16 / 23
16 皇女と聖女(1)
しおりを挟む
公判が終わると、皇妃アデライードが南の離宮で病気療養をするという話は、すぐに皆が知るところとなった。
皇妃の取り巻きだった貴族たちも、すぐに手のひら返しをして皇女宮にご機嫌伺いに来たり、高価な贈り物をしたりしてくる。
わかりやすいおべっかを使ってくる者たちの対応に、ユレニアは飽き飽きした。
(まったく……人間なんて、冷たいものだわ。利用価値がなくなったら、皇妃様を見限るんだから)
そのような信用ならない者たちからの貢ぎ物は不要である。
すべての品を、侍女に言って返す手筈を整えた。
しかし、皇女宮の内部は以前より明るくなった気がする。それは、ユレニアから見てもいい変化だった。
軟禁が解けたヴェルナーは、心を入れ替えてユレニアに忠誠を誓うと言ってくれた。ヴェルナーのお目付け役のカールも、これまで以上の働きを見せてくれる。
皇女暗殺未遂事件の一連の捜査で活躍したアデウスには、褒美として領地と伯爵位を授与しよう、と前日の夜会で皇帝が側近と話していた。
「それくらいの爵位があれば、万が一、お前が彼と結婚したいと言い出しても支障にはならんだろう」
話題を自分に向けられて、ユレニアは頬を赤らめた。
一生、ルドヴィカが戻ってこないなら……自分に選択権があるとすれば、もちろんユレニアはアデウスを伴侶に選ぶだろう。
しかし、そういうわけにはいかない。
そろそろグラストン大神官が、こちらに到着する頃合いだからだ。
もし、ルドヴィカも彼に同行しているなら、体を交換して元通りに戻ることができる。
そうしたら……アデウスがもし領地を持つ貴族になったら、自分はどうすればいいのだろう、とユレニアは思い悩む。
彼女は、もとは孤児だった。聖女だということを除けば、所詮はただの平民。
それゆえ、アデウスの身分が高くなればなるほどに、遙か遠い存在になってしまう気がして寂しかった。
それを考えると、彼にとっての栄誉となることも、ユレニアは素直に喜ぶことができずにいる。
(……いつもは、こんな感じじゃないのになぁ……)
あまりに心が狭い自分を、ユレニアは嘆いた。
普段であれば、人の幸せを我が事のように喜ぶはず。それなのに……アデウスに関することだけは、なぜか心が乱されてしまう。
あれこれと思い悩んでいるところに、侍女がやってきた。
「皇女殿下。グラストン大神官様が謁見を願い出ております……何やら、殿下から手紙をいただいたとのことで」
それを聞いて、ユレニアは立ち上がった。
「客間にお通しして。すぐに、お会いするから」
いよいよ、待ちに待った時がやってきたのだ。
ユレニアが客間に入ると、そこには神官と聖女……自分の肉体の中にルドヴィカが入っている聖女がいた。
「お手紙をいただきましてありがとうございます、皇女殿下」
よそよそしい大神官の挨拶と合わせて、聖女も恭しくドレスの裾を摘んで挨拶をしてきた。
そんな二人を見て、ユレニアは苦笑した。
「人払いは済ませてありますわ、大神官様。わたくしが殿下ではないことは、ご存じでいらっしゃるでしょう?」
「……申し訳ございませんでした、聖女様」
大神官は床の上に膝をついて、ユレニアに謝ってきた。
「神聖力を取り戻す眠りに入られている聖女様のお力を借りてしまって……しかも、魂が誤って交替する事態になり、さぞかし大変な目に遭ったでしょう……!」
「神官様、そんなにかしこまらないでください。こうして、遠路はるばる教皇領から足を運んでくださったのです。何も咎めることはございませんわ」
ユレニアは、神官の後ろに立っているルドヴィカに視線を移す。
銀色の癖のない髪、淡い青の澄んだ瞳、それに可憐な顔立ちと華奢な肢体……見た目だけであれば、鏡の中に映っていた自分とそっくりそのままだ。
しかし、その双眸に宿る生命力に溢れる光は、きっとルドヴィカ生来のものだろう。
全身から、高貴さと強い意志が漲っているように思えた。
「だって、皇女殿下がこちらにいらっしゃったということは、元通りに体を戻せるということですものね」
そう微笑んだユレニアに、ルドヴィカは頬にかかった髪を指先で払いながら頷いた。
