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意外な特技
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「師匠!」
そう呼び止められて俺は振り返った。
こいつが来て1ヶ月。まるで飼い主に懐いている犬のように、来る日も来る日も俺の後をついてくる。
最初は警戒していた存在だったが、こうも懐かれ、自由にされる姿を見ていると警戒するのがバカバカしくなるほどだ。
「シャノン卿。それにシャガート。」
何やら不思議な組み合わせだ。
いつもなら1人で来るのに、今日は何故か隣にシャノン卿がいた。
「ゼノ。シャガートに街を案内してやってほしい。」
「は?どうして私が?
ヴィクトリア様の護衛は如何なさるおつもりで?」
俺に白羽の矢が当たったのは何となく分かる。異国の客人である彼の力量は訓練している兵士達と同等、はたまた少し上あたり。
他の訓練場の隊長達であれば何かあったときにでも対応できるが、会ったこともない隊長と歩かせるのも忍び無い。
だから俺に話がきたのだろうが、
急な頼み事に俺は眉を顰める。
俺がそばにいないない間にリアに何かあればと思うと不安なのだ。
「今日はヴィーとアイリーン、そしてベンジャミン皇子とのお茶会が予定されているから大丈夫だ。
俺も付くし、ヴィーが予定のある隙にシャガートを案内してやってほしい。
ヴィーのことだからついて行きたいなどと言うだろうしな。」
「…そういうことなら分かりました。街の様子も知っていて損はないでしょうし。」
「ああ。頼むよ。」
「わー。師匠と2人で出掛けられるなんて光栄です!」
ニコニコとするシャガートはフロリアス国へと来た時とは全く違う顔をするようになった。
シャガート曰く、俺の真似をしていたらしいが、俺はあんなに無愛想でつんけんどんな態度を取っているのだろうか。
「…着替えてまいります。」
「ああ。」
そう言って俺は部屋で普段着に着替え、何かあったときのために剣だけは腰に挿した。
今日はリアが一緒ではないため、必要はないが、無ければ不安なほど身につけてきたため仕方がなく剣と行動を共にする。
「師匠!行きましょう!」
見るからにワクワクしているそいつを連れ、俺は馬車へと乗り込んだ。
馬車で王都を抜け、街へと出る。
王都はベンジャミン皇子とアイリーン様と一緒に3人で馬車で回ったらしいので
今回は回らない。
リアは予定をビッチリと埋められているため、きっと俺がいないことにも気付かないだろう。
今は朝の10時。15時半くらいまでには王宮へと戻ろう。そう予定を立てた。
「どこを案内してくれるのですか?」
「まずはこれを見ろ。」
そう言って広げたのは街の地図だ。
俺はそれを使って大体の国の説明をした。
「これを見て行きたいところや見たい場所はあるか?」
フロリアスの剣技場は東西に分かれている。俺がいつもいる場所は東だから西の方も見てみたいと言うかもしれない。
はたまた鍛冶屋。それとも避難経路なども見たいと言うかもしれない。
何を知りたいのか、俺は尋ねた。
「師匠の思い入れのある場所に行きたいです!」
地図を見たのか見ていないのかというほど早くそう答えたシャガートに俺はため息しか出ない。
どこかの誰かも似たようなことを言っていたなと思い出す。
「…俺の思い入れの場所?」
公園では物足りないだろうし、昼間から飲み屋には連れて行けない。
「…俺の行きたいところでいいか?」
「はい!どこでもついて行きます!」
そう言って歩き出した俺たちが目的の場所に着いたのは昼前だった。
「あっ!ゼノ兄ちゃん!」
「ゼノ兄!」
「お姉ちゃーん!ゼノ兄ちゃん来たよー!」
公園を過ぎた街外れ、そこにはエルピス孤児院がある。俺と同じように身寄りのない子どもが生活する場所だ。
俺はここで育ち、ここの前女主人の弟であった師匠に剣術を習っていた。
そしてここを出てからも、何かと物入りだろうとお金を寄付している。
「みんな元気だったか?」
15歳までの子どもが6人いる。
1番大きいマーリンはもうすぐ15になるため、孤児院を出た後は騎士となると決めているようだ。それならば俺が面倒を見てやることができるので安心だと思っている。
「マーリン。変わったことはなかったか?」
「あぁ、それなら…「お兄ちゃん。抱っこ!」
マーリンとの会話を邪魔するように俺の膝に抱き着くのは、まだ小さいチト。5歳だ。甘えん坊の女の子で、みんなに可愛がられている。
「大きくなったなチト~。」
ヨッと抱っこしてやれば首にギュッとしがみついてくる。まだまだ甘えたい年頃なのだ。
