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謎の男出現!?

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「あっ、もうこんな時間。宙君、早く良くなって明日からまた学校に来てね。宇君なら、きっと家にいる頃だから。」

「今日は、お見舞いありがとう。宇のこと宜しくね。」

お見舞いで来た訳では、なかったのに。まあ、家を特定できただけの目的は果たせた。口が滑って、つい言いそうになってしまった。僕がこのゲームに参加した理由は、至って単純だ。都市の内情と、水星宙の秘密を知ること。それ以外の理由はない。

「ちょっと、そこの人間。流雫(りゅうな)総合校って知らない?」

「今、ちょうど向かう所です。宜しければ、ご同行しますよ。」

「ありがとう。」

この学校には、シリテスという校長がいると風の噂で聞いた。あの…、シリテスか。まさかな…。まあ、いい。用があるのは、あの書物だ。あれさえあれば、他はどうでもいい。こんな異世界を選べば、勘付かれずに済んだつもりか。どのみち、この世界の終末は確実に進んでいる。

「単刀直入に伺うが、シリテスという名の人間がこの世界にいるのか?」

いますと言ったら、シリテスの身に危険が迫るかもしれないし、ゲーム事態に支障をきたし兼ねない。ここは、嘘を付く必要がある。

「僕、そんな名前一度も聞いたことがありません。」

こいつ、嘘付いているな。あいつは、この世界に確かにいる。いや、正確にはいたというべきか。

「僕、流雫総合校の生徒なんです。謎多き学校という感じで気に入っていますが。」

「……そうか…。」
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