら、嬉しいですっ。」
殿下は胸を弄る。今度は手を押さえていない為、両方同時にされていて、声が上ずる。
「ああ。好きだ。リリィの何もかも。」
そう言って片手で胸を触り、もう一方を口に含む。
「やぁっ。」
突然の快感に声が出る。私はどうしても出てしまう声を必死で押さえた。
「んっ。ふぁっ…んっんぅっ。」
「リリィ。恥ずかしいことじゃない。もっと声を出していい。リリィの声が沢山聞きたいんだ。」
そう言って殿下の舌が私の胸にある蕾を弾く。
「はぁっんっ。」
私は慣れない快感に耐えながら殿下を見る。殿下は私の着ていた服を全て脱がした。
「きゃぁっ!」
咄嗟に布団で体を隠す。そんな私を愛おしそうな顔で見つめていた。
「リリィ。大丈夫。綺麗だよ。」
そんな言葉を並べられながら私は布団を剥がされていく。
露わになった私の体を見て、レオンはゴクリと唾を飲む。
「リリィ。」
「ぁ、レオン。」
両手で胸を弄りながら私にキスをする。
私は声を漏らしながらもキスを受け止めた。
「んっあぁっ。はっ。んんぅっ。」
「リリィ。トロトロだ。」
そういって胸にあった手を足の間に滑り込ませる。
触られたことのない場所に私は抵抗をしたが、大丈夫だと言われてレオンに任せた。
クチュクチュといやらしい音が響く。
指を1本2本と増やされていくのが分かる。3本目が入り、少し腰が浮く。
「リリィ。私とするのはまだ嫌かな?」
自信なさげにレオンが言う。
私はすぐにレオンを安心させたくて口を開いた。
「ちがっ…初めてで、何をするのが正解なのか、知らなくてっ。知らないことも恥ずかしいのです。私は、レオンと…っ…レオンとしたいです…」
「優しくシてくれますか?」
そう言うとレオンは少し動揺したように動きを止めた。
「リリィ。もう我慢できそうにない。挿れてもいいかな?」
「はい。もう焦らされるのは嫌です。」
散々弄られた全身がムズムズする。私は言われるがまま足を開いた。
レオンが服を脱いで行く。そんな光景を見たことのなかった私は見惚れていた。
「リリィ。力を抜いて?」
グッと殿下の熱いものが当たる。ズプズプと少し入れられると、苦しさで声が出なかった。
「リリィ。初めては少し痛いものなんだ。出来る限り優しくする。痛かったら私に爪を立てていいからね。」
そしてそのまま奥へと深く入れた。
「んうぅぅぅぅっ。」
私は痛みを受けた。血がゆっくりと流れ出す。痛みから少し涙が出たが、繋がれた喜びの方が大きかった。
「リリィ。」
「ふっ。ぁ。でんっかぁ。」
「大丈夫かい?」
「ぅんっ。はい。殿下と繋がれて、嬉しいですっ。」
すると殿下は徐々に動き始めた。
私はその動きに合わせて声が漏れる。
グチュッグチュ
「んんっ。んうぅぅっ。はっ。」
私は声を漏らしたくないのに、勝手に声が漏れる。私の声と繋がる音だけが耳に聞こえる。
「り、リリィ。もう。」
「んんっはぁっ。」
ドクドクと流れるものによって、私のお腹の中が温かくなる。私はレオンと初夜を迎えることができた。
「レ、レオン。私幸せよ。」
荒い息を整えながら、私はレオンに言う。
すると彼は優しく私を抱きしめる。
そして魔法で体のベタベタを取ってくれた。
私は抱きしめられた安心感から、そのまま彼の腕の中で眠ってしまった。
「で、殿下、執務お疲れ様です。」
そういうと殿下は嬉しそうに私を抱きしめる力を強くする。
「ああ。帰ってきて部屋にリリィがいるなんて、私は誰よりも幸せだ。」
大袈裟だなと思いつつ、そう思ってもらえることは嬉しかった。
「リリィ。今日は父上も早く執務を切り上げて一緒に食事を取ろうという話になっているがいいかな?」
「ええ。いいですわ。」
「父上は忙しすぎてきっと食事を共にするのは限られてしまうけど、避けているわけではないから、気にしないでくれ。」
その言葉に、陛下も殿下も私のことを気にしてくれているのだと分かった。