「悪い、マーリン。続けてくれるか?」
「あぁ。…赤ん坊が孤児院に入って、今はセレンナが見ていることくらいかな。」
「…赤ん坊だって?」
流石に赤ん坊が孤児院に預けられたことはない。3歳ほどの話せる子供からしか経験のないため、セレンナも困っているだろうと思った。
「ところでこっちの人は?」
マーリンは俺の後ろにいるシャガートを見ている。するとシャガートは口を開いた。
「初めまして。私は師匠の弟子でシャガートと申します。」
ニッコリと笑うとシャガートは続けた。
「師匠が行きたいところというのはこちらだったのですね。」
「ああ。エルピス孤児院だ。」
少し古い建物だが、思い入れのある場所だ。
「孤児院…。そうですか。」
「俺には物心ついた時から親がいない。だから同じように苦しんでいる子を助けたいと思って孤児院に寄付しているんだ。
そしてたまにこうやって来ているんだよ。」
子どもだけで生活するには限界がある。
だから少しでも力になりたいと思ってここに足を運んでいるのだ。
満足したらしいチトを下ろすとまた子ども達の輪の中へと入っていくのを見送った。
「ゼノ兄!」
おんぶ紐を着け、動きやすいワンピースを着て駆けてくるのはここの女主人を務めるセレンナだ。
女主人と言っても前の女主人が年老いたため仕方なく代替わりした
まだ18の女の子だ。
「セレンナ。」
ギュッと久しぶりの抱擁を交わし、セレンナは口を開いた。
「ゼノ兄、体は大丈夫?無理してない?」
セレンナは俺が専属騎士になったと知った時は凄く心配してくれたのだ。
「ああ、ちゃんとやれてるから心配するな。それよりも赤ん坊が預けられたと聞いたが、大丈夫か?」
「っ。ええ。まだ3日しか経ってないのだけれど、なんだか…」
きっと慣れないことばかりで疲れているのだろう。目の下には隈がある。
「不安だよな。俺が面倒見とくからちゃんと寝ろ。いいな?」
そう言って頭を撫でてやるとセレンナはホッとしたようだった。
まだ18の女の子が急に赤ん坊の世話をしなければいけなくなることは、聞かずとも大変なことだ。
俺は少しでもセレンナの負担を減らしたいと思ってそう口にした。
「でもお客様が…」
「あ、私のことはお気になさらず。ちゃんと休んでください。こう見えても小さい子どもの世話は得意ですから!」
意外な特技を口にするシャガートに、俺は試しにと赤ん坊を抱かせた。
慣れたように抱き抱えると、今までずっと指しゃぶりをしていた赤ん坊はウトウトとし始めた。
「わ…凄い。人見知りが凄くてなかなか寝てくれなかったの。本当にありがとうございます。」
「言った通りでしょう?剣では師匠に負けますが、お守りなら負けなそうですね!」
ニッコリと笑うシャガートは確かに頼もしい。
「セレンナ。お守りはシャガートに任せてお前は少し寝ておいで。ちゃんと休めていないんだろう?
俺が来ている時くらい休め。」
「…ええ。ありがとう。
シャガート様も本当にありがとうございます。」
そう言ったセレンナは家へと入っていった。
「セランナは優しい子なのですね。」
「ああ。まだ若いのに母代わりとしてここにいるんだ。」
俺が孤児院を継ごうとした時、代わりに私がやるから騎士になれと後押ししてくれたのはセレンナだ。
“私がみんなを見るから、ゼノ兄は稼いできて!”
セレンナはそう言っていが、
実は俺が騎士になりたいことを知っていてそう口にしたのだと分かったのはすぐだった。
贅沢を望まないセレンナ。
それが余計に俺を引き寄せる。
「セレンナにも幸せになってほしいんだがな…」
きっとセレンナはそれを望んではくれない。
「…さあ、マーリン。何から始めようか。」
「ああ。それじゃあ薪割りと屋根の修復を頼んでもいいかな。俺はセレンナの代わりにあいつらの相手をしながら畑仕事をするから。」
「ああ。分かった。」
俺とマーリンは二手に分かれ、効率よく作業をするべく動き始めた。
「シャガートは赤ん坊を頼む。家の中で見ていてくれ。」
「はい。分かりました。」
そういって分かれた俺たちがまた集まったのはお昼だった。
そう呼び止められて俺は振り返った。
こいつが来て1ヶ月。まるで飼い主に懐いている犬のように、来る日も来る日も俺の後をついてくる。
最初は警戒していた存在だったが、こうも懐かれ、自由にされる姿を見ていると警戒するのがバカバカしくなるほどだ。
「シャノン卿。それにシャガート。」
何やら不思議な組み合わせだ。
いつもなら1人で来るのに、今日は何故か隣にシャノン卿がいた。
「ゼノ。シャガートに街を案内してやってほしい。」
「は?どうして私が?
