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殿下のパーティー1

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次の日の夕刻。


私は隊長に用意された淡いピンクのドレスを身に纏っていた。

潜入調査としてパーティーに参加する私はバレないように貴族の令嬢が着るようなドレスを用意されたのだ。私にとっては動きにくいものでしかない。

ふんわりとした裾は可愛いとは思いつつ、殿下の命が関わっているなら動きやすさを重視したかったのにと思う。

これでは咄嗟に動くこともできなそうなのだが、
それよりも隊長は令嬢として潜入した私が会場内でドレスものを用意してくれたらしい。



それに、近くに隊長もいてくれるというので仕方がないと思うしかない。

私は今回、隊長の親戚として婚約者候補の中に紛れ込むことになっている。
浮いたドレスを纏って目立つわけにもいかない。

周りの令嬢はこぞって目立つ為に動くのであろうが、私は彼女たちに合わせて紛れ込む予定なのだ。

「エミリー。似合うな。」

声をかけてきたのは、今日のエスコートをしてくれる隊長だ。

「隊長…。ははっ。
隊長はいつにも増して素敵ですね。」



隊長は黒髪をワックスで固めている。
危ない色気というのか、フェロモンがダダ漏れだ。

彼は手の届く貴公子として人気が高い。
あまりガードが固くない為、抱いてもらえたという女性は少なくない。つまりプレイボーイだということだ。



まあ、私も例外ではない。
この仕事をするときに“初めて”を隊長に処理してもらったことがある。

お互いが割り切っている為、何の蟠りもなく手放せたのだからとても感謝している。

まあ、話は戻るが、なかなかに色気がある。





「まあな。
しかし今日は隊長じゃない。
“お兄様”か“ケイン兄様”がベターだろう。」

「ええ。そうですわね。
よろしくお願いします。お兄様。」

そう言って裾を摘み上げ、綺麗に礼を示した。

殿下の元で育てられた私はマナーが備わっている。その為パーティーというものには私か隊長が潜入することが多い。


隊長は“戦場の剣”と呼ばれており、勇者の生まれ変わりではないかという声が後を絶たない。だから顔が割れていて潜入する場によっては良し悪しもあるのだが、今回の公の場では顔が通る方が殿下を守りやすい。





「……殿下グリニエルが聞いたら怒るかもしれないな。」

「え?」

「いや、何でもない。こっちの話だ。」

なんのことだか分からなかったが、何でもないと片付けられてしまえば大したことではなかったのだろう。そう思って私は仕事の話に戻った。


「ところでクローヴィスはどこに?」

「ああ。もう会場内で張っている。殿下の命に関わるからな、警戒するに越したことはない。」

「……そうですね。」




今日のパーティーで殿下の命が脅かされる。その為に私たちは彼のそばにいなければならないのだ。


しかしパーティーの目的は婚約者候補を絞ること。ならば殿下が婚約者候補様と夜を過ごしたいと言えば、その時は過ごさせるしかあるまい。そもそも夜は誰かの部屋へと行くこととされている為、私の後輩に当たるクローヴィスが呼ばれている。

クローヴィスは防御魔法に長けており、その内部でのことが事細かに分かるらしい。
さらに生け捕りにも使えるその能力は、とても万能だ。


何かが起きてもすぐに対処することができる。
まぁ、欠点といえば大きさと質はどちらかしか選べないということくらいだ。


パーティーでは私と隊長が目を光らせ、
殿下が候補者の宿泊部屋に入ったらクローヴィスが担当する。

それが1番安全を保証することができる最善の策と言えるのだ。


「それでは、行こうか。。」

今日のパーティーでの偽名を知った私は、彼の手を取り、そのまま会場へと向かった。





会場はまだ始まってはいないのに、すごい活気で溢れている。

「やはりすごい人数だな。」
「ええ。殿下を見失わないようにしなければなりませんね。」

第二王太子殿下の婚約者候補を選ぶ。それは第一皇子のものと同じくらいに令嬢の数が多い。

第一皇子の時にも参加していた令嬢だって沢山いるのが分かる。それだけ王族に継がせたい親がいるということだ。

私たちは殿下が出てくる予定の扉の横に陣取って彼を待つ。すると隊長は私にしか聞こえない声で呟いた。



「どんなにアピールしようと、選ぶのは殿下あいつなんだがな。」

それはその通りではあるが、殿下にはまだ婚約者の存在がいない。席は空いているのだから狙われるのは当たり前だ。



「ですが、殿下は婚約者をはっきりとお決めになっておられません。だからこういうものが催されるのでは?」


「…ああ、そうだな。早く婚約できればいいんだが…。」


その言葉に私は引っかかり、その疑問を隊長に問うた。


「…殿下はもしやすでに誰かを想われているのですか?」

「ん?…ああ。まあ、その相手には微塵も
想いは届いてはいないようだがな。」



「それならばそうと、想いを告げてしまえばいいのでは?王族の申し出を断る者などいないのですから、早く婚約してしまえばよろしいのに。」


「……それができないからこうなっている。
あいつはちゃんと想い合えてから婚約をしたいと思っているらしいからな。
いつか胸を張って手を取れるように踠いている。」


完璧な殿下でも足掻かなければいけないことがあるのだろうか。
あんなに顔が整っていて、強くて他人思いでしかも王子だ。
殿下ほどの方であれば想い合っていてもおかしくないというのに…。
恋というものは難しいと改めて思った。


