契約スキルで嫁沢山！-男少女多な異世界を正常なる世界へ-

親父も両祖父も母さんの兄も弟も親父の弟もみんな……

　無事ログハウスに一泊し翌朝。

「これ本当に着ないとダメなんすか？」
「似合ってるぞ！」
「顔が全部隠れているのに似合ってるもないでしょ」
「なるべく正体がばれないようにってラグナに言われたろ？それにわざわざ超部屋に行って作ってくれたんだ着ないと悪いだろ」

　ヒカリが持ってきた大量のコス……変装道具は結局使わず、みんなで新しくわいわい作っていた。うちのメンバーは当然としてアヤコさんに光宙、太郎のパーティメンバーまで集まって……すごかった。一致団結した女子の悪乗りの怖さが身に染みた。

「それで帝国軍の動きはありそうか？」
「まだ入り口のところにいるっぽい、まだ寝てんのか？動いていないな」
「昨日大軍はいないって言ってましたよね？どのくらいの規模かわかりました？」
「俺の探知はそこまで性能が良くないんだぞ？でも30人以上50人未満くらいかな？」
「トシさんにはどう見えているんですか？」
「どうって言われてもなー……星みたいな感じか？魔力が大きいと光が強くなる感じ、そのせいで強いのがいると周りの魔力が隠れてしまう感じかな？それに魔力の制御がうまい奴とか隠されるとわからん」
「強い人います？」
「太郎と同じくらいのが5、6人？残りは全然だな、そのせいで人数わからないんだが」
「……大軍を動かす前に少人数と木こりで様子見ってところか？トシはどう思う？」
「距離的に魔の森に入るか入らないかって場所にいるからな、そんな感じじゃないか？でも無策ってわけじゃないだろ……また敵は馬鹿なのか？」
「トシ一応確認なんだけど、作戦は覚えてる？」
「正体をばらさない、敵は適当に痛めつけて追い返す、帝王の首を取るの３つだろ？覚えてる！」
「3つ目！3つ目違う！今回は俺リーダーだからお願いだ！暴走しないでくれ！」
「えーどうせ怒られるの俺だし大丈夫だろ？カズ、あんまり考えすぎると禿るぞ」
「くっ！……親父もじいちゃんも……じいちゃんは二人とも……母さんの兄も弟も……全員てっぺんが……唯一大丈夫だと思ってた親父の弟もでこが2倍になって……」

　あ、これはまずい……

「カズ大丈夫だ！」
「気休めはやめてくれ！いいんだ！……もう……いいんだ……」
「「……」」

　太郎と光宙は空気のようになっている。少しはフォローしてくれ……

「ん……なぁカズ？」
「……なんだ？」
「毛根が死んで髪が抜けて生えなくなるんだよな？」
「……それがどうした？」
「って事は毛根が死ぬ前に回復薬……ポーションとか定期的にかけてれば毛根は回復するんじゃないか？」
「！！！なんだって！！！！」

　カズのこんなでかい声は初めて聞いた。

「それで……これなんだが、何かわかるか？」
「この話の流れだとポーションか？でも色が市販のとは違くないか？」
「市場に流れているのはポーション、ハイポーション、極稀にハイポーション＋だな、これはな」
「うえ……ハイポーションの上って言ったらフルポーションか！？」
「正解だ、これはカズの髪に使ってくれ、切断した腕が元通りに生えるんだ、髪だって生えるはずだろ？」

　詳しい事は知らないが、生きていればほとんどの怪我が治るらしい、フィアの回復魔法みたいな物だとか。

「……トシさんフルポーションを髪に使わせようとしてるぞ」
「トシさんだからな、知らない人の怪我より友人のハゲの方が大事なんだろ？」
「だからって、確かフルポーションは材料を揃えるのが不可能で、今では遺跡やダンジョンで発見されるのを期待するしかないんだぞ」


　フルポーション……これは話すと長くなるんだが……