「もちろん、そうしていただきたいわ。わたくしも早く、この皇女宮と『薔薇の園』を取り戻したいもの」
声は自分のものであっても、話し方が違うとこうも高雅に感じる。
ユレニアは同性ながら、うっとりとしてしまった。
「……皇女殿下の意識を取り戻すことを優先したため、こんな事態になってしまい申し訳ございません。あの古代の秘術に、まさかこのような副作用があるとは……! 明日には、ディズレー枢機卿猊下が参りますので再度の儀式をして、お二人を元通りにするようにいたします」
大神官の言葉に、ようやくユレニアはほっとした。
「それはありがたいですわ、大神官様」
「枢機卿猊下が参りましたら、こちらの宮殿の一室をお借りして儀式をすることにいたしましょう」
この数週間というもの、様々なことがあったがそれも明日で終わり。
ユレニアは、平穏で心安らかに過ごせる場所に戻っていくのだ。
(……それが、一番いいんだわ……)
アデウスと再会したからこそ、ユレニアはここまで心が乱された。
しかし、物理的な距離が開けば……そして、アデウスが手の届かぬ存在になれば、あきらめることができるのではないか。
ユレニアは悲しそうな笑みを浮かべて、そう思った。
そんな彼女の表情を、ルドヴィカは瞳をきらめかせて見つめている。
「グラストン大神官様、少し聖女様と二人きりでお話をさせていただきたいの。席を外していただいてもよろしいかしら?」
「かしこまりました、皇女殿下」
部屋を出ていく大神官の後ろ姿を見送りながら、ユレニアは何事かと顔をひきつらせる。
そんな彼女に、ルドヴィカは軽やかに笑った。
「……あら、別に聖女様をいじめたいわけではありませんわ。たしかに、わたくしは周りからは悪女と言われているかもしれないけれど、そのほとんどが意地悪な継母が作った嘘なのですから」
聖女の姿ながら、すっかり自分の素を出して高飛車な口調に戻ったルドヴィカは、飲みかけのお茶が残っているソファーに座った。
「さあ、聖女様もおかけになって。せっかくですから、座ってお話しましょう……ああ、やっぱり宮殿の茶葉で淹れたお茶は芳しいこと。辺境のものは種類が違うので、この香りを嗅ぐのを心待ちにしていましたのよ」
「それは、まったく気づきませんでしたわ」
ユレニアは恥じ入るように答えながら、ルドヴィカの前の席につく。
「そうですの? 教皇庁の食事や喫茶とここで出されるものでは、かなりの差があると思いますけど」
「……もちろん、ここの食事が豪華だということはわかりますわ」
ユレニアは言い訳がましくそう言った。
たしかにそれはそうだが、彼女にとって食事は生命の火を繋ぎ続けるための燃料であり、執着すべきものではない。
しかも、ここで皇女を装わねばならない日々の中、豪奢な食事や香り高いお茶をゆっくり味わっている余裕など無いに等しかった。
いつも、何かしら演技をせねばならず、そうでないときはアデウスへの想いに悩み、自分の在り方に悩んできたのだから。
「そうですか……聖女様と私の神聖力の質は似ている、と神官様はおっしゃっていたけれど、私が見たところけっこう違うようですわね」
ルドヴィカは、そんなユレニアを見て笑った。
「聖女様は素晴らしい神聖力をお持ちでいらっしゃいますけれど、治癒能力に特化しているようにお見受けいたします」
「そうでしょうね。皇女殿下は、それ以外のお力をお持ちでいらっしゃるのですか?」
興味本位でそう尋ねると、ルドヴィカは意地悪な笑みを浮かべた。
「そうですわね……読心術もできますわ。わざわざ、聖女様と二人で話したかったのは、そのせいもあるのです」
「え……っ!?」
読心術と聞いて、ユレニアは冷や汗をかく。
ルドヴィカの前で、何かまずいことを考えてしまっただろうか、と思いを巡らすがもう遅かった。
それは、彼女に言い当てられてしまったから――。
「……ユレニア聖女様は、わたくしの騎士に恋心を抱いていらっしゃるのね?」
皇妃の取り巻きだった貴族たちも、すぐに手のひら返しをして皇女宮にご機嫌伺いに来たり、高価な贈り物をしたりしてくる。
わかりやすいおべっかを使ってくる者たちの対応に、ユレニアは飽き飽きした。
