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21 伯爵の嫉妬心
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広い部屋に残されたのは、俺とメディス伯爵の二人だけ――。
彼は無言のまま、自分の上着を脱いで俺の肩にかけてくれた。ドレスが切り刻まれてボロボロっていう半裸状態を、これでようやく脱することができたわけだ。
こうした気遣いは、とてもありがたかった。
ついさっきまで、好きでもない男に襲われかけていたのだ。紳士的な振る舞いをされると、安堵で涙腺が崩壊してしまうかもしれない。
(でも、でも……! もうちょっと前に、気にしてくれても良かったんじゃないの……!?)
なんて、恨みがましい気持ちも湧き上がってくるけれど。
「……サンキュ! さっきから、ずーっとずーっと、寒かったんだよねぇー!」
皮肉を込めた言葉に、伯爵は憮然とした表情に変わる。
「少々の我慢くらいは必要ではありませんか? おとなしく私の屋敷にいたら、こんな目に合わずにいられたものを」
「まぁ、そうだけどさ……」
しゅんとする俺に、彼の声は少しだけ穏やかなものに変わる。
「もちろん、君が脱走を図ることなど想定内でしたけどね。ユンには、万が一そんな素振りを見せたら、何がなんでも阻止しろと命じてありました。でも……」
「でも?」
「……やむをえない事情があれば、自分の命をかけても君を守るように、と」
バツが悪い気分で上目遣いに彼を覗き見ると、メディス伯爵はジロッと俺を睨み返してきた。
どうやら、俺が思っている以上にお怒りらしい。
「君って人は、本当に愚か者です……! どんなに私が心配したことか……」
怒りを理性で押し殺しているような声。
(意外……でも、ないか)
俺はうれしいような、そうでもないようなモヤモヤした気分になった。
自分のモノだと思っていたモルモットが、主が不在の間に逃げ出した。しかも、侯爵にヤラれそうな場面を目撃してしまったわけだ。
そりゃあ、俺だって伯爵と再会することがあれば、怒られるだろうとは思っていたさ。
伯爵が助けにこなかったら、俺は確実にヤラれていた。しかもヤツと「つがい」になり、運が悪ければ妊娠するっていう強烈な罰ゲームも待っていたかもしれない。
それを考えると、さすがにゾッとする……。
その最悪の事態は免れた。そのうえ、アリサや他の少女たちも、無事にもとの暮らしに戻れる。
メディス伯爵が動いてくれたお陰で、俺たちは助かったのだから礼くらいは伝えておくべきだろう。
「……ありがとう、メディス伯爵。助けてくれて」
「やけに素直ですね。キモチワルイですよ」
あからさまに顔をしかめたヤツの様子に腹が立つ。
俺も悪かったかもしれないけど、伯爵は俺をモルモット扱いしてるくせに生意気だ。
「はぁ? 気持ち悪いって、何それ。失礼じゃねーの!?」
「失礼なのはどっちですか? 王立研究所からの客人として、丁重におもてなしをしてあげていたのに! しかも、ユンを誘惑して一緒に逃げた君が、この私を失礼呼ばわりするなんて!」
「ゆ、うわく!?」
どこからそんな発想が生まれるのか、さっぱり理解できない。
呆然とする俺に、伯爵のほうは憤りを増している様子である。
「いったいどういう手を使って、ユンを誘惑したんです!? オランディーヌ侯爵とは未遂でしょうけど、ユンとは何日も一緒にいたわけですよね!? その間に、褥を共にしたわけじゃないですか!?」
たしかに、男同士なわけだし野宿も一緒にしたけれどそんな色っぽいことは何一つなかった。
俺とユンの間には、奇妙な共犯関係のようなものはあっても、それ以上でもそれ以下でもなかったのだ。
「まさか! さすがに、それは濡れ衣ってヤツだ!」
「じゃあ、ユンに聞いてもいいんですね!?」
「当たり前じゃんか!」
頬を膨らませて子どもみたいにヘソを曲げている伯爵に、俺はため息を漏らした。
(でもさ……これってもしかして、嫉妬ってやつじゃん?)
何度も否定してみたが、この状況でこの反応はけっこうあからさまじゃないか……?
たとえモルモットだとしても、こいつが俺にそれだけ執着しているって実感するのはいやな気分じゃない。
だって、そうだろう?
