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一章 死後の世界に不法侵入⁉︎
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しおりを挟むもうすぐ私の番が回ってこようとしていた。
ドキドキと心臓の音がうるさいくらいなり続けている。
震える足をなんとか1歩。また1歩と前に進める。
まるで心が不安で埋め尽くされていくようだ。
いよいよ、私の順番が回ってきた。
スーツの男性の前に立つと、ぐんと心拍数が跳ね上がる。
言い渡される言葉を待つ緊張感が全身を駆け巡った。
――天国か、地獄か。
お願い、天国に行きたい。
心の中で祈りながら、目をぎゅっと瞑る。
暗闇の中、自分の心臓の音だけ聞こえてくる。そんな中、降りてきた言葉は想像していたものと違かった。
「……ん? 君、死亡予定者リストにいないよ?」
死亡予定者リスト?初めて聞いた言葉に、瞑っていた目をぱちっと開けた。
スーツの男性は、うーんと言葉に詰まりながら、なんだか困っているみたい。
「えっと?」
「困るんだよ、君みたいに死亡予定者リストに記載されてないのに、勝手に死なれるとさ……」
「いや、私だって、死にたくて死んだわけではないんですよ?」
「これから死亡手続きするから。はあ、面倒だなあ」
大きなため息を吐きながら、顔を歪めた。
死後の世界にも、死亡手続きとかあるの?
彼の言っていることが、一つもわからなかった。
聞きたいことは山ほどあったけど……。
眉間にしわを寄せて、怒っているような顔をしている彼に、聞ける勇気がなかった。
スーツの男性は険しい表情でなにか機械のようなものを操作している。
それは、現代でいうスマホみたいにタッチパネルで操作できる機械だった。
しばらく、その機械とにらめっこをしていた男性は、ゆっくりと口を開く。
「君、本当に死んでる?」
探るような目つきで私を見ている。足の先から頭のてっぺんまで視線で辿られた。
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