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第二章 ジャックポットの実入りは微妙

中村瑞希の常識

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 中村瑞希は、自分の部屋にいた。晩御飯を食べ終え、風呂に入り、部屋で教科書を目の前に椅子に座っていた。瑞希は、ここ最近の出来事について考えていた。2日前に教室の窓にUFOを見て、1日前に廊下で河童を見て、今日はまたUFOを、そしてグレイ型宇宙人を見た。昨日の河童があまりにも衝撃的で宇宙人は大したことが無く感じたが、
冷静になると家の近くにいた宇宙人も結構怖い。瑞希は、自分が念力を使えるようになった事と最近の体験が関係ないとは思えなかったが、だからと言ってどう関係があるのかと聞かれると、答えられる回答はなかった。
 瑞希は、部屋で椅子に座り、机に先週出された明日の授業までに終えなければならない予習を含めた宿題を開き、古い機種のポケットゲームをしている。ソフトは、三国志だ。隣の城を確実に落とすためにこれでもかと徴兵を繰り返しながら、最近の事を考える。だからと言って、マルチタスクができるわけではない。部屋は、壁に背を向け机を配置し、瑞希はゲームしながらも勉強しながらも部屋全体を見渡せるようにしていた。最初は壁際に机を配置していたのだが、なんとなくこの配置に変えた。以後、案外気に入って、今の配置を変えたことは無い。そんな部屋で、瑞希は人知れず恐怖体験のような目に遭った。
 瑞希は、目の前に落ち武者のような物体を見た。突然現れた。いや、はっきりと瑞希の目の前に落ち武者がいた。それは、瑞希の目には、幽霊やお化けといった薄く見えそうな透けて後ろの壁が見えそうな存在ではなく、はっきりと落ち武者に映った。瑞希は、「えっ」と声が出たが、意外にも冷静に落ち武者と目を合わせた。すると、落ち武者は口を開いた。「どうも、呂布です。」呂布とは、三国志に出てくる武将で、三国志の中でも別格に強い剛腕な武将で、今まで地球上に存在したホモサピエンスの中でも屈指の単純な強さを持つだろう存在だ。瑞希の目には、どういってもそのような存在には見えず、いかにも農民が戦場にたったのかなと思わせる者だった。そして、日本語で喋ったことも気になった。だがしかし、瑞希は、思わず「はぁ」と相槌を打った。落ち武者は、「僕も長らく幽霊をやっているんだが、なんていうか戦で活躍したらゲームになれるって言うなら、もっと頑張れば良かったと思うよ。」と言って消えた。瑞希は、何も言えず落ち武者を見送ったが、呂布に憧れるなんて農民出身ではなく武家の生まれだったのかなと思った。
 ふと、体を幽霊みたいに浮かせられるかなと思い試みたが体は浮かず、力が足りないと思った瑞希は、腕立て伏せを20本1セットを2回半やった。よく頑張ったと思った瑞希は、やらなければならない宿題をやらず、翌日先生に授業中に怒られ知らないうちに古文の点数が2点引かれた。
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