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番外編 第266回嫁会議(闇)

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「それでは第266回嫁会議を始めます」
「ほどほどになー」
「終わったら連絡するわ、のんびりお風呂につかってなさい」
「へーい」

……


「今回の議長は私〇〇です、よろしくお願いします、まず今回新規メンバー9名、1度にこの人数の参入は初めてなので発言がある方は挙手でお願いします。では初めに説明です、まずトシのスキルですがその対象になった者は、多大な恩絵を受ける代わりにリスクを背負います、トシが死んだ場合、対象者も死にます。そして、ここにいる全員がトシのスキル効果内である可能性が潜在します。恐らくですが貴方達はトシが好きでしょうがない状態となっているはずです。ですが全ての女性がこの状態になる訳ではありません、会議の末に出た結論としまして。1.トシに少しでも好意を抱く。2.男性経験がない。3.トシの匂いを嗅ぐ。この3つを満たした者はスキル効果を受けると考えています、が3の匂いを嗅ぐが足りない場合は状態が解除される可能性があります。今ならまだ引き返せます、中途半端な気持ちならここで退場した方が身の為と言っておきます、この先を聞いた上で裏切るような者はトシがなんと言おうが排除します。退席者はなし……ですね」
「はい」
「〇〇〇さんどうぞ」
「まどろっこしい事はいいです、どうしたら認められるんですか?できるだけ波は立てたくなりませんが私はあなた方全員を敵に回してもあの人のものになります」
「大丈夫よ、説明は終わり、ようこそ嫁連合へ」

 ……

「凄いね、あんな啖呵きったの〇〇〇が初めてだよ」
「すいません、興奮してしまって」
「確か前からの知り合いなのよね」
「一方的に見かけて喜んだり、朝見かけなくて落ち込んだりしてただけです」
「全然喋らなかったのは会えないショックなの?」
「違いますよ、あの人以外の男性に声を聞かせるのも嫌だっただけです。前髪で顔を隠しているのも同じ理由ですね」
「病んでるわね、〇〇、〇〇クラスに病んでるわ」
「〇〇さんと〇〇ちゃんもなんですか?」
「ええ、教えてくれると思うわよ」
「私は転生者、なんで死んだかわかる?」
「自殺ですか?」
「違うわ、現代医学では治せない病気よ」
「病気ですか?」
「恋煩い、原因だけどね」
「え?」
「親の転勤で会えなくなってしまって、日に日に苦しくなってね、病院で治るはずないのに入院して、でもそんな姿あの人に見せたくない、誰にも言える訳ない。そんな葛藤の中いつの間にかに本当に病気になって気が付いたらこっちに転生よ」
「病んでますね」
「知ってるわ、こっちにいれば必ずまた会えると信じて頑張ったわ」
「重症ですね」
「わかってるわ」


「〇〇ちゃんも病んでるんですか?」
「重症よ」
「〇〇ちゃんひどいー」
「自覚あるわよね?」
「うん」
「聞いてもいいんですか?」
「いいよー、〇〇はねトシお兄ちゃん大好きなの、前の世界ではどうやったら結婚できるかばっかり考えてたよ、考えてばっかだったから車にはねられちゃった。でも転生して嬉しかったの、これでお兄ちゃんと結婚できるもん」
「でもトシさんがなんて言うか、実の妹なんですよね?」
「この世界は考え方がシンプルで好き、弱肉強食、強ければ許される、トシお兄ちゃんより強くなればいいんだからね!」
「病んでるね」
「みんな似たり寄ったりだよ?〇〇〇ちゃんはちょっと違うかな?」
「〇〇〇ちゃん?何が違うんですか?」
「〇〇〇はね、孤児院の代表なんだ、お嫁さんになるには前例を作らないといけないの」
「本人は父親感覚なんだろうけど」
「そこも問題なんだ、〇〇〇に手出してくれたら他の子もなし崩しでいけそうなんだけど、〇〇、〇〇〇、〇〇〇、〇〇〇はまだ赤ちゃん産める身体じゃないから絶対ダメなんだ、〇〇ちゃんと〇〇〇ちゃん、〇〇〇と同じくらいの背なのにずるいよね」
「私は子供産める身体よ」
「あたしもです」
「だからもう少しの辛抱なんだよ、いっぱい食べていっぱい運動して早く大人になって大人にしてもらうんだ」
「そうだったんですか……」
「〇〇〇と〇〇〇はどうなの?」
「当分はこのままー、赤ちゃんは〇〇姉に任せる!」
「〇〇〇は一緒にいたいだけー赤ちゃんとかまだわかんない!」
「みんな随分しっかりした考えもってるんですね」
「あとで説明するつもりだったけど丁度いいわ、トシには肉体は成長しないけど時間経過がゆっくりの部屋を作るスキルがあるのよ、そこに何日もいたらね、見た目は子供、頭脳は大人の完成よ、子供の成長を甘く見てるトシには気がつかないけどね」
「〇〇は完全に耳年増だよー」
「〇〇〇もー」
「〇〇〇も、〇〇ちゃん達同い年なのにずるい!」
「……トシさんの前で演技をしてると?」
「トシはなんだかんだで前世と合わせて100年近くは生きているわ、あれがお爺さんの演技に見えるかしら?それと同じよ」
「納得しました。すいませんでした。」