(まったく……人間なんて、冷たいものだわ。利用価値がなくなったら、皇妃様を見限るんだから)
そのような信用ならない者たちからの貢ぎ物は不要である。
すべての品を、侍女に言って返す手筈を整えた。
しかし、皇女宮の内部は以前より明るくなった気がする。それは、ユレニアから見てもいい変化だった。
軟禁が解けたヴェルナーは、心を入れ替えてユレニアに忠誠を誓うと言ってくれた。ヴェルナーのお目付け役のカールも、これまで以上の働きを見せてくれる。
皇女暗殺未遂事件の一連の捜査で活躍したアデウスには、褒美として領地と伯爵位を授与しよう、と前日の夜会で皇帝が側近と話していた。
「それくらいの爵位があれば、万が一、お前が彼と結婚したいと言い出しても支障にはならんだろう」
話題を自分に向けられて、ユレニアは頬を赤らめた。
一生、ルドヴィカが戻ってこないなら……自分に選択権があるとすれば、もちろんユレニアはアデウスを伴侶に選ぶだろう。
しかし、そういうわけにはいかない。
そろそろグラストン大神官が、こちらに到着する頃合いだからだ。
もし、ルドヴィカも彼に同行しているなら、体を交換して元通りに戻ることができる。
そうしたら……アデウスがもし領地を持つ貴族になったら、自分はどうすればいいのだろう、とユレニアは思い悩む。
彼女は、もとは孤児だった。聖女だということを除けば、所詮はただの平民。
それゆえ、アデウスの身分が高くなればなるほどに、遙か遠い存在になってしまう気がして寂しかった。
それを考えると、彼にとっての栄誉となることも、ユレニアは素直に喜ぶことができずにいる。
(……いつもは、こんな感じじゃないのになぁ……)
あまりに心が狭い自分を、ユレニアは嘆いた。
普段であれば、人の幸せを我が事のように喜ぶはず。それなのに……アデウスに関することだけは、なぜか心が乱されてしまう。
あれこれと思い悩んでいるところに、侍女がやってきた。
「皇女殿下。グラストン大神官様が謁見を願い出ております……何やら、殿下から手紙をいただいたとのことで」
それを聞いて、ユレニアは立ち上がった。
「客間にお通しして。すぐに、お会いするから」
いよいよ、待ちに待った時がやってきたのだ。
ユレニアが客間に入ると、そこには神官と聖女……自分の肉体の中にルドヴィカが入っている聖女がいた。
「お手紙をいただきましてありがとうございます、皇女殿下」
よそよそしい大神官の挨拶と合わせて、聖女も恭しくドレスの裾を摘んで挨拶をしてきた。
そんな二人を見て、ユレニアは苦笑した。
「人払いは済ませてありますわ、大神官様。わたくしが殿下ではないことは、ご存じでいらっしゃるでしょう?」
「……申し訳ございませんでした、聖女様」
大神官は床の上に膝をついて、ユレニアに謝ってきた。
「神聖力を取り戻す眠りに入られている聖女様のお力を借りてしまって……しかも、魂が誤って交替する事態になり、さぞかし大変な目に遭ったでしょう……!」
「神官様、そんなにかしこまらないでください。こうして、遠路はるばる教皇領から足を運んでくださったのです。何も咎めることはございませんわ」
ユレニアは、神官の後ろに立っているルドヴィカに視線を移す。
銀色の癖のない髪、淡い青の澄んだ瞳、それに可憐な顔立ちと華奢な肢体……見た目だけであれば、鏡の中に映っていた自分とそっくりそのままだ。
しかし、その双眸に宿る生命力に溢れる光は、きっとルドヴィカ生来のものだろう。
全身から、高貴さと強い意志が漲っているように思えた。
「だって、皇女殿下がこちらにいらっしゃったということは、元通りに体を戻せるということですものね」
そう微笑んだユレニアに、ルドヴィカは頬にかかった髪を指先で払いながら頷いた。
「もちろん、そうしていただきたいわ。わたくしも早く、この皇女宮と『薔薇の園』を取り戻したいもの」
声は自分のものであっても、話し方が違うとこうも高雅に感じる。
ユレニアは同性ながら、うっとりとしてしまった。