メディス伯爵は、俺が生まれて初めてセックスした相手……なのに、彼と過ごしたのはたった一晩だ。
だから、俺のことなんてどうでもいいんだろうって思っていた。
そこかしこに、伯爵の気配が染みついたあの城に居続けたら、寂しくて気が狂ってしまいそうだった。
もちろん、アリサを助けるという目的もあった。それが一番だったのはたしかだけど、あの城から離れたかったというのもあった。
だから……誰だって、憎からず思っている相手に執着を持たれていると知ったらうれしくないわけがない。
伯爵が俺に無関心じゃないとわかった途端、一転してニヤニヤが止まらなくなった。
「へー、そーなんだ。伯爵ってば、かっわいー!」
「うぁー、キモチワルイ! なんですか、いきなりニヤけて!!」
「わかってるんだもんねー。うひひひひ」
俺たちがギャーギャー騒いでいるところに、ユンがノックとほぼ同時に部屋に入ってきた。
「旦那様! 痴話喧嘩されているところ、失礼いたします!」
「ち、わ……!?」
「オランディーヌ侯爵を、二階の主寝室にお連れしました。ベランダの窓は外から塞ぎましたので、即席の牢獄としてお使いいただけるかと」
「よし、自害などされないように気をつけるんだぞ!」
「ははっ」
「王都への出発は、夜が明けてからだな。明日の早朝、街で兵糧を確保してから出発しよう」
俺を置き去りにして、二人はお仕事モードになっている。
不機嫌になって頬をふくらませるのは、今度は俺の番だった。
この件では、俺だって妹が被害にあったわけだ。完全に蚊帳の外だなんて許せない。
「ちょっとー! 俺とアリサたちはどーすんだよ!?」
俺の指摘に、メディス伯爵は少し驚いたようだ。
「言うまでもありません。君たち二人は、本来、私の屋敷に滞在するはずだったでしょう」
「ま、たしかに研究所じゃそう聞いていたけど、アリサは侯爵家にいたじゃないか! しかも、あんたの捜査の囮として……だろう?」
痛いところを突かれたのか、語調が弱まった。
「それは……申し訳ないと思っていますよ」
「じゃあ、俺たちに選択権を与えろよ!」
反論すると、伯爵は微かに俯いて言葉を噤んだ。
「……恐れながら、旦那様。囚われの女性たちの処遇について、どのようにお考えでしょうか? そのまま、勝手に帰れというのは、さすがに問題かと思いますが」
ユンの問いかけに、ヤツはようやく口を開く。
「もちろん、そんな酷いことはしない。陛下から、彼女たちが元の生活に戻るための準備金を預かっている。このマルトからの移動距離で調整して、彼女たちに分けてやってくれるか? もし、王都まで我々に同行したいという希望があれば、その者たちを連れていくのは問題ない。その場合は、供として女中二人をつけるように手配してやれ」
「了解いたしました」
ユンは、俺のほうをチラリと見た。
「旦那様、シェリル様はどうなさいますか? 先程のお話ではありませんが、シェリル様はもちろん、妹さんのご意向もあると思うのです」
「……そうだな……二人の意志を確認してから、お前が私に教えてくれ」
「え、ええ!? どういうことだよ!」
いきなり不機嫌をあらわにした伯爵は俺を一顧だにせず、部屋を出て行った。
「な、なんなんだよ、アイツ!!」
憤る俺を見て、ユンは肩を竦めて見せた。
「申し訳ございませんでした、シェリル様。つい、差し出がましい真似をしてしまって。正直、旦那様がああいったおとなげない反応をするとは思っていなかったもので……」
「やっぱ、おとなげないよなぁ!!」
勝ち誇ったような俺を見て、ユンは苦笑する。
「まぁ……シェリル様も似たような部分がおありなんでしょうね。つい、旦那様もムキになってしまうのでしょう。個人的には、すごくお似合いだと思います」
「はぁ!?」
ユンの笑みの意味がわからずに、俺は首を傾げた。
「ああ、重ね重ね失礼なことばかり……これ以上なにか失言をする前に、俺は退散するとしましょう」
彼は、そそくさと部屋を出て行った。
俺は、その場に立ち尽くしていた。伯爵がかけてくれた上着が、与えるぬくもりを感じながら……。
彼は無言のまま、自分の上着を脱いで俺の肩にかけてくれた。ドレスが切り刻まれてボロボロっていう半裸状態を、これでようやく脱することができたわけだ。
こうした気遣いは、とてもありがたかった。
ついさっきまで、好きでもない男に襲われかけていたのだ。紳士的な振る舞いをされると、安堵で涙腺が崩壊してしまうかもしれない。
(でも、でも……! もうちょっと前に、気にしてくれても良かったんじゃないの……!?)