「ありがとうございます。理解しています。」と笑ってみせた。
「今日のリリィはとっても美しかったな。会場の視線は全てリリィに向けられていたね。」今日のことを思い出しているのか、殿下が微笑む。
「まあ、殿下ったら。婚約式なのですから、私たちに視線が集められていたのですよ。」と返す。
すると殿下はピクリと反応した。
「リリィ。私達はもう婚約したのだから、殿下ではなくレオンと呼んでくれると私は嬉しい。」
そう言って私を引き寄せる。
「で、殿下。」
引き寄せられた驚きで、咄嗟にいつものように呼んでしまう。
「呼んで。リリィ。」
真剣な顔が私を見る。それだけで、私の心臓は飛び出そうなほどドキドキしていた。
「れ、レオ…ン。」
顔が真っ赤なのが分かる。殿下を見ると満足げにしていた。
「沢山呼んで早く慣れて欲しいな。リリィ。今日からよろしくね。」
そう言って少し意地悪そうな顔で笑う。
さて、そろそろ食事に行こうか。父上も来る頃だろう。と2人で食堂へと向かった。
食堂の椅子につくと陛下が遅れてやってきた。
「いや、待たせてしまってすまない。」
「いえ、私もリリィも今きたところです。」
「そうか。それならばよかった。では食事を始めようか。」
コースの料理が運ばれてくる。話を楽しみながらそれをゆっくりと食べ進める。
陛下は意外にも話しやすいお方で、陛下にもリリィと呼んでもらえることとなり、光栄だなと思った。
「こんなに素敵な御令嬢と息子が婚約できるなんて、運命には感謝だな。」
そう言って陛下は笑う。
「自分の好いた相手が運命の相手だということが、私には羨ましくて仕方がないよ。」
先ほどまでの笑顔は消え、寂しげな顔をする陛下に声をかける。
「陛下?」
「あ、ああ。すまんすまん。私はもうお腹がいっぱいでね。後は楽しんでおくれ。」
そう言って陛下は食堂を後にした。
陛下の後ろ姿を目で追う私に、殿下は口を開いた。
「父上の…父上の運命の人は母ではなかったんだ。」
「え?でも凄く仲が良かったと歴史では学びました。」
「ああ、そうだ。父上と母上は仲が良かったんだ。父上は町娘だった母上に恋をして、政略結婚で運命の相手と言われていた令嬢と別れて母上と結婚した。」
殿下の口から私の知らない歴史が語られていく。
「母上は町娘。魔力も少なく、知識も無かったから沢山の反対を受けたらしい。マナーも知識も沢山勉強し、そしてやっと王太子妃の座についた。
父上の運命の相手は母上では無い。そうミアリサに言われたらしい。それでも愛し合った2人はそれを押し通し、そして母上は私を産むときに死んだんだ。」
考えられないほど辛い出来事だ。
「父上は未だに母上を愛している。だから王妃も側室もいないんだ。
父上は私に運命を守らせようとした。自分のようにならない為に。…私の運命がリリィで本当に良かったよ。」
「さあ、そろそろ部屋に戻ろうか。」
そう言って私の手を取って歩き出した。
___
部屋に付くと湯あみをする。私はオーウェン邸にいたときに自分でやっていた為、侍女の手伝いを断り、せめて寝巻きは用意させて欲しいという侍女の話だけを受け入れた。
湯あみをすると1日の疲れが取れる。そして髪を流して寝巻きへと着替えた。
するとあることに気づく。何故か裾が短い気がするのだ。
いつものネグリジェは腕や胸元が冷えないように薄い布で覆われており、裾はくるぶしほどの長さまであるのだ。それなのに、今日のネグリジェはキャミソールの肩紐に、胸元は開いている。そして何よりも裾は膝が見えるほどの丈なのだ。
今日はいつもよりも暑い夜になるのかもしれないと納得し、とりあえず薄い上着を着ることにした。
湯あみを終えると殿下も同じく別の部屋で湯あみを終えて出てきた。殿下は私を見て一瞬動きが止まる。私はそれを見逃さなかった。