「……皇女殿下の意識を取り戻すことを優先したため、こんな事態になってしまい申し訳ございません。あの古代の秘術に、まさかこのような副作用があるとは……! 明日には、ディズレー枢機卿猊下が参りますので再度の儀式をして、お二人を元通りにするようにいたします」
大神官の言葉に、ようやくユレニアはほっとした。
「それはありがたいですわ、大神官様」
「枢機卿猊下が参りましたら、こちらの宮殿の一室をお借りして儀式をすることにいたしましょう」
この数週間というもの、様々なことがあったがそれも明日で終わり。
ユレニアは、平穏で心安らかに過ごせる場所に戻っていくのだ。
(……それが、一番いいんだわ……)
アデウスと再会したからこそ、ユレニアはここまで心が乱された。
しかし、物理的な距離が開けば……そして、アデウスが手の届かぬ存在になれば、あきらめることができるのではないか。
ユレニアは悲しそうな笑みを浮かべて、そう思った。
そんな彼女の表情を、ルドヴィカは瞳をきらめかせて見つめている。
「グラストン大神官様、少し聖女様と二人きりでお話をさせていただきたいの。席を外していただいてもよろしいかしら?」
「かしこまりました、皇女殿下」
部屋を出ていく大神官の後ろ姿を見送りながら、ユレニアは何事かと顔をひきつらせる。
そんな彼女に、ルドヴィカは軽やかに笑った。
「……あら、別に聖女様をいじめたいわけではありませんわ。たしかに、わたくしは周りからは悪女と言われているかもしれないけれど、そのほとんどが意地悪な継母が作った嘘なのですから」
聖女の姿ながら、すっかり自分の素を出して高飛車な口調に戻ったルドヴィカは、飲みかけのお茶が残っているソファーに座った。
「さあ、聖女様もおかけになって。せっかくですから、座ってお話しましょう……ああ、やっぱり宮殿の茶葉で淹れたお茶は芳しいこと。辺境のものは種類が違うので、この香りを嗅ぐのを心待ちにしていましたのよ」
「それは、まったく気づきませんでしたわ」
ユレニアは恥じ入るように答えながら、ルドヴィカの前の席につく。
「そうですの? 教皇庁の食事や喫茶とここで出されるものでは、かなりの差があると思いますけど」
「……もちろん、ここの食事が豪華だということはわかりますわ」
ユレニアは言い訳がましくそう言った。
たしかにそれはそうだが、彼女にとって食事は生命の火を繋ぎ続けるための燃料であり、執着すべきものではない。
しかも、ここで皇女を装わねばならない日々の中、豪奢な食事や香り高いお茶をゆっくり味わっている余裕など無いに等しかった。
いつも、何かしら演技をせねばならず、そうでないときはアデウスへの想いに悩み、自分の在り方に悩んできたのだから。
「そうですか……聖女様と私の神聖力の質は似ている、と神官様はおっしゃっていたけれど、私が見たところけっこう違うようですわね」
ルドヴィカは、そんなユレニアを見て笑った。
「聖女様は素晴らしい神聖力をお持ちでいらっしゃいますけれど、治癒能力に特化しているようにお見受けいたします」
「そうでしょうね。皇女殿下は、それ以外のお力をお持ちでいらっしゃるのですか?」
興味本位でそう尋ねると、ルドヴィカは意地悪な笑みを浮かべた。
「そうですわね……読心術もできますわ。わざわざ、聖女様と二人で話したかったのは、そのせいもあるのです」
「え……っ!?」
読心術と聞いて、ユレニアは冷や汗をかく。
ルドヴィカの前で、何かまずいことを考えてしまっただろうか、と思いを巡らすがもう遅かった。
それは、彼女に言い当てられてしまったから――。
「……ユレニア聖女様は、わたくしの騎士に恋心を抱いていらっしゃるのね?」
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説

「この結婚はなかったことにしてほしい、お互いのためだ」と言われましたが……ごめんなさい!私は代役です
m
恋愛
男爵家の双子の姉妹のフィオーリとクリスティナは、髪色以外はよく似ている。
姉のフィオーリ宛にとある伯爵家から結婚の申し込みが。
結婚式の1ヶ月前に伯爵家へと住まいを移すように提案されると、フィオーリはクリスティナへ式までの代役を依頼する。
「クリスティナ、大丈夫。絶対にバレないから!