「さてと他に質問がないなら次に進むわよ、大丈夫かしら?問題ないようね。次は大事な……大事な事よ、なにか報告ある人いるかしら?」
「はい」
「〇〇どうぞ」
「残念であり、嬉しくもある報告です」
「続きを」
「上がありました……赤の更に先が……」
「「「え?///」」」
「まじ?///」
「嘘でしょ……///」
「まだ黄色で気を失うのに赤の上だって?」
「上?赤が最終段階ではないって事?」
「あの!なんのお話ですか?凄い気になるんですが!?」
「そうね説明しないといけないわね、トシが変身するのは知ってるわよね?」
「初耳!変身!?本気?」
「ええ、普通のノーマル状態、通称茶。魔力を纏った状態、通称黄。闘気を纏った状態、通称オレンジ。魔闘気を纏った状態、通称黒。性魔闘気を纏った状態、通称赤。いままでこの5段階だと思われていたのよ」
「それでカズさんは茶とか言ってたのか……納得した」
「戦闘能力でい言えばノーマルより下でした」
「嫌な予感しかしないけど続きを」
「あれは……」


「〇〇〇!〇〇〇!凄い事思いついた!試していいか?」
「いいよ?今度はどんな事するの?」
「ちょっとまってな……こう……こう……これでどうだ!」
「……髪がピンク、なにそれ……」
「魔闘気にエロい感情混ぜると赤になるだろ?逆にエロい感情に魔闘気を注いだらどうなるかなーって」
「まって!全部の能力をエロに全振りって事!?」
「そうそう、そんな感じ」
「死なない?私死なないよね?黒でもすぐダメになるんだよ?赤だともう無理なんだよ?」
「ほかの子は指一本触れただけでダメだからなー」
「……やばそうだったらすぐやめてよね?」
「〇〇〇ありがとー!」
「……」
「エリクサー!エリクサーを早く!!!」


「って感じでした」
「……なんてものを開発させてんのよ」
「私のせいではないです」
「で?どうなの?大きさとかは?」
「それがですね、赤、黒に比べてかなり小さいです」
「え?それならいける?」
「曰く相手に合わせて変化するのでは?と、その相手が1番弱い形状になるはずです、一撃ですよ?一撃でもってかれました。」
「〇〇で一撃かー、ずん!って感じ?」
「いえ、ズッガン!!!って感じでしょうか?いままでとは別ものでした。あれはやばいとしか言えません」
「今度してもらおー」
「〇〇〇?エリクサー忘れずにね、できれば2本」
「〇〇〇は何だかんだ黒でも少し耐えれるのよね?」
「少しねー!」
「私はまだまだね」
「弱点関係は誰かないの?私達の不利が大きくなっただけよ!」
「はい!」
「〇〇〇!」
「この間チャイナ服?って服着たらトシ様凄かったです、オレンジなのに黒レベルになりました」
「違うのよ、またパワーアップさせてるじゃない!」
「あ」
「〇〇〇なにかあるの?」
「いえ、有利とは違います」
「話してちょうだい」
「わかりました。ショタの薬を無理矢理飲ませた時の話なのですが」
「……続けて」
「ショタ状態で黒になったのです、苛めすぎたのが原因だと思います、そのあとは抵抗虚しく最高でした」
「ショタトシを覚醒させてるんじゃないわよ!」
「…いままでオレンジまでしかならなかったから調子乗ってたのに」
「あれはあれでいいものですよ?」
「…期待しとく」
「他に!他にはないの?」
「はい!」
「〇〇〇!」
「えー参考になるかはわからないのですが、いつも飲んでいる成人になーるではなく、25歳になーるを飲んだ時の事です。なぜか悪戯心が働き25歳になーるの後にショタの薬を飲ませたのですが」
「続き!」
「25歳の見た目で中身がショタになり凄かったです」
「……」
「その後、薬が切れたので今度は先にショタを飲ませてから25歳になーるを飲ませたら逆になりました!」
「…効果が出てから更に飲ませたの?」
「はい」
「…そんな効果が……〇〇〇恐ろしい子……」
「ショタになるとちょっと気弱になるショタトシ様がドSショタトシ様にできるって事!?」
「はい、凄いでした」
「それはいいわね……違う!幅が広がっただけよ!」
「今更なんですがこの会議なんなんですか?」
「私達は全員同時でも先に潰れるのはこっちなのよ」
「まじですか!?」
「2段階変身を残してね」
「それで作戦会議なんですか……」
「あなた達にも期待しているわ、新しい視点が入れば攻略手段も……」
「無理だと思うなークテンクテンにされちゃうよ茶色で」
「最初からオレンジ、いえ黄色を引き出せたら上出来だと思いますわ」


「最後に私達は協力者でありライバルよ、トシは私達が争うことを極端に嫌うわ、でもトシの中での1番を譲るつもりはないの」
「でもトシさんが誰を1番なんてわからないですよね?」
「……一度、一度だけ口を滑らせた事があるのよ」
「誰が1番好きかをですか?トシさんが?」
「違うわ、トシのスキルには私達の名前が表示されるらしいの」
「名前……」
「その時の対象者は私含めて4人、トシはね「あれ?順番が変わってる、スキルの対象になった順番じゃなかったのか?」と言ったのよ、順番を聞き出そうとしたけど無理だったわ、それ以降その話題には決して触れないの」
「それにどんな意味が?」
「私達の考えでは2つのどちらかだと結論になったわ、トシが好きな順かトシを好きな順のどちらかだとね、トシは決して口には出さないけれどスキルを確認するたびに目にしているはずよ、誰が1番なのかを」
「でも私達にはわからないんですよね?」
「ええわからないわ、でも1つでも順位を落とす事を良しとする者がいると思うの?」
「それは……」
「結果がわからないランキング……終わりのない争いよ、けれど私達は努力しつづけるの、トシの為、自分の為にね」
「凄いですね」
「あなた達もいずれ気づくわよ、ちなみにこの会議の内容は絶対トシに知られてはならない、バラしたら嫁連合を破門になるわ、言っていい話もあるけど今日の内容は絶対にダメ、必ず墓までもっていきなさい。」


 こうしてトシの知る事はない会議は続いていく


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