ヴィクトリア様の護衛は如何なさるおつもりで?」
俺に白羽の矢が当たったのは何となく分かる。異国の客人である彼の力量は訓練している兵士達と同等、はたまた少し上あたり。
他の訓練場の隊長達であれば何かあったときにでも対応できるが、会ったこともない隊長と歩かせるのも忍び無い。
だから俺に話がきたのだろうが、
急な頼み事に俺は眉を顰める。
俺がそばにいないない間にリアに何かあればと思うと不安なのだ。
「今日はヴィーとアイリーン、そしてベンジャミン皇子とのお茶会が予定されているから大丈夫だ。
俺も付くし、ヴィーが予定のある隙にシャガートを案内してやってほしい。
ヴィーのことだからついて行きたいなどと言うだろうしな。」
「…そういうことなら分かりました。街の様子も知っていて損はないでしょうし。」
「ああ。頼むよ。」
「わー。師匠と2人で出掛けられるなんて光栄です!」
ニコニコとするシャガートはフロリアス国へと来た時とは全く違う顔をするようになった。
シャガート曰く、俺の真似をしていたらしいが、俺はあんなに無愛想でつんけんどんな態度を取っているのだろうか。
「…着替えてまいります。」
「ああ。」
そう言って俺は部屋で普段着に着替え、何かあったときのために剣だけは腰に挿した。
今日はリアが一緒ではないため、必要はないが、無ければ不安なほど身につけてきたため仕方がなく剣と行動を共にする。
「師匠!行きましょう!」
見るからにワクワクしているそいつを連れ、俺は馬車へと乗り込んだ。
馬車で王都を抜け、街へと出る。
王都はベンジャミン皇子とアイリーン様と一緒に3人で馬車で回ったらしいので
今回は回らない。
リアは予定をビッチリと埋められているため、きっと俺がいないことにも気付かないだろう。
今は朝の10時。15時半くらいまでには王宮へと戻ろう。そう予定を立てた。
「どこを案内してくれるのですか?」
「まずはこれを見ろ。」
そう言って広げたのは街の地図だ。
俺はそれを使って大体の国の説明をした。
「これを見て行きたいところや見たい場所はあるか?」
フロリアスの剣技場は東西に分かれている。俺がいつもいる場所は東だから西の方も見てみたいと言うかもしれない。
はたまた鍛冶屋。それとも避難経路なども見たいと言うかもしれない。
何を知りたいのか、俺は尋ねた。
「師匠の思い入れのある場所に行きたいです!」
地図を見たのか見ていないのかというほど早くそう答えたシャガートに俺はため息しか出ない。
どこかの誰かも似たようなことを言っていたなと思い出す。
「…俺の思い入れの場所?」
公園では物足りないだろうし、昼間から飲み屋には連れて行けない。
「…俺の行きたいところでいいか?」
「はい!どこでもついて行きます!」
そう言って歩き出した俺たちが目的の場所に着いたのは昼前だった。
「あっ!ゼノ兄ちゃん!」
「ゼノ兄!」
「お姉ちゃーん!ゼノ兄ちゃん来たよー!」
公園を過ぎた街外れ、そこにはエルピス孤児院がある。俺と同じように身寄りのない子どもが生活する場所だ。
俺はここで育ち、ここの前女主人の弟であった師匠に剣術を習っていた。
そしてここを出てからも、何かと物入りだろうとお金を寄付している。
「みんな元気だったか?」
15歳までの子どもが6人いる。
1番大きいマーリンはもうすぐ15になるため、孤児院を出た後は騎士となると決めているようだ。それならば俺が面倒を見てやることができるので安心だと思っている。
「マーリン。変わったことはなかったか?」
「あぁ、それなら…「お兄ちゃん。抱っこ!」
マーリンとの会話を邪魔するように俺の膝に抱き着くのは、まだ小さいチト。5歳だ。甘えん坊の女の子で、みんなに可愛がられている。
「大きくなったなチト~。」
ヨッと抱っこしてやれば首にギュッとしがみついてくる。まだまだ甘えたい年頃なのだ。
「悪い、マーリン。続けてくれるか?」
「あぁ。…赤ん坊が孤児院に入って、今はセレンナが見ていることくらいかな。」
「…赤ん坊だって?」
流石に赤ん坊が孤児院に預けられたことはない。3歳ほどの話せる子供からしか経験のないため、セレンナも困っているだろうと思った。
「ところでこっちの人は?」
マーリンは俺の後ろにいるシャガートを見ている。するとシャガートは口を開いた。
「初めまして。私は師匠の弟子でシャガートと申します。」
ニッコリと笑うとシャガートは続けた。
「師匠が行きたいところというのはこちらだったのですね。」
「ああ。エルピス孤児院だ。」
少し古い建物だが、思い入れのある場所だ。
「孤児院…。そうですか。」
「俺には物心ついた時から親がいない。だから同じように苦しんでいる子を助けたいと思って孤児院に寄付しているんだ。
そしてたまにこうやって来ているんだよ。」
子どもだけで生活するには限界がある。
だから少しでも力になりたいと思ってここに足を運んでいるのだ。
満足したらしいチトを下ろすとまた子ども達の輪の中へと入っていくのを見送った。
「ゼノ兄!」
おんぶ紐を着け、動きやすいワンピースを着て駆けてくるのはここの女主人を務めるセレンナだ。
女主人と言っても前の女主人が年老いたため仕方なく代替わりした
まだ18の女の子だ。
「セレンナ。」
ギュッと久しぶりの抱擁を交わし、セレンナは口を開いた。
「ゼノ兄、体は大丈夫?無理してない?」
セレンナは俺が専属騎士になったと知った時は凄く心配してくれたのだ。
「ああ、ちゃんとやれてるから心配するな。それよりも赤ん坊が預けられたと聞いたが、大丈夫か?」
「っ。ええ。まだ3日しか経ってないのだけれど、なんだか…」
きっと慣れないことばかりで疲れているのだろう。目の下には隈がある。
「不安だよな。俺が面倒見とくからちゃんと寝ろ。いいな?」
そう言って頭を撫でてやるとセレンナはホッとしたようだった。
まだ18の女の子が急に赤ん坊の世話をしなければいけなくなることは、聞かずとも大変なことだ。
俺は少しでもセレンナの負担を減らしたいと思ってそう口にした。
「でもお客様が…」
「あ、私のことはお気になさらず。ちゃんと休んでください。こう見えても小さい子どもの世話は得意ですから!」
意外な特技を口にするシャガートに、俺は試しにと赤ん坊を抱かせた。
慣れたように抱き抱えると、今までずっと指しゃぶりをしていた赤ん坊はウトウトとし始めた。
「わ…凄い。人見知りが凄くてなかなか寝てくれなかったの。本当にありがとうございます。」
「言った通りでしょう?剣では師匠に負けますが、お守りなら負けなそうですね!」
ニッコリと笑うシャガートは確かに頼もしい。
「セレンナ。お守りはシャガートに任せてお前は少し寝ておいで。ちゃんと休めていないんだろう?
俺が来ている時くらい休め。」
「…ええ。ありがとう。
シャガート様も本当にありがとうございます。」
そう言ったセレンナは家へと入っていった。
「セランナは優しい子なのですね。」
「ああ。まだ若いのに母代わりとしてここにいるんだ。」
俺が孤児院を継ごうとした時、代わりに私がやるから騎士になれと後押ししてくれたのはセレンナだ。
“私がみんなを見るから、ゼノ兄は稼いできて!”
セレンナはそう言っていが、
実は俺が騎士になりたいことを知っていてそう口にしたのだと分かったのはすぐだった。
贅沢を望まないセレンナ。
それが余計に俺を引き寄せる。
「セレンナにも幸せになってほしいんだがな…」
きっとセレンナはそれを望んではくれない。
「…さあ、マーリン。何から始めようか。」
「ああ。それじゃあ薪割りと屋根の修復を頼んでもいいかな。俺はセレンナの代わりにあいつらの相手をしながら畑仕事をするから。」
「ああ。分かった。」
俺とマーリンは二手に分かれ、効率よく作業をするべく動き始めた。
「シャガートは赤ん坊を頼む。家の中で見ていてくれ。」
「はい。分かりました。」
そういって分かれた俺たちがまた集まったのはお昼だった。
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