「さて、エミリアンヌ。準備はいいか、気を引き締めろ。」

「ええ。やり遂げてみせますわ、お兄様。」


私たちの近くの扉が開き、予定通りに殿下が姿を見せると、あちこちから黄色い歓声が飛び、一瞬の間に彼の姿は令嬢達によって見えなくなったのだ。

「遅れをとるなよ。」

「ええ。ここから全て見えております。」


私と隊長は令嬢の塊の傍で様子を見るが、変わったところは見受けられない。

誰しも皆彼に熱い想いを持っているのが伝わってくる。恋をしている女は綺麗だ。

殿下のまわりにいる令嬢はみんなキラキラしており、恋をしたことのない私は、それが素直に羨ましくなった。






「エミリアンヌ。お前は殿下の魅力はなんだと思う。」

「突然なんですか。」

「いいから。」

「……人の痛みも弱みも理解してくれるところだと思いますわ。

民を心から思い、自分を犠牲にする事も厭わない…

そんな彼の優しさは長所であり短所なことは分かっています。
面白味のない答えかもしれませんが、私はそんな殿下を尊敬していますわ。」

「ふっ。ちゃんとアイツ自身を見てそう考えるのであれば俺はとやかく言わないさ。」

「殿下の良さは沢山あります。言い表したらキリがありません。」





「そんなに想っているのに、するときに、乙女を捧げなかったのはどうしてだ?」


「…どうして今そんな話を…。」


「いいじゃないか。仕事はしているんだ。
たまには雑談だってするだろう。」


殿下の命が狙われているかもしれないというのに、そんな話をする余裕があるとは不思議なものだが、令嬢の塊からは、確かに不穏なものは感じない。



「殿下は私の義兄です。兄であり主人となる人に頼めることではなかったと思いますわ。」


「ほう…。隊長には頼めるとは不思議なものだな。」


あの時の私はそれを手放す為に色々考えたものだ。だが、あの時の私にはああするしか道はなかったと今でも思う。

「そうですかね。あの時の私には隊長しかいなかったと思いますが?」


「まあ、相性は良かったから俺はいいがな。その選択をしたこと、後悔しないようになるといいな。」

「…。」

そう私は、一人立ちをする日に処女を捨てた。


どんな仕事になるかも分からない私はそれを知っておく必要があったからだ。


ジッと殿下を見る。
私は彼と交わるなどと考えなかった訳ではない。彼のことだから大事に貰ってくれたことだろう。しかし、だからこそ、後腐れのない隊長へと委ねたのだ。

別に後悔はしていない。
誰かも分からないターゲットと初めてをヤるくらいなら隊長と、と私が決めたのだ。

だが、たまに、殿下には知られたくないと思ってしまう。




そう思いながら、私は殿下の周りの令嬢が途切れた事を見計らって前へと進んだ。



「え、エミリー?」

私が令嬢として挨拶をする前に、何も知らされていないのか、殿下は口を開いた。完全に彼に先を越されてしまった為、私は周りにバレてしまわないように話を無理やりすり合わせた。

「まあ、王太子殿下…私のことを覚えていてくださったのですか。嬉しいですわ。」

にこやかに挨拶をし、私はドレスの裾を摘んで綺麗に礼をした。

「お久しぶりで御座います。エミリアンヌ・カイルです。
今夜は殿下にお会いするのを楽しみにしておりましたの。」

うふふ。と口元に手を添えて笑うと、彼は惚けていた。

「グリニエル殿下。今宵は素敵な夜会となりますことを…。」

私の腰に手を添え、会話に入ってきたのは隊長だ。殿下はその手を見て眉を顰める。きっと設定を聞かせられていなかったのだろう。理解するのが難しいのかもしれない。

「ケインシュアか。」

。殿下は私のことを覚えていて下さったみたいですの。」

「おお、そうか。良かったな、エミリアンヌ。」

私は少し隊長に寄りかかり、うふふあははと笑いあえば、殿下は話を合わせてくれた。




「…まさかエミリアンヌがこの場に来るなんて思わなかったよ。(令嬢に紛れるとは思わなかったよ。)」

「あら、お兄様ったら、殿下に伝えてくださらなかったの?(殿下に設定を伝えていなかったのですか?)」

「美しく着飾った妹に気付いてくれるだろうかと思ったんだ。やはり殿下は気づいたようで、私も嬉しく思うよ。(美しく着飾ったくらいで、エミリーが分からないならこの先やっていけないぞ。)」