「今日はいつもよりも暑いのでしょうか?用意されていた物がこれしか無かったのですが…変ですよね?」
その言葉に殿下は、いいや、慣れない場所なのだから暑く感じるかもしれないと思ったのではないだろうかと言う。
私は再度納得し、殿下と一緒にルイボスティーを飲んで喋った。
今日の疲れもあって、眠くなった頃、そろそろ寝ようかと殿下に言われる。するとベッドが一つしかないことに気付いた。
「あれ?殿下、ベッドが足りないようなのですが、私はどこに寝たら良いのでしょうか?」
私はキョトンとして殿下に問う。
「ん?ウィルはそこまで教えなかったのか?もちろん、1つのベッドで一緒に寝るのだ。」
私は一緒の部屋で別々のベッドで眠るとばかり思っていた為、驚いた。
殿下を振り返ると部屋の電気を魔法で次々に消していく。羨ましい能力だ。と感心する。そして残るはベッド脇の灯りだけになった。
「リリィ?」
心配そうに殿下が顔を覗き込む。
私は
「寝相が悪くても笑いませんか?」とだけ確認した。
布団に入ると2人とも向き合う。なんだかお泊まりみたいで楽しいと思った。
「リリィ。」
名前を呼びながら殿下が抱きしめてくれる。私は嬉しくて殿下の胸に顔を埋めた。
「リリィと一緒に眠る日が来るとは。」
「私もです、殿下。」
ついいつものように殿下と呼んでしまった私に乱暴なキスをする。
「殿下じゃない。」
「あ、ごめんなさい。レオン…」
「ちゃんと呼んでくれないと罰としてキスするからな。」
黒い笑みを浮かべる殿下…ではなく、レオンに私は言った。
「私はれ、レオンとキスするのが好きなので、罰ならば沢山受けたいくらいです。」
そう言ってレオンを見上げた。
するとレオンは顔を逸らしていた為、表情が分からなかった。
「リリィ。本当に可愛らしいな。沢山キスしてもいいのかい?」
私の視線とレオンの視線がぶつかる。そして、私はコクリと頷いた。
ベッドの中で何度もキスをする。初めは慣れなかったキスも、レオンのおかげで徐々に慣れてきた。
優しいキスを何度も交え、深く長く変えていく。殿下の舌が私の唇を舐める。それが恥ずかしくて私は少し口を開いた。
殿下は唇の隙間から舌を入れ、私の口内を犯す。今までにしたことのない程キスを続け、私は息が上がっていた。
「んっ…はっ。ぁ。殿下っ。」
私は殿下のキスに溺れる。
「リリィ。ちゃんと名前で呼んで?」
ちゅっとリップ音が聞こえる中で、レオンは私にそう言った。
「んっ。…ちゅっ。れ…ぉんっ。」
すると返事をするかのようにレオンは私に口付けをする。
目がよく開かない。私はレオンのキスに溺れていた。
レオンは私の上に馬乗りになり、様々な場所にキスをしていく。
額に、頬に、首に降りていき、鎖骨へとキスを落とす。私はその度にピクッと体が跳ねてしまう。
その様子を伺うレオンの目を逸らして恥ずかしさを堪える。
すると殿下は急に胸を触り始めた。
「ひゃっ!で、殿下!」
私は殿下の行動に驚いて呼び止める。
胸を隠そうとした私の腕を、殿下は頭上で拘束し、胸への愛撫を続ける。
「んっ。で、殿下。」
揉まれていた胸はいつの間にか脱がされて露わになっていた。私は恥ずかしさで殿下を見ることができず、顔を背ける。
すると胸に感じたことのない感触を得た。
「ぁぁっ!」急な胸への刺激に声が漏れる。温かくて湿っている、生き物のような動き。それが何かを確認する。
するとレオンが胸に顔を埋めている。
「れ、レオン!」
「やっと呼んでくれた。」
ニコッと笑って離れるレオン。私は解放された手で胸を隠した。
「い、一体何ですか?」
私は状況が分からずに殿下に聞く。
「何って、初夜だよ。」ニッコリと笑う殿下は反省していないようだった。
「初夜…初夜ですけど、こんなにも恥ずかしいことをするものなのですか⁈」
ポカンと口を開けた殿下が笑う。
「ああ、リリィ。申し訳ない。知っていて私を煽っているものとばかり思っていたよ。」
ちゃんと優しくする。私に任せて欲しい。と優しく囁かれた。
私はレオンは間違ったことをしているわけでもなく、意地悪しているわけでもないのだと分かり、少し電気を暗くして欲しいとお願いした。
「リリィ。リリィの胸は綺麗な形をしているね。思っていたよりも大きい。」
「ひ、人と、比べたことがないのでっ。んっ…わかりませんが、殿下が褒めてくれるのなら、嬉しいですっ。」
殿下は胸を弄る。今度は手を押さえていない為、両方同時にされていて、声が上ずる。
「ああ。好きだ。リリィの何もかも。」
そう言って片手で胸を触り、もう一方を口に含む。
「やぁっ。」
突然の快感に声が出る。私はどうしても出てしまう声を必死で押さえた。
「んっ。ふぁっ…んっんぅっ。」
「リリィ。恥ずかしいことじゃない。もっと声を出していい。リリィの声が沢山聞きたいんだ。」
そう言って殿下の舌が私の胸にある蕾を弾く。
「はぁっんっ。」
私は慣れない快感に耐えながら殿下を見る。殿下は私の着ていた服を全て脱がした。
「きゃぁっ!」
咄嗟に布団で体を隠す。そんな私を愛おしそうな顔で見つめていた。
「リリィ。大丈夫。綺麗だよ。」
そんな言葉を並べられながら私は布団を剥がされていく。
露わになった私の体を見て、レオンはゴクリと唾を飲む。
「リリィ。」
「ぁ、レオン。」
両手で胸を弄りながら私にキスをする。
私は声を漏らしながらもキスを受け止めた。
「んっあぁっ。はっ。んんぅっ。」
「リリィ。トロトロだ。」
そういって胸にあった手を足の間に滑り込ませる。
触られたことのない場所に私は抵抗をしたが、大丈夫だと言われてレオンに任せた。
クチュクチュといやらしい音が響く。
指を1本2本と増やされていくのが分かる。3本目が入り、少し腰が浮く。
「リリィ。私とするのはまだ嫌かな?」
自信なさげにレオンが言う。
私はすぐにレオンを安心させたくて口を開いた。
「ちがっ…初めてで、何をするのが正解なのか、知らなくてっ。知らないことも恥ずかしいのです。私は、レオンと…っ…レオンとしたいです…」
「優しくシてくれますか?」
そう言うとレオンは少し動揺したように動きを止めた。
「リリィ。もう我慢できそうにない。挿れてもいいかな?」
「はい。もう焦らされるのは嫌です。」
散々弄られた全身がムズムズする。私は言われるがまま足を開いた。
レオンが服を脱いで行く。そんな光景を見たことのなかった私は見惚れていた。
「リリィ。力を抜いて?」
グッと殿下の熱いものが当たる。ズプズプと少し入れられると、苦しさで声が出なかった。
「リリィ。初めては少し痛いものなんだ。出来る限り優しくする。痛かったら私に爪を立てていいからね。」
そしてそのまま奥へと深く入れた。
「んうぅぅぅぅっ。」
私は痛みを受けた。血がゆっくりと流れ出す。痛みから少し涙が出たが、繋がれた喜びの方が大きかった。
「リリィ。」
「ふっ。ぁ。でんっかぁ。」
「大丈夫かい?」
「ぅんっ。はい。殿下と繋がれて、嬉しいですっ。」
すると殿下は徐々に動き始めた。
私はその動きに合わせて声が漏れる。
グチュッグチュ
「んんっ。んうぅぅっ。はっ。」
私は声を漏らしたくないのに、勝手に声が漏れる。私の声と繋がる音だけが耳に聞こえる。
「り、リリィ。もう。」
「んんっはぁっ。」
ドクドクと流れるものによって、私のお腹の中が温かくなる。私はレオンと初夜を迎えることができた。
「レ、レオン。私幸せよ。」
荒い息を整えながら、私はレオンに言う。
すると彼は優しく私を抱きしめる。
そして魔法で体のベタベタを取ってくれた。
私は抱きしめられた安心感から、そのまま彼の腕の中で眠ってしまった。
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