なんて、恨みがましい気持ちも湧き上がってくるけれど。
「……サンキュ! さっきから、ずーっとずーっと、寒かったんだよねぇー!」
皮肉を込めた言葉に、伯爵は憮然とした表情に変わる。
「少々の我慢くらいは必要ではありませんか? おとなしく私の屋敷にいたら、こんな目に合わずにいられたものを」
「まぁ、そうだけどさ……」
しゅんとする俺に、彼の声は少しだけ穏やかなものに変わる。
「もちろん、君が脱走を図ることなど想定内でしたけどね。ユンには、万が一そんな素振りを見せたら、何がなんでも阻止しろと命じてありました。でも……」
「でも?」
「……やむをえない事情があれば、自分の命をかけても君を守るように、と」
バツが悪い気分で上目遣いに彼を覗き見ると、メディス伯爵はジロッと俺を睨み返してきた。
どうやら、俺が思っている以上にお怒りらしい。
「君って人は、本当に愚か者です……! どんなに私が心配したことか……」
怒りを理性で押し殺しているような声。
(意外……でも、ないか)
俺はうれしいような、そうでもないようなモヤモヤした気分になった。
自分のモノだと思っていたモルモットが、主が不在の間に逃げ出した。しかも、侯爵にヤラれそうな場面を目撃してしまったわけだ。
そりゃあ、俺だって伯爵と再会することがあれば、怒られるだろうとは思っていたさ。
伯爵が助けにこなかったら、俺は確実にヤラれていた。しかもヤツと「つがい」になり、運が悪ければ妊娠するっていう強烈な罰ゲームも待っていたかもしれない。
それを考えると、さすがにゾッとする……。
その最悪の事態は免れた。そのうえ、アリサや他の少女たちも、無事にもとの暮らしに戻れる。
メディス伯爵が動いてくれたお陰で、俺たちは助かったのだから礼くらいは伝えておくべきだろう。
「……ありがとう、メディス伯爵。助けてくれて」
「やけに素直ですね。キモチワルイですよ」
あからさまに顔をしかめたヤツの様子に腹が立つ。
俺も悪かったかもしれないけど、伯爵は俺をモルモット扱いしてるくせに生意気だ。
「はぁ? 気持ち悪いって、何それ。失礼じゃねーの!?」
「失礼なのはどっちですか? 王立研究所からの客人として、丁重におもてなしをしてあげていたのに! しかも、ユンを誘惑して一緒に逃げた君が、この私を失礼呼ばわりするなんて!」
「ゆ、うわく!?」
どこからそんな発想が生まれるのか、さっぱり理解できない。
呆然とする俺に、伯爵のほうは憤りを増している様子である。
「いったいどういう手を使って、ユンを誘惑したんです!? オランディーヌ侯爵とは未遂でしょうけど、ユンとは何日も一緒にいたわけですよね!? その間に、褥を共にしたわけじゃないですか!?」
たしかに、男同士なわけだし野宿も一緒にしたけれどそんな色っぽいことは何一つなかった。
俺とユンの間には、奇妙な共犯関係のようなものはあっても、それ以上でもそれ以下でもなかったのだ。
「まさか! さすがに、それは濡れ衣ってヤツだ!」
「じゃあ、ユンに聞いてもいいんですね!?」
「当たり前じゃんか!」
頬を膨らませて子どもみたいにヘソを曲げている伯爵に、俺はため息を漏らした。
(でもさ……これってもしかして、嫉妬ってやつじゃん?)
何度も否定してみたが、この状況でこの反応はけっこうあからさまじゃないか……?
たとえモルモットだとしても、こいつが俺にそれだけ執着しているって実感するのはいやな気分じゃない。
だって、そうだろう?
メディス伯爵は、俺が生まれて初めてセックスした相手……なのに、彼と過ごしたのはたった一晩だ。
だから、俺のことなんてどうでもいいんだろうって思っていた。
そこかしこに、伯爵の気配が染みついたあの城に居続けたら、寂しくて気が狂ってしまいそうだった。
もちろん、アリサを助けるという目的もあった。それが一番だったのはたしかだけど、あの城から離れたかったというのもあった。
だから……誰だって、憎からず思っている相手に執着を持たれていると知ったらうれしくないわけがない。
伯爵が俺に無関心じゃないとわかった途端、一転してニヤニヤが止まらなくなった。
「へー、そーなんだ。伯爵ってば、かっわいー!」
「うぁー、キモチワルイ! なんですか、いきなりニヤけて!!」
「わかってるんだもんねー。うひひひひ」
俺たちがギャーギャー騒いでいるところに、ユンがノックとほぼ同時に部屋に入ってきた。
「旦那様! 痴話喧嘩されているところ、失礼いたします!」
「ち、わ……!?」
「オランディーヌ侯爵を、二階の主寝室にお連れしました。ベランダの窓は外から塞ぎましたので、即席の牢獄としてお使いいただけるかと」
「よし、自害などされないように気をつけるんだぞ!」
「ははっ」
「王都への出発は、夜が明けてからだな。明日の早朝、街で兵糧を確保してから出発しよう」
俺を置き去りにして、二人はお仕事モードになっている。
不機嫌になって頬をふくらませるのは、今度は俺の番だった。
この件では、俺だって妹が被害にあったわけだ。完全に蚊帳の外だなんて許せない。
「ちょっとー! 俺とアリサたちはどーすんだよ!?」
俺の指摘に、メディス伯爵は少し驚いたようだ。
「言うまでもありません。君たち二人は、本来、私の屋敷に滞在するはずだったでしょう」
「ま、たしかに研究所じゃそう聞いていたけど、アリサは侯爵家にいたじゃないか! しかも、あんたの捜査の囮として……だろう?」
痛いところを突かれたのか、語調が弱まった。
「それは……申し訳ないと思っていますよ」
「じゃあ、俺たちに選択権を与えろよ!」
反論すると、伯爵は微かに俯いて言葉を噤んだ。
「……恐れながら、旦那様。囚われの女性たちの処遇について、どのようにお考えでしょうか? そのまま、勝手に帰れというのは、さすがに問題かと思いますが」
ユンの問いかけに、ヤツはようやく口を開く。
「もちろん、そんな酷いことはしない。陛下から、彼女たちが元の生活に戻るための準備金を預かっている。このマルトからの移動距離で調整して、彼女たちに分けてやってくれるか? もし、王都まで我々に同行したいという希望があれば、その者たちを連れていくのは問題ない。その場合は、供として女中二人をつけるように手配してやれ」
「了解いたしました」
ユンは、俺のほうをチラリと見た。
「旦那様、シェリル様はどうなさいますか? 先程のお話ではありませんが、シェリル様はもちろん、妹さんのご意向もあると思うのです」
「……そうだな……二人の意志を確認してから、お前が私に教えてくれ」
「え、ええ!? どういうことだよ!」
いきなり不機嫌をあらわにした伯爵は俺を一顧だにせず、部屋を出て行った。
「な、なんなんだよ、アイツ!!」
憤る俺を見て、ユンは肩を竦めて見せた。
「申し訳ございませんでした、シェリル様。つい、差し出がましい真似をしてしまって。正直、旦那様がああいったおとなげない反応をするとは思っていなかったもので……」
「やっぱ、おとなげないよなぁ!!」
勝ち誇ったような俺を見て、ユンは苦笑する。
「まぁ……シェリル様も似たような部分がおありなんでしょうね。つい、旦那様もムキになってしまうのでしょう。個人的には、すごくお似合いだと思います」
「はぁ!?」
ユンの笑みの意味がわからずに、俺は首を傾げた。
「ああ、重ね重ね失礼なことばかり……これ以上なにか失言をする前に、俺は退散するとしましょう」
彼は、そそくさと部屋を出て行った。
俺は、その場に立ち尽くしていた。伯爵がかけてくれた上着が、与えるぬくもりを感じながら……。
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