「ああ、そうだな。でも急だったから驚いてしまったよ。(設定を教えろ。)」

「うふふ。いやですわ、殿下ったら。私は貴方様の婚約者候補として来ましたの。今夜はよろしくお願い致しますわ。(私が近くにいることになります。)」

私がそう言うと、殿下はなるほど、と言うように頷いていた。



「それじゃ、エミリアンヌ。殿下に粗相をしないんだぞ。」

「ええ。お兄様、また後で。」

私がそう言うと、隊長は私の頬にキスをして去っていった。

そこまでしなくとも、誰も私達を疑ってはいないだろうに、と思いつつ、その頬を拭き取る訳にもいかない私は、そのまま殿下の近くに設けられた令嬢達の輪に溶け込んだ。


「まあ!綺麗なドレスですわね。」

「ええ、そうでしょう。今日の為に作らせたドレスですの。これならば今夜、殿下は私の部屋に参られる事ですわ。」

各々今日の為に意気込んでいるのが伝わってくる。たまに蹴落としのような会話も繰り広げられているのだが、社交界ではよくあることなので、私は右から左へと聞き流していた。


それよりも私は殿下に気を配る必要がある。どんな事も見落としてはいけない。それがもしかしたら命に関わることかもしれないからだ。


見たところ今のところは問題はない。
貴族たちとの挨拶をしており、相手は手もみをする程、殿下に媚びている。

あの様子ならば命を狙うような者ではないだろう、と周囲を見る。

パーティーは既に終わりへと差し掛かっている。それなのに何も起こらない。

もしかして杞憂だったのだろうか。
それならばそれでいい。

わざわざ命を晒されることなど望んではいないのだ。

すると具合の悪そうな令嬢が目に入った。ハンカチで口元を押さえ、更にそれを隠すように扇子を手にしている。

そうまでして皇太子殿下の御目にかかりたいというのは分かる。
今まで婚約者という話すら出なかった人が、急にこのようなパーティーを開けば、狙う者数多だ。

たとえ具合が悪くともこの機会を逃すようでは婚約者には選んでもらえない。

凄い根性だわ。と感心していると、その令嬢は真っ直ぐに殿下の元へと向かっている。


それに私は違和感を感じた。

具合が悪いにしては足取りに迷いがない。私はそのまま考える前に動く。

誰の視線も受けないように歩き、殿下の前へと急ぐ。

するとその令嬢は手に持っていたハンカチを口から離し、それを殿下の口元へと伸ばした。

咄嗟に彼と令嬢の間に立ち、それを手で払い退けて耳元に一撃入れた。

私の得意とするものは武術であって、小柄な事も相まってか、誰の目にも映らないと言われている。

その動きを終える頃、私の腕中では令嬢が気を失い、ハンカチは床へと落ちていた。


周りではガヤガヤと何が起こったのかと騒ぎ立つ。そして私は口を開いた。


「申し訳ありません、殿下。
私の友人が緊張のあまり気を失ってしまいましたの。大変失礼な格好で申し訳ないのですが、このまま失礼させて頂きますわ。」

私がそう説明すると、周りの貴族たちはそういうことかと納得し始めた。

「ああ。構わないよ。彼女にも部屋を用意してあるからそこで休ませてあげるといい。邸宅には連絡を入れさせることにするよ。」

「寛大な御処置に感謝申し上げます。
では、失礼致します。」

私の元へと隊長が来たが、私は手を貸さないで欲しいと首を振る。

何か甘すぎる香りが鼻を掠めるのだ。
この令嬢からしているのだと思う。

彼女に触れてしまっている私は仕方がないとしても、隊長の手を借りる訳にはいかない。

彼女の落としたハンカチを拾い上げ、用意されていた彼女の部屋へと向かった。


「パーティーも終盤だ。私はこれにて失礼する。約束を取り付けていたご令嬢には部屋が用意されているから、ゆっくり休んで行ってもらって構わないよ。」

殿下がそう言うと、令嬢達はキャッキャとし始める。きっと今から気に入った令嬢の部屋に行くのだろう。それで御手つきがあれば万々歳。王太子妃へと一歩近づくことができる。


私はその声を聞きながら令嬢を担ぐ。
会場を抜けてからは誰もいない事を確認して抱き方を変えた。

あまりにも細すぎる体。
少し青白い肌に目元の隈。
遠くから見たときは気付かなかったが、怪しむには充分すぎた。


私がそのまま令嬢の部屋へと向かうと、研究室にいるはずのサターシャが扉を開いてくれた。


「サターシャ、来てくれたのね。」

「ええ。大変だったわネ。そこに寝かせてくれるかしラ。」

サターシャは研究室で様々な魔導具を作っている人で、かなり頭がいい。
体は男でも心は乙女のかのじょは、私よりも女性らしかったりする。


「今から調べるから手を洗ってシャワーを浴びなさい。彼女に触れたドレスも触れないでいてね。着替えはシャワールームに置いておいたわ。」

私の着替えを研究室から持ってきておいてくれたのだろう。彼に持ってこられたと知っても嫌悪感などない。なんなら私の姉のように思っているくらいだから気にしようもないのだ。


「分かったわ。」

上のドレスを脱ぎ捨て、薄いドレスのまま手を洗う。そしてそのドレスも脱いでからシャワー室へと入った。
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