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第二章 ジャックポットの実入りは微妙

中村瑞希の初対面

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 中村瑞希は、念力を使えるようになってから、UMAと呼ばれる生き物に遭遇した。まだ、念力で何か非現実的な事をする前に、念力を超えるかもしれないくらいの不思議な出来事に遭遇した。念力が使えるようになってから身の回りで不思議なことが起き始めたのだが、特別実害があるわけではなかったから、瑞希はあまり気にしていなかった。念力でお菓子を持ち上げ口に運び、やっぱり面倒くさいなと思い、手を汚しながらお菓子を食べた。
 いつも通りの朝、歩いて最寄駅へ向かう。駅までの道のり、人気がほとんどないく一か月で1回人とすれ違えばいい直線箇所がある。決して細い道ではなく、2車線道路で途中にT字路もある。2車線道路と言っても車が両方から来たらどうするのだろうと疑問に思う細さだ。瑞希は、いつも通り、片側にしかない低木で横断を抑止されている歩道を通らず、車道のやや左寄りを歩く。すると、もう目を擦らなくてもはっきりと分かる。円盤型のUFOが、T字路のど真ん中にあることが分かった。
 UFOは、ハイエース2台分位の大きさだった。ここ二日、奇妙な体験をしたが、これもその一環なのか。瑞希は、とりあえず近づいてみる。瑞希より、少し背丈のあるUFOには、人が一人通れそうなドアが付いていた。周囲に人がいないか確認しながら、UFOの外観を確認するとサッカーボールくらいの大きさの窓があった。少しはばかられながら窓からUFOの中を覗いてみると宇宙人がいた。実は瑞希は、UMAの事や世界七不思議と呼ばれるようなものが意外と好きで、その宇宙人が何かすぐに分かった。グレイ型の宇宙人だった。グレイ型だからといって、どうのこうの語れる知識は、瑞希は持ち合わせていない。宇宙人は、瑞希の方を少し見てドアの方に向かった。窓越しに、ドアが開きその先の道路が見えることが分かる。瑞希は、後ずさりしながらも宇宙人が来るであろう方向へ目をやる。出てきた。瑞希より背は低い。目は、大きい。大きい目で瑞希の事をじっと見ている。瑞希は、軽く会釈をすると、反応はない。指一つ動かな。眉は無い。瑞希は、回れ右をし早歩きで駅へと向かった。途中2回程後ろを振り向き、曲がり角で曲がるときに横目でUFOの方を見たが、宇宙人は動かなかった。
 瑞希は、授業中、自分は偶然にも地球上に存在しない未知の薬でも口にしてしまったのかと思ったが、そんなわけはないと思いながら、消しゴムを念力で浮かし、まだ念力ができることを確認した。
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