結婚式に入れ替われば問題ないから。お願い」
いえいえいえ、問題しかないと思いますよ。
ゆるい設定世界観です

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが

【完結】巻き戻りを望みましたが、それでもあなたは遠い人
白雨 音
恋愛
14歳のリリアーヌは、淡い恋をしていた。相手は家同士付き合いのある、幼馴染みのレーニエ。
だが、その年、彼はリリアーヌを庇い酷い傷を負ってしまった。その所為で、二人の運命は狂い始める。
罪悪感に苛まれるリリアーヌは、時が戻れば良いと切に願うのだった。
そして、それは現実になったのだが…短編、全6話。
切ないですが、最後はハッピーエンドです☆《完結しました》
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

【完結】目覚めたらギロチンで処刑された悪役令嬢の中にいました
桃月とと
恋愛
娼婦のミケーラは流行り病で死んでしまう。
(あーあ。贅沢な生活してみたかったな……)
そんな最期の想いが何をどうして伝わったのか、暗闇の中に現れたのは、王都で話題になっていた悪女レティシア。
そこで提案されたのは、レティシアとして贅沢な生活が送れる代わりに、彼女を陥れた王太子ライルと聖女パミラへの復讐することだった。
「復讐って、どうやって?」
「やり方は任せるわ」
「丸投げ!?」
「代わりにもう一度生き返って贅沢な暮らしが出来るわよ?」
と言うわけで、ミケーラは死んだはずのレティシアとして生き直すことになった。
しかし復讐と言われても、ミケーラに作戦など何もない。
流されるままレティシアとして生活を送るが、周りが勝手に大騒ぎをしてどんどん復讐は進んでいく。
「そりゃあ落ちた首がくっついたら皆ビックリするわよね」
これはミケーラがただレティシアとして生きただけで勝手に復讐が完了した話。
拝啓、愛しの侯爵様~行き遅れ令嬢ですが、運命の人は案外近くにいたようです~
藤原ライラ
ファンタジー
心を奪われた手紙の先には、運命の人が待っていた――
子爵令嬢のキャロラインは、両親を早くに亡くし、年の離れた弟の面倒を見ているうちにすっかり婚期を逃しつつあった。夜会でも誰からも相手にされない彼女は、新しい出会いを求めて文通を始めることに。届いた美しい字で洗練された内容の手紙に、相手はきっとうんと年上の素敵なおじ様のはずだとキャロラインは予想する。
彼とのやり取りにときめく毎日だがそれに難癖をつける者がいた。幼馴染で侯爵家の嫡男、クリストファーである。
「理想の相手なんかに巡り合えるわけないだろう。現実を見た方がいい」
四つ年下の彼はいつも辛辣で彼女には冷たい。
そんな時キャロラインは、夜会で想像した文通相手とそっくりな人物に出会ってしまう……。
文通相手の正体は一体誰なのか。そしてキャロラインの恋の行方は!?
じれじれ両片思いです。
※他サイトでも掲載しています。
イラスト:ひろ様(https://xfolio.jp/portfolio/hiro_foxtail)

だいたい全部、聖女のせい。
荒瀬ヤヒロ
恋愛
「どうして、こんなことに……」
異世界よりやってきた聖女と出会い、王太子は変わってしまった。
いや、王太子の側近の令息達まで、変わってしまったのだ。
すでに彼らには、婚約者である令嬢達の声も届かない。
これはとある王国に降り立った聖女との出会いで見る影もなく変わってしまった男達に苦しめられる少女達の、嘆きの物語。

婚約破棄?結構ですわ。でも慰謝料は請求いたします
ゆる
恋愛
公爵令嬢アナスタシア・オルステッドは、第三王子アレンの婚約者だった。
しかし、アレンは没落貴族の令嬢カリーナと密かに関係を持っていたことが発覚し、彼女を愛していると宣言。アナスタシアとの婚約破棄を告げるが──
「わかりました。でも、それには及びません。すでに婚約は破棄されております」
なんとアナスタシアは、事前に国王へ婚約破棄を申し出ており、すでに了承されていたのだ。
さらに、慰謝料もしっかりと請求済み。
「どうぞご自由に、カリーナ様とご婚約なさってください。でも、慰謝料のお支払いはお忘れなく」
驚愕するアレンを後にし、悠々と去るアナスタシア。
ところが数カ月後、生活に困窮したアレンが、再び彼女のもとへ婚約のやり直しを申し出る。
「呆れたお方ですね。そんな都合のいい話、お受けするわけがないでしょう?」
かつての婚約者の末路に興味もなく、アナスタシアは公爵家の跡取りとして堂々と日々を過ごす。
しかし、王国には彼女を取り巻く新たな陰謀の影が忍び寄っていた。
暗躍する謎の勢力、消える手紙、そして不審な襲撃──。
そんな中、王国軍の若きエリート将校ガブリエルと出会い、アナスタシアは自らの運命に立ち向かう決意を固める。
「私はもう、誰かに振り回されるつもりはありません。この王国の未来も、私自身の未来も、私の手で切り拓きます」
婚約破棄を経て、さらに強く、賢くなった公爵令嬢の痛快ざまぁストーリー!
自らの誇りを貫き、王国を揺るがす陰謀を暴く彼女の華麗なる活躍をお楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる