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シトロン※
しおりを挟む「…以上が昨晩起こった事です。」
俺は朝早くにシャノン卿を訪ねて昨夜のことを報告していた。
「祈る白い瞳をしたヴィー…そして白く光る樹とシトロンという名か。」
シャノン卿は椅子に座りながら考え込んでいる。
「それはもしかしたら第二の生命の樹という可能性もあるな。」
「っ!…2つの生命の樹が1人だけに宿るというのですか?」
「…前例は聞いたことがない。」
生命の樹は人柱の魔力を得て機能している。今まで選ばれた者がそうしてきたのだ。
選ばれたものは魔力を分け与え、そして国は守られる。それは魔力や心を消費し、それができなければ暴走をして契約者を介して得たり、それでもできなければ寿命へと響く。
カミーリアだけでも相当な消費量だと言うのに、もう一本の樹にも選ばれていたとしたら…それはリアにとってとんでもない負担になる。
「先週ヴィーは土曜日に暴走したが、先々週はどうだっただろうか?」
「っ!…先週も先々週も土曜日に暴走しております。
先々週は女性の月の日でしたので、スキンシップもあまり取ることができず、足らなかったのだと思っておりましたし、軽度の暴走でしたので、報告しませんでした。
ですが、金曜日にシトロンへ魔力を渡し、心が不足していたのでしたら土曜日に暴走するのは辻褄が合います。」
「昨夜魔力を渡していたとすれば…
っ!ゼノ。早くヴィーの所に向かうぞ。」
「っ!はい。」
やばい。今リアは1人だ。
暴走すれば寿命を削る。
早くリアのところへ行かなければならない。
俺とシャノン卿は執務室から急いで出てリアの部屋へと向かう。
階段を使えば遠回りになる。そう思って俺は窓を開けて飛び降りた。
「ゼノ!」
「シャノン卿!先に行きます!」
この時間はどこの部屋も空気を入れ替えている。リアの部屋の窓には登る場所はないが、近くの部屋には入ることができる。
俺は木に駆け登り、そのまま部屋へと飛び移る。そして走ってリアの部屋へと向かった。
「リアっ!」
突然扉を開けた俺に、ゆっくりと振り返ったのはオレンジ色の瞳をしたリアだ。
「ん…ゼノ…はぁ…」
顔を紅潮させ、俺を見つめるリアはギリギリのところで意識を保っている。
俺は苦しげに床に膝をついているリアを抱き上げ、ベッドへと下ろした。
そしてゆっくりとリアと唇を重ね、深いキスをした。
「ヴィー!」
遅れてやってきたシャノン卿は久しぶりに走ったようで息が上がっている。
「シャノン卿!申し訳ありませんが、後でお呼び致します!」
「っ。ああ。頼んだ。」
俺が上着を脱ぎながらそう言うと、何をするかが分かったようで扉を閉めてくれた。
「リア。分かるか?」
「っ。ええ…」
とりあえず言葉は交わせる。
俺はリアが暴走してもどう行動するべきかが判断できるようになってきた。
「リア。触れるぞ。」
「っ。まだ明るいのに…」
服の上からゆっくりと胸を鷲掴む。
そしてゆっくり円を描くように揉むと、それに合わせてリアの息が上がるのだ。
「俺に触られるのは嫌か?」
「…っ。嫌なわけ…ないでしょう?」
カーテンも閉めずに淫らなリアを見ることができる。俺はそう考えただけでゾクゾクとするのだ。
「ゼノっ…キスして?」
「っ。」
顔を見られたくないのか、キスを求めるリアに無我夢中でキスをする。
リアは俺の全てを受け止めてくれるかのように目を瞑って舌を絡めてくれた。
「はぁ…リア。綺麗だ。」
「ん…ゼノ…」
前からでは脱がしにくいドレスの為、リアに後ろを向かせて背中にあるファスナーを下ろす。すると綺麗な背中がすぐに見えた。
「っ。」
俺は我慢できずに背中にキスを落とし、そのまま何度も舌を這わせた。
「ひゃっ…ん…ぁ。」
俺は擽ったそうに身体を捩る彼女のドレスの隙間から手を這わせ、胸への刺激を始めた。
「んっ。んん…はぁ…」
いつ誰が部屋を訪問してくるか分からない。それを分かっているリアは声を我慢している。それがより一層俺を興奮させた。
ドレスの裾から手を入れてリアの脚を撫でる。すべすべと触り心地のいい肌は、ずっと触っていられるほど俺の手を惹き寄せて離させない。
リアは四つん這いになり、その脚は内側に力をいれていて快感にフルフルと震えているのだ。
枕に突っ伏してはいるが、胸の刺激とともに熱い息が漏れている。
「はぁ…んっ…ぁ…」
もう瞳は元の色に戻っているだろう。
しかし俺の失った理性はなかなか戻らない。
「リア…気持ち良さそうだね。」
腰を左右に動かすリアは、本能でそこに触れてほしいとアピールしてくる。
「可愛いな。」
いつものように指を入れてやると、もうとろとろになった糸が俺の指に絡みつく。
それを何度も動かし、リアがどれ程俺に愛されているかを体に分からせてやると、リアの暴走はすぐに収まる。
「ぜ…の。」
そろそろ待ったがかかるだろうか。
また夜までお預けを食らうのかと思った。
「も…挿れて?」
涙を浮かべ、強請るリア。
自分からドレスを捲り上げ、こちらを見ている。
散々焦らされたそこはトロトロと愛液を垂らしていた。
「欲しいのか?」
「っ。」
コクコクとリアが頷けば俺はニヤリと笑った。
まさか着たままの状態で許可が下りるとは思わなかった。
「リア…沢山イっていいからね。」
「っ。」
俺はそう言って熱くなったものをそこに押し込んだ。
もうすんなりと俺を受け入れてくれるようになったその場所は、俺が挿れたことによってさらに水気を増した。
グチュグチュと繋がる音を鳴らし、明るく照らされた可愛いリアを眺める。
「唆られるな…」
俺は体を近づけ、1番奥へと打ち付けた。
「んんんんぁっ」
ビクッと身体を逸らしたリアは派手にイったようだ。
まさか本番までやることになるとは思わなかったが、明るいところではさせてもらえない俺にとってはラッキーだったと思う。
俺はリアにキスをしながら何度も腰を動かし、またリアがイくのに合わせて俺も果てた。
「リア。疲れたか?」
「ん…少し…。」
「それじゃ、シャワーを浴びた後に少し眠ると良い。
リアが眠ったらカミーリアを呼んでも良いだろうか?」
「…ええ。分かったわ。」
「それじゃ、シャワーを浴びてから寝ててくれ。俺も自分の部屋でシャワーを浴びてからシャノン卿を連れてリアの部屋に行くから。」
「うん。」
「リア?」
何だかいつもより元気のない彼女を不思議に思い、俺は顔を覗き込んだ。
無理をさせてしまっただろうか。
「どうした?」
「…………抱っこ。」
「え?」
「済ませて終わりじゃやだ。」
プクッと頬を膨らませる彼女が何を言いたいのかが分かり、俺はクスッと笑った。
「悪かった、リア。機嫌直してくれ。」
リアをギュッと抱きしめ、俺はまたベッドへと横になった。
「うん…ごめんなさい。でもすぐ離れられるのは何だか寂しいの…」
「そうだよな。俺もずっとこうしていたいよ。やっぱりヤるのはゆっくりできる時の方がいいな。」
「あ、そっか。私が…っ。」
そこまで言って気付いたようだ。
今回最後までやったのはリアのお願いだったことに。
「ん?リア。どうかした?」
俺は分かっているがニコニコとリアの様子を伺っていた。
「ゼノって時々意地悪よね。」
「意地悪な俺は嫌いか?」
「…ズルい。嫌いなわけないじゃない。」
「フッ。よかった。俺も素直なリアも、寂しがり屋のリアもどんなリアでも好きだ。」
そう言って頭を撫でる。
リアはそれを嬉しそうに目を瞑って受けていた。
「…ゼノ。ありがとう。大好きよ。」
「ああ。俺も愛してる。」
ちゅっと唇に愛を落とすとリアは漸く満足してくれた。
そして俺はシャワーを浴びてシャノン卿を呼びに向かった。
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