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クッキー好きっ子

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 意地の張り合いは終わり、1人の脱落者も出さずに乗り越えた……いつか語る日が来るのか……

「ほれ!早く外を見せるのじゃ!」
「へいへい」

 小さな子を抱き抱え扉を開く。この扉を開くのはいつ以来の事か……

「久々のシャバだー!」
「帰ってきたー!」
「いえーい!」
「早く街をみたいのじゃー!」
「外は夜だ、明日案内してやるから我慢しなさい」
「……クッキーで手を打って構わないぞ?」
「偉そうに、クッキー食べたいなら食べたいって言えよ」
「むぅ、食べいのじゃ!」

 くそ!小さくなって中身がガキになってやがる。前はのじゃじゃなかったろうが!

「こら、あまりワガママ言うとあげませんよ」
「……うっさいヤンデレ1号」
「ちょっとあっち行きましょうか?」
「やじゃ!」
「トシさんを困らせるとお尻叩きの刑にします」
「……黙れストーカー1号」
「迷惑は掛けていません、少し住んでる所を知りたかっただけです」
「ほらほらみんな、こんな所で話してないで、リビング行こうよ!」
「来たなヤンデレ2号」
「本当トシお兄ちゃん以外には酷い口、トキはなんて呼ばれてもいいけど、トシお兄ちゃんに迷惑になる事したらすり潰ぶすよ?」
「トシを道連れにしてやるのじゃ!」
「この!」
「やるかー!行けトシ!」
「はいはいみんなストップだ、あんま酷い事ばかり言うとまた本気で怒るぞ、人の嫁に何言ってんだ?」
「ごめんなさい、わしが悪かったのじゃ……ソレもお嫁さん?」
「違います、成人していない子はダメです」

 当初10年の予定を15年に延長した。理由は最年少組が成人には届いたけど……色々あったのだ。そしてこのちびっ子、元女神ソレ、俺のせいで顕現してしまった、どうやら俺が魔力など体外に出せないのはソレが吸収していたらしい、俺から出るエネルギーを力の回復と若返りに設定し若返った姿で俺をビックさせる作戦で寝たと自白した、そして今回の猛特訓の度重なる暴走で許容範囲を大きく超えて若返り過ぎ、拒否しても送られてくるエネルギーに耐えられず顕現したと。

 そして嬉しいニュース、俺のスキルが結構判明した。嬉しいのはピークで成長が止まる事、これは契約者にも適用された。1番気になっていた俺が死んだらみんな死ぬ、は契約スキルとは別だった事だ!おとぎ話の女王は別のスキルで全員道連れにしたとかなんとか、しかもあれは契約スキルとは違かった。

「トシもう寝るのか?」
「どうすっかな」
「一緒に寝るのじゃ」
「やだよ、昨日は足の小指が鼻に入って起きたんだぞ、ソレ寝相悪すぎんだよ」
「今日は大丈夫じゃ」
「何回聞いたことか」
「ソレ、今日はこっちで寝なさい」
「ツンテールは抱きごごち悪いからやじゃ」
「トシ以外にしなさい、夜はトシの時間よ」
「ふん、少し胸が育ったってチビのままじゃ」
「ソレ?よく聞こえなかったのだけど?」
「灰の聖女に胸も負けて可哀想なのじゃ」
「ソレ?灰の聖女は誰の事?」
「あ!ママ!たすけてー!」
「だからなんで僕がママなの?!ママっぽい人いっぱいいるよ?」

 ちなみにソレが付けるあだ名はコロコロ変わる、現在ツンテールはアリア、灰の聖女はフィア、ママはリリィだ。

「みんな心が黒かったり、濁ったり、腐ったりしてるのじゃ、ママは結構綺麗なのじゃ」
「もう、酷い事言う子は知りません」
「あー!トシー!」
「あー、じゃない」
「ふん、帰るのじゃ」
「サクラ!」
「はっ!」
「くそ!離せ!トシの中に戻るのじゃ!」
「ダメです、プライバシーがあったもんではありません!」
「く!はーなーせー!さーくーらーはーなーせー!」
「悪い子は逃がしません」
「いた!痛い!糸が食い込む!巨乳!巨乳美少女!」
「……」
「痛い!さっきより痛いのじゃー!」
「サクラやりすぎるなよー、ソレも言い過ぎ」
「普通の少女?」
「そうじゃない、酷い事を言い過ぎ」
「だって……わしを差し置いていちゃいちゃするから……」
「普通に呼べよ、仲良くしろよ」
「それはそれ……糸が!痛いのじゃー!」
「ソレが悪いな」
「トシー!助けてなのじゃー!」
「サクラー、もう寝るからほどほどになー」
「はーい!」
「あー!」


 結局、鼻に小指が入った。
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